原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
presented by bilyzkid
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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NOVELYst AutogeNerating dimensional space
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◆◇◆更新ニュース◇◆◇
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一.
ゲストがひとりで使える専用サイト
をリリースしました。
ゲスト専用非公開サイト自動作成
(使える文字は半角の英数字と_のみ、6〜15文字)
上の入力欄にIDを指定し、自分用のゲストルームを作成。
公開しない(リンクを張られない)限り、他人は入れません。
(Google等あらゆる検索から守られます)
ゲストルームは、1人1ルームまででお願いします。
(複数作る場合は、同一IDにしてください)
9タイトル、ゲスト制限あり(nov:15KB、画像:120KBまで)
1タイトルあれば、15KB制限でも、novを分けて、開始
ページを%pag 20とずらすことで、いくらでも書けます。
URLを、ID_10桁番号の形で作成後、ゲストルームへ入り
ます。そのURLは、メモ帳かお気に入り登録にのみ記し、
他から一切リンクを張らないでください。(1か所でも
リンクを張ると、検索ロボットに無数に侵入されて、
公開しているのと同じことになります)
一)
試用版 ゲストルーム
は、プロトタイプとして保存。
(以下、略)
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京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス
[サイト 内 検索 or検索] ヒット 68 件です。
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星雲を越えて
/ST/StarTrek2016/
スポックが必要なんだろ?」
126
125
カークは、マッコイを見た。
「原始時代の医療器具だ!」と、マッコイ。
「ボーンズ!」と、カーク。マッコイを、手招きした。
「これが、プロトプレイザーだとしたら」と、マッコイ。「内出血が止
まるはずだ!そう望むよ!」
「みじめな心の薬は、希望のみ!」と、スポック。
「死の横で、シェイクスピアを引用してる」と、マッコイ。
◇
山岳地帯の敵の基地。
(つづく)
128
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人形の家で
/TZ/Miniature/
ぼくも、ずっと、孤独だ。母さんや妹
が、ぼくを理解しようと、努力してくれたけど、無理な話さ。ぼくを理
解できるのは、きみだけだ。ぼくらは、理解し合える。互いに助け合い、
愛し合える。もし━━━」
68
67
そのとき、館内に話し声がした。チャーリーは、人形の家の電気を消
した。
「閉館前に調べますから、隠れているとは、思えません」と、警備員。
懐中電灯を持っていた。
「可能性は、あるでしょう」と、精神科医。ひとりの警官と、マイラと
バディ、それに、チャーリーの母が同行していた。
「少しは。こちらです。電気を?」
「まだ、けっこう。お母さん、来てください!みなさんは、ここで、待
機を」
精神科医は、パークス夫人と、人形の家のある展示室のドアに立った。
「出てくるように、呼びかけて!」
「チャーリー!」と、母。
「大声で命令して!」
「母さんよ、出てきなさい!」
「もう一回!」
「今すぐ、出て
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失われた文明3永遠の生命
/FB3/Discovery3/
失われた文明3永遠の生命
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
20世紀に発見されたが失われた大きな発見の3番目は、永遠の生命
の秘密だった。
これは、はっきりしないが、モスクワのイバノビッチスメタコフスキ
ーという化学者が1978年に発見した。スメタコフスキーは、どのよ
うにして発見し、どのようにしてそれを試す前に有効なことを知ったの
かについての記録を残さなかった。2つの理由から、彼がそれを身が凍こお
るほど怖おそれていたからだ。
2
1
1
スメタコフスキーは、それを世界に発表することを怖おそれていた。自分
の政府にさえ、一度報告すれば、秘密はすぐに鉄のカーテンを漏れて、
世界に混乱をもたらすだろう。USSRはうまく処理できるだろうが、
ほかの野蛮で不道徳な国では、永遠の生命の薬は、たちまち人口爆
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ボディスナッチャー
/SY/BodySnatcher/
と、拡声器の声。「公会堂に集まって
ください」
子供たちが、スクールバスから、ふたりづつ手をつないで、建物に入
っていった。
「掲示板に配置先が、はってあります」
サヤを運んできた、トラックが2台止まって、サヤを運び出していた。
「周辺各地から、身内を迎えた者は、市役所に届出を」
「先生」と、子供のひとり。「なぜ、お昼寝するの?眠くないのに」
「出発する者は、次の合図に、注意してください」
◇
公衆衛生局のリサのオフィス。
「バスの発射時刻は、3時25分、4時25分、5時25分」
研究員たちが、白衣を着て、なにもせずに、じっとしていた。
リサは、イスに座って、実験器のツマミを調整した。
マシューは、リサに会いにきたが、リサの表情がないのを確認すると、
そのまま、出ていった。
マシューは、自分のオフィスで、新聞の切り抜きをした。終了時刻に
なって、みなが、出口に向かうと、マシューも列に加わった。リサの姿
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地球人は出ていけ
/FB1/KeepOut/
地球で生まれましたが、火星人の第1世代です」
もちろん、ぼくたちは、これらのほとんどを、すでに知っていた。
12
11
3
最後の1年が、もっとも楽しかった。そのときまでに、ドームの内側
の空気は、先生や世話人たちが住む、気圧の高い区画を除いて、外の空
気とそれほど変わらなかった。ぼくたちは、徐々に、より長い時間を、
外で過ごせるようになった。外は、開放的ですばらしかった。
最後の数か月は、男女で分けられていた壁も緩和された。ぼくたちは、
最後の日までは、つまり、完全な開放日までは、結婚できないとは言わ
れていたが、少しづつ、自分の相手をさがし始めた。ぼくの場合は、相
手を選ぶのは、難しくなかった。ずっと前から、相手を決めていて、彼
女の方も同じ気持ちだと確信していた。ぼくが、正しかった。
あしたは、ぼくたちが自由になる日だ。あした、ぼくたちは、火星人
になる。火星人その
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天使は淋しい道を行く
/TS/LonelyRoad/
「追ってくるのですか?」
「わかりません」
「でも、身分証をお持ちでしょう?リンコルンシティでも、あれで━━
116
115
━」
「あなたがいらしたから、あれで、済んだんですよ。もし、運転免許証
を見たら━━━」リチャードは、上着の内ポケットを見た。
「どうしました?」
「財布がなくなっている!」
「今朝、メイシンさんが、車のそばにいらしたわ」
トラックは、坂を下り、パトカーが追跡した。
「こんな車で、警察の車を振り切れるでしょうか?」
「どうでしょうね。でも、この先、カーブを2つ越えたら、車を脇にど
けて、森に逃げ込むこともできます」
トラックは、カーブを2つ越えたところで、右前輪がパンクして止ま
った。そこは、ちょうど、アンダースン保安官が、事故を起こしたトラ
ックを、調べている場所であった。
後ろから来たパトカーは、カーブの影から、急に現われたトラックに、
止まりきれずに衝突した
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3つの願い
/XF/JeSouhaite/
「たしかに、いいけど、でも、もっと、欲しいものがある」
レスリーは、真顔になって、アンソンの写真立てを見た。
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45
3
FBIの医療室。
スカリーが、白衣を着て、ハーバード大の研究者、3人を案内した。
「きっと、目を疑うわ」と、スカリー。「用意は、いい?いくわよ!」
スカリーは、アンソンを入れておいた、死体安置室の鍵をあけた。
安置台の上には、誰もいなかった。
「ああ、この人、透明なの」スカリーは、3人に説明した。「だから、
あ、はは━━━」
スカリーは、安置台の上に、手をのばした。なににも、触れなかった。
「変ね━━━」
スカリーは、奥まで、手をのばしても、なににも、触れなかった。
◇
ストークス家、朝。
レスリーは、食事しながら、目の前の、アンソンを見ていた。
ハエが飛び回っていて、アンソンの目の上にとまって、また、飛び回
った。
「もう、がまん
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“スペーステロリスト”ターナロス
/ST/DS9_1_1_2/
オドーは、シスコ中佐のオフィスへ入った。
「非常に興味深い客が来ました。デュラスとかいうクリンゴン人の生意
気な姉妹です」と、オドー。
「ルーサとベトールだな」と、シスコ中佐。
「ご存知でしたか?」
「クリンゴンの最高評議会を支配しようとして、内戦を引き起こした連
中だ。その後、姿を消していたが」
「保安記録を調べました。クリンゴンの危険人物リストに載っていまし
たよ」
「再起のために資金稼ぎをしていると噂に聞いたが、何をしにここへ?」
「さあ、クワークの店にいますが、ギャンブルはしてませんね。ふん、
食事するでもなし、ただ、ずっと、座っています」
「不審だな」
「いっそのこと、捕まえてクリンゴンに突き出しては、いかがでしょう
か?」
「オドー!」
「最高評議会を敵にまわしているんでしょ?」
「ここで法を犯したわけじゃない、無実のものに手は出せない」
「カーデシアがここを治おさめていた時なら、ああいう連中は、排除した」
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ファマドユニヴァース
/FB5/WhatMadUniverse/
なにかを作
っているのが見えた。作っていたのは、とんでもなく大きななにかで、
地球、彼自身の地球に戻ったら、サイエンスフィクション雑誌の表紙に
現われるようなものの完全修正版だった。バートン型分圧モーターだっ
た。彼が見たことがある回路図や方程式は、電子分野の表紙になってい
て、科学雑誌にあったものだった。
球体のメッキーは、ドッペルの肩のすぐ上で、作業の指揮をとってい
た。ケイスからは50フィートは離れていたが、ケイスにも、話し掛け
た。ケイスの心の内部に。見掛け上、メッキーは、距離が離れていても、
全く意に介さなかった。
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ケイスは、ひょっとすると、メッキーは、同時にひとり以上の者とテ
レパシーで会話しているのではないかという予感がした。それは、メッ
キーは彼と会話しながらも、ドッペルや部下たちにも指示を出していた
からだ。
「あんたには、もちろん、理解するのは難しい」と、
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アリスのルッグラン
/LC/AliceLooking/
子ジカの目に警戒心が現われ、つぎの瞬間、全速力で逃げていった。
◇
アリスは、子ジカが逃げてゆくのを見ていた。突然、仲のよい仲間を
失って、今にも泣き出しそうだった。
「でも、今は、自分の名前が分かる!」と、アリス。「少しホッとした
わ!アリスよ、アリス!2度と忘れたくないわ!さて、つぎは、指の方
向案内のどちらへ行けばいいの?」
この問題は、難しくはなかった。森を抜ける道は、1本だけで、2本
の指方向は同じだった。
「たぶん、うまくゆくわ!」と、アリス。「分かれ道に出て、2本の指
方向が違っていたとしても!」
そのようなことは、起こりそうになかった。アリスは、どんどん進ん
で、かなりな距離を進んだが、分かれ道ではいつも、2本の指方向が、
同じ方向を指していた。
ひとつは、
━━━テュデュルダムの家へ。
もうひとつは、
━━━テュデュルディの家へ。
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「たぶん」と
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八甲田 歩のスペースドライバー日誌
/RM/SpaceDriver/
交通公園
「近くで悪いんだけど」と、広尾の女性。
「天現寺インターの近くまで行って!」
「ここ左折してすぐ、パーキングのところで停めて!」
女性が降りると、親子連れ。
「バスに乗ったら、逆方向に曲がってしまって、いいかしら?」
「どうぞ」
「いつも目黒行きのに乗るんですけど、バスの案内の方がどれでも行く
って言うから、新橋行きのに乗ったら、全然逆の方に行くから」
「そうですね、逆かもしれませんね?」
10
9
「外苑西通り沿いなんですけど」
「バスの運転手さんが間違ったの?」と、男の子。
「運転手さんは間違ってないわよ、違うバスに乗ってしまっただけ」
「じぇったい、ここをこう曲がって、こう行って」
「意外とバスって、希望通り曲がってくれないものね」
「そうですね、この通り沿いですね?」
「そう、このあたりで停めてください」
男の子はぐっすり眠り込んでいた。
「あら、起きなさい!着いたわよ!
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幻の指揮官
/ST/VGR_6_1_4/
「スクリーンへ」と、ハリー。
◇
異星人の宇宙船。
「ほら、彼ですよ」と、担当のオペレータ。コンソールに映ったドクタ
ーを指さした。「気をつけて。とても、危険な男です」
監督官は、コンソールの正面に立つと、言った。
「この地域は、ヒエラルキーが支配している。船の資源とテクノロジー
を、引き渡してもらおう」
◇
ボイジャーのブリッジ。
「ドクター、いい?」と、ジェインウェイ。内部通信リンクで。「屈服
はしない。簡単には渡さない、と言って!」
「屈服はしないぞ」と、ドクター。「渡さない、と言って!」
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「なに?」と、監督官。
「いや、だから、簡単には、渡さない」と、ドクター。「100年後に
出直せ!私がいるかぎり、ムリだ!」
「アドリブは、なしよ!」と、ジェインウェイ。
「すいません」と、ドクター。
「抵抗すれば、双方が傷を負うことになる」と、監督官。「こちら
|
ふくろぅ3兄弟
/FB3/Owl/
アランフィールド
(寓話ぐうわ風にアレンジ)
プロローグ
ふくろぅ3兄弟は、お母さんふくろぅといっしょに、森の真ん中の木
のうろに住んでいた。
「子どもたち」と、お母さん。「昼間は、絶対に、ぜったいに、外へ出
てはだめですよ!子どもが外へ出られるのは、夜だけ!お日さまが照っ
てるあいだはダメ!」
「はぁい」と、3兄弟。口をそろえて。
しかし子どもたちは内心では、なぜだめなのか一度ためしてみたかっ
た。
2
1
1
昼間はお母さんが見張っていたので、できなかった。しかしある日、
少しのあいだお母さんが巣を留守にした。
「やってみよう!」と、長男。次男に。
「なにをためらってるのさ!」と、末っ子。
3兄弟は、うろから、明るい日射しのなかへ出た。ふくろぅの夜用の
目は、まぶしくてほとんど見えなかった。
長男は、となりの木の枝にすわって、明るい日射しに目をま
|
アンドロメダUの来訪者
/FB/AllGoodBems/
と、エルモ。
「レックス、あいつらは、サヨナラも言わずに行ってしまったのか?そ
れとも━━━」
「ぼくには、サヨナラを言ったよ。あんたには、エルモ、よくしてくれ
32
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て、感謝の気持ちを伝えたいと言っていたよ。あんたの脳内をチラって
見て、なにか、あんたがストーリーを書くことを、妨さまたげている、心理的
なブロックを取り除いたそうだよ。あんたは、前ほどではないにせよ、
また、書けるようになったよ。たぶん、いつも白い紙をみつめるだけの、
雪原せつげんをさまようような日々は、なくなるはずだよ」
「まるで、手品師のしわざだな」と、エルモ。「ところで、壊こわれた宇宙
船は、どうした?やつらは、それを残していったのだろ?」
「そうだよ。自分たちの体を、宇宙船から救い出して、体を修復ししゅうふくてか
らね。言っておくと、彼らは、ほんとうの、ベムだったよ。みんな、頭
は二つに、五本足。この五本足は、手
|
まだ終わりじゃない
/FB3/NotYet/
エピローグ
ミルウォーキースター新聞の編集室は、ローカルページの校正に追わ
れていた。校正係長のジェンキンスは、最後から2番目の欄の記事をど
うするかで迷っていた。
「ピート」と、ジェンキンス。「8番目の欄にもう1つ記事が入るよ!
36文字分くらいだ。入りそうなのが2つある。どっちにする?」
校正担当のピートは、長年の慣れで組版を逆に見てもさっと見ただけ
で、内容が分かった。
「大会の記事と動物園の記事ですか?大会のにしましょう!動物園の園
長が、サル島から昨夜サルが2匹いなくなったと考えている、という記
事を読んで、だれかの注意を引くと思います?」
(終わり)
12
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すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
/FB2/Reconciliation/
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
夜の外は、静かで、星がまたたいていた。けれど、室内は、殺気だっ
ていた。男と女が、数フィート離れて立ち、お互いを憎しみに満ちた目
で、にらみつけていた。
男のこぶしは、固く握られ、いまにもパンチを繰り出しそうであった。
女の指は、広げられ、かぎつめのようにカーブさせていた。しかし、ふ
たりとも、腕は、脇から離さなかった。ふたりとも、良識ある市民であ
った。
2
1
1
「キライよ」と、女。声が低くなった。「アンタのすべてがキライよ」
「キサマの方こそ。キサマの贅沢のために、さんざんしぼり取られたあ
げく、こっちには、もう、キサマのエゴのために、バカなものを買わさ
れるカネさえ残ってないんだ」
「それは、ウソよ。アンタだって、それがウソだってわかってる
|
フェルマーの予想
/RM/Fermat/
三百年前に証明されたんでは?」と、ジ
ェイク。「たしか、ダックス大尉が別証明にチャレンジしてるって」
「そのようね。証明自体は、中学生では難しすぎるし、私も理解できま
せん。今日のテキストは、やはり三百年前頃に書かれた未発表のもので、
Googolという検索サイトのキャッシングに残されていたものです」
「キャッシングって、ラチナムに換金するってことですか?」と、ノー
グ。
「そういうことではないでしょうね。なんらかのデータベースというこ
とらしいです」
4
3
「パッドに入っているテキストの最初の図形は?」と、ケイコ先生。
「はーい、ピタゴラスの定理です」と、ジェイク。
「そうです、直角三角形の斜辺の二乗が、他の辺の二乗の和に等しいと
いうものですね。次に書かれているのが」
6
5
|
ナッシングシリウス
/FB2/NothingSirius/
話さない方がいい。先に、急いで、宇宙船に戻ろう。ジョ
ニー、道路がなくても、帰り道は、分かるよな?」
ジョニーは、うなづいた。敬礼や船長と呼ぶことは、忘れた。
オレたちは、歩き始めた。誰も、しゃべらなかった。ジョニーの案内
を、オレは、心配してなかった。ジョニーは、オレたちが、テントのこ
とに触れなければ、大丈夫だろう。彼は、リストコンパスで、帰り道を
案内した。
道路のあった終点まで来ると、あとは、粘土の上に足跡が残っていた
ので、それをたどるのは、簡単だった。プロペラのある鳥がいた、紫の
茂みが見える丘まできたが、鳥も紫の茂みも、見当たらなかった。
しかし、宇宙船は、ちゃんとあった。最後の丘から、宇宙船は見えた。
出発したときと、まったく同じ姿で、まるで、我が家のように、見えた。
オレたちは、早足になった。
58
57
10
オレは、宇宙船のドアをあけた。ママとエレ
|
世界の終わり
/FB/TheEnd/
◇
教室の一同は、一瞬、息をのんだが、すぐにざわつき始めた。
「なんだね、ジョアンナ君」と教授。
「先生、何も起こってないようなんだけど━━━」と、手を挙あげた生徒。
「それは、君が、時間という場の内側にいるからさ。時間の流れという
ものは、時間の場のひとつの属性にすぎん。
今、この機械は、過去から未来へ流れる時間の流れを逆にしたのだが、
場の内側にいる存在にとっては、すでに来てしまった未来は、過去に、
これから起ころうとする過去は、未来と捉とらえるしかない━━━それは、
あたかも」
納得のいかない生徒たちは、さらに、ざわつき始めた。
「ジョアンナ君、君の顔が、今、鏡のように左右反対になってしまって
も、誰も気がつかないのと同じだよ。
あるいは、地球の歴史において━━━なんどか起こっているように、
地球のN極とS極が瞬時に入れ替わっても、渡り鳥たちにとっては、な
んの支障もないのと━━━」
ジョアンナは、納得がいかないまま頬ほほに手をおくと、今朝け さ、右頬みぎほほに新
しくできたばかりのニキビがすっかり消えてしまっているのに気づいて
4
3
喜んだ。
しかし、その喜びは、長く続かなかった。右頬みぎほほのニキビは、そっくり
そのまま、左頬ひだりほほに移動しただけだっ
|
ねずみ
/FB1/Mouse/
どこかの
34
33
星の人々に安全なように。それは、数日間、調査して、分かったんだ。
この世界は、自滅する寸前にあることが。必要なのは、あとひと押しだ
けだと。それで、それは、そのひと押しを加えた」
彼は、ひと呼吸した。
「頭を内側から操作して、それは、誰かに、大統領を暗殺させて、捕つかま
らせた。それは、ロシアの高官を銃撃させた。それは、イギリスの首相
を暗殺させた。それは、サクセス湖で、暴動をおこさせ、ミサイル基地
の兵士に、ミサイルを爆発させた。なんてことだ、ビューティ、この世
界は、あと1週間で、最終戦争に突入する。それを、実際に、やってし
まったんだ」
6
ビルは、窓に行って、ネコのやわらかい毛をなでた。そして、公園の
照明で浮かびあがる、対空砲に、眉をひそめた。
たしかに、その生命体は、それをやった。私が正しいとしても、彼を
止めることはできなかった。なぜなら、彼が、
|
天使が死ぬ時
/TS/TheHabit/
シスターは、やめて、イ
スにすわった。
48
47
「医者に診みせましたか?」
「お分かりになりましたの?やはり、先生には、隠せませんでしたね」
「医者に診みせましたか?」
「ええ、なんども」
「病名は?」
「パラサリタノ、アストロサイト━━━つまり、やさしく言えば、脳腫
瘍なのでしょ?」
「それで、どんな処置を?」
「まぁ、ここまで進行してしまったら、いったい、なにができるでしょ
う。医学書どおりの経過をたどっていますわ」
「シスター!」
「誰でも、いつかは、死にます。その時期を、前もって知っているのは、
いいことですわ。わたくしの場合、3月みつきと言われてから、だいぶたって
います。残念なことに、時間のないこと。するべきことは、それこそ、
山ほどあるのですが━━━さ、タールトンへ行きましょう。あなたには、
テーラー神父から、上着を借りてきます」
「しかし、非常線が━━━」
「先生、主が守ってく
|
暗黒の地球帝国
/ST/ENT_4_5_2/
別だ!デノビュラ人は、反乱に、加わってない!彼は、
残す」
「わたし、皇帝の妃にきさきなるの、初めてよ!勉強しておくこと、ある?」
「もう、十分、オレの役に立ってるさ」
◇
ディファイアントのブリッジ。
トゥポルは、技術ブースで、ディファイアントのデータを、ディスク
に抜き取っていた。
ドアがあいて、アーチャーが入ってきた。
「ガードナー元帥に、つなげ!」と、アーチャー。「伍長!トゥポル少
佐を、第2転送室に、ご案内しろ!」
トゥポルが、ブリッジを出ようとすると、軍曹が、トゥポルのナイフ
と銃を、奪った。
「これ以上、君に、この船のためにしてもらうことは、ない」と、アー
チャー。
スクリーンに、ガードナー元帥が映った。
「アーチャー!」と、ガードナー元帥。「いったい、なにが、起こって
いるというんだ?」
138
137
「私の進言を、ご覧に?」
「われわれ艦隊に、無条件降伏を
|
白日夢
/FB7/Daymare/
ロッドカクアは、悪さの原因がなにか、今、分かった。ボーグセン
がさっきやろうと言ったことは、いわゆる、バーガス歯車の影響下で、
聞かせられたことに近かった。それ以外、それ以外のなにものも、今、
108
107
ボーグセン補佐が言った内容を、彼にしゃべらせることはできない。ゴ
ードン教授の推理は、あらゆる点で、的中した。それ以外のなにも、こ
のような結果をもたらすことはあり得なかった。
◇
カクアは、木星の輝く夜を抜けて、盲目的に歩いた。彼のアパートも
過ぎた。まだ、そこへは帰りたくなかった。
セクター3シティの通りは、夜の遅い1時間にしては、混んでいた。
遅い?腕時計を見ると、軽く口笛を吹いた。今は、夜中でもなかった。
朝の2時で、この時間、普段なら通りに人はまったくいなかった。
しかし、今夜は違った。人々は、ひとり、あるいは、少人数で、歩き
回っていた。みんな、薄気味悪い沈黙を
|
さぁ愉快にやろう
/FB6/ComeAndGoMad/
まだ、憎らしい男が━━━ほんとうに、男なのだろうか?━━━
デスクの脇に立っていた。
暗闇の中へ、宇宙へ、上へ、地球から離れて、夜の薄暗い球体、星々
がまばたく、黒の円盤の永遠の宇宙に散りばめられた、暗闇に縁ふち取られ
た縮ちぢみゆく球体。
縮ちぢむのが止やむと、時間も止まった。それは、まるで、宇宙の時計が、
静かに立っているかのようだった。彼の脇、空虚の外で、輝くものの使
いの声が聞こえた。
「見よ!」と、声。「地球の存在を!」
彼は見た。外側の変化ではなく、内側の変化を。まるで、彼の感覚が、
変化して、今まで見えなかったものが、見えるようになったかのように。
地球だった球体が、だんだん、大きくなり始め、輝き出した。
「あんたは、地球を支配している知性を、見ているのだ」と、声。「黒
と白と赤の集合は、脳葉として分けられるだけの、三位一体の統一体」
球体は、どんどん大きくなり、背後の星は消え、暗闇は、ますます濃
くなった。そのとき、薄うっすらとした光が現われ、ますます明るくなっ
た。彼は、デスクの男の室に戻った。
◇
136
135
「あんたは、見た」と、男、彼が憎むやつ。「しかし、理解してない。
なにを見たかと聞かれたら、明るく輝くものと答える?それは、知性の
集合で
|
ヴァンパイア
/FB/Blood/
「新しい生物だわ!犬は、滅ほろんだのよ。なにものかが支配して、ヴァン
パイアは、忘れ去られたわ!」
4
3
こちらにやってくる生物は、テレパシーが使えた。
「私たちは、あなた方の考えを聞くことができます」と、ふたりの脳内
の声。
「ヴァンパイアのことを知っているか、考えていますね。それがなんな
のかわかりませんが、われわれは、知りませんね」
ドリーナは、歓喜のあまり、ヴェロンの腕をつかんだ。
「自由よ!それに、ごはん!」
「あなた方は、疑問を抱いていますね」と、声。
「私たちがなにから進化した生物なのか━━━そうですね、現在の全種
族は、野菜です。私は━━━」
彼は深くおじぎをした。
「ここの支配種族のひとりですが、かつて、あなた方が、チューリップ
と呼んでいたものです」
(終わり)
6
5
|
パターン
/FB2/Pattern/
1
しかし、ミスメーシーの言うように、彼らは、なにも、あるいは、だ
れも、傷つけなかった。彼らは、人々に影響するほどは、実体的ではな
かった。1匹が、人を踏みつけたり、あるいは、人がいる家を踏みつけ
たりすると、あたりが夕暮れのように、うす暗くなって、足をどけるか、
通り過ぎるまで、明かりが必要になった。それだけだった。
彼らは、人間には、なんの注意も払わなかった。そして、彼らと対話
しようとする、あらゆる試みは、陸軍や空軍によるあらゆる攻撃がそう
であったように、同じように、失敗におわった。彼らめがけて撃たれた
砲弾は、たしかに彼らの内部で炸裂したが、まったく、効果がなかった。
1匹が、砂漠を横断しているあいだに落とされた水爆でさえ、ほんのか
すり傷さえ与えられなかった。
彼らは、われわれには、なんの注意も払わなかった。
「それにさぁ」と、ミスメーシー。妹に。妹も、ミスメーシーだった。
というのも、ふたりとも、未婚だったからだ。
「彼らは、どんな危害も加えないのが、証拠よ、そうでしょ?」
「わたしも、そう、望みたいわ、アマンダ」と、妹のミスメーシー。
「でも、見て、彼らは、なにかしているわ」
その日は、天気のよい日だった。すくなくとも、すこし前までは。空
4
3
は、明
|
聖なる神殿の謎
/ST/DS9_1_1_1/
「エンタープライズを最後に確認した位置は?」
「二十時間離れた地域です」と、ダックス中尉。
「彼らの到着が鍵ね」
「ただの、脅しですよ。本気で攻撃してくるとは、思えません」と、ド
クターベシア。
「ドクター、国境紛争の歴史は、習いましたよね」と、オブライエン。
「ああ」
「セトリック三号星の虐殺は?」
「オブライエン、まさか、降伏すべきだとは言わないでしょうね?」と、
キラ少佐。
「降伏しても、殺されますよ」と、オブライエン。
シスコ中佐は、炎上する船内にいた。
「どうしてまた、ここへ、連れ戻したんだ?」と、シスコ中佐。
114
113
「僕らが連れてきたんじゃない」と、ジェイク。
「あなたが導いたのよ」と、ジェニファー。
「ここは、あなたの一部です」と、ボリアン人士官。
「じゃぁ、別のところへ、君たちを導く力をくれ!どこでもいい!」
「自分自身を否定しては、だめよ」と、カイオパカは言った。
|
殺人アシスタント
/FB3/Hobbyist/
解毒げどく剤は、少々値ねが張はります」
サングストロムは、青ざめた。しかし、このようなゆすりや恐喝はきようかつ予
想ずみで、ポケットから拳銃を抜いた。
小鬼の店主は、くっくっと笑った。「あなたは拳銃を使いませんよ。
解毒げどく剤をここからさがせますか?」手でビンの棚を仰あおいだ。「何千とい
うビンの中から、猛毒がきいてくる前に?あるいは、私がほんとうは毒
を盛ってないのにそう見せているだけだとお思いなら、どうぞ撃うってく
ださい!毒がきいてくる3時間以内に答えが分かりますよ!」
「解毒げどく剤の値段は?」と、サングストロム。不満そうに。
「とても安いです。千ドルです。こちらにも生活がありますから、趣味
が殺人を抑止よくしすることだとしても、少しは稼かせがないと」
サングストロムは、しぶしぶ拳銃をテーブルの手の届くところに置い
て、財布を出した。解毒げどく剤のあとなら、拳銃が使えるだろう。100ド
ル紙幣で10枚をテーブルに置いた。
6
5
|
ユスタックウィバーの短い生涯2
/FB3/Weaver2/
ユスタックウィバーの短い生涯2
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。手持
ちは2ドルしかなく、やっている近くの競馬場までの飛行機代にもなら
なかった。
2
1
1
ユスタックウィバーは、倉庫係として働いていたスーパーマーケット
の金庫にねらいをつけた。金庫には、少なくとも千ドルはあり、タイム
ロックだった。タイムロックは、タイムマシンにとってはあひるのスー
|
ケンタウロス
/FB1/HorseRace/
ノヴァという恒星をご存知ですか?」
2
1
「ええ」と、ロバーツ。すぐに、返答した。この距離での通信は、今の
ような、超光速通信では、かなりの電力ロスにつながるので、できるだ
け、早く、会話を切り上げたかった。
「では、その惑星については?」
「そこに行ったことはありません。知ってるのは、2つの居住可能な惑
星があるということだけです」
「そのとおりです。内側の惑星には、われわれとさほど変わらない、人
族が住んでいます。外側の惑星には、外見上は、地球の馬と似た民族が
住んでいます。ただし、彼らには、3対目の足があって、追加の2本の
手として使用できるため、かなり高い文明水準を達成しました。彼らの
正式名称は、地球人には発音しづらいので、単に、馬族と、呼ばれてい
ます。彼らは、この名称の由来が、馬であることを知っていますが、気
にしていません。それほど、神経質な性格ではないのです」
「そうですか」と、ロバーツ。ブランドも、うなづいた。
「どちらの惑星も、超光速ではないものの、宇宙飛行は可能な水準に達
しています。ふたつの惑星の間には━━━宇宙ガイドで、名前か座標で
調べれば、すぐ、わかるように━━━小惑星帯があります。太陽系にあ
るものと似ていますが、ずっと、大規模です。
|
ジバゴ
/SY/Zhivago/
◇
雪の晴れた日。1頭馬車で、ユーリとラーラは、ベリキノの屋敷の見
える草原まできた。ふたりのあいだに、カーチャも乗って、はしゃいで
いた。
ベリキノの屋敷は、つららでおおわれて、氷の宮殿のようだった。室
内まで、雪が吹き込んでいて、ドアも、なかなか開あかなかった。
「うれしいな!真っ白だ!」カーチャは、雪の積もった庭で、ひとり走
りまわっていた。「イチ、ニ、サン!イチ、ニ、サン!うれしいな!真
っ白だ!イチ、ニ、サン!」
ユーリとラーラが、一番奥の書斎まで来ると、そこは、雪のかわりに、
埃がほこり、うず高く積もっていた。ユーリは、窓際の広い机の引き出しを開あ
けた。引き出しには、インクつぼやペン、それに、真っ白な原稿が入っ
ていた。
「叔母が、ぼくにくれた机だ!」と、ユーリ。
夜。カーチャは、子ども用のベッドで、ラーラは、ユーリのとなりで
眠っていた。
ユーリは、ひとり起きだして、コートを着て、書斎机に座ると、原稿
218
217
|
感想
/CO/Comment/
「ドーム」「ヴァンパイア」「鏡の間」「気まぐれ」「最後の火星人」
「歩兵」「ねずみ」「あたりまえ」「土人の魔術」「闘技場」「地球人
は出ていけ」「タイムマシン第1号」「かくて神々は笑いき」「武器」
「スポンサーから一言」「翼のざわめき」「空想せよ」
1961年
「悪夢とギーゼンスタック家」
内容:「ナスティ」「アボミっぽい」「エコーバック」「グレーの悪夢」
1963年
「シャギードッグとほかの殺し」
内容:「シャギードッグ殺し」
1968年
「白日夢」
内容:「暗闇への門」「白日夢」「さぁ愉快に行こう」「ミミズ天使」
36
35
「ミットキーあらわる」「ミットキーふたたび」「地獄へハネムーン」
「空のパイ」
(つづく)
38
37
|
ナスティ
/FB3/Nasty/
使ってみれば、分か
るよ」
悪魔は、消えた。
6
5
2
ウォルタービュレガードは、着ているものを急いでぬいで、美しい銀
の水泳トランクスを2つともはいた。すぐに、すばらしさを感じた。活
力が、体内を流れた。好きものキャリアを始めたばかりの頃の、若者に
戻ったように感じた。
急いで、ローブを着て、スリッパをはいた。
(彼が、金持ちであったことを述べただろうか?住まいは、アトランテ
ィックシティの高級ホテルの最上階のペントハウスだということも?ど
ちらも、そうだったのだ)
彼は、プライベートエレベータで下へ降り、ホテルの中庭にある豪華
なプールへ出た。そこは、いつものように、ゴージャスなビキニ美女た
ちに囲まれ、彼女たちは、日光浴をしているふりをしながら、ビュレガ
ードのような、金持ちの男たちからの申し出を待っている場所だった。
ビュレガードは、選ぶのに時間をかけた。しかし
|
パペットショー
/FB2/PuppetShow/
杖男は、言い終える前に、砂の上に水平に、仰あお向けに倒れ、目をつぶ
った。
大佐は、1歩踏み出した。
「どうした?」と、大佐。すぐに、マイクロフォンの三脚に駆け寄り、
横になった、地球圏外ヒューマノイドに体を曲げ、耳を、血だらけに見
える箱に押し当てた。
大佐が頭を上げたとき、デードグラントは、ぐだぐだ言う採掘工のよ
うに、ぐだぐだ言いだした。
「心音しんおんも無いよ、大佐。そもそも、心臓がないんだから。ガースは、記
念に置いておこう。中を見れば、心臓や内臓より、おもしろいものが見
つかるよ。ガースは、オレが操っあやつていたパペット、ただの操りあやつ人形にす
ぎないのさ。きみたちのエドガーバーゲンが━━━人形の名前は、そう
━━━チャーリーマッカーシーを操っあやつていたようにね!ガースは、目的
を果たしたから、非活性化された。大佐、もう、担当部署に戻ってもい
いよ」
ケイシー大佐は、ゆっくり、後ずさりした。
36
35
|
報復戦隊
/FB3/Fleet/
侵略者がや
ってきた方角は判明したが、正確な距離までは分からなかった。
4
3
3
光速を越えるスピードが出せるCプラスドライブは、発明されたばか
りで、実際に使用されていなかった。太陽系内の資源をめぐる争いには、
光速を越えるスピードは必要なかったからだ。
しかし今、侵略者の惑星に報復するという明確な目的ができたことで、
地球と火星は、Cプラスドライブを備えた戦隊を作ることに技術を結集
した。完成するまでに10年を要した。報復の旅には、推計ではさらに
10年必要とされた。戦艦の数は多くはないが強力な武器を装備した、
報復戦隊は、2830年、火星エアポートを発った。
4
その後、消息不明となった。
29世紀末になって、その後の運命が分かってきた。偉大な歴史家で
あり数学者でもある、ジョンスペンサー4の論文における、演繹的推論
が正しいとしてだが。
「よく知られたことで
|
存在のわな
/FB4/Trap/
そのような感情とは無縁だった。代わりに、
ストレンジャは自分の置かれた状況を静かに調べ始めた。彼の認知範囲
を変化させて、広げたり狭せばめたりしながら、囚人となったものの性質を
調べ始めた。
それは、だいたいは長円形の筒で、グロテスクな形状だった。1つの
角かどから、いわば、長いつなぎの拡張が伸びている。筒の別の端はしから、よ
り短いが太い伸びるものがある。
もっとも奇妙だったのは、短い伸び縮みする円柱の端はしにある玉子形の
ものだった。それは、内部も玉子形で、てっぺん近くに、彼の意識の中
心が、固定されていた。
18
17
彼が囚われの身となったものを、調べ、さぐって行ったが、すごく複
雑な神経やチューブや細胞の目的を理解できなかった。
そのとき、近くの他の存在の発散を感じて、認識の範囲を広げた。驚
きは大きくなった。
男たちは戦場を這はって、前進した。ジョニーディックスのバラバラ
|
ドーム
/FB7/TheDome/
オレたちは、さらに━━━」彼は、ひと
息ついた。
ブラドンは、カウンターの端はしを、強くつかんでいた。彼は、すべて失
30
29
った。30年間ひとりで、今、彼は年寄りだった。彼は尋ねた。「さら
に、なんだね?」彼の内のなにかが、知る必要はない、と言っていた。
自分の声に、彼は耳を傾けなかった。
「さらに、オレたちは不死ではないが、それに近づいている。寿命が、
何世紀にも延びた。オレは、あんたの30年前より、すごく若いわけで
ない。しかし、あんたはその恩恵に預かれないと思う。ユニオンが与え
てくれた技術は、中年までの人間にしか有効でない。せいぜい50才ま
で。あんたは━━━」
「67」ブラドンは、硬い口調で言った。「サンキュー」
そう、彼は、すべて失った。別の恒星━━━彼は、すべてを投げ打っ
てでも、別の恒星へ行きたかった。しかし、彼は今、望むことができな
かった。そして、マイラ。
彼女
|
レッドダイアモンド
/RD/RedDiamond/
30
モーテルのフロント係は、きれいに髪をセットし、高慢な笑みを浮か
べ、モーテルチェーンのロゴのついた青のブレザーを着て、レッドを注
意深く観察してから、宿泊カードを渡した。
レッドは宿泊カードに記入しながら、若いフロント係がフィフィをじ
ろじろ見ていることに気づいた。青白く、黒のくまのある目で、すそを
引きずって汚し、火事の燃え残りのような臭いがしても、フィフィはそ
れでもいい女だった。
レッドは、彼女を室まで案内して、ベッドに座らせた。まっすぐ前を
630
629
見て黙ったまま、涙がすすけた頬を伝って流れ落ちた。それから、しゃ
べりはじめた。
「わたしの名前は、フィフィじゃない。アリソンマンフレッドよ。父は、
エドワードマンフレッド。父は死んだ。父とジェームズは、互いに殺し
合った。あとあのひどい女、ロザリーは、うちのメイドだった。わたし
も危うく殺されるところだった。
|
ブラックジョーク
/FB4/Joke/
ブラックジョーク
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
鮮やかなグリーンのスーツを着た大男が、葉巻店のカウンターに大き
な手を置いた。「ジムグリーレイ」と、自己紹介した。「エースノベル
ティカンパニー」葉巻店の店主は差し出された手を握った。すると、大
きな手から電流が流れ店主の手のひらをビリビリさせた。
大男は陽気に大笑いした。「かわいいブザーちゃん」と言って、大き
な手をかえすと、手のひらに小さな金属製の仕掛けがあった。「握手の
シェイクをショックに変えてしまう!大ヒット商品のひとつさ。すばら
しいだろ?葉巻を4本、2本で25セントの」
2
1
彼は50セントコインをカウンターに置いた。そして、笑いを隠しな
がら、葉巻の1本に火をつけた。店主はコインを拾おうと虚しい努力を
続けた。それから、笑いながら、大男は別のコ
|
つくられた記憶
/ST/DS9_4_5_3/
これを書いていると体の力も抜けるし、少しは気
も晴れる」
「ほんとかい?」
「試してみる?」
「教えてくれ」
「難しいぞ」
「へへ、練習する時間はたっぷりある」と、オブライエン。
「ふふふふ、よし、この辺がいい。まずは、大きな円を書くんだ」
イーチャーは、砂地に直径1メートル程の円を指で描いた。
「ふん」と、オブライエン。
「よし、その円をじっと見つめる。おい、やる気あるのか?」
「見つめてるよ」
「心を落ち着かせて、自分の全存在が、その円の内にあると想像するん
だ。円を自分の一部にする。何も考えずに、手を伸ばして、円の中の一
箇所になにかを書いてみる。そこから続けて書いて、ただ感じるままに、
22
21
形になるまで書いてみる、自由にね、ふふふふ、はははは」
「何を笑っているんだ?」と、オブライエン。
「死体を見つけた鷹たかみたいな顔だからさ、はははは、わお、はお、はお、
わははあ」
「は
|
ギーゼンスタック家
/FB1/TheGeezenstacks/
たぶん、サムには、人形のことは言わないほうが、いい気が
するわ」
「ぼくも、そう思う。サムがとりつかれているものがなんなのか、わか
ってないし、それまで待ってから話したほうがいい。オーブリーは、す
でに、人形をあきらめる気になっている。もしもサムに話したら、反対
するかもしれないし、人形を残したいと言いだすかもしれない。外に持
ち出してからなら、サムも反対できないよ」
「そうよ、ディック。オーブリーには、サムに話さないように、ダンス
レッスンは、サムには内緒のビックリプレゼントだって言ってあるの。
だから、そのかわりの人形のことも、サムには話さないはずよ」
「いいね、エディス」
サムが、もしも知ったとしても、うまくいったかもしれない。あるい
は、サムが、もしも知ったとしても、すべては同じように起こったかも
30
29
しれない。
かわいそうな、サム。つぎの日の夜も、サムには、いやなことが起
|
SFミステリー ライトノベル風
/CO/cmt/
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
試用版 ゲストルーム
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
presented by bilyzkid
◆◇◆◇◆◇
1.自分のオリジナル作品を、非公開URLにて、掲載可能です。
表示は
|
ティラノサウルス
/FB1/Runaround/
木をのぼり、彼が走るよりもはやく、枝から枝へとんで逃
げた。25フィートの彼の背丈より高く、根こそぎ倒せないような太い
幹の木の上へ。彼の巨大なアゴの一撃をかわして、10フィートも滑空
することもあった。彼が、イライラして、あまりの空腹から大声でほえ
ると、小さなやつらは、早口になにかを言いかえしてくる始末だった。
空腹、いつも、空腹だった。
この100年は、腹いっぱい食べたことがなかった。彼は、種の最後
の生き残りだった。ほかには、もう、目の前に立ちはだかり、戦い、そ
いつを殺してから腹いっぱい食べるというやつらは、もはや、残っては
いなかった。
スレート状の灰の肌は、だらしなくたれさがり、内臓の空腹という、
終わることのない苦痛から、ちぢんでなん重にもしわがよっていた。
彼の記憶力は、浅かったが、昔は、こんなじゃなかったと、かすかに
覚えていた。かつては、彼も若く、反撃してくるやつらと、ひどい戦い
になった。やつらは、数が少なくなって、見つけるのがたいへんだった
が、たまに、でくわした。そして、やつらを殺した。
背中に沿って、恐ろしくするどい歯のようなものが並んだ、よろいの
プレートをまとった、巨大なやつもいた。敵の上にころがって、半分に
切り刻もうとした。前方に突きでた、3つの大きなつのをもつ、くびの
えりが、重くてかたい骨でできたやつもいた。そいつらは、みんな、4
6
5
つ足で進んでいた。彼と出くわすまでは、4つ足で進んでいた。そのあ
とは、進むのをやめた。
ほかには、彼とそっくりなやつらがいた。あるものは、彼の数倍の大
きさだったが、苦もなく、そいつらを殺
|
ブルーモンスター
/FB5/brmon/
ブルーモンスター
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼の生涯にスペクトルがあるとすれば、彼の生涯がほとんど怪奇その
ものだったように、それはまさしく、怪奇だった。光のスペクトルが、
赤外線から紫外線に亙わたるように、それは、絶望の夜の思考である、ウル
トラブラックから、神が山の上から見おろすように、彼が他人の心、思
考や知識を見おろす、ハイテンションの目覚めや輝きである、インフラ
ホワイトに亙わたっていた。しかしその間には、なにかがあって、ブラック
とホワイトの間に、グレーがあるように、単純に接することを拒む、赤
の帯域があった。赤は、激しい怒いかりだった。彼の意識が、赤の帯域に差
し掛かると、殺人鬼となり、非常に危険だった。彼はすでに、まったく
2
1
面識のない、ふたりの男とひとりの女を殺していて、捕とららえられ
|
ミットキーあらわる
/FB1/TheStarMouse/
ぼくたちも、
68
67
どぶねずみは嫌いです。1千匹のねずみ軍団が、ガスマスクとガス爆弾
で武装して、1日か2日で、1都市の、どぶねずみのすべての穴から、
すべてのどぶねずみを駆除できます。全世界から、1年以内で、すべて
のどぶねずみを、駆除できます。同時に、残っているすべてのねずみを
捕らえて、知的レベルを上げて、マーストラリアに運び━━━」
「しかし、ミットキー━━━」
「だめですか、教授?」
「うまくゆくかもしれんし、うまくゆかないかもしれん。きみは、どぶ
ねずみを駆除できるだろうが、利害の対立から、そのうち、ねずみたち
は、人間たちを抹殺し始めるだろう。あるいは、人間たちが━━━」
「そんなことは、しません、教授。武器を、そんなふうには━━━」
「そうかね、ミットキー?」
「絶対に、ありません。もしも、人間が、ぼくたちの権利を尊重すれば、
ぼくたちだって━━━」
オッペルバーガーは
|
ヴァヴェリ
/FB/TheWaveries/
「それなら、メイジーに言って、今夜のディナーに、干し草を追加して
86
85
もらわなければ!さぁ、着いたよ。ホーッ、ベッシー!」
二階の窓があいて、メイジーが顔を出して、言った。
「ハーイ、ピート!」
「メイジー、夕食に、もうひとり分、追加だ!」と、ジョージ。「馬を
つないで、ピートに階下し たを見せたら、すぐ上がるよ!」
納屋から戻ると、ピートを新聞店の裏口に案内した。
「これが、ライノタイプさ」と、ジョージ。誇らしげに、印刷機を指さ
した。
「どうやって、動かすんだい?蒸気エンジンは?」
ジョージは、ニヤッとした。
「まだ、動いてないのさ。今は、手で活字を組んでいる。蒸気エンジン
は、1台しかなくて、印刷に使っているんでね。しかし、ライノ用に、
もう1台、注文ずみさ。1ヵ月くらいで、来る。そいつが来たら、ポッ
プジェンキンスが━━━今、印刷を依頼している人だが、仕事を休んで
来てくれて、ライノの動かし方を教えてくれる、てはずなんだ。ライノ
タイプが動かせたら、オレは、すべてのことを、自分でできるってこと
になる」
「ポップは、どんな人?」
ジョージは、頭をふった。「ポップも、その日が来るのを、こころ待ち
にしているよ。彼は、69で、リタイヤしたいと思っている。オレが、
|
失われた文明1透明人間
/FB3/Discovery1/
3
プレーターは、彼女の入った室を覚えておいた。武装した宦官かんがんが、カ
ーテンドアにそれぞれ1名づついて、寝室を守っていた。彼は、女性が
完全に眠ったと思われるまで待ってから、宦官かんがんがホールの方を向いて、
カーテンドアの動きに気づかない瞬間をねらってすべりこんだ。ホール
も薄暗かったが、室内は真っ暗闇だった。手さぐりで慎重に進み、寝床
を見つけた。静かに眠っている女性に触れた。彼女は悲鳴をあげた。
(サルタンは、夜にハーレムを訪れず、ひとりあるいは数名の妻たちを、
自分の住まいに呼び寄せるだけであることを、彼は知らなかった)
エピローグ
すぐに、宦官かんがんが入ってきて、彼をつかまえた。
「そうか、これだったんだ」と、プレーター。死ぬまぎわに考えた。
「これが、透明人間の弱点だったんだ。完全な暗闇では、なんの役にも
たたなかったんだ!」
最後に聞いたのは、片刃刀かたはとうのヒュッという音だった。
(終わり)
8
7
|
恐怖のウイルス
/ST/DS9_1_2_1/
「犬、仲間、距離」と、ジャヒール艦長。
「話はあとで聞いてやる」と、オドー。
「オドー、急がないとやばいぞ、その船は、あと一分で爆発だ」と、ク
ワーク。
「ああ」
ドクターサーマクレインは、医療室の電子ファイルにアクセスした。
「ウイルスのたんぱく質症、ヌクレオチド連鎖、よおし、これだぞ、シ
ナプス抑制体だ。さすが、ディーコンエルグだ、たいしたものだ。治療
薬が見つかったようですよ、キラ少佐」と、ドクターサーマクレイン。
「はぁ」と、キラー。
オドーは、船内で噴出するガスに包まれていた。
「あと50秒」と、クワークの声。
「うぇ」
「あと30秒だ、急げ」と、クワーク。
「わかってる、そう、せかすな!」と、オドー。
74
73
「あと20秒だぞ」
「ふっ」
「あと10秒」
「ふっ」
「ああぁぁ」
「バッギョーン」オドーが船をエアロックから切り離すと、船体は爆発
した。
「ウウゥゥ、はあ、は
|
イェフディの法則
/FB2/TheYehudiPrinciple/
打ち身程度で、骨は折れてなかった。
グラスを持ち上げて、飲んだ。うまかった。しかし、つぎは、自分で作
った。3/4を、ジンで。
14
13
3
グラスを手に、オレは、ヘッドバンドのまわりを、1ヤード以内に近
づかないようにしながら、歩いた。そして、ベッドに座った。
「チャーリー」と、オレ。「きみは、なんらかの発明品を持ってきてく
れた。オレには、それがなにか分からないが、なにを待っているんだい
?」
「どういう意味だい?」と、チャーリー。
「賢いかしこ男なら考えることさ。もしも、頼んだことをやってくれるんなら、
パーティをやろう!リリーセントクレアとエスターウィリアムズのどっ
ちを選ぶ?オレは、残りでいい」
チャーリーは、悲しそうに頭をふった。
「限界があるんだ、ハンク。説明した方がいいかもしれないな」
「個人的には」と、オレ。「説明すると、リリーの方がいいんだ。でも、
先に進もう
|
SFミステリー (小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン) ライトノベル風
/
小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
◆◇◆更新ニュース◇◆◇
一.
ゲストがひとりで使える専用サイト
をリリースしました。
ゲスト専用非公開サイト自動作成
(使える文字は半角の英数字と_のみ、6〜15文字)
上の入力欄にIDを指定し、自分用のゲストルームを作成。
公開しない(リンクを張られない)限り、他人は入れません。
(Google等あらゆる検索から守られます)
ゲストルームは、1人1ルームまででお願いします。
(複数作る場合は、同一IDにしてください)
9タイトル、ゲスト制限あり(nov:15KB、画像:120KBまで)
1タイトルあれば、15KB制限でも、novを分けて、開始
ページを
|
オレとフラップジャックとマルスd星人
/FB4/Flapjack/
6
5
フラップジャックはオレの言葉に鼻を鳴らして、立ち止まった。
「うん?あんたはここでキャンプすべきだと?」と、オレ。周りの景色
を見回した。「いいじゃろ、どこも同じように見える。12マイル以内
には、どこも水はない」
フラップジャックの背の荷物を降ろし、小さなテントを張り始めた。
オレはもともと、大当たりの前は、荷物にテントを詰めたりはしなかっ
た。フラップジャックもそんなことは言わなかった。しかし、店の店員
が、オレのポケットのカネのにおいをかぎつけて、そうするようすすめ
てきた。ちょっとは見栄えが良くなった。それを運ぶ権利は、フラップ
ジャックのものだった。
フラップジャックはしばらくこちらを見ていた。それから、砂漠に地
虫がいたのか砂を蹴り上げた。オレはそれほど心配する必要はないと分
かっていたが、やつの好きなようにさせていた。オレのことはオレの問
題で、やつのことはやつ
|
帰ってきたカーン
/ST/StarTrek2013/
それには、反対です」と、スポック。
168
167
「なにに?、まだ、なにも、言ってないぞ」
エレベータのドアがしまった。
「提督の船を、外から攻められないとなれば、中から、乗っ取るしかな
い。しかし、大勢では、気付かれるから、少人数で、乗り込むつもりで
しょう」
ドアがあいて、カークは、通路を歩いた。「ならば」と、スポック。
「任務の同行者には、戦闘能力にたけ、あの船の内部を、知っている人
間を選ぶはずです。つまり、あなたは、われわれの攻撃目標だった、カ
ーンと手を組むつもりだ」
「いや、手は、組まない。利用するんだ。敵の敵は、友達だろ?」
「そのことわざに従った王は、民衆に首を切り落とされたはずですが」
「ああ、でも、いいことわざだ」
「では、私も行きます」
「いや、おまえは、残れ!」
「行かせるわけには、いきません」スポックは、カークの肩を抑えて、
止めた。「ここでの、私の任務は、あなたに、もっとも賢い選択をさせ
ることです。今のあなたには、まず、できない決断を」
「そうだよ」と、カーク。通路の女性仕官が、振り返った。「今、オレ
がしようとしているのは、非論理的だが、本能的な決断だ。オレは、な
にをすべきか、分からない。なにができるかは、分かる。エンタープラ
|
いつもふたりで
/SY/TwoForTheRoad/
「まさか。もう、うんざりよ」
「なぜだい?」
「なぜって、人の世話になるのは、疲れるからよ。早く、ふたりっきり
になりたいの」
「そんなに長くは、たってないだろ?」マークは、ドアをあけて、顔を
出した。
「この2日間が、何ヶ月にも思えるわ」ジョアンナは、ドアをしめた。
髪にティアラ。
「彼と、仕事をするんだ」
「わたしがするわけじゃないわ。わたしじゃ、ないわ」
「モーリスの操り人形」と、マーク。鏡の前で。
「子どもの名前は?」と、ジョアンナ。白の室内着になって、出てきた。
「なんの子ども?」
「わたしたちの子どもよ!」
「ベイビーだろ?」
「なぁに?」
「きみが太った姿を、思い描いてる。なに?」
「あなたが、やせた姿を、考えたの」
「公爵夫人でいたいなら、そのまま。愛を望むなら、帽子を」
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ジョアンナは、髪のティアラをはずした。
◇
ヒッチハイクのふたりは、岩場で、
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終わり良ければ
/FB1/HappyEnding/
巨大都市はすべて灰と化
した。あらゆる努力にもかかわらず、彼の強力な秘密兵器による抵抗も
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むなしく、彼の軍隊の最後の決戦のあと、生き残りは、わずかに20名
か40名だった。彼の軍隊内の将軍でさえ、敵に内通したものがいて、
月の連隊の裏切りが、決定的な敗北をもたらした。
彼は、部下とともに、ふたたび決戦にのぞむこともできただろう。し
かし、大敗北のあとでは、彼の生きているあいだは、無駄だった。独裁
者の最後だった。
銀河系からうらまれ、そのことをのろった。
そのことは、がまんができるし、ひとりにされたことも耐えられた。
ひとりになることは、予想してもいた。ひとりだが、まだ、彼はナンバ
ーワンだった。もしも、他人がいたら、彼の地位がみじめなくらいに落
ちぶれてしまったことを、思い知らされただろう。ひとりでいるから、
彼のプライドは守られて、自尊心は傷つけられることはなかった。
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アリスのアンダラン
/LC/AliceUnderGround/
すると数分後、外で声がし
た。
「メアリーアン!メアリーアン!」と、声。「今、私の手袋を渡してく
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ださい!」
階段に小さな足音がした。メアリーアンを捜しにきたウサギだった。
アリスは、身震いしたら家がゆれたので、自分が今では、ウサギの1千
倍も大きいことを思い出した。でも、別に驚くことなんて、なにもなか
った。ウサギは。ドアをあけようとしたが、ドアが内側にあくようにで
きていたので、アリスの左ひじが邪魔して、ドアはあかなかった。
「それじゃ」と、ウサギ。「外からまわって行きますから、窓から渡し
てください!」
「それも、たぶん、無理ね!」と、アリス。自分に。
ウサギが窓の下に来ると、アリスは、出していた右手をひろげ、なに
かをつかもうとした。なにもつかめなかったが、小さな叫び声がした。
そして、落ちてぶつかって、ガラスの割れる音がした。たぶん、ウサギ
がキュウリハウスかなにかにぶつかって、壊こわしたにちがいない。
「なんです!どこにいるんです?」と、ウサギ。怒おこった声で。
そして、アリスが聞いたこともないような声が続いた。「私はここで
す!リンゴを掘ってます!」
「本当です!リンゴを掘ってます!」と、ウサギ。怒おこった声で。「早く
来て、ここから出してください!」また
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ミットキーふたたび
/FB1/MitkeyRidesAgain/
知能レベルのねずみなのです」
「しかし、ホイットニーには、白ねずみの取り巻きがいて、ガードされ
ているのではないかのぉ?ひとりでは、無理では?」
「機械を、X19光線プロジェクターをさがします。それが、彼らの知
能レベルを、高めたのです。分かります?」
「その機械で、なにをするのじゃ、ミットキー?彼らは、すでに━━━」
「ぼくは、回路をショートさせられます、教授。端末を逆につないで、
回路をショートさせれば、それは、閃光とともに、爆発して、1マイル
以内にいる、人工的に知能レベルを高められた、すべてのねずみたちを、
以前の知能レベルに戻せられます」
「しかし、ミットキー、きみも、そこにおるのじゃ。きみ自身の知能レ
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ベルも、破壊されてしまう。それで、いいのかい?」
「ええ、いいです。世界のためですし、平和のためです。しかし、ぼく
には、切り札が1枚あって、それで、知能レベルを、元に戻
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失われた母星
/ST/StarTrek2009/
◇
エンタープライズのブリッジ。
「どいて!」と、ウラ。通路から、走ってきた。
「ドリルが作動しました」と、チェコフ。
「通信、転送機能、ダウン」と、ウラ。「ミスターカトウ、ふたりの座
標を、中継できる?でないと、こっちに、転送できない」
「あとは、ふたりに、任せるしか」と、カトウ。
◇
掘削船の貨物室。
スポックとカークは、走ってゆくと、バルカンの高速船が待機してい
た。
ふたりは、高速船の内部へ、入った。
「手ごわそうだな」と、スポック。「船の設計は、予想以上に、高度だ」
ふたりは、高速船のラボにある、直径1・5メートルの赤色物質の前
に来た。
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「声紋と顔面認識システム作動!」と、コンピュータ。「お帰りなさい。
スポック大使」
「へぇ、へんなかんじ!」と、カーク。
「コンピュータ、製造者と、年月日は?」
「宇宙暦2387、バルカン科学アカデミーで製作
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ナイトゥアンディ
/SY/KAndDy/
バーン、ふふん」と、ジューン。その後ろに、ロープで工作
員が降りてきて、隠れた。
ロイが矢印の方向を、ロッカーに近づいて見ると、落書きに「アルプ
ス」の文字が浮かび上がった。それを、ロイは小型カメラで撮影した。
さらに、「トレイン」の文字が浮かび上がった。それも撮影した。
ジューンは、倉庫の中を歩きながら、また、銃で撃つ練習をした。そ
の後ろで、21名の工作員がロープを伝って、工場内に侵入した。
「ふーん、メイドインオーストリア」と、ジューン。弾装を抜いて、ま
た、装着した。
ロイが来て、その拳銃で、屋根から進入した工作員を撃ち、横からマ
シンガンを乱射している工作員を撃った。さらに、ひとり撃ったあと、
床のショルダーバッグの手榴弾を、ピンを抜いて投げた。ロッカールー
ムが爆発した。
「こいつら、なにもの?」と、ジューン。「フィッツの仲間?」
「いや、違う。別の連中」と、ロイ。
「別の悪者?」
「より、危険だ!」と、ロイ。ショルダーバッグからマシンガンを2丁
出して、2つの弾装をジューンに渡した。「持っていて!ああ、よく、
聞いてくれ!言うとおりにするんだ。3つ数えたら、ぼくが出て撃つ。
その直後に、あそこの棚に走る!」
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「分かった!」
「いいかい、イチ!」
ジューン
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ザ・オフィス
/FB5/TheOffice/
署名は、通常のやり取りのWm・B・カーリー販
売部長でなく、B・R・ホッジソン社長だった。
「残念ながら、お伝えしなければならない━━━」
手紙を読むのに数秒しか掛からなかった。内容は、とても単純だった。
9月初めに、同じシンシナティで近所ということで交わされた、コンガ
&ウェイ社とバーミスホッジソン社の契約は切れるが、ホッジソン氏は、
残念ながら、契約を更新できないという。その頃、機械用具専門の支店
をシンシナティに開業する予定だという。
「なんて短い内容だ!」と、ウィロービィ氏。「1か月とちょっとしか
ない」
コンガ氏は、ため息をついた。「やつらはやっと心を決めたところだ
ろう、しかし、ずっと前から考えていたことだ。去年、契約を更新した
とき、ホッジソン氏はオレに、そのことをほのめかしていたが、それは
手数料を下げさせる作戦だと思って、真面目に受け取らなかった。ほん
とうにやって来るとは思わなかった」
しかし、今、それは実際に起こって、事態は深刻だった。バーミスホ
ッジソン社は、コンガ&ウェイ社と取引する12余りの製造会社の中で
最大の製造工場で、もっとも多岐に亙わたる注文を受け、取引額も最大だっ
た。全取引の3分の1を占めていた。特に、研磨剤では、すべての注文
がそうだった。バーミスの製品は、有名で人気があった。
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チャンスふたたび
/FB3/SecondChance/
オリジナルゲームと可能な限りまったく同じ条件でゲーム
は始まるが、結果が違ってくることはありうる。
2
1
1
シカゴホワイトソックスの選手たちがフィールドに出てきて、内野で
ボールをまわし始めた。先発ピッチャーのウィンは、マウンドでボール
を受けとると、ウォームアップピッチングを始めた。クルツェフスキー
がファースト、フォックスがセカンド、グッドマンがサード、そして、
アパリシオがショートだった。ドジャーズのギリアムは1番バッターと
して打席に、ニールが2番で控えサークルに出てきた。
彼らは、その名前のオリジナルプレイヤーではもちろんなかった。彼
らは、アンドロイドで、人造人間だが、ロボットと違うのは、金属でな
く、伸縮自在のプラスティックでできていて、実験室で培養された筋肉
で動き、人間の正確な複製としてデザインされていた。500年前のオ
リジナルプレイヤー
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眠れるステーション エムポックノール
/ST/DS9_5_6_4/
オブライ
エンは、壊された壁に近づくと、そこに、ペチェッティが倒れていた。
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33
3
ふたりの遺体は、白いシーツで覆われた。
「きっと、いきなり襲われたんだ」と、ボクタ。
「敵は、内部センサーで居場所をつかんだんだ」
「落ち着け!かならず、脱出できるから」と、チーフオブライン。
「余計なことを考えるな!ペチェッティは、死ぬ前に、ミクロフュージ
ョン反応を、ほぼ、復活させてくれた。残りは、僕がやる。それから、
貨物室に戻る。コンジットは、どうした?」
「終わってます」
「よおし、じゃ、アマロと補助コントロールに行って、パルス発生装置
の調整をしてくれ!」
「わかれるんですか?」
「仕方がない。SOSを打たなければ、ここからは、脱出できないんだ」
「でも、チーフ、もし我々が」
「ボクタ、頼む、がんばってくれ!」
「おれがついているから、平気だよ」と、アマロ。
「ペチェッティ
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ノヴァリアン試用版
/novelyan/guestroom/
あなたは、すでに、ノヴァリスト!
サンプルあり(
1
2
3
4
) presented by bilyzkid
◆◇◆更新ニュース◇◆◇
一.
ゲストがひとりで使える専用サイト
をリリースしました。
ノヴァリアン NOVELYAN 2.40 試用版
ご使用方法
小説コマンドの説明
画像コマンドの説明
詩的コマンドの説明
FAQ
バージョン履歴
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002.nov
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ファブクリップ
/FB5/FabClip/
言った。「それについて話してくれ!プライベートのこと
は省いて、あの娘がハリーレーノルズについて言ったことを、正確に話
してくれ!それに、昨夜ダッチになにがあったのか、今朝なにがあった
のか。最初から、エドが昨夜ここを出たときから順に」
オレは話した。すべて聞いて、アムは言った。「なんてすばらしい!
エドの記憶力には感心する。しかし、ストーリーにおかしな点があるこ
とに気づかない?」
「おかしな点?クレアが話した内容を変えたってこと?確かにそうだが、
オレたちが進めていた仕事とは、なにも関係しないのでは?」
「分からない。関係は、なにもないかもしれない。今朝、そして午後も、
オレは老いぼれて記憶力が悪くなったようだ。自分のしっぽを追う犬の
ように、どこにもたどり着けない気がする。たぶん、オレよりもエドの
方が意味が分かってる。オレはバセットを心配している」
「彼はどのあたりにいる?」
「心配なのはそのことでない。なにかが引っ掛かってる。なにかよくな
いことが。それがなにか分からない」
「どういう意味、アム?」
「どういうことなのか、分からない。エドは音楽に詳しい。音楽で言う
と、和音にいやな音があるのに、見つけられない。ひとつひとつの音を
弾いても正しいのだが、和音で弾くといやな音がある。その音はマイナ
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ハーフベア
/FB3/Bear/
ジョナサンクインビーは、たしかに心配ごとを抱えていた。
2
1
1
始まりは、最後に動物園を訪れた夜だった。「最後に」は2つの意味
でそうだった。1つは、クインビーが1マイル以内には近づかないとい
うことであり、もう1つは、妻も近づかないということだった。彼女は
落ちて、そう、穴の中へ━━━。
その夜、起こったことを分かってもらうためには、すこし説明が必要
だ。クインビーは、若い頃から熱心に魔術━━━手品のようなものでな
く、本物の魔術を学んでいた。不運にも、魔術はクインビー自身には効
かなかった。どんなにがんばっても、ほかの人にも効かなかった。
ひとつの魔術を除いて。それは、人間をクインビーの好きな動物に変
えるもので、同じ魔術を逆に唱えれば、ふたたび人間に戻せた。もしも
悪意のある人間なら、この魔術を犯罪に使うところだが、クインビーは
まったくそうでなかった。
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アリスのビックリラン
/LC/AliceWonder/
と、アリス。
214
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王は、青くなって、メモ帳をすぐに閉じた。そして、陪審員に、低い
震える声で。「評決はひょうけつ?」
「まだ、証拠があります、陛下!」と、ヘラルド。大急ぎで。「この封
筒が見つかりました!」
「内容は?」と、女王。
「まだ、あけてません」と、ヘラルド。「しかし、囚人がだれかに宛て
た手紙のようです!」
「そうに違いない!」と、王。「だれにも宛てて書かれてなければ、手
紙じゃない!」
「だれに宛ててですか?」と、陪審員のひとり。
「だれにも!」と、ヘラルド。「牢屋ろうやの外で書かれたものじゃない」封
筒をあけた。「結局、手紙ではありません。詩のようです!」
「囚人の手書きですか?」と、別の陪審員。
「いいえ、筆跡が違います」と、ヘラルド。「奇妙なごちゃまぜです」
(陪審員たちは、謎に包まれた顔をした)
「ひとの筆跡を、まねたのだ!」と、王。
(陪審員たちは、謎が解けた
|
オブライエンの孤独
/ST/DS9_2_4_2/
政府側の科学者がしたことです。複製の技術にか
けては、すごいですからね」
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「なにを、やらせようとしたんだ?」と、オブライエン。
「確証はありませんが、おそらく、誰かの暗殺でしょう。われわれの代
表全員に━━━」
「政府内の内通者が、知らせてくれたのさ」と、シスコ。「出張中、き
みが、誘拐されて、複製にすりかえられたと」
「それ以来、ずっと、さがしていたんです」と、もうひとりのパラダ人。
「だが、どっちが本物か、分からない」と、ドクターベシア。「検査を
しても、数値は、まったく同じだし、ステーションの地理もよく、知っ
てるし」
「それで、あんなにしつこく、検査をしたんですか」と、オブライエン。
「やっと、分かりましたよ」
「あなたが、発見されるまで」と、キラ少佐。「彼が、セキュリティシ
ステムに、入らないようにしたの。なんで、こんな目に合うんだろうっ
て、思ったでしょうね」
「チーフ
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アリーナ
/FB6/Arena/
彼が目を開あけると、ふたたび、青の砂に青の輝きだった。
どのくらい眠っていたのだろう。1分?1日?
別の石が、もっと近くに落ちて、砂を巻き上げた。腕で体を支えて起
き上がると、回転ローラーが、バリアまで、あと20ヤードに迫ってい
た。
彼が起き上がると、やつは、急いで転ころがって離れて行った。できるだ
け遠く離れるまで、止まらなかった。
彼が眠ったのは、ほんの一瞬だったようだ。一方、彼は、回転ローラ
ーの投石の射程内にいた。彼が倒れたまま動きがないのを見て、やつは、
あえて、バリアまで来たのだ。幸運にも、彼がかなり弱っていることに
は、気づかれてなかった。そうでなければ、やつはそこにとどまって、
投石を続けただろう。
彼は、また、這はって動き出し、できるだけ遠くまで行こうとした。ア
リーナの外壁の不透明な壁まで、あと1ヤードだった。
そのとき、ふたたび、目の前のものは、どこかへ滑すべって行った。
◇
彼が目覚めたとき、なにも変わってなかった。しかし、今度は、彼は
長い間、眠っていた。最初に気づいたことは、彼の口の中だった。乾かわい
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て固まっていた。舌は膨張していた。
だんだんと完全に目覚めて来ると、なにかが良くないことに気づいた。
疲れは、あまり感じ
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屋根の上の少女
/TZ/IfSheDies/
自転車は、
かわしたが、車は、立ち木に激突した。
2
病院の集中治療室。意識のないキャシーが、人工呼吸器を装着されて
いた。
「ハンドルを左でなく、右に切っていたら」と、ナレーター。「ブレー
キを踏むのが、あと、1000分の1秒、早ければ。もしもという言葉
が、悲劇を否定しようとします、このミステリーゾーンでは」
キャシーを、見つめる、ポール。担当医師が来たので、ローカに出た。
「ベッカー医師、3階にお越しください」と、院内アナウンス。
「反応がない」と、医師。検査用紙を見ながら。
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7
「さっき、動きました」と、ポール。
「無意識の反射です。回復の兆候が、見られない。昨夜も、危なかった」
「望みは、ありますよね?希望は、持っていいんですよね?」
医師は、答えなかった。
「お願いです、助けてください。妻のソフィーを、去年、亡くしたばか
りなのに」
「分かっています」
「ぼく
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