世界の終わり
            原作:フレドリックブラウン
            アランフィールド
             
             
             
 ジョーンズ教授は、なん年もの間、時間理論の研究に、携たずさわっていた。
「時間は、ある種のなんだ。私が設計したこの機械は、その場を自由
に操作することさえできるんだ」
 そう言って、教授は、ボタンを押した。
「これで、時間の流れは、逆になるはずだ・・・」
 
               ◇
 
 教室の一同は、一瞬、息をのんだが、すぐにざわつき始めた。
「なんだね、ジョアンナ君」と教授。
「先生、何事も起こってないようですけれども・・・」と、手を挙げた
生徒。
「それは、君が、時間という場の内側にいるからさ。時間の流れという
ものは、時間の場のひとつの属性にすぎん。

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 今、この機械は、過去から未来へ流れる時間の流れを逆にしたのだが、
場の内側にいる存在にとっては、すでに来てしまった未来は、過去に、
これから起ころうとする過去は、未来ととらえるしかない・・・それは、
あたかも」
 納得のいかない生徒たちは、さらに、ざわつき始めた。
「ジョアンナ君、君の顔が、今、鏡のように左右反対になってしまって
も、誰も気がつかないのと同じだよ。
 あるいは、地球の歴史において━━━なんどか起こっているように、
地球のN極とS極が瞬時に入れ替わっても、渡り鳥たちにとっては、な
んの支障もないのと・・・」
 ジョアンナは、納得がいかないままほほに手をおくと、今朝け さ右頬みぎほほに新
しくできたばかりのニキビがすっかり消えてしまっているのに気づいて
喜んだ。
 しかし、その喜びは、長く続かなかった。右頬みぎほほのニキビは、そっくり
そのまま、左頬ひだりほほに移動しただけだったからだ。






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