原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
presented by bilyzkid
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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NOVELYst AutogeNerating dimensional space
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◆◇◆更新ニュース◇◆◇
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一.
ゲストがひとりで使える専用サイト
をリリースしました。
ゲスト専用非公開サイト自動作成
(使える文字は半角の英数字と_のみ、6〜15文字)
上の入力欄にIDを指定し、自分用のゲストルームを作成。
公開しない(リンクを張られない)限り、他人は入れません。
(Google等あらゆる検索から守られます)
ゲストルームは、1人1ルームまででお願いします。
(複数作る場合は、同一IDにしてください)
9タイトル、ゲスト制限あり(nov:15KB、画像:120KBまで)
1タイトルあれば、15KB制限でも、novを分けて、開始
ページを%pag 20とずらすことで、いくらでも書けます。
URLを、ID_10桁番号の形で作成後、ゲストルームへ入り
ます。そのURLは、メモ帳かお気に入り登録にのみ記し、
他から一切リンクを張らないでください。(1か所でも
リンクを張ると、検索ロボットに無数に侵入されて、
公開しているのと同じことになります)
一)
試用版 ゲストルーム
は、プロトタイプとして保存。
(以下、略)
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京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス
[サイト 内 検索 or検索] ヒット 68 件です。
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ふくろぅ3兄弟
/FB3/Owl/
アランフィールド
(寓話ぐうわ風にアレンジ)
プロローグ
ふくろぅ3兄弟は、お母さんふくろぅといっしょに、森の真ん中の木
のうろに住んでいた。
「子どもたち」と、お母さん。「昼間は、絶対に、ぜったいに、外へ出
てはだめですよ!子どもが外へ出られるのは、夜だけ!お日さまが照っ
てるあいだはダメ!」
「はぁい」と、3兄弟。口をそろえて。
しかし子どもたちは内心では、なぜだめなのか一度ためしてみたかっ
た。
2
1
1
昼間はお母さんが見張っていたので、できなかった。しかしある日、
少しのあいだお母さんが巣を留守にした。
「やってみよう!」と、長男。次男に。
「なにをためらってるのさ!」と、末っ子。
3兄弟は、うろから、明るい日射しのなかへ出た。ふくろぅの夜用の
目は、まぶしくてほとんど見えなかった。
長男は、となりの木の枝にすわって、明るい日射しに目をま
|
オレとフラップジャックとマルスd星人
/FB4/Flapjack/
6
5
フラップジャックはオレの言葉に鼻を鳴らして、立ち止まった。
「うん?あんたはここでキャンプすべきだと?」と、オレ。周りの景色
を見回した。「いいじゃろ、どこも同じように見える。12マイル以内
には、どこも水はない」
フラップジャックの背の荷物を降ろし、小さなテントを張り始めた。
オレはもともと、大当たりの前は、荷物にテントを詰めたりはしなかっ
た。フラップジャックもそんなことは言わなかった。しかし、店の店員
が、オレのポケットのカネのにおいをかぎつけて、そうするようすすめ
てきた。ちょっとは見栄えが良くなった。それを運ぶ権利は、フラップ
ジャックのものだった。
フラップジャックはしばらくこちらを見ていた。それから、砂漠に地
虫がいたのか砂を蹴り上げた。オレはそれほど心配する必要はないと分
かっていたが、やつの好きなようにさせていた。オレのことはオレの問
題で、やつのことはやつ
|
天使は淋しい道を行く
/TS/LonelyRoad/
ほんのちょいと話して、それで、あばよって、別
48
47
れたんでね。ダクラのだんな方にも、もう、話しましたよ。なんで、こ
こまで、引っ張るんだよ?」
「よし、帰してやれ!」と、クレイン。
シュルツは、ルンペンの男をドアまで、案内した。男は、出ていった。
「ジェラード警部に連絡をとりましょうか?」と、シュルツ。
「そんなことは、逮捕してからでいい!もしも、オレがキンブルで、汽
車に乗りそこなったら、あそこから、とるべき道は、ひとつしかないよ。
西の山に入ってゆく道だ」クレインは、壁に貼られた山の絵を指差して、
言った。
「西だと、管轄外になりますな」
「オレの持ち場を荒らされたんだぞ!」クレインは、タバコに火をつけ
た。「管轄域なんかに、かまっていられるか!」
◇
朝。リチャードは、山小屋の暖炉の火を、水をかけて消した。隣の室
のドアをノックした。
「そろそろ、出かけましょう、シ
|
チャンスふたたび
/FB3/SecondChance/
チャンスふたたび
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ジェイとオレは、シカゴのニューコミスキー球場の内野スタンドにい
た。1959年のワールドシリーズ10月9日の試合のリプレイが、そ
ろそろ始まろうとしていた。
オリジナルゲームは、ちょうど500年前で、ロサンジェルスドジャ
ーズが9対3で勝利し、4勝してシリーズを制し、ワールドチャンピオ
ンとなった。オリジナルゲームと可能な限りまったく同じ条件でゲーム
は始まるが、結果が違ってくることはありうる。
2
1
1
シカゴホワイトソックスの選手たちがフィールドに出てきて、内野で
ボールをまわし始めた。先発ピッチャーのウィンは、マウンドでボール
を受けとると、ウォームアップピッチングを始めた。クルツェフスキー
がファースト、フォックスがセカンド、グッドマンがサード、そして、
アパ
|
オブライエンの孤独
/ST/DS9_2_4_2/
船影が映った。
「どこの船だ?」
「所属先、および、船名は、宇宙艦隊の、メコンです」
「そうか、やっぱりな!こっちが、ワープするのを、待ってたわけか。
ふん、ま、橋を渡らなきゃならないときも、あるかな?」
「その質問は、理解できません」と、コンピュータ。
「ああ、今のは、無視してくれ!」
オブライエンは、話題を変えた。
「個人日誌に戻って、さて、とにかく、妙なかんじがしたんだ。でも、
あの時点でも、分からなかった。みんなの考え方は、まるで、ぼくに内
14
13
緒で、こっそり、パーティを計画しているような、そんな、かんじだっ
た。でも、ぼくの誕生日は、9月で、ほかにお祝いをするようなことは、
なにも、思いあたらなかった」
オブライエンは、ブリッジを通り抜けようとした。
キラ少佐と、ダックス中尉、ドクターベシアがいた。
「ああ、やっと、現われたぞ!」と、ドクターベシア。近づいてきた。
「ず
|
アリーナ
/FB6/Arena/
ここは水星じゃない。水星は、ここから40
0万マイル先だ。ここから?
4
3
1
そのとき、彼がどこにいたのか思い出した。ひとり乗りの偵察艇で、
冥王めいおう星の軌道の外側で、せいぜい100万マイルを偵察していた。そこ
は外宇宙からのアウトサイダーを食い止めるための、地球艦隊が引いた、
ぎりぎりの防衛ラインだった。
彼のレーダー範囲内にアウトサイダーの偵察艇が入り込んたことを知
らせる、かん高い警報ベルが、突然、鳴り響いた。
アウトサイダーがなにものなのか、誰も知らない。どんな姿をしてい
るのか、どの銀河から来たのか、スバル星の方角から来たこと以外、な
にも分かってなかった。
最初は、地球の植民地や前哨基地に散発的な襲撃があった。地球のパ
トロール船とアウトサイダーの宇宙船の間で、孤立した戦いがあった。
戦いは、時に勝ち、時に負けた。しかし、一度も、エイリアンの宇宙船
を拿捕 だほできなかった。攻撃された植民地の誰も、船から降りたアウトサ
イダーの姿を証言できる生き残りはいなかった。アウトサイダーが船を
降りたとして。
最初は、それほど深刻な事態ではなかった。襲撃は多くはなく、破壊
的でもなかった。個別で見れば、宇宙船の装備は、こちらの最新の攻撃
|
聖なる神殿の謎
/ST/DS9_1_1_1/
「息がありません!もう、手遅れです!避難してください!」
「警告!ワープコア、破損。あと、ニ分で爆発します」
「少尉!この子を頼む!」と、ボリアン人士官。
「中佐、行きましょう!」
「だめだ、妻を置いて、行けるものか!離せ!離せ!」
シスコ中佐は、抱きかかえられてシャトルの船内へ運ばれた。
「ジェイク!大丈夫だったか?」
「発進準備完了!」
「発進!」
シスコ中佐は、シャトルの窓から、船がボーグ船に捕らえられたまま
爆発するのを見た。
◇
宇宙暦46379・1。三年後。
ジェイクは、森の中の池で釣りをしていた。
「ジェイク、ここにいたのか、釣れたか?」と、シスコ中佐。
「釣れたけど、帰してやった。ねぇ、泳ぐにゆく?」と、ジェイク。
「いや、もう、到着の時間だ。そんな顔するな!これから行くベイジョ
8
7
ーは、きれいな星だぞ」
「でも、僕らが住むのは、星じゃなくて、オンボ
|
アリスのビックリラン
/LC/AliceWonder/
み
んなで乾かわかした。
すると、川岸のときのように、集団は、大きな輪を描いて座り、ネズ
ミに物語を始めるようお願いした。
「私のは、長く悲しい話でテイルす!」と、ネズミ。アリスの方を向き、ため
息をついた。
「確かに、長い尻尾テイルだわ!」と、アリス。集団の大きな輪をおおってし
まうような、長いネズミの尻尾を見た。「でも、なぜ尻尾テイルが悲しいのか
しら?」
アリスは、この謎なぞを解ときながら、ネズミの話を聞いていたので、話のテイル
内容は、頭の中でこんなふうになった。
42
41
私たちは、ソファの下に住んで
暖かく、快適で、太って
しかし、大きな苦難が!
━━━それは、ネコでした!
楽しみは邪魔され、
目は、霧、
心は、丸太、
それは、イヌでした!
ある日、ネコが去れば、
ネズミは、楽しく遊べるでしょう!
しかし、ああ、イヌ(と言われるもの)が!
イヌとネコが
|
終わり良ければ
/FB1/HappyEnding/
4
3
しかし、これが、逃がすことのできないチャンスだった。うまくゆく
可能性は、低かったが、3人は、地球の植民星の外でも、彼がどこにい
るのかわかっていた。さらに、3人は、軍には忠実だが、あまり賢くな
い連中であった。
救命艇は、休むために、静かに着陸した。ハッチが開き、彼が跳びお
りて、ビーチに向かって歩きだした。すぐに、立ち止まって、振り返り、
救命艇を案内してくれた、ふたりの乗員が、彼の私物の入ったチェスト
を運び出し、ビーチを横切って、林のへりに建っている、ブリキ小屋へ
運ぶのを待った。その小屋は、かつては、宇宙レーダー基地であった。
設備は、ずっと以前に廃止され、アンテナは、根元から折れていた。し
かし、小屋は、ちゃんとまだ、建っていた。しばらくの間は、彼のすま
いになるだろう。かなり、長いあいだかもしれない。ふたりの乗員は、
出発の準備のため、救命艇へ戻っていった。
船長は、彼の正面に立った。厳粛な面持ちだった。船長が、右手をわ
きから動かさなかったのは、強い意志によるもので、これは、命令から
だった。敬礼は、なかった。
船長の声も、厳粛で、感情を、押し殺していた。「ナンバーワン━━
━」
「静かに!」と、彼。それから、きつさを、ゆるめて。「もっと、気楽
にしゃ
|
屋根の上の少女
/TZ/IfSheDies/
自転車は、
かわしたが、車は、立ち木に激突した。
2
病院の集中治療室。意識のないキャシーが、人工呼吸器を装着されて
いた。
「ハンドルを左でなく、右に切っていたら」と、ナレーター。「ブレー
キを踏むのが、あと、1000分の1秒、早ければ。もしもという言葉
が、悲劇を否定しようとします、このミステリーゾーンでは」
キャシーを、見つめる、ポール。担当医師が来たので、ローカに出た。
「ベッカー医師、3階にお越しください」と、院内アナウンス。
「反応がない」と、医師。検査用紙を見ながら。
8
7
「さっき、動きました」と、ポール。
「無意識の反射です。回復の兆候が、見られない。昨夜も、危なかった」
「望みは、ありますよね?希望は、持っていいんですよね?」
医師は、答えなかった。
「お願いです、助けてください。妻のソフィーを、去年、亡くしたばか
りなのに」
「分かっています」
「ぼく
|
ミットキーあらわる
/FB1/TheStarMouse/
単に、大きくて、うるさい、ちょっとしゃべり過ぎの、
スーパーマウスのようにしか思っていなかった。
4
3
「さて」と、オッペルバーガー。自分に話しかけた。「この排気管が、
ちゃんと動くか、テストしよう!精度は、10万に対して4以内ならい
い。よし、完璧だ。つぎは━━━」
夜ごと夜ごと、日々、月ごとに、オッペルバーガーの目は、きらめき
を増し、ぎらぎら輝きだした。
それは、だいたい、3・5フィートの長さで、不思議な形をした、翼をつばさ
もっていた。室の中央のテーブルに、一時的に、軸の上に、置かれてい
た。室は、教授が、自由に使っていた。教授とミットキーが住んでいた
家は、4室あったが、見たところ、教授は、4室とは、考えていないよ
うだった。最初、一番大きな室を、研究目的のみに使うはずだったが、
いつの間にか、あらゆる目的で、使用されるようになった。眠くなった
ら、すみの簡易ベッドで寝て、ガ
|
幻の指揮官
/ST/VGR_6_1_4/
ジェインウェイ。「クルーに気持ち
よく仕事して欲しいの。彼の感情も重んじるべきでしょ?」
「でも、必要なんですかね?」と、トムパリス、ブリッジ前方の操縦席
についていた。「彼の仕事は認めてますよ。それ以上、望むって言うん
ですか?」
「惑星コースをセット!チャコティ、あとはよろしく。私は、正式な回
答文を書くから!」と、ジェインウェイは席を立って、隣の艦長室のド
アへ向かった。
◇
異様な星雲に待機する、異星人の宇宙船の内部。壁一面に多くのセン
サーやコンソールが並べられ、体格のよい肥満型異星人のオペレータが
何人も仕事をしていた。
「その船は、どの分類に入れた?」と、監督官。コンソールには、ヴォ
イジャー。
「危険回避だったかと」と、オペレータのひとり。通信カードを差し込
んでいた。
12
11
「そうだ。では、私が、そう分類した根拠はなんだ?」
「我々のデータベースに資料がなく
|
ナイトゥアンディ
/SY/KAndDy/
表示は、遅延となっていた。2階の売店でアイスク
リームを買って、かじりながらロビーの旅行者を見ていた。男は、シュ
ーティングゲームをしたり、中世の鎧兜のよろいかぶとフィギアを見たりして、時間
を潰つぶしていた。廃車置場にいた女性が、ジーパンにカートカバンを引い
て歩いていた。男は、フィギアを1つ買った。
「ごめんなさい!」と、ジーパンの女性。カバンが大きいので、人によ
くぶつかった。
「早いフライトに変えてもらえるのね?」と、女性。チェックインカウ
ンターの案内係に。
「お荷物は?」と、案内係。パスポートを女性に返した。
「持ち込むわ。貴重品があるの」
4
3
「どうぞ」案内係は、荷物カードを渡した。
女性がエスカレータを上がって、後ろ向きにカートを引いていて、男
性にぶつかった。
「ごめんなさい!」と、ジーパンの女性。手に持っていたカードを落と
した。
「いいえ、こっちが悪かったんです」
|
報復戦隊
/FB3/Fleet/
そのとき地
球は、2820年、火星植民地と戦闘状態にあった。火星は地球の半分
まで人口増加が進み、独立戦争を始めた。金星が侵略者に攻撃されたと
き、地球戦隊と火星戦隊は月の近くで戦おうとしていた。
しかし戦争は、歴史上最短で終結した。地球と火星の連合戦隊は、戦
争をやめ、地球と金星の途中で侵略者を迎え撃った。こちらは数の上で
敵を圧倒し、侵略者を宇宙のかなたへと吹き飛ばし、完全に追い払った。
2
24時間以内に、地球の首都アルバカーキで、地球と火星は平和条約
を締結した。火星の独立を認め、太陽系で唯一住居可能となった2つの
星のあいだの恒久的な同盟を結んだ。侵略者の本拠地を見つけ、2度と
太陽系が侵略されないように破壊する報復戦隊も計画された。
地上と数千マイル上空の衛星の探査装置が、金星を救う時間はなかっ
たが、侵略者の侵入を探知していた。探査装置の記録から、侵略者がや
ってきた方角は判明したが、正確な距離までは分からなかった。
4
3
|
帰ってきたカーン
/ST/StarTrek2013/
手に帽子を持って、立った
姿勢で。
「きみは、ニビル星での日誌に、そう記したな?」
「ええ、些細なことで、お時間を取らせないように」
28
27
「その火山の話を聞こう。情報では、活動は活発だった。噴火すれば、
星に危険が」
「無事を祈りましょう」
「噴火は、しない?」
「活発というのは、相対的にいってですから、そこまで、正確とは」
「噴火しなかったのは、ミスタースポックが、火口内で冷却装置を作動
させたからで、その直前、村人は、車輪を発明したかどうかなのに、海
のなかから出現する、宇宙船を見たと、それが、きみの報告にある、詳
細だがね」と、パイク。スポックに。
「提督」と、スポック。
「報告したのか?」と、カーク。「なぜ、黙ってた?」
「きみも、航星日誌には、真実を書くと思ったからだ」
「ああ、書いたよ、おまえを救ってなければ」
「そのことは、このうえなく、感謝しているが、だからこそ、私が責任
をもって、報告をせねばと感じたのだ」
「すごい責任感だ。ごりっぱだよ、とんがり耳、オレを裏切ってまで」
「とんがり耳?それは、私をおとしめる意図か?」
「諸君!」と、パイク。立ち上がった。手に、杖。「艦隊の指示は、調
査と観察であり、干渉では、ない」
「しかし、ワイヤーが切れなければ」と、スポッ
|
ファマドユニヴァース
/FB5/WhatMadUniverse/
なにも聞
こえて来なかった。彼は、来るときと同じに、できるだけ音がしないよ
うに、降りて行った。
ロビーで、今、ベルを鳴らして、ふつうに室を借りようか迷った。だ
めだ、と彼は決めた。ここでは、だめだ。事務員は、彼が、オックスフ
ォードブルーのスーツやストローハットを着つけて、包帯の束を運んでい
ることに気づくだろうし、夜になって、そうした衣類の持ち主が帰って
来て、なにがなくなったかを事務員に話せば、彼はすぐに2つの事実を
結び付けるだろう。
ドアを出て、通りを歩いた。すぐには気づかれないような場所、しば
らくは安全な場所に着いたら、すぐに包帯の束を取り出そう。誰かに話
し掛けたり、常識内でおとなしくしていれば、安全だ。常識を破ること
は、ロープに寄り掛かるまでは、ずいぶんたやすかった。1943年製
の50セント硬貨をあげれば、スパイとして殺されそうになる。店主は、
はっきりと、アルクトゥルスのスパイだ!と言った。それなら、ふつう
の会話の中にもあるかもしれない、別の落おとし穴を、簡単に推測できる。
グリーンビルまで乗せてくれた男とは、ほとんどしゃべらなかったこと
に、感謝したい。確かに、遅かれ早かれ、彼は、悪い常識はずれに出会
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っていただろう。
彼は、今、いつもそうだ
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ブラックジョーク
/FB4/Joke/
このマスクは、ファンシーダン
製。ほかのマスクも見ておくといい。今からだいたい1週間後に、ブラ
ハマン&ミントンに行くなら。明日注文したとして、商品が届くまで長
くかかる」
「そう」と、店主。「今、仕事って言った?マーサージと顔そり?」店
主は、かみそりを皮で砥とぎ始めた。たくみなストロークで。
「なぜ、ダメ?時間はある。今夜はオレの夜。かわいこちゃんといっし
ょ。歌にあるだろ、内巻きのブロンド。思い描いたような。そう遠くな
い下宿屋へ。待てよ、いいアイデアがある。良き笑い」
「なに?」
「彼女をだますのさ。ドアをノックするとき、ファンシーダン製のマス
クをつける。どこかの美男子が尋ねてきたと思わせるんだ。たぶん、マ
スクを取っていつもの親しい顔が現われても、それほどがっかりはしな
いだろう。彼女はそんなにがっかりしない方に賭ける。良き友人のジム
を見ても。そうしよう、これをやろう!」
大男は先のことを考えて、クックッと笑った。「今何時?」と、彼。
少し眠くなった。マッサージのこねるような動きが眠気を誘った。
「8時10分前」
「いいね、時間はたっぷり。9時前にはそこへ着つける。ところで、オレ
が入ってきたとき、ほんとうにだまされた?」
24
23
「まさに」と、店主。「あんたが座って
|
失われた文明3永遠の生命
/FB3/Discovery3/
失われた文明3永遠の生命
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
20世紀に発見されたが失われた大きな発見の3番目は、永遠の生命
の秘密だった。
これは、はっきりしないが、モスクワのイバノビッチスメタコフスキ
ーという化学者が1978年に発見した。スメタコフスキーは、どのよ
うにして発見し、どのようにしてそれを試す前に有効なことを知ったの
かについての記録を残さなかった。2つの理由から、彼がそれを身が凍こお
るほど怖おそれていたからだ。
2
1
1
スメタコフスキーは、それを世界に発表することを怖おそれていた。自分
の政府にさえ、一度報告すれば、秘密はすぐに鉄のカーテンを漏れて、
世界に混乱をもたらすだろう。USSRはうまく処理できるだろうが、
ほかの野蛮で不道徳な国では、永遠の生命の薬は、たちまち人口爆
|
ドーム
/FB7/TheDome/
決心は簡単だ。彼はずいぶん前にそれをやっていた。た
ぶん、10年か15年前に。フォースフィールドは、維持するのはそれ
6
5
ほどパワーを必要としないが、新たに作り出すには膨大なエネルギーが
必要だった。彼が最初にオンにしたときは、外部に利用可能なパワーが
存在していた。
もちろん、フィールドは一度構築されれば、メインパワーとの接続は
切られた。すべての接続は切られていた。建物内のエネルギー源は、彼
自身の必要を満たすに十分であり、フィールドの維持のためには、わず
かなパワーしか必要なかった。
そう、彼は、突然はっきりと決心した。スイッチを引こうと。数時間
のあいだに、30年の時がすべてよみがえる。30年というのは、ひと
りでいるには長過ぎた。
彼は、ひとりでいたいわけではなかった。秘書のマイラが、出て行っ
てしまわなければ━━━考えてもあまりに遅おそ過ぎるが━━━しかし過去
に何十億回も考えた。なぜ、彼女は、人類の残りのものたちと運命を共
にして、助けられないものたちを助けようとするような、愚おろかな選択を
したのだろう?しかも、彼女は彼を愛していた。彼と結婚したかもしれ
ないような非現実的なことは別として。彼が現実を説明したのが、あま
りに突然だったので、ショックを与えたのか
|
さぁ愉快にやろう
/FB6/ComeAndGoMad/
彼はタバコを消すと、キャンドラーの顔を見た。「しかし、その話は、
奇妙すぎる。あんたは、キャンドラーが正気かどうか、確信がない?」
「確かに」
「それに、仕事はどのくらい、やっかい?」
「ドクターが言うには、リポーターがその話を聞けるのは、入院患者か
らのみ」
「つまり、そこへ入り込めと?守衛として、あるいは?」
キャンドラーは言った。「あるいは、として」
「う〜」
彼はイスから立ち上がると、窓のところに歩いて行った。編集長に背
中を向けながら、外を見た。太陽は、ほとんど動いてなかった。だが、
通りの影のパターンは、違って見えた。かすかに違っていた。影のパタ
ーンは、彼の内部でも違っていた。彼は知っていたが、これは、これか
ら起ころうとしていることだった。彼は振り返ると、言った。「イヤだ。
絶対、断る」
キャンドラーは、かすかに肩をすくめた。「自分を責めるな!オレは、
あんたには頼むことはできないし、自分でもやれない」
彼は訊きいた。「エルスウォースジョイスランドルフが考えているのは、
彼の病院に来てくれと?それは、あんたがランドルフが正気かどうか疑
ってるとしたら、かなり奇妙な話だ」
10
9
「オレはあんたにそれを頼むことはしない、バイン。彼にも言ってある、
あんたが仕事を
|
白日夢
/FB7/Daymare/
ペリー?」
発明家は、今、困ったように見えた。
「分からない、違いは?」
「公式リストの本は」カクアは説明した。「2つのグループに分けられ
る。本当に危険なものは、ブラック本。所有するだけで重い罰を課され
る。書いたり印刷したりすれば、死刑となる。穏おだやかに危険なものは、
グレイ本。そう、呼ばれている」
「ウィレムがどちらを売っていたのか、知らない。そう、これは記録か
ら除外してほしが、一度、ウィレムから借りて、2冊読んだ。オレには、
にぶい内容に思えた。主流からづれた政治理論」
「それは、グレイ本」カクア警部補は、ほっとしたように見えた。「理
論的なものは、みんな、グレイ本。ブラック本は、もっと危険な、実践
的内容があるもの」
「どのようなもの?」発明家は、カクアをじっと見つめた。
「不法なものの作り方」カクアは説明した。「レタイトのように、例え
60
59
ば、レタイトは、毒ガスで、非
|
アリスのルッグラン
/LC/AliceLooking/
3
「まずしなくてはならないことは」と、アリス。自分に。「この世界の
全体像を知るために、いろんなところを旅することだわ!まるで、地理
の勉強みたい!」
アリスは、つま先立ちをして、少しでも遠くを見ようとした。
「まず、川は」と、アリス。「ないわ!山は、ひとつ。今いるところだ
わ。でも、山の名前が分からない。町は━━━ところで、遠くの向こう
で、花の蜜みつを集めているのは、なにかしら?ハチではないわ。ハチは、
1マイル以内でも、まったく見てない!」
アリスは、黙って、立って見ていた。ハチは、花から花へ駆かけるまわ
ったり、花へ口を差し込んだりしていた。
「ふつうのハチではない━━━分かったわ!ゾウよ!」アリスは、そう
思いついて息をのんだ。「あの花は、きっとものすごく巨大なんだわ!
屋根の代わりに茎を並べた小屋があるわ。あの花からどれだけの蜜みつがと
れるのかしら?降りてゆくべき?いいえ、今は、ゆけない!ゾウたちを
きれいにしてあげられるような、長い枝でもなければ!ゾウたちは、
『歩きはどう?』と聞くかもしれない。そしたら、『悪くはないわ!』
(ゾウたちは、ここで、わたしの頭を軽くさわるかも!)『少し暑くて、
ほこりっぽいけど!あなたたちは、ずいぶん気持ちよさそうね!』と答
58
57
|
失われた母星
/ST/StarTrek2009/
船長」
チェコフは、パネルに入力した。
「少尉、認証コード、ナインファイブ、ウィクトルウィクトルトゥー」
「認証、確認できません」と、コンピュータ。
「えっと、少尉、認証コード、ナインファイブ、ヴィトルヴィトルトゥ
ー」
「認証しました」
チェコフは、やっと、艦内放送を始めた。
「船内のみなさんにお知らせします。2200時に、テレメータが中立
地帯に異常を、感知しました。数値からすると、宇宙嵐のようにみえま
す。そのすこしあと、艦隊が、バルカン司令部から、救難信号を受信。
バルカン星に、地震活動がおきているとのことです。われわれの任務は、
バルカン星の現状を把握したあと、必要ならば、脱出の指示をすること
です。この船のバルカン到着は、約3分後、報告、以上です」
◇
エンタープライズの医療室。
「宇宙嵐?」と、カーク。医療用ベッドから、起き上がった。
「ああ、ジム、起きたか?」と、マッコイ。「気分はどうだ?」
76
75
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失われた文明1透明人間
/FB3/Discovery1/
3
プレーターは、彼女の入った室を覚えておいた。武装した宦官かんがんが、カ
ーテンドアにそれぞれ1名づついて、寝室を守っていた。彼は、女性が
完全に眠ったと思われるまで待ってから、宦官かんがんがホールの方を向いて、
カーテンドアの動きに気づかない瞬間をねらってすべりこんだ。ホール
も薄暗かったが、室内は真っ暗闇だった。手さぐりで慎重に進み、寝床
を見つけた。静かに眠っている女性に触れた。彼女は悲鳴をあげた。
(サルタンは、夜にハーレムを訪れず、ひとりあるいは数名の妻たちを、
自分の住まいに呼び寄せるだけであることを、彼は知らなかった)
エピローグ
すぐに、宦官かんがんが入ってきて、彼をつかまえた。
「そうか、これだったんだ」と、プレーター。死ぬまぎわに考えた。
「これが、透明人間の弱点だったんだ。完全な暗闇では、なんの役にも
たたなかったんだ!」
最後に聞いたのは、片刃刀かたはとうのヒュッという音だった。
(終わり)
8
7
|
パペットショー
/FB2/PuppetShow/
チェリーベルでは、
彼だけだったろう。話し手の概観から、ケイシーは、言うことを、信用
した。
「なにか、してあげられることは、ありますか?」と、ケイシー。「日
陰に?」
「いや、だいじょうぶ。ここは、聞いていたより、すこし、涼しいが、
まったく、快適だ。私の惑星の、涼しい、春の夕暮れというかんじだ。
もしも、なにかしてもらえるなら、私が来たことを、偉い方に知らせて
もらえんかな?きっと、興味をもつと思う」
ケイシーは、20マイル以内にいる、もっともふさわしい人物を思い
ついた。マヌエルケイシーは、アイルランドとメキシコの混血で、腹違
12
11
いの兄は、アイルランドとアメリカの混血だった。この兄が、トゥーソ
ンのデービスモンタン空軍基地の空軍大佐だった。
「ちょっと、待っててください、ガースさん。電話してきます。グラン
トさん、店の中へ、入ります?」
「今は、日射しは、気にならん」と、採掘
|
存在のわな
/FB4/Trap/
そのような感情とは無縁だった。代わりに、
ストレンジャは自分の置かれた状況を静かに調べ始めた。彼の認知範囲
を変化させて、広げたり狭せばめたりしながら、囚人となったものの性質を
調べ始めた。
それは、だいたいは長円形の筒で、グロテスクな形状だった。1つの
角かどから、いわば、長いつなぎの拡張が伸びている。筒の別の端はしから、よ
り短いが太い伸びるものがある。
もっとも奇妙だったのは、短い伸び縮みする円柱の端はしにある玉子形の
ものだった。それは、内部も玉子形で、てっぺん近くに、彼の意識の中
心が、固定されていた。
18
17
彼が囚われの身となったものを、調べ、さぐって行ったが、すごく複
雑な神経やチューブや細胞の目的を理解できなかった。
そのとき、近くの他の存在の発散を感じて、認識の範囲を広げた。驚
きは大きくなった。
男たちは戦場を這はって、前進した。ジョニーディックスのバラバラ
|
ユスタックウィバーの短い生涯2
/FB3/Weaver2/
ユスタックウィバーの短い生涯2
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。手持
ちは2ドルしかなく、やっている近くの競馬場までの飛行機代にもなら
なかった。
2
1
1
ユスタックウィバーは、倉庫係として働いていたスーパーマーケット
の金庫にねらいをつけた。金庫には、少なくとも千ドルはあり、タイム
ロックだった。タイムロックは、タイムマシンにとってはあひるのスー
|
感想
/CO/Comment/
アイデンティティを関連性のない、いくつものブロック
8
7
に分解。宇宙へと生まれ変わることが可能。
[5]ドゥルーズ=ガタリ:「家」は宇宙の力と人間の転生を有限の領
域や広がりに「あいまい」に結び付けている。いずれもオレたちを分解
して宇宙へと結びつけている。部分的に宇宙の力をフィルタリングした
り使用しながら。「家」は決まりきったルーチンが支配する領域。つま
り、内部の転生と外側の力が新しい感情を作り出す場所。
[6]デリダ:テキストに外側はない。「家」はテキスト。一度中へ入
ってしまえば、それ自身で閉じていて、その内部で解釈される。外へ出
るキーはない。このことは、第2パラグラフで分かっている:「ドアノ
ブも鍵穴も、ドアのへりさえなかった。へりがあったとしても、うまく
まわりの壁に溶け込んで、輪郭さえ見つけられなかった」
[7]ユング:そのテキストは、答えを見つけたら解決するパズルでは
なく、複数の意味が反響し合うシンボルである。「家」は精神であり、
記憶であり、夢であり、回想。原型をいくつも呼び起こし、ひとつの精
神的空間に並置される。ユングによると、夢における家は、しばしばそ
の人の精神を表す。「エゴはそれ自身の家の主人ではない」
10
|
3つの願い
/XF/JeSouhaite/
いうんだけど」スカ
リーは、身分証を見せた。
「その船は」と、レスリー。「うちのじゃない。頼まれて、預かってい
るだけだ。ほんとさ。それに、税金は、持ち主が払っている」
「ああ、そう」スカリーは、身分証をしまった。
「ほんじゃ、さよなら」レスリーは、ドアをしめようとした。
「おい、おい、おい、おい」と、モルダー。ドアを、ふたたび、あけた。
「きみ、名前は?」
「レスリーストークス」
「アンソンの弟か?」
レスリーは、うなづいた。
モルダーは、室内を、なに気なく見た。黒皮のコートを着た女性が、
サングラスをして、お菓子の筒を手で回しながら、立っていた。
「どうも」と、モルダー。女性は、こちらを見たが、なにも、言わなか
った。
スカリーも、ドアから、首を出して、女性を見た。
「きょうは、船のことで、来たんじゃないんだ。お兄さんの、元雇い主、
16
15
ギルモアさんのことで、話を」
「最近」
|
ナスティ
/FB3/Nasty/
使ってみれば、分か
るよ」
悪魔は、消えた。
6
5
2
ウォルタービュレガードは、着ているものを急いでぬいで、美しい銀
の水泳トランクスを2つともはいた。すぐに、すばらしさを感じた。活
力が、体内を流れた。好きものキャリアを始めたばかりの頃の、若者に
戻ったように感じた。
急いで、ローブを着て、スリッパをはいた。
(彼が、金持ちであったことを述べただろうか?住まいは、アトランテ
ィックシティの高級ホテルの最上階のペントハウスだということも?ど
ちらも、そうだったのだ)
彼は、プライベートエレベータで下へ降り、ホテルの中庭にある豪華
なプールへ出た。そこは、いつものように、ゴージャスなビキニ美女た
ちに囲まれ、彼女たちは、日光浴をしているふりをしながら、ビュレガ
ードのような、金持ちの男たちからの申し出を待っている場所だった。
ビュレガードは、選ぶのに時間をかけた。しかし
|
イェフディの法則
/FB2/TheYehudiPrinciple/
また、銅の円盤が、チャーリ
ーのこめかみの上にそれぞれあって、1本のワイヤーが右耳のうしろを
通って、コートのポケットにある単3乾電池につながっていた。
一見したところ、それは、頭痛を治したり、あるいは、もっと悪くす
る以外には、なにもできないように見えた。しかし、オレは、チャーリ
ーの顔の輝きから、それは、とんでもないものだと悟った。
「なにをやるんだい?」オレは、知りたがった。
「やってほしいこと、なんでもさ」と、チャーリー。「もちろん、常識
の範囲内だけだけど。ビルを動かしてくれ、とか、蒸気機関車を出して
くれ、という突飛なのは無理だ。しかし、なにか細かいことで、やって
ほしいことなら、ヤツはやってくれる」
「ヤツって?」
「イェフディさ」
4
3
オレは、目を閉じて、5つ数えた。1つ数えるごとに、「イェフディ
ってだれ?」と、聞きたくなる気持ちを抑えながら。
オレは、ベッドの上
|
ノヴァリアン試用版
/novelyan/guestroom/
あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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1
2
3
4
) presented by bilyzkid
◆◇◆更新ニュース◇◆◇
一.
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ノヴァリアン NOVELYAN 2.40 試用版
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|
眠れるステーション エムポックノール
/ST/DS9_5_6_4/
オブライ
エンは、壊された壁に近づくと、そこに、ペチェッティが倒れていた。
34
33
3
ふたりの遺体は、白いシーツで覆われた。
「きっと、いきなり襲われたんだ」と、ボクタ。
「敵は、内部センサーで居場所をつかんだんだ」
「落ち着け!かならず、脱出できるから」と、チーフオブライン。
「余計なことを考えるな!ペチェッティは、死ぬ前に、ミクロフュージ
ョン反応を、ほぼ、復活させてくれた。残りは、僕がやる。それから、
貨物室に戻る。コンジットは、どうした?」
「終わってます」
「よおし、じゃ、アマロと補助コントロールに行って、パルス発生装置
の調整をしてくれ!」
「わかれるんですか?」
「仕方がない。SOSを打たなければ、ここからは、脱出できないんだ」
「でも、チーフ、もし我々が」
「ボクタ、頼む、がんばってくれ!」
「おれがついているから、平気だよ」と、アマロ。
「ペチェッティ
|
“スペーステロリスト”ターナロス
/ST/DS9_1_1_2/
保護を認めるしかない。彼の身柄は、ベイジョー政府に引き
渡す。納得がいかないと言うなら、私ではなく、政府に掛け合うんだな」
「うう」
24
23
2
キラ少佐は、ターナロスを、用意しておいた室へ案内した。
「ちゃんとしたベッドで寝るのは、ひさしぶりでしょ?」とキラ少佐。
「ベッドなんてものがあるのも、忘れていたよ」と、ターナロス。
「ほんとによかった。あなたは、必要な人よ」
「おれの特殊技術が、連邦の役にたつとは思えない」
「ベイジョーが必要としているのよ。私のことを、連邦の一員になって
しまったと、思っているようだけど、誓って私は」
「君は、シスコの補佐官だろ?」
「そうよ、でも」
「どうころんでも、おれには絶対になれないよ」
「誰かが、臨時政府と連邦との折衝役を務つとめないことには、始まらない
わ。少なくとも私がここへ残ったことで」
「なぜ、なぜ、連邦をここへおく?なんのために?
|
世界の終わり
/FB/TheEnd/
そう言って、教授は、機械のボタンを押した。
「これで、時間の流れは、逆になるはずだ━━━」
2
1
◇
教室の一同は、一瞬、息をのんだが、すぐにざわつき始めた。
「なんだね、ジョアンナ君」と教授。
「先生、何も起こってないようなんだけど━━━」と、手を挙あげた生徒。
「それは、君が、時間という場の内側にいるからさ。時間の流れという
ものは、時間の場のひとつの属性にすぎん。
今、この機械は、過去から未来へ流れる時間の流れを逆にしたのだが、
場の内側にいる存在にとっては、すでに来てしまった未来は、過去に、
これから起ころうとする過去は、未来と捉とらえるしかない━━━それは、
あたかも」
納得のいかない生徒たちは、さらに、ざわつき始めた。
「ジョアンナ君、君の顔が、今、鏡のように左右反対になってしまって
も、誰も気がつかないのと同じだよ。
あるいは、地球の歴史において━━━なんどか起こっているように、
地球のN極とS極が瞬時に入れ替わっても、渡り鳥たちにとっては、な
んの支障もないのと━━━」
ジョアンナは、納得がいかないまま頬ほほに手をおくと、今朝け さ、右頬みぎほほに新
しくできたばかりのニキビがすっかり消えてしまっているのに気づいて
|
いつもふたりで
/SY/TwoForTheRoad/
ちやほやされて」
◇
トラクターの荷台に乗った、ヒッチハイク姿のマークが、女学生たち
8人が乗った小型バスにあいさつすると、わき見していた女学生の運転
で、小型バスは、対向車を避けようとして、脇溝に落ちて、横転した。
その脇を、マークは、おどけたふりをしながら、通りすぎた。トラクタ
ーはとまり、マークが戻ってきて、小型バスを運転することになった。
女学生たちは、合唱部の合宿で、パティの弾くギターの伴奏で、車内
でも歌った。
運転席のマークの隣に、キャプテンのジャクリーン。ジョアンナは、
後ろの席だった。
「パティ、うまくなったわ」と、ジャクリーン。「どうしたの?」
22
21
「なにも」と、パティ。「ああ、どうもおかしい!病気みたい」
「はしか?」
「もう、かかったわ!別のなにかよ!」
車の前に、ニワトリが現われて、道をふさいだ。
◇
「チッキンポックスです」と、医
|
八甲田 歩のスペースドライバー日誌
/RM/SpaceDriver/
交通公園
「近くで悪いんだけど」と、広尾の女性。
「天現寺インターの近くまで行って!」
「ここ左折してすぐ、パーキングのところで停めて!」
女性が降りると、親子連れ。
「バスに乗ったら、逆方向に曲がってしまって、いいかしら?」
「どうぞ」
「いつも目黒行きのに乗るんですけど、バスの案内の方がどれでも行く
って言うから、新橋行きのに乗ったら、全然逆の方に行くから」
「そうですね、逆かもしれませんね?」
10
9
「外苑西通り沿いなんですけど」
「バスの運転手さんが間違ったの?」と、男の子。
「運転手さんは間違ってないわよ、違うバスに乗ってしまっただけ」
「じぇったい、ここをこう曲がって、こう行って」
「意外とバスって、希望通り曲がってくれないものね」
「そうですね、この通り沿いですね?」
「そう、このあたりで停めてください」
男の子はぐっすり眠り込んでいた。
「あら、起きなさい!着いたわよ!
|
ボディスナッチャー
/SY/BodySnatcher/
手を貸せ!出た
いんだ!」
ジャックは、なにも言わずに、カーテンを閉めた。
「毎週、これではね」と、ナンシー。男性が泥風呂から出るのを助けて、
バスタオルを渡した。「もうすこし、辛抱しないと」男性を、シャワー
52
51
に案内して、カーテンを閉めた。
別の男性は、泥風呂に首までつかって、本を読みながら、じっとして
いた。
シャワーを浴びた男性は、ベッドで横になり、ナンシーのマッサージ
を受けていた。
「ナンシー、音楽を止めろ!」と、男性。
「植木用よ」と、ナンシー。
「オレは、音楽が、好かん」
「うちの植木は、大好きよ。感情があるの。音楽で、植物の成長が早く
なるのは、実証済みなのよ」
「いいから、止めろ!」
「もっと、楽しい気分で!」
本を読んでいた男性は、泥風呂からあがった。
ジャックは、服をぬいで、バスタオルを腰にまいて、サウナルームに
入った。
ナンシーは、泥風呂の周りを
|
ティラノサウルス
/FB1/Runaround/
木をのぼり、彼が走るよりもはやく、枝から枝へとんで逃
げた。25フィートの彼の背丈より高く、根こそぎ倒せないような太い
幹の木の上へ。彼の巨大なアゴの一撃をかわして、10フィートも滑空
することもあった。彼が、イライラして、あまりの空腹から大声でほえ
ると、小さなやつらは、早口になにかを言いかえしてくる始末だった。
空腹、いつも、空腹だった。
この100年は、腹いっぱい食べたことがなかった。彼は、種の最後
の生き残りだった。ほかには、もう、目の前に立ちはだかり、戦い、そ
いつを殺してから腹いっぱい食べるというやつらは、もはや、残っては
いなかった。
スレート状の灰の肌は、だらしなくたれさがり、内臓の空腹という、
終わることのない苦痛から、ちぢんでなん重にもしわがよっていた。
彼の記憶力は、浅かったが、昔は、こんなじゃなかったと、かすかに
覚えていた。かつては、彼も若く、反撃してくるやつらと、ひどい戦い
になった。やつらは、数が少なくなって、見つけるのがたいへんだった
が、たまに、でくわした。そして、やつらを殺した。
背中に沿って、恐ろしくするどい歯のようなものが並んだ、よろいの
プレートをまとった、巨大なやつもいた。敵の上にころがって、半分に
切り刻もうとした。前方に突きでた、3つの大きなつのをもつ、くびの
えりが、重くてかたい骨でできたやつもいた。そいつらは、みんな、4
6
5
つ足で進んでいた。彼と出くわすまでは、4つ足で進んでいた。そのあ
とは、進むのをやめた。
ほかには、彼とそっくりなやつらがいた。あるものは、彼の数倍の大
きさだったが、苦もなく、そいつらを殺
|
アンドロメダUの来訪者
/FB/AllGoodBems/
と、エルモ。
「レックス、あいつらは、サヨナラも言わずに行ってしまったのか?そ
れとも━━━」
「ぼくには、サヨナラを言ったよ。あんたには、エルモ、よくしてくれ
32
31
て、感謝の気持ちを伝えたいと言っていたよ。あんたの脳内をチラって
見て、なにか、あんたがストーリーを書くことを、妨さまたげている、心理的
なブロックを取り除いたそうだよ。あんたは、前ほどではないにせよ、
また、書けるようになったよ。たぶん、いつも白い紙をみつめるだけの、
雪原せつげんをさまようような日々は、なくなるはずだよ」
「まるで、手品師のしわざだな」と、エルモ。「ところで、壊こわれた宇宙
船は、どうした?やつらは、それを残していったのだろ?」
「そうだよ。自分たちの体を、宇宙船から救い出して、体を修復ししゅうふくてか
らね。言っておくと、彼らは、ほんとうの、ベムだったよ。みんな、頭
は二つに、五本足。この五本足は、手
|
フェルマーの予想
/RM/Fermat/
三百年前に証明されたんでは?」と、ジ
ェイク。「たしか、ダックス大尉が別証明にチャレンジしてるって」
「そのようね。証明自体は、中学生では難しすぎるし、私も理解できま
せん。今日のテキストは、やはり三百年前頃に書かれた未発表のもので、
Googolという検索サイトのキャッシングに残されていたものです」
「キャッシングって、ラチナムに換金するってことですか?」と、ノー
グ。
「そういうことではないでしょうね。なんらかのデータベースというこ
とらしいです」
4
3
「パッドに入っているテキストの最初の図形は?」と、ケイコ先生。
「はーい、ピタゴラスの定理です」と、ジェイク。
「そうです、直角三角形の斜辺の二乗が、他の辺の二乗の和に等しいと
いうものですね。次に書かれているのが」
6
5
|
人形の家で
/TZ/Miniature/
チャーリー。玄関で、ぶつかったアイリーンに。アイリ
ーンは、黒のコートに、黒の手袋だった。あきれたように、頭をふって、
4
3
去っていった。アイリーンにぶつかったことが、チャーリーが見知らぬ
世界に迷い込むきっかけとなった。
館内の食堂は、「改装のため休業」の立て札があった。階段を上って
いくと、下へ降りようとする、団体客にぶつかった。
「次は、古代の美術品です」と、案内する男性。「この盾は、100年
も前のものです。比較的新しい、1950年代のものもあります。アフ
リカの一部の地域は、開拓前で、文明化されていません。奥地の先住民
の中には、文明社会を知ることなく、死んでゆくものもいます。また、
彼らは、数百の言語を操ります」チャーリーは、団体客に押されて、2
階に上がれず、1階の団体客の中にいた。
「美術鑑賞協会のみなさまなら、彼らの作品の価値が分かるでしょう。
盾は、特別の目的のため
|
ヴァンパイア
/FB/Blood/
「新しい生物だわ!犬は、滅ほろんだのよ。なにものかが支配して、ヴァン
パイアは、忘れ去られたわ!」
4
3
こちらにやってくる生物は、テレパシーが使えた。
「私たちは、あなた方の考えを聞くことができます」と、ふたりの脳内
の声。
「ヴァンパイアのことを知っているか、考えていますね。それがなんな
のかわかりませんが、われわれは、知りませんね」
ドリーナは、歓喜のあまり、ヴェロンの腕をつかんだ。
「自由よ!それに、ごはん!」
「あなた方は、疑問を抱いていますね」と、声。
「私たちがなにから進化した生物なのか━━━そうですね、現在の全種
族は、野菜です。私は━━━」
彼は深くおじぎをした。
「ここの支配種族のひとりですが、かつて、あなた方が、チューリップ
と呼んでいたものです」
(終わり)
6
5
|
殺人アシスタント
/FB3/Hobbyist/
解毒げどく剤は、少々値ねが張はります」
サングストロムは、青ざめた。しかし、このようなゆすりや恐喝はきようかつ予
想ずみで、ポケットから拳銃を抜いた。
小鬼の店主は、くっくっと笑った。「あなたは拳銃を使いませんよ。
解毒げどく剤をここからさがせますか?」手でビンの棚を仰あおいだ。「何千とい
うビンの中から、猛毒がきいてくる前に?あるいは、私がほんとうは毒
を盛ってないのにそう見せているだけだとお思いなら、どうぞ撃うってく
ださい!毒がきいてくる3時間以内に答えが分かりますよ!」
「解毒げどく剤の値段は?」と、サングストロム。不満そうに。
「とても安いです。千ドルです。こちらにも生活がありますから、趣味
が殺人を抑止よくしすることだとしても、少しは稼かせがないと」
サングストロムは、しぶしぶ拳銃をテーブルの手の届くところに置い
て、財布を出した。解毒げどく剤のあとなら、拳銃が使えるだろう。100ド
ル紙幣で10枚をテーブルに置いた。
6
5
|
アリスのアンダラン
/LC/AliceUnderGround/
み
んなで乾かわかした。
すると、川岸のときのように、集団は、大きな輪を描いて座り、ネズ
ミに物語を始めるようお願いした。
「私のは、長く悲しい話でテイルす!」と、ネズミ。アリスの方を向き、ため
息をついた。
「確かに、長い尻尾テイルだわ!」と、アリス。集団の大きな輪をおおってし
まうような、長いネズミの尻尾を見た。「でも、なぜ尻尾テイルが悲しいのか
しら?」
アリスは、この謎なぞを解ときながら、ネズミの話を聞いていたので、話のテイル
内容は、頭の中でこんなふうになった。
42
41
私たちは、ソファの下に住んで
暖かく、快適で、太って
しかし、大きな苦難が!
━━━それは、ネコでした!
楽しみは邪魔され、
目は、霧、
心は、丸太、
それは、イヌでした!
ある日、ネコが去れば、
ネズミは、楽しく遊べるでしょう!
しかし、ああ、イヌ(と言われるもの)が!
イヌとネコが
|
恐怖のウイルス
/ST/DS9_1_2_1/
「乱気流を早く廻って。沈み行く港を閉鎖するんだ。足首を試して。サ
ウンドが光をリセット。ディナーに虫を」
「チーフ、待って」
「いつ?」
2
ドクターベシアは、医療室でオブライエンを診察していた。
「コンピュータ。神経映像スキャンを続けて。視覚皮質を刺激してくれ」
と、ドクターベシア。
「視神経の反応はすべて異常なし」と、コンピュータ。
「聴覚を刺激するんだ」
「生理的損傷はありません。脳の機能の数値も、すべて正常の範囲内で
す」と、コンピュータ。
「ナース」ドクターベシアは、看護婦を呼んだ。
20
19
「はい」と、ナース。
「オブライエンの今までの病歴を調べてくれ」
「はい、ドクター」
オブライエンは、コンピュータパッドに文字をタイプして見せた。
「なーに、これ、どういう意味なの?」と、キラ。
「僕の方が聞きたいですよ」と、ドクターベシア。
「限界を撃て。闇を燃やせ。本当の
|
レッドダイアモンド
/RD/RedDiamond/
20ポンドはスマートだった。ショーンは、アス
リートらしいしなやかさで、すばやく動いた。
ショーンは、男子のあいだで有名で、女子には人気があった。カリス
マ性があって、健康で、みんなから好かれた。サイモンは、みすぼらし
い父親から完璧な息子が生まれたことが不思議だった。
ショーンは、キャブドライバーの父親のことをどう思っているのだろ
う?そもそもショーンは、父親のことを考えたことがあるのだろうか?
サイモンが居間を通ると、キーンが描いたポップな瞳がひとみ笑いかけた。
ミリーの自慢は、そうした室内装飾だった。サイモンには目障めざわりだった
が、口出しはしなかった。そのうちもっと資金を出せるようになれば、
上品な装飾に変わってゆくだろう。
サイモンは、2階のバスルームに入ってヒゲを剃そり始めた。
「あなた、バスルームにいるの?」と、ミリーの声。バスルームの薄っ
ぺらなドアを通して聞こえた。
安全カミソリが、泡だらけのサイモンのアゴで滑すべって皮膚をキズつけ
た。グリーンのバスローブに、血が数滴すうてきしたたった。
「ああ、終わったよ」と、サイモン。ティッシューで傷口を押さえて、
出てきた。
「ありがとう、あなた!」と、ミリー。階下から。
ミリーがバスルームを使う時間に、サイモンは口をはさむことはなか
22
21
|
ジバゴ
/SY/Zhivago/
すまん、たいへんなんだ」と、コマロフスキー。
「ああ、分かっておる」と、教授。「助手だ」と、ユーリを紹介した。
60
59
「よろしく」と、コマロフスキー。
「で、患者は?」と、教授。
「こっちだ」コマロフスキーは、ふたりを、奥に案内した。
「いつからだ」と、教授。患者の容態を見ていた。
「今夜、8時ごろ」
「なにを飲んだ?」教授は、懐中時計を見ながら、訊きいた。
コマロフスキーは、棚に置いてあった空のビンを見せた。
「なぜ、かかりつけの医者を呼ばん?」
「まずいんだ」
「そうだろうとも!」
教授とユーリは、コートを脱いで、患者の医療を始めた。
「ユーリ、患者の向きを変えろ!そうだ!水!」
教授は、水さしの中に、液体の薬剤を入れた。「頭を!さぁ、しっか
り!さぁ、ユーリ、急げ!早くしろ!」
「すいません」と、ユーリ。
「そうだよ、そう、そう。そう、そう。大丈夫だよ。そう、そう」
一時間
|
ケンタウロス
/FB1/HorseRace/
ノヴァという恒星をご存知ですか?」
2
1
「ええ」と、ロバーツ。すぐに、返答した。この距離での通信は、今の
ような、超光速通信では、かなりの電力ロスにつながるので、できるだ
け、早く、会話を切り上げたかった。
「では、その惑星については?」
「そこに行ったことはありません。知ってるのは、2つの居住可能な惑
星があるということだけです」
「そのとおりです。内側の惑星には、われわれとさほど変わらない、人
族が住んでいます。外側の惑星には、外見上は、地球の馬と似た民族が
住んでいます。ただし、彼らには、3対目の足があって、追加の2本の
手として使用できるため、かなり高い文明水準を達成しました。彼らの
正式名称は、地球人には発音しづらいので、単に、馬族と、呼ばれてい
ます。彼らは、この名称の由来が、馬であることを知っていますが、気
にしていません。それほど、神経質な性格ではないのです」
「そうですか」と、ロバーツ。ブランドも、うなづいた。
「どちらの惑星も、超光速ではないものの、宇宙飛行は可能な水準に達
しています。ふたつの惑星の間には━━━宇宙ガイドで、名前か座標で
調べれば、すぐ、わかるように━━━小惑星帯があります。太陽系にあ
るものと似ていますが、ずっと、大規模です。
|
ナッシングシリウス
/FB2/NothingSirius/
話さない方がいい。先に、急いで、宇宙船に戻ろう。ジョ
ニー、道路がなくても、帰り道は、分かるよな?」
ジョニーは、うなづいた。敬礼や船長と呼ぶことは、忘れた。
オレたちは、歩き始めた。誰も、しゃべらなかった。ジョニーの案内
を、オレは、心配してなかった。ジョニーは、オレたちが、テントのこ
とに触れなければ、大丈夫だろう。彼は、リストコンパスで、帰り道を
案内した。
道路のあった終点まで来ると、あとは、粘土の上に足跡が残っていた
ので、それをたどるのは、簡単だった。プロペラのある鳥がいた、紫の
茂みが見える丘まできたが、鳥も紫の茂みも、見当たらなかった。
しかし、宇宙船は、ちゃんとあった。最後の丘から、宇宙船は見えた。
出発したときと、まったく同じ姿で、まるで、我が家のように、見えた。
オレたちは、早足になった。
58
57
10
オレは、宇宙船のドアをあけた。ママとエレ
|
ファブクリップ
/FB5/FabClip/
涼しそうに見
せるトリックがあるに違いない、とオレは考えた。
橋を渡った。水上のそよ風さえなかった。
ハルステッドでは、1・5ブロック南から、バニーのアパートに向か
った。階段を上り、室のドアをノックした。
中でベッドのきしむ音が聞こえた。スリッパでドアまで足を引きずっ
て歩き、ドアを少しあけた。オレだと分かると、大きくあけた。
「ハイ!」と、バニー。「今起きようとしていたところ。入って!」み
んな中へ入った。
バセットは、ドアの内側に寄りかかった。アムとオレは、歩いて行っ
てベッドに座った。室はオーブンのようだった。オレはネクタイをゆる
め、シャツの一番上のボタンをはずした。ここに長くいないことを望ん
だ。
アムは、おかしな表情を浮かべてバニーを見ていた。途方にくれて、
ほとんどうろたえているように見えた。
546
545
オレは言った。「バニー、こちらは叔父のアム。そして、こちら
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SFミステリー ライトノベル風
/CO/cmt/
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
試用版 ゲストルーム
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
presented by bilyzkid
◆◇◆◇◆◇
1.自分のオリジナル作品を、非公開URLにて、掲載可能です。
表示は
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SFミステリー (小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン) ライトノベル風
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小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
◆◇◆更新ニュース◇◆◇
一.
ゲストがひとりで使える専用サイト
をリリースしました。
ゲスト専用非公開サイト自動作成
(使える文字は半角の英数字と_のみ、6〜15文字)
上の入力欄にIDを指定し、自分用のゲストルームを作成。
公開しない(リンクを張られない)限り、他人は入れません。
(Google等あらゆる検索から守られます)
ゲストルームは、1人1ルームまででお願いします。
(複数作る場合は、同一IDにしてください)
9タイトル、ゲスト制限あり(nov:15KB、画像:120KBまで)
1タイトルあれば、15KB制限でも、novを分けて、開始
ページを
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ブルーモンスター
/FB5/brmon/
ブルーモンスター
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼の生涯にスペクトルがあるとすれば、彼の生涯がほとんど怪奇その
ものだったように、それはまさしく、怪奇だった。光のスペクトルが、
赤外線から紫外線に亙わたるように、それは、絶望の夜の思考である、ウル
トラブラックから、神が山の上から見おろすように、彼が他人の心、思
考や知識を見おろす、ハイテンションの目覚めや輝きである、インフラ
ホワイトに亙わたっていた。しかしその間には、なにかがあって、ブラック
とホワイトの間に、グレーがあるように、単純に接することを拒む、赤
の帯域があった。赤は、激しい怒いかりだった。彼の意識が、赤の帯域に差
し掛かると、殺人鬼となり、非常に危険だった。彼はすでに、まったく
2
1
面識のない、ふたりの男とひとりの女を殺していて、捕とららえられ
|
地球人は出ていけ
/FB1/KeepOut/
地球で生まれましたが、火星人の第1世代です」
もちろん、ぼくたちは、これらのほとんどを、すでに知っていた。
12
11
3
最後の1年が、もっとも楽しかった。そのときまでに、ドームの内側
の空気は、先生や世話人たちが住む、気圧の高い区画を除いて、外の空
気とそれほど変わらなかった。ぼくたちは、徐々に、より長い時間を、
外で過ごせるようになった。外は、開放的ですばらしかった。
最後の数か月は、男女で分けられていた壁も緩和された。ぼくたちは、
最後の日までは、つまり、完全な開放日までは、結婚できないとは言わ
れていたが、少しづつ、自分の相手をさがし始めた。ぼくの場合は、相
手を選ぶのは、難しくなかった。ずっと前から、相手を決めていて、彼
女の方も同じ気持ちだと確信していた。ぼくが、正しかった。
あしたは、ぼくたちが自由になる日だ。あした、ぼくたちは、火星人
になる。火星人その
|
パターン
/FB2/Pattern/
1
しかし、ミスメーシーの言うように、彼らは、なにも、あるいは、だ
れも、傷つけなかった。彼らは、人々に影響するほどは、実体的ではな
かった。1匹が、人を踏みつけたり、あるいは、人がいる家を踏みつけ
たりすると、あたりが夕暮れのように、うす暗くなって、足をどけるか、
通り過ぎるまで、明かりが必要になった。それだけだった。
彼らは、人間には、なんの注意も払わなかった。そして、彼らと対話
しようとする、あらゆる試みは、陸軍や空軍によるあらゆる攻撃がそう
であったように、同じように、失敗におわった。彼らめがけて撃たれた
砲弾は、たしかに彼らの内部で炸裂したが、まったく、効果がなかった。
1匹が、砂漠を横断しているあいだに落とされた水爆でさえ、ほんのか
すり傷さえ与えられなかった。
彼らは、われわれには、なんの注意も払わなかった。
「それにさぁ」と、ミスメーシー。妹に。妹も、ミスメーシーだった。
というのも、ふたりとも、未婚だったからだ。
「彼らは、どんな危害も加えないのが、証拠よ、そうでしょ?」
「わたしも、そう、望みたいわ、アマンダ」と、妹のミスメーシー。
「でも、見て、彼らは、なにかしているわ」
その日は、天気のよい日だった。すくなくとも、すこし前までは。空
4
3
は、明
|
ギーゼンスタック家
/FB1/TheGeezenstacks/
たぶん、サムには、人形のことは言わないほうが、いい気が
するわ」
「ぼくも、そう思う。サムがとりつかれているものがなんなのか、わか
ってないし、それまで待ってから話したほうがいい。オーブリーは、す
でに、人形をあきらめる気になっている。もしもサムに話したら、反対
するかもしれないし、人形を残したいと言いだすかもしれない。外に持
ち出してからなら、サムも反対できないよ」
「そうよ、ディック。オーブリーには、サムに話さないように、ダンス
レッスンは、サムには内緒のビックリプレゼントだって言ってあるの。
だから、そのかわりの人形のことも、サムには話さないはずよ」
「いいね、エディス」
サムが、もしも知ったとしても、うまくいったかもしれない。あるい
は、サムが、もしも知ったとしても、すべては同じように起こったかも
30
29
しれない。
かわいそうな、サム。つぎの日の夜も、サムには、いやなことが起
|
つくられた記憶
/ST/DS9_4_5_3/
これを書いていると体の力も抜けるし、少しは気
も晴れる」
「ほんとかい?」
「試してみる?」
「教えてくれ」
「難しいぞ」
「へへ、練習する時間はたっぷりある」と、オブライエン。
「ふふふふ、よし、この辺がいい。まずは、大きな円を書くんだ」
イーチャーは、砂地に直径1メートル程の円を指で描いた。
「ふん」と、オブライエン。
「よし、その円をじっと見つめる。おい、やる気あるのか?」
「見つめてるよ」
「心を落ち着かせて、自分の全存在が、その円の内にあると想像するん
だ。円を自分の一部にする。何も考えずに、手を伸ばして、円の中の一
箇所になにかを書いてみる。そこから続けて書いて、ただ感じるままに、
22
21
形になるまで書いてみる、自由にね、ふふふふ、はははは」
「何を笑っているんだ?」と、オブライエン。
「死体を見つけた鷹たかみたいな顔だからさ、はははは、わお、はお、はお、
わははあ」
「は
|
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
/FB2/Reconciliation/
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
夜の外は、静かで、星がまたたいていた。けれど、室内は、殺気だっ
ていた。男と女が、数フィート離れて立ち、お互いを憎しみに満ちた目
で、にらみつけていた。
男のこぶしは、固く握られ、いまにもパンチを繰り出しそうであった。
女の指は、広げられ、かぎつめのようにカーブさせていた。しかし、ふ
たりとも、腕は、脇から離さなかった。ふたりとも、良識ある市民であ
った。
2
1
1
「キライよ」と、女。声が低くなった。「アンタのすべてがキライよ」
「キサマの方こそ。キサマの贅沢のために、さんざんしぼり取られたあ
げく、こっちには、もう、キサマのエゴのために、バカなものを買わさ
れるカネさえ残ってないんだ」
「それは、ウソよ。アンタだって、それがウソだってわかってる
|
ハーフベア
/FB3/Bear/
ジョナサンクインビーは、たしかに心配ごとを抱えていた。
2
1
1
始まりは、最後に動物園を訪れた夜だった。「最後に」は2つの意味
でそうだった。1つは、クインビーが1マイル以内には近づかないとい
うことであり、もう1つは、妻も近づかないということだった。彼女は
落ちて、そう、穴の中へ━━━。
その夜、起こったことを分かってもらうためには、すこし説明が必要
だ。クインビーは、若い頃から熱心に魔術━━━手品のようなものでな
く、本物の魔術を学んでいた。不運にも、魔術はクインビー自身には効
かなかった。どんなにがんばっても、ほかの人にも効かなかった。
ひとつの魔術を除いて。それは、人間をクインビーの好きな動物に変
えるもので、同じ魔術を逆に唱えれば、ふたたび人間に戻せた。もしも
悪意のある人間なら、この魔術を犯罪に使うところだが、クインビーは
まったくそうでなかった。
|
ミットキーふたたび
/FB1/MitkeyRidesAgain/
知能レベルのねずみなのです」
「しかし、ホイットニーには、白ねずみの取り巻きがいて、ガードされ
ているのではないかのぉ?ひとりでは、無理では?」
「機械を、X19光線プロジェクターをさがします。それが、彼らの知
能レベルを、高めたのです。分かります?」
「その機械で、なにをするのじゃ、ミットキー?彼らは、すでに━━━」
「ぼくは、回路をショートさせられます、教授。端末を逆につないで、
回路をショートさせれば、それは、閃光とともに、爆発して、1マイル
以内にいる、人工的に知能レベルを高められた、すべてのねずみたちを、
以前の知能レベルに戻せられます」
「しかし、ミットキー、きみも、そこにおるのじゃ。きみ自身の知能レ
76
75
ベルも、破壊されてしまう。それで、いいのかい?」
「ええ、いいです。世界のためですし、平和のためです。しかし、ぼく
には、切り札が1枚あって、それで、知能レベルを、元に戻
|
星雲を越えて
/ST/StarTrek2016/
スポックが必要なんだろ?」
126
125
カークは、マッコイを見た。
「原始時代の医療器具だ!」と、マッコイ。
「ボーンズ!」と、カーク。マッコイを、手招きした。
「これが、プロトプレイザーだとしたら」と、マッコイ。「内出血が止
まるはずだ!そう望むよ!」
「みじめな心の薬は、希望のみ!」と、スポック。
「死の横で、シェイクスピアを引用してる」と、マッコイ。
◇
山岳地帯の敵の基地。
(つづく)
128
127
|
天使が死ぬ時
/TS/TheHabit/
シスターは、やめて、イ
スにすわった。
48
47
「医者に診みせましたか?」
「お分かりになりましたの?やはり、先生には、隠せませんでしたね」
「医者に診みせましたか?」
「ええ、なんども」
「病名は?」
「パラサリタノ、アストロサイト━━━つまり、やさしく言えば、脳腫
瘍なのでしょ?」
「それで、どんな処置を?」
「まぁ、ここまで進行してしまったら、いったい、なにができるでしょ
う。医学書どおりの経過をたどっていますわ」
「シスター!」
「誰でも、いつかは、死にます。その時期を、前もって知っているのは、
いいことですわ。わたくしの場合、3月みつきと言われてから、だいぶたって
います。残念なことに、時間のないこと。するべきことは、それこそ、
山ほどあるのですが━━━さ、タールトンへ行きましょう。あなたには、
テーラー神父から、上着を借りてきます」
「しかし、非常線が━━━」
「先生、主が守ってく
|
暗黒の地球帝国
/ST/ENT_4_5_2/
別だ!デノビュラ人は、反乱に、加わってない!彼は、
残す」
「わたし、皇帝の妃にきさきなるの、初めてよ!勉強しておくこと、ある?」
「もう、十分、オレの役に立ってるさ」
◇
ディファイアントのブリッジ。
トゥポルは、技術ブースで、ディファイアントのデータを、ディスク
に抜き取っていた。
ドアがあいて、アーチャーが入ってきた。
「ガードナー元帥に、つなげ!」と、アーチャー。「伍長!トゥポル少
佐を、第2転送室に、ご案内しろ!」
トゥポルが、ブリッジを出ようとすると、軍曹が、トゥポルのナイフ
と銃を、奪った。
「これ以上、君に、この船のためにしてもらうことは、ない」と、アー
チャー。
スクリーンに、ガードナー元帥が映った。
「アーチャー!」と、ガードナー元帥。「いったい、なにが、起こって
いるというんだ?」
138
137
「私の進言を、ご覧に?」
「われわれ艦隊に、無条件降伏を
|
まだ終わりじゃない
/FB3/NotYet/
エピローグ
ミルウォーキースター新聞の編集室は、ローカルページの校正に追わ
れていた。校正係長のジェンキンスは、最後から2番目の欄の記事をど
うするかで迷っていた。
「ピート」と、ジェンキンス。「8番目の欄にもう1つ記事が入るよ!
36文字分くらいだ。入りそうなのが2つある。どっちにする?」
校正担当のピートは、長年の慣れで組版を逆に見てもさっと見ただけ
で、内容が分かった。
「大会の記事と動物園の記事ですか?大会のにしましょう!動物園の園
長が、サル島から昨夜サルが2匹いなくなったと考えている、という記
事を読んで、だれかの注意を引くと思います?」
(終わり)
12
11
|
ねずみ
/FB1/Mouse/
どこかの
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33
星の人々に安全なように。それは、数日間、調査して、分かったんだ。
この世界は、自滅する寸前にあることが。必要なのは、あとひと押しだ
けだと。それで、それは、そのひと押しを加えた」
彼は、ひと呼吸した。
「頭を内側から操作して、それは、誰かに、大統領を暗殺させて、捕つかま
らせた。それは、ロシアの高官を銃撃させた。それは、イギリスの首相
を暗殺させた。それは、サクセス湖で、暴動をおこさせ、ミサイル基地
の兵士に、ミサイルを爆発させた。なんてことだ、ビューティ、この世
界は、あと1週間で、最終戦争に突入する。それを、実際に、やってし
まったんだ」
6
ビルは、窓に行って、ネコのやわらかい毛をなでた。そして、公園の
照明で浮かびあがる、対空砲に、眉をひそめた。
たしかに、その生命体は、それをやった。私が正しいとしても、彼を
止めることはできなかった。なぜなら、彼が、
|
ザ・オフィス
/FB5/TheOffice/
数分後、ブライアンダナーは歩いていた、ほとんどぼうっとしながら。
たぶん、その理由は、あまりに身近にあり過ぎて、見逃していたからだ。
しかし、バーミスホッジソンがたぶん外部から送り込むだれよりも、ず
っといい仕事ができるだろう。
そして、その給料は、ざっと見積もっても、今、彼がコンガで稼いで
いるカネよりもずっと多いだろう、たぶん、かなり多い、ずっと明るい
将来の展望を考慮に入れなくても。大きな組織に入って、内部の車輪と
なったら━━━
オーティスカルバーにたまたま電話して、時間潰しに会いに行ったこ
とを、神に感謝する。気まぐれで寄ったことをすまないと思うあまり、
バーミスホッジソンのことを話したのだった。
オフィスに向かって、楽しく歩いていた。時刻は、4時30分だった。
コンガ氏はいないだろう、そのことを少し喜んだ。今、コンガ氏としゃ
べりたくなかった。スパーリングは、彼のデスクで注文伝票を書いてる
だろう、キョロキョロして、コートをぬいで、カラーを開いて、いつも
のようにだらしなく、普段のやる気なさよりもっとやる気なく。
「調子は、どう、ジョージ?」と、ダナー。快活に。
「ぱっとしない。顧客をバーミス工場からはずさなければならないし」
たぶん、オレはそうしない、とダナーは考えた。席に着いて、金のペ
462
461
|
ヴァヴェリ
/FB/TheWaveries/
「それなら、メイジーに言って、今夜のディナーに、干し草を追加して
86
85
もらわなければ!さぁ、着いたよ。ホーッ、ベッシー!」
二階の窓があいて、メイジーが顔を出して、言った。
「ハーイ、ピート!」
「メイジー、夕食に、もうひとり分、追加だ!」と、ジョージ。「馬を
つないで、ピートに階下し たを見せたら、すぐ上がるよ!」
納屋から戻ると、ピートを新聞店の裏口に案内した。
「これが、ライノタイプさ」と、ジョージ。誇らしげに、印刷機を指さ
した。
「どうやって、動かすんだい?蒸気エンジンは?」
ジョージは、ニヤッとした。
「まだ、動いてないのさ。今は、手で活字を組んでいる。蒸気エンジン
は、1台しかなくて、印刷に使っているんでね。しかし、ライノ用に、
もう1台、注文ずみさ。1ヵ月くらいで、来る。そいつが来たら、ポッ
プジェンキンスが━━━今、印刷を依頼している人だが、仕事を休んで
来てくれて、ライノの動かし方を教えてくれる、てはずなんだ。ライノ
タイプが動かせたら、オレは、すべてのことを、自分でできるってこと
になる」
「ポップは、どんな人?」
ジョージは、頭をふった。「ポップも、その日が来るのを、こころ待ち
にしているよ。彼は、69で、リタイヤしたいと思っている。オレが、
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