SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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NOVELYst AutogeNerating dimensional space
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試用版 ゲストルーム
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原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
presented by bilyzkid
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◆◇◆更新ニュース◇◆◇
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1.
試用版 ゲストルーム
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2.
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郵便番号検索
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4.
世界の国旗
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和暦⇔西暦・早見表
で、令和を新年号としました。
6.
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左
中央:初出年月・初放映日・初出雑誌・他
右
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京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
ブラザーサン ある日どこかで オールウェイズ キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」
[京 都 大原 三千院 ♪~♪ 恋に弊(つか)れた 女がひとり ♪~♪ or検索] ヒット 85 件です。
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地球人は出ていけ
/FB1/KeepOut/
地球人は出ていけ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ダプティンというのが、略称だ。最初は、アダプティンと呼ばれてい
たのが、ダプティンと、略されて呼ばれるようになった。それは、ぼく
たちを、適応させてくれるのだ。
10才の時に、みんなに説明された。彼らは、ぼくたちが10才にな
らなければ、理解できないと思っていたようだが、みんなは、すでに、
多くを知っていた。火星に着陸すると、すぐに、話してくれた。
「きみたちの故郷だよ、生徒諸君」と、主任の先生。ぼくたちのために
建設してくれた、プラスチック製のドームに入ってから、講義が始まっ
た。この夜の、特別講義は、とても重要なもので、全員、出席するよう
に言われていた。
その夜、先生は、ぼくたちに、なぜなのかやなんのためにも含めた、
すべてを、話してくれた。先生は、ぼくたちの前に立っていた。もちろ
ん、寒さを遮断する宇宙服を着て、ヘルメットをかぶっていた。ドーム
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ナスティ
/FB3/Nasty/
ナスティ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ウォルタービュレガードは、この50年間というもの、情熱的にして、
完成された好きものであった。今、65才の年になって、好きもの協会
の会員資格をなくすかもしれない危機を迎えた。なくす危機?いや、正
直に言おう、彼はなくしたのだ。この3年間、彼は、医者から医者、偽
医者から偽医者、妙薬から妙薬へと渡り歩いた。すべては、まったく、
なんの効果もなかった。
2
1
1
ついに、ビュレガードは、占いや魔法の本を思い出した。膨大な蔵書
の一部として、集めたり、読んだりするのを楽しんでいた。しかし、そ
れらを、まじめにとらえたことはなかった。今までは。今、彼に、なに
か、失うものがあっただろうか?
かびの生えた、悪のにおいのする、稀少本の1冊に、求めるものを発
見した
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ユスタックウィバーの短い生涯2
/FB3/Weaver2/
ユスタックウィバーの短い生涯2
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。手持
ちは2ドルしかなく、やっている近くの競馬場までの飛行機代にもなら
なかった。
2
1
1
ユスタックウィバーは、倉庫係として働いていたスーパーマーケット
の金庫にねらいをつけた。金庫には、少なくとも千ドルはあり、タイム
ロックだった。タイムロックは、タイムマシンにとってはあひるのスー
プ
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SFミステリー ライトノベル風
/CO/cmt/
Top
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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試用版 ゲストルーム
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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2.出版
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ヴァヴェリ
/FB/TheWaveries/
ところで、知りたいのは、
ヴェイダーは、前と同じやり方で、ビジネスを展開しているのかい?」
「ああ、そのとおり。リサーチ部局は、日々、チェックしているよ。蒸
気タービンで動く、小さな発電機で、電流を発生させてね。しかし、発
生したと同時に、ヴェイダーに食われてしまう」
「彼らは、いつか、去ってくれるのかしら?」と、メイジー。
マルベニーは、肩をすくめた。「ヘルメッツ教授の考えでは、去るこ
とはないらしい。また、食った電気の量に比例して、ヴェイダーは、増
えているらしい。宇宙のどこかで、無線放送が始まって、ヴェイダーが
引きつけられて去っていっても、一部は、ここにとどまって、われわれ
が発電したとたん、ハエのように群がって、どんどん、増えてしまうそ
うだ。また、ヴェイダーは、空中の静電気でも生きていけるそうだよ。
ところで、ここでは、夜はどうやって、過ごしているんだい?」
「どうって?読んだり、書いたり、お互いに訪問したり、しろうとのグ
ループ活動に参加したり━━━メイ
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ファーストコンタクト
/FB3/Contact/
と、ウィリーサンガー。「ロケットがだれも殺してないといい
けどね、火星人とか。大シルチス台地のど真ん中に命中したんじゃない
?」
「ほぼ、そうだ。記録で見ると、目標の座標を南に千マイルずれたよう
だ。しかし、5千万マイル離れたショットとしては、まずまずだ。ウィ
リー、火星人はいると思うかい?」
ウィリーサンガーは、しばらく考えてから言った。
「いや、いないね」
ウィリーが正しかった。
(終わり)
10
9
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フィッシュストーリー
/FB3/FishStory/
巻貝の
トランペットを吹くわ!」
ふたりは、腕を互いの腰にまわして待った。
やがて、海のはるか沖から巻貝のトランペットが聞こえてきた。
ロバートはすぐに服を脱ぐと、ロレーヌを抱いて海に入った。
ふたりは、泳いで、トリートーンがいるところに着いた。
「おまえたちは、結婚で結ばれたいのか?」と、トリートーン。
「そのとおりです」と、ロバートとロレーヌ。声を合わせて、強く。
「ならば」と、トリートーン。「ここにわしは、おまえたちを人魚の夫
と人魚の妻と宣言する」
すると、ロバートは、足で水中を蹴らなくてもよいことに気づいた。
強くしなやかな尾でひとかきすれば、やすやすと水面に浮かんでいられ
た。
トリートーンは、耳をつんざく音で巻貝のトランペットを吹くと、泳
ぎ去った。
8
7
エピローグ
ロバートは、妻のところへ泳いでいって、腕をまわしてキスをした。
しかし、なにかが
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バーニングマン
/TZ/TheBurningMan/
と、ローリー。
「座席の下に、十字架さ」
道端で、真っ白な服を着た、少年が手を振っていた。
ローリーは、車を止めた。
「町へ行く?」と、白い服の少年。
「そうよ、あなたは、何してるの?」と、ローリー。
「ぼくは、トミー。ピクニックで、家族に置き去りにされた」
トミーの服は、新品のように白く、ネクタイは茶柄だった。
「それは、かわいそうに」
「ひとりで、不安だった。ここ、こわいんだもん」
「乗りなさい!」
トミーは、後部座席に座った。
16
15
エピローグ
夜。車は、ライトをつけて、走っていた。
トミーは、おとなしく、座っていた。
ローリーは、バックミラーで、トミーの姿を確認できた。
トミーは、ローリーに、なにかを耳打ちした。
「なんて?」と、ローリー。
「なんなの?」と、アンドレ。
車は、スピードが落ちて、止まった。スターターをまわしても、エン
ジンは、かか
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ティラノサウルス
/FB1/Runaround/
闘争心が沸いた。
ぶつかってきた枝をまわして、ポキッと折ってこなごなにした。直立
姿勢で、大木の上の小さな挑戦者に、大声でほえた。しかし、そいつは、
降りてこなかった。「ヤーヤーヤー」と、鳴くだけで、臆病にも、けっ
して、大木の上から動かなかった。
木の幹にからだごと力強くぶつかったが、幹は5フィートもあって、
ゆらすことさえできなかった。幹のまわりを2回まわって、ほえてから、
木立の影のなかへ進んでいった。
14
13
前方、若木のひとつに、小さな灰のなにかがいた。木を折って、あご
でかみついても、そいつは逃げたあとだった。ぼんやりとした灰の閃光
が見えただけで、やつは、地面をけって、走って、彼が1歩を踏み出す
あいだに、影のなかへ逃げ込んでしまった。
だんだん暗くなり、林のなかでは、ぼんやりとしか見えなくなった。
それで、月に照らされた平原に出た。ここは、もっと、よく見え
|
夢、遥かなる地にて
/ST/DS9_6_4_1/
「私は記者じゃない、作家だ。小説家なんだよ。それに、アムステルダ
ム新聞は、今から400年も未来の宇宙ステーションの話なんて、載せ
ちゃくれないからな」
「試合結果、聞いたか?」ベニーの肩をつかんだのは、クリンゴン人の
ウォーフ少佐だった。
「どえ!」ベニーは、クリンゴン人に肩をつかまれて仰天してカウンタ
のスツールからころげ落ちそうになった。
「驚かせる気はなかったんだ、顔色が悪いな、具合悪いのか?」ウィリ
ーは、白の背広の野球選手に戻っていた。
52
51
「いや、大丈夫」と、ベニー。
「裏で横になっている?」と、キャシー。
「外の空気を吸えば平気だ」と、ベニー。
「今夜のデートはどうするの?」
「迎えにゆくよ、10時頃」
「10時まで何してる?」ウィリーはキャシーに訊きいた。
「あなたと一緒でないことだけは、確かね」
◇
「いやあ、ブラザーベニー」暗い通りでベニーに声を
|
ケンタウロス
/FB1/HorseRace/
ブランド。スクリーンは、消えた。
6
5
ガーンロバーツは、コンピュータに命令して、自動航行システムの行
き先を変更すると、中断された睡眠をつづけるために、寝台へ戻ってい
った。
◇
1週間後、ガーンロバーツは、任務を完了し、ノヴァ太陽系から10
光年離れると、銀河連邦の所長特別補佐に超光速通信を送った。数分後、
ダウネンブランドの顔が、スクリーンに映った。
「Kー1356です。ノヴァ調査の結果です」と、ガーンロバーツ。
「馬族の人口統計を調べますと、彼らの数は、200万ちょっとでした。
一方、彼らの小惑星の所有数は、400万前後でした。このことから、
あきらかに、人族が正しく、馬族は、協定違反をしていると思われます。
それにしても、なぜ、馬族の数の、2倍もの小惑星の所有権を主張し
たのでしょう?
彼らには、たしかに、3対目の足があって、手として使用されていま
した
|
ふくろぅ3兄弟
/FB3/Owl/
ワイルドキャ
ットはしばらくして起き上がると、逃げていった。ハンターは、目覚め
ると、銃が偶然しとめた赤ぎつねを見つけて、家に持ち帰った。
◇
夜がきて、3兄弟は、木の外へ出た。
末っ子は、ワイルドキャットとハンターと赤ぎつねを捜し回ったが見
つからなかった。
8
7
エピローグ
「ホォォォォォ!」と、末っ子。「兄ちゃんたちが正しいね。ぼくは夢
を見てたんだ!」
3兄弟は、日が照っている間は外へ出ないほうが安全だと、意見が一
致した。お母さんは正しかった。そう考えたのは、長男は、ハンターに
撃たれたからだった。次男は、赤ぎつねにとびかかられたからだった。
しかし末っ子は、だいたいはそう考えたが、見た夢が、彼のやわらか
い口ばしをひどく傷つけ、ものも食べられないほど痛んで、1日じゅう
空腹だったからだった。
教訓:昼間は家にいましょう。昼間の観劇は、トラブル
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アボミっぽい
/FB3/Abominable/
この生きものは、彼に説明なんかする?
「もう少し、説明させてくれ!」と、声。「われわれは、少数で、数が
減りつつある。それで、しばしば、わたしがきみを捕とらえたように、登
山者を捕つかまえている。彼に、変異の薬を与え、肉体的に変化させ、われ
われの仲間にさせる。そのようにして、だいたい一定の数になるように、
われわれは仲間を確保している」
「し、しかし、それが」と、シャウンシー卿。どもりながら、訊きいた。
「私が捜している、ローラガブラルディに起こったことなのか?彼女は、
今、8フィートの背丈で、毛深くて━━━」
「そう、だったね。彼女は、今、きみが殺した。われわれのひとりが、
彼女を妻として、捕らえた。彼女を殺したことで、きみに復讐するつも
りはない。ただ、きみは、いわば、彼女の代わりになる必要がある」
「彼女の代わり?私は、男なんだが」
10
9
エピローグ
「なんとい
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気まぐれ
/FB1/Experiment/
それは、再び、タイムマシンの台の上に現れた。
「見ましたか?私が、それを、台の上におく、ちょうど5分前に、そこ
に現れました!」
もうひとりの同僚の教授は、現れた物体を、疑わしそうな表情で見た。
「あなたが、台におく、5分前にすでに、物体は、出現しているわけだ
から、もしも、あなたが、気まぐれで、物体を、3時に台の上におかな
かったら、なにが、起こるかな?ある種のパラドックスが、含まれてい
るんじゃないかな?」
「興味深い、考えです」と、ジョンソン教授。「その可能性は、考えて
いませんでした。やってみる価値はあるでしょう。いいですね、私が、
おかないと━━━」
パラドックスは、まったく、なかった。立方体の物体は、そのままだ
った。
しかし、それ以外の、宇宙の残りすべてが━━━教授たちも、なにも
かもすべてが━━━消えてしまった。
(終わり)
6
5
|
イェフディの法則
/FB2/TheYehudiPrinciple/
オレは、頭を下げた。なにも起こらなかった。オレは、このことをあ
る程度、予想していた。
チャーリーは、オレの頭からヘッドバンドをつかみとると、自分で試
した。
「イェフディは死んだんだよ!」と、オレ。「小人は自分を撃ったのさ。
もう、なにもできない。オレがコーヒーをいれる」
オレは、やかんをホットプレートにのせた。
「チャーリー」と、オレ。「仮に、みんなイェフディがしていたとしよ
う。きみは、イェフディの限界をどの程度知っていたんだい?たぶん、
彼は、リリーセントクレアも━━━」
「黙って!」と、チャーリー。「今、考えてるんだ」
オレは、黙った。チャーリーは、考え始めた。
コーヒーができたときまでには、自分が言ってることのバカらしさに
気づいた。
コーヒーを出した。チャーリーは、ずっと、薬の容器のようなものを
あけて、なかを調べていた。スイッチを作動させる小さな振り子や多く
のワイヤが見えた。
「分からないな。どこも壊れてない」と、チャーリー。
「たぶん、電池じ
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ナッシングシリウス
/FB2/NothingSirius/
ちょうど、そのとき、オレたちは、小さい丘の頂上まで来て、そして、
立ち止まった。目の前に、舗装道路が始まっていた。
普通に、地球の都市によくある、プラスチック製の舗装道路で、カー
ブや歩道や排水溝もあって、ペンキで塗られた、中央線もあった。ただ、
その道路は、オレたちが立っているところから、急に、始まっていた。
そして、そこからは、少なくとも、つぎの丘の上までは続いていた。見
える限りには、1軒の家も、1台の車も、それに、1匹の生物も、いな
かった。
5
オレは、エレンを見た。彼女も、オレを見た。オレたちは、ママを見
て、ジョンレーンを見た。彼も、オレたちを見た。
「ジョニー、なにかな?」と、オレ。
「道路に見えます、船長」と、ジョニー。
オレが、じっと見たので、彼は、すこし赤くなった。腰をかがめて、
道路を調べ、驚きの目をして、立ち上がった。
「どうした?冷凍キャラメル製かい?」と、オレ。
「耐久プラスチック製です、船長。われわれは、この惑星の発見者では
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ユスタックウィバーの短い生涯1
/FB3/Weaver1/
ユスタックウィバーの短い生涯1
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。競馬
なら、2ドルから始めて、すぐに数千ドルにできるだろう。
2
1
1
しかし、顔見知りのノミ屋がすぐに破産してしまい、ほかにノミ屋を
知らなかったので、競馬場に行く必要があった。今やっている競馬は、
南カルフォルニアとフロリダだけで、どちらも同じ距離、飛行機代は、
だいたい100ドルだ
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レッドダイアモンド
/RD/RedDiamond/
サイモンの若い頃のプランとは正反対だった。
40
39
2
勤務中のライトは消したまま、南の都心へ向かうミッドタウントンネ
ルに入った。14番ストリートのバルモラルカフェの前の、長い黄の列
にキャブを停めた。
回転ドアを押して入ると、騒々しい人の声━━━おもに男の声がして、
トレイをガタガタさせたり、シルバーやそれ以外の服の流れにぶつかり
そうになった。葉巻やタバコの煙が、モクモク上がっていた。
サイモンは、あいているカウンター席をみつけてねらいをつけた。コ
ーヒーのおかわりをついでいる女店員、それを見ている店長、一日中カ
フェで時間つぶしをして寝込んでいる老人、わずかな会社員、浮浪者の
ような人々であふれかえっていた。
騒々しさの中であいさつの大声は、タクシー運転手どうしが互いを見
つけてのものだった。雨の日に、唯一ニューヨークでタクシーを見つけ
られる場所は、バ
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グレーの悪夢
/FB3/NightmareInGray/
彼は、おじぎをして、自己紹介した。
「マクガリーですが、スーザンさんは、おられますか?」
ドロシーは、一瞬、奇妙なふうに彼を見たが、すぐに言った。
「どうぞ、お入りになって、居間でお待ちください━━━スーザンは、
すぐ呼んできます」
2
マクガリーは、通された居間で待った。すこしのあいだでも、スーザ
ンが不在なのは、おかしな気がした。
そのとき、声が聞こえてきた。応対したドロシーの声で、居間の外の
廊下で、話していた。抑えきれない好奇心から、マクガリーは立ち上が
り、廊下に通じるドアまで行くと聞き耳をたてた。ドロシーは、電話で
話していた。
「ハリー」と、ドロシー。「早く家へ戻ってきて!先生もいっしょに!
そうなの、おじいさまなの━━━いいえ、今度は心臓発作じゃなくて、
6
5
記憶喪失よ。おばあさまが生きてると思ってるわ━━━いいえ、痴呆症
じゃない。ハリー、ただの
|
オーマイガー
/FB2/Jaycee/
さっき
も、ジョンは、サーフボードなしで、サーフィンに行くというので、た
ずねると、想像力さえあれば、そんなものは、必要ないというんだ」
「なんて、ことだ」と、ドクターラルストン。顔を手でおおった。
かつて、人類史上、1度だけ、処女懐胎があった。今、5000万の
処女懐胎で生まれた少年たちが、元気に育っていた。
10年後に、新たな5000万のジェーシーが現れることだろう。
「なんてジーザス、ことだクライスツ」と、ドクターラルストン。なみだ声になった。
「なんて、ことオー マイ ガー だ━━━」
(終わり)
8
7
|
失われた母星
/ST/StarTrek2009/
カークの首を片手で持ち上げた。
「おまえの種族は、思ったより、弱いんだな」と、兵士。
「うーう」と、カーク。
「ほら、しゃべれもしない!」
「うーう」
「なんだ?」
「おまえの拳銃を、とった!」
カークは、拳銃を、発射した。兵士は、フロアから落ちていった。
カークは、フロアに、やっと、つかまった。
そして、拳銃を拾い上げると、立ち上がった。
194
193
◇
ワープ空間。
スポックは、高速船を、Uターンさせると、掘削船に向かった。
「やつは、なにをしている?」と、ネロ。
スポックは、高速船を、運転していた。
「スポック大使、これは、衝突コースです」と、コンピュータ。
「全部、ぶちまけろ!」と、ネロ。
掘削船から、27発の魚雷が、発射された。
「魚雷接近中、船に当たれば、赤色物質に点火します」と、コンピュー
タ。
「承知している」と、スポック。
「船長、ほかの船が来まし
|
世界の終わり
/FB/TheEnd/
場の内側にいる存在にとっては、すでに来てしまった未来は、過去に、
これから起ころうとする過去は、未来と捉とらえるしかない━━━それは、
あたかも」
納得のいかない生徒たちは、さらに、ざわつき始めた。
「ジョアンナ君、君の顔が、今、鏡のように左右反対になってしまって
も、誰も気がつかないのと同じだよ。
あるいは、地球の歴史において━━━なんどか起こっているように、
地球のN極とS極が瞬時に入れ替わっても、渡り鳥たちにとっては、な
んの支障もないのと━━━」
ジョアンナは、納得がいかないまま頬ほほに手をおくと、今朝け さ、右頬みぎほほに新
4
3
しくできたばかりのニキビがすっかり消えてしまっているのに気づいて
喜んだ。
しかし、その喜びは、長く続かなかった。右頬みぎほほのニキビは、そっくり
そのまま、左頬ひだりほほに移動しただけだったからだ。
(終わり)
|
天使は淋しい道を行く
/TS/LonelyRoad/
「そうとう、ビビりまくってたぜ!」と、ひとり。また、ウィスキーの
小瓶を飲みあった。
そのとき、リチャードが立っているのに、気づいて、笑うのをやめた。
「ごあいさつに、帰ってきたのか?」と、若者。
「おまえたち、どこの石の下から、はい出てきたんだ?」と、リチャー
ド。
「だから、都会のやつはイヤなんだ!ユーモアのセンスってものが、ね
ぇんだからな!そういう口の利き方をするやつは、虫がすかねぇんだ!」
ひとりが、こぶし大の石を拾って、身構えた。
「つきあいにくい野郎とは、つきあわねぇことにするよ!」
もうひとりも、落ちていた棒を手にした。
3人は、身構えた。しかし、急に、若者は、ケンカの姿勢をやめた。
シスターが、ゆっくり、歩いてきた。そして、若者のひとりの、頬を
平手打ちした。
70
69
もうひとりも、石を持った手を下げた。シスターは、その若者の腕を
ひっぱって、なら
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サアルバの国
/FB1/DeathOnTheMountain/
風は、小屋のまわりで叫ぶように、吹き荒
れたが、女性は、目覚めなかった。
彼は、嵐のなかへ出て行った。風は、かつてないほど、冷酷だった。
恐ろしい手が、彼の心臓を、わしづかみにした。だが、あの星は、待っ
ていた。
寒さが、さらに厳しくなり、夜の黒が深まった。雪の毛布は、彼が倒
れた地点をおおいながら、山の上を漂っていた。
朝、女性は、解けた雪の上にある、赤いサンダルを見つけて、谷に持
12
11
ち帰った。
「奇妙な夢を見たわ」と、年上の女性。「十字架の上で、男が苦しんで
いたの」
年下の女性は、手を組んだ。「キリストかしら?」
「いいえ、ちがうわ」と、年上の女性。「彼は、サアルバの国とか、叫
んでいたわ」
「どういう意味かしら?」と、年下の女性。「そのようなところは、聞
いたことがないわ」
「彼は、そう、叫んでいたわ。今でも、覚えているもの」
「それは」と、年下の女性。笑いだ
|
チャンスふたたび
/FB3/SecondChance/
「疑問なのは」と、ジェイ。「かつての人間たちの試合を実際に見るの
と、どのくらい違うのかな?」
エピローグ
「さぁね」と、オレ。「かつての人間たちを実際に見たことがないから
ね。オレはまだ200才にもならないが、少なくともこの400年は、
生きた人間は見つかってないそうだよ。帰りに潤滑油をさしに行かない?
きょうはまださしてないから、サビが出そうだ━━━あすの試合は、い
くら賭けるかい?ホワイトソックスは、チャンスをふたたび得た。実際
の人間たちにはなかったことだ。できる限り、彼らの伝統は保存してい
きたいね!」
(終わり)
8
7
|
報復戦隊
/FB3/Fleet/
しかし戦争は、歴史上最短で終結した。地球と火星の連合戦隊は、戦
争をやめ、地球と金星の途中で侵略者を迎え撃った。こちらは数の上で
敵を圧倒し、侵略者を宇宙のかなたへと吹き飛ばし、完全に追い払った。
2
24時間以内に、地球の首都アルバカーキで、地球と火星は平和条約
を締結した。火星の独立を認め、太陽系で唯一住居可能となった2つの
星のあいだの恒久的な同盟を結んだ。侵略者の本拠地を見つけ、2度と
太陽系が侵略されないように破壊する報復戦隊も計画された。
地上と数千マイル上空の衛星の探査装置が、金星を救う時間はなかっ
たが、侵略者の侵入を探知していた。探査装置の記録から、侵略者がや
ってきた方角は判明したが、正確な距離までは分からなかった。
4
3
3
光速を越えるスピードが出せるCプラスドライブは、発明されたばか
りで、実際に使用されていなかった。太陽系内の
|
失われた文明3永遠の生命
/FB3/Discovery3/
失われた文明3永遠の生命
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
20世紀に発見されたが失われた大きな発見の3番目は、永遠の生命
の秘密だった。
これは、はっきりしないが、モスクワのイバノビッチスメタコフスキ
ーという化学者が1978年に発見した。スメタコフスキーは、どのよ
うにして発見し、どのようにしてそれを試す前に有効なことを知ったの
かについての記録を残さなかった。2つの理由から、彼がそれを身が凍こお
るほど怖おそれていたからだ。
2
1
1
スメタコフスキーは、それを世界に発表することを怖おそれていた。自分
の政府にさえ、一度報告すれば、秘密はすぐに鉄のカーテンを漏れて、
世界に混乱をもたらすだろう。USSRはうまく処理できるだろうが、
ほかの野蛮で不道徳な国では、永遠の生命の薬は、たちまち人口爆発を
|
葬送曲
/FB3/Recessional/
どちらが戦いに勝とうと
問題ではないという。
4
3
2
もちろんこれは、私にだけしかも囁かささやれたものだった。司教は心の安
らぎをのぞんでいたのであって、彼の言ったことは彼の意思ではなかっ
たのだ。
忠誠心がなければ、われわれはなにものでもない。チボルト司教はと
んでもない間違いを犯していた。ホワイトはかならず勝つ。勝利は、わ
れわれを救う唯一のものだ。勝利なしに、この戦いの地で散っていった
仲間たちにやすらぎはない。チボルト司教の言うとおりなら、やすらぎ
はどこにもない。
3
あなたは大きな間違いを犯している。神はいるし、偉大な神は、あな
たを許すだろう。なぜなら、あなたに悪気わるぎはなかったからだ。チボルト
司教よ、疑いもなく、そう、疑いは誤りであって、悪ではなかった。
忠誠心がなければ、なにも。
そのとき、なにかが起こった。
ルークが、彼は戦いのはじめ
|
恐怖のウイルス
/ST/DS9_1_2_1/
過去24
時間、どこでなにをしたか調べるんだ」
「もう、調べてみましたが、それこそ、ステーションじゅうに行ってま
す」と、キラ。
「それを、ひとつづつ、すべて当たってみてくれ。ダックス、当面は、
オブライエンの代理は君がやってくれ」
「ええ、でも」と、ダックス。
「不都合でもあるのか?」と、シスコ大佐。
「ええ」
「ダックス」
「ごめんなさい、ベンジャミン、私には、やっぱり、見るがいい、愚か
24
23
者の涙。嵐がやって来る」
◇
ドクターベシアは、医療室で、シスコ大佐に報告した。
「言語障害が伝染するというのは、実質上ありえません。それが伝染し
たということは、一見、言語障害にみえても、実は、なんらかの病気だ
と考えざるを得ないのです。そこで、大尉とチーフの神経細胞をスキャ
ンしたところ、ふたりとも側頭葉からこれが見つかりました」
「ウイルスか?」
「このウイルスは、
|
失われた文明1透明人間
/FB3/Discovery1/
寝床
を見つけた。静かに眠っている女性に触れた。彼女は悲鳴をあげた。
(サルタンは、夜にハーレムを訪れず、ひとりあるいは数名の妻たちを、
自分の住まいに呼び寄せるだけであることを、彼は知らなかった)
エピローグ
すぐに、宦官かんがんが入ってきて、彼をつかまえた。
「そうか、これだったんだ」と、プレーター。死ぬまぎわに考えた。
「これが、透明人間の弱点だったんだ。完全な暗闇では、なんの役にも
たたなかったんだ!」
最後に聞いたのは、片刃刀かたはとうのヒュッという音だった。
(終わり)
8
7
|
あごひげ彩か
/FB3/Beard/
エピローグ
「オレのあごひげの色にもかかわらず、みんな好奇心いっぱいになって、
マリアンヌのようにクローセットの中を見たがるのはなぜなんだろう?
お墓はそこにはない。屋根裏さ」
ビリーは、マリアンヌをがっしりつかんだ。
「おいで、ダーリン」と、ビリー。「お墓を見せてあげるよ!」
(終わり)
8
7
|
アンドロメダⅡの来訪者
/FB/AllGoodBems/
2番目
の文章の下に、タイプした。
「善良なるベムたちにとって━━━」彼は、そこを見つめながら言った。
「なんのためかな、トゥーツ。銀河かな、宇宙かな」
「好きなように書いたらいいんじゃない?ストーリーが完成しないで、
2週間で小切手が入ってこなけりゃ、この家を失って都会に逆戻りね。
あなたは小説家の仕事を失って、新聞記者に逆戻りよ、そして━━━」
「静かに、トゥーツ!ずっとよくわかっているよ」
「ずっとということはないわ、エルモ。こうすれば、いいわ」
「善良なるベムたちにとって、エルモスコットにやってくる時間だ」
ドーベルマンは、絨毯のじゅうたん上で、もぞもぞした。
6
5
「そんな必要はないと思うけど」
ふたりは、ドーベルマンを見た。
「エルモ!」と、ブルネットの女性。きれいな足を踏み鳴らした。「こ
んな手品をするなんて!腹話術をする時間があったら、もっと書く時間
を増や
|
ノヴァリアン試用版
/novelyan/guestroom/
あなたは、すでに、ノヴァリスト!
サンプルあり(
1
2
3
) presented by bilyzkid
◆◇◆◇◆◇
or
and
(全角のみです)
京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
ブラザーサンシスタームーン ある日どこかで オールウェイズ
SFミステリー
ノヴァリアン NOVELYAN 1.20 試用版
ご使用方法
小説コマンドの説明
画像コマンドの説明
詩的コマンドの説明
FAQ
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|
聖なる神殿の謎
/ST/DS9_1_1_1/
「星図で見れば、ベイジョーのものであるのは明らかだ。まもなくワー
ムホール周辺は、商業と科学探査の中心地となることだろう。艦隊にと
っても、非常に重要な拠点となる」
「艦長、私の交代要員を捜して欲しいという件ですが」
「申し訳ないんだが、司令部と相談する時間がなかった」
「それは、好都合です。忘れてください」
「そういうわけには、ゆかん。今回の配属に不本意な君を、指揮官に置
くわけにはゆかない」
「いいえ、やらせてください」
「健闘を祈る、シスコ中佐」
ピカード艦長は、シスコ中佐と握手を交わすと、司令部を後にした。
◇
再び活気を取り戻したプロムナードを、ドクターベシアとオドーが歩
いていた。
「まず、フェーザーの射撃場で腕試しといきたいな」と、ドクターベシ
ア。
キラ少佐は、クワークに話しかけていた。
132
131
「自粛しろって?」とクワーク。
「今後、お客をカモに
|
空想せよ
/FB1/Imagine/
空想せよ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
空想せよ。
さまざまな幽霊。神々。悪魔たち。
空想せよ。
いろいろな地獄や天国。空中に浮遊する都市や、海中に沈んだ都市。
ユニコーンやケンタウロス。魔女や魔法使い。精霊のジンやバンシー。
天使やハルピュイア。魔力や魔法。4大元素、守護神、悪霊。
空想するのは、かんたんだ。
何千年のあいだ、人類は、これらすべてを、空想してきた。
2
1
空想せよ。
宇宙船や未来を。
空想するのは、かんたんだ。
未来は、現実にやってくるし、宇宙船も登場する。
それでは、空想するのは、むずかしいものは、あるだろうか?
もちろん、ある。
空想せよ。
ひとつぶの物質を。
そのなかに、あなたがいて、目覚め、考え、
それゆえ、自分が存在することがわかり、
自分が入っている、ひとつぶ
|
屋根の上の少女
/TZ/IfSheDies/
ポールは、おそるおそる、右手をのばして、少女の手に触れた。
「どうしたの?」
「手が冷たいね」
16
15
「お願い」
少女の手をつかむと、少女は、先に立って、ベビーベッドのところへ
行った。
「あの子がいないと、眠れない」
「トビー?捜しておくよ」少女は、ベッドに入った。「眠るまで、いっ
しょにいてあげよう」
「ありがとう」ポールは、ベッドの脇のイスに座った。「わたしは、サ
ラ。あなたは?」
「ポール」
「毛布をかけて!」
ポールは、サラに毛布をかけてあげた。
「おやすみ、サラ!」
「おやすみなさい」
ポールが、キャシーのベッドの方を見てから、目を戻すと、サラの姿
は消えていた。
◇
ポールは、病院のとなりの施設に行ったが、移転の張り紙があった。
修道院の玄関。
18
17
「シ
|
ドール
/XF/Chinga/
ジャックに。ジャックは、ドアに体当たりであけよ
うとした。
「フーッ!フーッ!」と、ジャック。
「メリッサ!」と、スカリー。
「ママ、ママ、たすけて!はやく!」と、ポリー。キッチンのドアが、
破られそうなのを見て、おびえた。ジャックの体当たりで、家全体がゆ
れて、奥の戸棚の南京錠がはずれ、ハンマーが現れた。
「ハンマーで、あそぼ!」と、人形。
「メリッサ!」と、スカリー。スカリーも、体当たりに加わった。ポリ
ーは、おびえた顔をした。
ふたりがかりで、やっと、キッチンのドアがあいた。ふたりは、階段
を上がった。
「近寄らないで!」と、メリッサ。あいた戸棚から、ハンマーを持ち出
して、ふたりにむけた。
「置きなさい、メリッサ!」と、スカリー。ふたりは、ハンマーをふり
70
69
かざすメリッサに、近づけなかった。ポリーもやって来た。
「あんたなんか、もう、きらい!」と、人形。
「うわぁ
|
小さな子羊よ
/FB/TheLittleLamb/
なにも浮かんでこなかった。なにも、意味
をなさなかった。なにも、感じず、まったく、感覚がなかった。まるで、
テーブルのうえで
エーテル麻酔にかけられている 患者のように。
「エリオットのやつなんか」と、考えた。「ものごとを、あまりに、深
く見すぎている。人が、手でさわれても、けっして、つかみとれないも
のの、荒野を、むだに、さまよっているだけだ。
枯れたジェラニウムの花を ゆさぶる
正気でないもの のように」
小さな子羊よ
彼女の黒い髪、顔の白に、黒い瞳。
36
35
彼女の体の、スレンダーで美しい白。
彼女の声の、やわらかさ。オレの髪をさわる、彼女の手の感触。
そして、ハンスワグナーの髪の、あざわらっているかのような、月の
黄。
ドアをノックした。強くもなく、弱くもなく、普通に、ノックした。
ハンスが顔を出すまで、長かったのではないか?
やつが、驚いたのかどう
|
ミッキーあらわる
/FB1/TheStarMouse/
ぼくたちも、
66
65
どぶねずみは嫌いです。1千匹のねずみ軍団が、ガスマスクとガス爆弾
で武装して、1日か2日で、1都市の、どぶねずみのすべての穴から、
すべてのどぶねずみを駆除できます。全世界から、1年以内で、すべて
のどぶねずみを、駆除できます。同時に、残っているすべてのねずみを
捕らえて、知的レベルを上げて、マーストラリアに運び━━━」
「しかし、ミッキー━━━」
「だめですか、教授?」
「うまくゆくかもしれんし、うまくゆかないかもしれん。きみは、どぶ
ねずみを駆除できるだろうが、利害の対立から、そのうち、ねずみたち
は、人間たちを抹殺し始めるだろう。あるいは、人間たちが━━━」
「そんなことは、しません、教授。武器を、そんなふうには━━━」
「そうかね、ミッキー?」
「絶対に、ありません。もしも、人間が、ぼくたちの権利を尊重すれば、
ぼくたちだって━━━」
オッペルバー
|
天使が死ぬ時
/TS/TheHabit/
では、ヌードソンかな」と、リチャード。
シスターは、運転席についた。
「町の、向こうはずれです」と、リチャード。「次の通りで、車をまわ
しましょう」
シスターは、慎重に、車を発進させた。
「見つかるでしょうかね?賭けの取引には、早すぎるんじゃないかしら
?」
「たしかに、ジョンソンと分かるだけでも、いいんですよ。いることさ
え、分かれば、見つけ出します」
「さっき止められたとき、じつは、ドキドキしましたの」
「ぼくもです」
そのとき、後ろにパトカーが現れた。
「あそこです」と、リチャード。
うしろのパトカーが、クラクションを鳴らした。
「パトカーだわ。せっかく、ここまで、来たのに」と、シスター。
「あの、横のところにつけてください。いざというとき、すぐ、走りこ
めますから」
車を止めると、うしろにパトカーもとまった。警官が降りてきた。
「一時停止を知らんのですか?」と、警官。
「すいません、つい、うっかりしていて」と、シスター。
60
5
|
暗闇の家
/FB1/TheHouse/
近くの壁には、1つだけ、額に入れられ
た、ベンジャミンフランクリンの肖像画があった。額は、ななめに傾い
て、ガラスには、ひびがはいっていた。床にほこりはなく、最近、そう
じしたようにきれいだった。床の中央には、きれいに磨かれた、アラビ
アの片刃刀かたはとうがおいてあった。つかは、赤く染められ、刃先は、緑の軟泥なんでい
で、厚くコーティングされていた。室には、ほかに、なにもなかった。
彼は、ながいあいだ、この室に立っていたが、そのあと、広間を横切
って、反対側の室に入った。そこは、小規模な講堂くらいありそうな、
広い室で、壁がすべて黒なので、最初に入ったときは、それほど広くは
感じなかった。紫のビロードの劇場用のイスが、何列もならべてあった
が、ステージや壇はなく、黒の壁から数インチのところから、イスの列
4
3
が始まっていた。室には、ほかに、なにもなかったが、一番近いイスの
|
フェルマーの予想
/RM/Fermat/
nが3以上だと、フェルマ
ー解が存在しないという、非存在定理です」
「非存在ってなんですか?」と、ノーグ。
「先生にも、正直なところ、よくわからないわね、今日の演習でやるの
は、むしろ、存在を見つけるプログラムを動かしてみるだけです。非存
在は、そこで見つからなければ、存在しないのかもしれないということ
かしら?」
「次の図は、なんですか?」と、ジェイク。
8
7
「この図は、テキストによると、y<1、x<1として、zもz=1と
すると、0と1の間の2次元の図に書けて」
「あ、ちょうど、ピタゴラスの二乗は、円の右上にあたるってことかな」
と、ジェイク。
「そのようね。n=3とすると、少し膨らんで、n=∞の極限では、四
角の右上になるらしいわ」
「たしかに、x=3/5、y=4/5とおくと、xの二乗とyの二乗を
足すと、25/25になって、z=1になってますね」と、ノーグ。
「さす
|
ハーフベア
/FB3/Bear/
ハーフベア
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
もしも病院の待合室で、行ったり来たりしながらタバコに━━━たい
ていは間違えてフィルターの先に火をつけて、なにかを待っている父親
を見たら、その仕草からどんなに心配か分かるだろう。
しかしそれが心配だと思うなら、今、出産室の外のローカでうろうろ
している、ジョナサンクインビーをひと目見てほしい。クインビーは、
タバコのフィルターの先に火をつけて、そのまま吸っても違いが分かり
もしないのだ。
ジョナサンクインビーは、たしかに心配ごとを抱えていた。
2
1
1
始まりは、最後に動物園を訪れた夜だった。「最後に」は2つの意味
でそうだった。1つは、クインビーが1マイル以内には近づかないとい
うことであり、もう1つは、妻も近づかないということだった。彼女は
落ちて、そ
|
人形の家で
/TZ/Miniature/
みんなで展示室の中を、さがしまわった。
警備員は、人形の家の前に来たとき、応接間が、いつもと違う気がし
た。
アイリーンが、チャーリーといっしょにイスに座って、スライドを見
せていたのだ。アイリーンも、チャーリーも、笑顔で、幸せそうだった。
「結局、チャーリーは」と、ナレーター。「見つかりませんでした。警
備員は、誰にも、話しませんでした。信じてもらえないからです。ミス
テリーゾーンの片隅で起きたことなら、特に」
(第四_八話 終わり)
72
71
|
パターン
/FB2/Pattern/
なんの注意も払わなかった。そして、彼らと対話
しようとする、あらゆる試みは、陸軍や空軍によるあらゆる攻撃がそう
であったように、同じように、失敗におわった。彼らめがけて撃たれた
砲弾は、たしかに彼らの内部で炸裂したが、まったく、効果がなかった。
1匹が、砂漠を横断しているあいだに落とされた水爆でさえ、ほんのか
すり傷さえ与えられなかった。
彼らは、われわれには、なんの注意も払わなかった。
「それにさぁ」と、ミスメーシー。妹に。妹も、ミスメーシーだった。
というのも、ふたりとも、未婚だったからだ。
「彼らは、どんな危害も加えないのが、証拠よ、そうでしょ?」
「わたしも、そう、望みたいわ、アマンダ」と、妹のミスメーシー。
「でも、見て、彼らは、なにかしているわ」
その日は、天気のよい日だった。すくなくとも、すこし前までは。空
4
3
は、明るいブルーで、巨人の人間そっくりな頭と肩は
|
ファイナルアンサー
/FB2/Answer/
1
デュワーレインは、無数の聴衆にむかって、簡潔に話した。しばらく
の沈黙ののち、彼は、言った。
「スイッチをどうぞ、デュワーイブ」
デュワーイブは、スイッチを入れた。大きなハム音が響いて、960
億の惑星から情報が押し寄せてきた。数マイルにおよぶパネルが点滅し、
やがて、静まった。
デュワーイブは、1歩下がり、深く息をした。
「最初の質問をする栄誉は、あなたのものです、デュワーレイン」
「では」と、デュワーレイン。「今まで、どのサイバネティックマシン
でも、単独では、答えられなかった質問です」
彼は、マシンの正面に立った。
「神は、存在するか?」
力強い声が、なんのためらいも、なんのリレーの点滅もなしに、こた
えた。
「そう、今や、神は存在する」
突然、デュワーイブの顔におそれの表情がうかび、スイッチにとびつ
いた。
4
3
エピローグ
一筋の雷が、雲ひ
|
八甲田 歩のスペースドライバー日誌
/RM/SpaceDriver/
新目白通りを抜けてゆくのが断然早いわよ!」
「いいわ、私が教えてあげる!そこの高戸橋を右に曲がって新目白通り
に入ってくれる?」
「高速道路に沿って、飯田橋を抜けて」
「皇居に出たら、お堀ぞいに行くと」
「ほら、東京タワーが一番よく見える場所に出るから」
「ここで左折すれば、正面が東京駅よ!」
「あら、今夜のタワーは、ずいぶんブルーなかんじだこと!」
2
1
想おもふ雲
「それって、なんなの?」と、女の子。
「どれ?これなら、安全の全の字よ」と、お母さん。
「金の字かと思った!」
「あら、金の字も忘れてしまったの?最近、覚えたばかりじゃない?」
「知ってるわよ!ただ、金の字をそう書く人もいるのかなって思ったの」
4
3
銀座
「シンカワの住友ビルの第2の方」と、ビジネス
|
パペットショー
/FB2/PuppetShow/
安心するだろう。ところで、2番目のテストは、なんだね?」
「もう、始まっている」と、デードグラント。指を、パチンと鳴らした。
「こう、呼んでくれないか━━━エドガーバーゲンのチャーリーマッカ
ーシーの次の、2番目の人形の名前は?」
大佐は、思いつかなかった。軍曹が、代わりに、答えた。
「モーチマスネード」
「そう、オレのことは、モーチマスネードと、呼んでくれ!しかし、今、
オレは━━━」
デードグラントは、言い終える前に、砂の上に水平に、仰あお向けに倒れ、
目をつぶった。数分前に、杖男が倒れたのと、まったく同じように。
40
39
エピローグ
ロバは、頭を上げた。そして、軍曹の肩越しに、頭を円の中に入れた。
「大佐、操りあやつ人形たちの世話を、よろしく頼む!」と、ロバ。「銀河の
支配種族が、人間、少なくとも、ヒューマノイドかどうか、なんてこと
が、そんなに重要かね
|
アンラッキー
/FB1/Unfortunately/
書かれたこ
とが、あいまいだと、かならずしも、好意的に解釈してくれるとは限ら
なかった。宇宙マニュアルの記述は、この点について、じゅうぶんでは、
なかったかもしれない。
ラルフNCー5は、「あつあつのステーキ」と書いたのだが、あつあ
つのステーキがほしいのか、あつあつのステーキにされたいのかが、あ
いまいだった。アンラッキーにも、彼は、望みどおりに、あつあつのス
テーキにされた。
6
5
(終わり)
8
7
|
エコーバック
/FB3/Rebound/
4
スネルは、チャーター機で、ハドソン西の比較的、旅行者の少ない地
方へ行って、ホテルから━━━そこでは、お客はみんな出てゆくように
言っただけだが━━━ひとりで、考えたり、夢見たりするために、長い
ウォーキングを始めた。いい場所を見つけた。そこは、山に囲まれた谷
にある小高い丘で、景色が雄大であった。考える時間のほとんどをそこ
で過ごした。そこで、さらに、意欲が沸いてきた。やがて、動き出すで
あろう世界が見えてきて、幸福感がさらに高まった。
独裁者。彼が、自分に皇帝の冠をかんむり授けるだろう。世界の皇帝だ。だめ
なことがあるか?パワーを持つ人間に、はむかえるものがいるだろうか?
パワーが誰をも命令に服従させ、与えることも取り上げることも、さら
に━━━。
「死んじまいな!」
丘の上から、スネルは、叫んだ。声の届く範囲に誰がいようが、おか
まいなしに、気兼ねなく大声で━━━。
エピローグ
ハイキングをしていた若い男女が、つぎの日、スネルを見つけた。急
|
幻の指揮官
/ST/VGR_6_1_4/
「船をスパイしてたのかね?」
「厳密には、あなたを。ここなんにちか、長距離トンネルセンサーで、
あなたのプログラムに入りこんでいたんだ。あなたが、ヴォイジャーで
の、われわれの目になるはずだった。なのに、これだ!」
異星人のオペレータは、ドクターの首にかけられた勲章くんしょうをつかんだ。
68
67
「それじゃ、私の空想を覗のぞいていたのか!ああ、だから、アルゴリズム
に異常がおきたんだ」
「すまない。悪かったよ」
「攻撃っていうのは?」
「1時間後に、始まるはずだ。でも、わたしのいうとおりにしてくれれ
ば、攻撃を回避することができるんだよ」
「でも、どうして、知らせにきたんだ?」
「あなたには、わからない。ヒエラルキーは、絶対に、間違いをゆるさ
ないんだ。例外なしにね。もし、わたしのミスに気づけば、わたしは、
職を失う」
「まぁ、覗のぞきの代償といったところだろう」
「でも、あな
|
ミッキーふたたび
/FB1/MitkeyRidesAgain/
ホイットニー?」
そう、ホイットニーは、喜んで、チーズを欲しがった。彼は、つやや
かで、こざっぱりした、小さなねずみで、互いに寄り添った、ビーズの
目と、えばったようなヒゲをもっていた。もしも、横柄なねずみの絵を
描かいたとしたら、ホイットニーがそうだった。都会ずれした、ねずみだ
った。研究所の貴族の血統で、チーズは食べたことがなかった。チーズ
のような一般大衆的なものは、彼のビタミン中心の食事には、ありえな
かった。
しかし、ホイットニーは、チーズをおいしいと感じた。とりわけ、カ
マンベールが、貴族の血統には、美味だった。彼は、喜んで、チーズを
欲しがった。彼は、優美に、育ちのよさそうなふうに、少しづつかじり
ながら、食べた。そして、もしも、ねずみが笑顔を浮かべるとしたら、
笑顔を浮かべた。悪党が浮かべるような、笑顔かもしれない。
「それから、ホイットニー、見せてあげよう。きみのケージで録音した、
食事するかすかな音を、送信するんだ。もう少し、調整して━━━」
|
まだ終わりじゃない
/FB3/NotYet/
と、ラル。「都市をおおうフォースフィール
ドの痕跡こんせきもない。ここの種族の科学レベルは低そうだ。都市は、攻撃す
れば1発で吹き飛ばせる」
「そうだな」と、カー。「しかし破壊は今回の目的ではない。標本がい
る。もしも標本がレベル以上なら、艦隊を呼んで、数千の奴隷を必要な
だけ確保したら、都市だけでなく惑星ごと破壊すればよい。そうしてお
6
5
けば、ここの文明が、われわれに仕返しに来れるまで発展することはな
い」
「よし」と、ラル。ノブを調整した。「磁気フィールドでキューブを不
可視化した。紫外線まで見れる視力がなければ、キューブは見られない。
ここの太陽のスペクトルからすると、見られそうにないな」
キューブは降下しながら、グリーンの光は紫に変わり、さらに周波数
を上げた。着陸は物音ひとつしなかった。カーはエアロックを操作して
外へ出た。ラルが続いた。
「見ろ!」と、カー。「
|
赤の悪夢
/FB1/NightmareInRed/
赤の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、なにによって起こされたのか、わからないまま、目が覚めた。
最初のゆれのあと、1分で、2回目のゆれが来た。ベッドが少しゆれ、
タンスの上の小物が、ガタガタと、音をたてた。3回目のゆれを、横に
なったまま、待っていたが、来なかった。その時までは、来なかった。
ほとんど目が覚めてしまっていて、もう、眠ることができなかった。
時計の夜光盤を見ると、まだ、真夜中の3時であった。ベッドから出て、
パジャマのまま、窓のところまで歩いた。暗い空に、点滅する光が見え
た。夜の音が聞こえた。どこかで、ベル。
2
1
しかし、なぜ、この時間にベルなんか?災害を知らせるベルなのか?
ここの軽いゆれが、どこか近くで、大きな地震につながったのだろうか?
あるいは、これから、ほんとうの地震が来る、とい
|
緑の悪夢
/FB3/NightmareInGreen/
ブリッジでもチェス
でもポーカーでさえ、男のようにプレイして彼を打ち負かした。
もっと悪いことに、デイジーは、夫のビジネスや金融にも手腕を発揮
し、彼が今まで考えたこともないような額の金を稼ぎ出した。ウィリア
ムの自尊心はことごとく打ち砕かれ、残されたわずかな自尊心さえも、
結婚生活の6年間、傷つき打ちのめされなかった日はなかった。
4
3
2
今までは、ローラがやって来るまでは、そうだった。ローラは今週か
ら、お客として家に滞在していた。愛らしくかわいらしいローラは、デ
イジーにはない、きゃしゃでかよわく、ほれぼれするほどの無力で頼り
なさのすべてを持っていた。ウィリアムはローラに夢中になり、ローラ
が彼の救世主だと分かった。ローラと結婚すれば、ウィリアムは、ふた
たび男になれるだろう。ローラが彼と結婚するだろうことは、確かだと
感じた。ローラは、ウィリアムの唯一
|
失われた文明2不死
/FB3/Discovery2/
失われた文明2不死
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
失われた大きな発見の2番目は、不死の秘密だった。
不死の秘密は、1952年、合衆国海軍無線技師のポールヒッケンド
ルフ中尉が発見した。その装置は小さな箱に入った電子基盤で、ポケッ
トに入れて手軽に持ち運べた。箱のスイッチをオンにすると、装置を持
っている人のまわりがフォースフィールドで覆おおわれ、その力の強さは、
ヒッケンドルフのたくみな数学で計算しても、ほとんど無限であった。
2
1
1
フォースフィールドは、いかなる熱や放射線も完全にシャットアウト
した。
ヒッケンドルフ中尉の計算によると、人間は━━━男だろうが女だろ
うが、子どもでも犬でも━━━このフォースフィールドの中にいれば、
至近距離で水爆が爆発しても守られ、かすり傷さえ負わなかっ
|
死の手紙
/FB3/DeadLetter/
「ハロー、コングレスマン?」と、ラバティ。
コングレスマンクインは振り返った。そして、ラバティが銃口を向け
ている拳銃を見て、震えながら立ち上がった。
「ラバティ」と、コングレスマン。「バカなことはやめろ!」
ラバティは、ニタリとした。「いつかこうなるって言っただろ?4年
待ったんだ。今は、もう安全さ」
2
1
1
「逃げ切ることはできないよ、ラバティ!私は手紙を託してある。私に
なにかあったら投函することになってる」
ラバティは、笑った。「ウソを言うんじゃない、クイン!そんな手紙
なんて書けやしない。もしもオレの動機を説明しようとしたら、おまえ
自身の罪を認めることになるからな。なぜおまえはオレを訴えて裁判に
かけようとしない?そうしないのは、真実が明らかになったら、おまえ
の名前は永遠に地に堕おちることになるからさ」
ラバティは、引き金を6回引いた。
|
ボディスナッチャー
/SY/BodySnatcher/
ナンシーに。「送っていこう
か?」
「あそこへは、帰らないわ」と、ナンシー。
「ここへ、泊まれ!」と、マシュー。ナンシーは、うなづいた。
「世話になったね、デビット」と、マシュー。ギブナーに。
「寝たまえ!」と、ギブナー。帰って行った。
マシューは、テラスの階段を下りて、裏口に、南京錠をかけた。テラ
スのイスに座って、高層ビルの明かりを見ているうちに、眠くなった。
テラスの地面から、白い糸が伸びてきて、マシューの下ろした腕から、
服の中に入り込んだ。
白い糸の先には、大きなサヤがあって、そこから、大きな花が咲いた。
花の中心が、息づきはじめ、花びらが落ちると、そこから、人間の頭の
ようなものが、はい出てきて、両手をふるわせた。マシューにならぶよ
うにして、横たわり、両足を動かした。大きな花は、ほかにも、いくつ
か咲いて、花びらを落とすと、人間の頭のようなものが、はい出てきて、
テラスの芝の上で、ふるえていた。
102
101
|
ギーゼンスタック家
/FB1/TheGeezenstacks/
オーブリーが、自分からあきらめてくれない
で、さわぎになったら、サムに、ぼくたちの計画がバレてしまうからね。
エディスは、サムには、なにも言ってないんだろ?」
「まだよ。たぶん、サムには、人形のことは言わないほうが、いい気が
するわ」
「ぼくも、そう思う。サムがとりつかれているものがなんなのか、わか
ってないし、それまで待ってから話したほうがいい。オーブリーは、す
でに、人形をあきらめる気になっている。もしもサムに話したら、反対
するかもしれないし、人形を残したいと言いだすかもしれない。外に持
ち出してからなら、サムも反対できないよ」
「そうよ、ディック。オーブリーには、サムに話さないように、ダンス
レッスンは、サムには内緒のビックリプレゼントだって言ってあるの。
だから、そのかわりの人形のことも、サムには話さないはずよ」
「いいね、エディス」
サムが、もしも知ったとしても、うまくいったかもしれない。あるい
は、サムが、もしも知ったとしても、すべては同じように起こった
|
“スペーステロリスト”ターナロス
/ST/DS9_1_1_2/
エピローグ
ターナロスは、ディーエスナインに戻ったところで、オドーに逮捕さ
れた。
「ターナ、独立を手にいれるなら、別のやり方をとるべきよ。状況が変
わったの。いつか、あなたにも、わかるわ」と、キラ少佐。
「裏切り者!」と、ターナロスは言って、連行されていった
キラ少佐は、シスコ中佐と目を合わせたが、ふたりは何も言わずに、
通路を戻っていった。
(第一_一_二話 終わり)
78
77
|
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
/FB2/Reconciliation/
衝撃がやってきた。
静かな夜は、昼と化し、巨大な赤の花がさらに、巨大化して、空をお
おいつつあった。
直径30マイルのすい星の衝突は、水爆の1千億倍のエネルギーで地ち
殻かくを溶かし、マグマの津波つなみは、高さ100マイルで30分後に地球の反
対側までくると、互いにぶつかりあって、波打った。
(終わり)
6
5
|
囚人のピアノ
/TZ/TheConvictsPiano/
ピアノの上
に置くと、シャンパンがすべてこぼれた。「ショーティ!あす、グラン
ドピアノを、クラブからもってこい!このピアノは、用済みだ」
「処分しますか?」と、ショーティ。
「刑務所にいる、エディに、送りつけてやるか━━━喜ぶだろうよ!」
ミッキーは、エレンのあごをつかもうとして、振り払われた。
ショーティは、了解して、戻っていった。
「お前を試してやる!」ミッキーは、リックに言った。「ダンス曲を弾
け!ガーシュインの新曲、スワンダフルだ!」
「ああ━━━その曲は知りません」と、リック。
「今年の話題曲なのに?」
「ええ」
「弾いてあげたら?」と、エレン。「みんな、大喜びよ!」
「どけ!」と、ミッキーは、リックの左に座った。
リックは、演奏が途切れないように、右にずれながらも、軽く弾き続
けていた。
「まず、スローで」ミッキーは、スワンダフルを弾き出した。「次は、
アップテンポだ!」
ミッキーのピアノは、軽快なリズムに乗ってきたので、リックは、ゆ
|
悪魔のジョーカー
/TZ/DealersChoice/
と、ジミー。「確かに、怪しいが、ここは、慎重にい
こう!ピート、やつの手札を見てみろ!」
ピートが、手をのばして、ニックの伏せカードを見ようとした。
「よせ、ゲームは続いている!」と、トニー。ピートの手を、つかんで
止めた。
「そんなことより、大事なことだ!」と、ジミー。そして、ピートに。
「見てみろ!」
ピートが、ニックの伏せカードを、すべてあけると、6・6・6だっ
た。
「アーハッ!アーハッ!」と、ジミー。
「ジミー、黙れ」と、トニー。ジミーの口を、手でふさいだ。
「悪魔が、ここに現れたんだ!」と、ジミー。
「ニュージャージーに?」と、トニー。
「近くに住んでいるんだ」
「なぜ、この家に?」
「いとこのノーマンに聞こう!」と、ピート。ピートは、電話台にいっ
て、電話機ごと持ってきた。
「トニー、オレには、分かるよ」と、ジミー。「悪魔が現れたとしたら、
理由は、1つ━━━誰かが、死ぬ!」
「バカな!」と、トニー。
14
13
|
ネコどろぼう
/FB3/CatBurglar/
ネコどろぼう
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ミッドランドシティ警察の署長は、2匹のダックスフンドを飼ってい
た。名前は、リトルノートとロングリメンバーだった。しかしこのこと
は、ネコどろぼうとは全く関係ない。このストーリーは、いわゆる署長
が、一見すると不可解な一連のどろぼうに━━━ひとりの男の犯罪に興
味をもったその関心事から始まる。
どろぼうは数週間で、19の家に侵入した。見たところ犯罪は計画的
だった。侵入した家にはかならずネコがいた共通点があったからだ。
どろぼうはネコだけを盗んだ。
2
1
1
たまには、現金が見えるとこにあったり、宝石があったが、どろぼう
は目もくれなかった。家主が帰ると、窓やドアがこじあけられ、ネコが
いないことを発見するが、ほかに盗まれたものはなく、室を荒らされて
もい
|
殺人レッスン
/FB4/Lesson/
2年がたった。デュークは、悪でも身長でも成長し、ギャングとの仲
も良くなった。デュークは、入手経路がバレないように拳銃を2挺ちょう買っ
た。自分用にライフルも買って、このことはみんなにオープンに話した。
たまにハンティングに出かけ、自動拳銃の練習場所をいくつか森の中に
見つけておいた。だれも、デュークが拳銃を持っていることも練習して
いることも知らなかった。
少しのあいだ、豪腕の連中を仕切っていたこともあった。だれに会っ
て、いくらカツアゲするか指示していた。デュークは、そこからピリッ
とした興奮を味わった。
一度、タバコ店にパイナップルを仕掛けた。パレルマンの店で、アド
バイスに逆さからって、会費を払うのを拒こばんだのだ。それは表向きの理由で、
ほんとうはデュークに向かってパレルマンがこう言ったからだった。
「ここから出ていけ、チンピラ!」
デュークエバンズは、もうチンピラではなかった。
26
25
|
おばばのバースデイ
/FB3/GrannysBirthday/
そうだろ、子どもたち?わしら以外の部外者がやっ
たのさ。ヘンリーは、混乱して動いたから、ケンカしてるように見えた
だけさ。残りのわしらで━━━」
ヘンリーを除く、ハルペリン家の男たちは、スミスを取り囲んだ。お
ばばを除く、女たちもすぐ後ろにいた。円は、だんだんせばめられた。
エピローグ
スミスが最後に見たのは、玉座に座ったおばばだった。目はビーズで、
興奮し決意がみなぎっていた。スミスが、ひと言もしゃべれなくなった
沈黙の中で、最後に聞いたのは、ハルペリンおばばのくっくっという笑
い声だった。そのとき、最初の打撃がきて彼をよろめかせた。
(終わり)
10
9
|
帰ってきたカーン
/ST/StarTrek2013/
カーンノニエ
ンシンは、エンタープライズ号が遭遇した、最強、最悪の敵だ。彼は、
賢く、残酷で、なんの躊躇もなく、きみらを、皆殺しにするだろう」
「倒しましたか?」
「犠牲は払ったが、倒した」
「どうやって?」
◇
ヴェンジェラスの通路。
「こっちには、都合がいいけど」と、スコット。「なんで、人がいない
んだ?」
「この船は」と、カーン。「最悪でも、単独で飛ばすことが、可能だ」
「ひとりで?」
保安部員が、カーンに殴りかかったが、逆に、殴り倒された。
カークも、襲われたが、なんとか倒した。
「大丈夫か?」と、カーク。
「カーンは?」と、スコット。
通路に、点々と、保安部員が倒れていた。
210
209
◇
エンタープライズのブリッジ。
スポックは、立ち上がった。
「ウラ中尉」と、スポック。「医療部仕官と、機関部仕官を、兵器室に
集合させろ」
「分かりました」と、ウ
|
眠れるステーション エムポックノール
/ST/DS9_5_6_4/
3
ふたりの遺体は、白いシーツで覆われた。
「きっと、いきなり襲われたんだ」と、ボクタ。
「敵は、内部センサーで居場所をつかんだんだ」
「落ち着け!かならず、脱出できるから」と、チーフオブライン。
「余計なことを考えるな!ペチェッティは、死ぬ前に、ミクロフュージ
ョン反応を、ほぼ、復活させてくれた。残りは、僕がやる。それから、
貨物室に戻る。コンジットは、どうした?」
「終わってます」
「よおし、じゃ、アマロと補助コントロールに行って、パルス発生装置
の調整をしてくれ!」
「わかれるんですか?」
「仕方がない。SOSを打たなければ、ここからは、脱出できないんだ」
「でも、チーフ、もし我々が」
「ボクタ、頼む、がんばってくれ!」
「おれがついているから、平気だよ」と、アマロ。
「ペチェッティにも、ストルゾフがついていた!でも、どうなった?」
「じゃあ、ガラックをいっしょに行かせよう、なら、安心か?」と、チ
ーフオブライン。
36
35
|
オブライエンの孤独
/ST/DS9_2_4_2/
そこへ、シスコが、現れた。
「どうか、したのか?」と、シスコ。
「ミスターオブライエンが言うには」と、ドクターベシア。「きょうは、
健診は、受けられないと」
「仕事は、都合して、受けてくれ!」
「司令官!」と、オブライエン。
「ドクターは、来週までに、スタッフの健康状態について、宇宙艦隊に
報告しなければ、ならない」
「了解!」と、オブライエン。そして、ドクターベシアに。「ちゃんと、
1時間後に、行きます」
ドクターベシアは、医療室に戻っていった。
「司令官、すこし、よろしいでしょうか?」と、オブライエン。
シスコは、うなづいて、司令官オフィスに入った。
「デカーティスは、きみが、おこっていたと」と、シスコ。
「いえ、おこっていたわけじゃ」
「きみが、おこるのも、当然だ。きみに、ひとこと、断っておくべきだ
ったな。私の、完全な、采配さいはいミスだ」
シスコは、イスについた。
「なんとなく、カヤの外におかれた、気がしただけです」
「悪かったな。きみの報告を読んだが、パ
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SFミステリー (小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン) ライトノベル風
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京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
ブラザーサン ある日どこかで オールウェイズ キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」
SFミステリー
☆原作:フレドリックブラウンより☆
緑の世界
小さな子羊よ
ヴァヴェリ
ギーゼンスタック家
ティラノサウルス
暗闇の家
サアルバの国
☆DS9 番外編より☆
フェルマーの予想
☆スペースドライバー☆
☆ENTより☆
|
歩兵
/FB1/Sentry/
歩兵
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、ぬれて、泥だらけで、ひどくおなかがすいて、寒かった。しか
も、故郷の星から、5万光年も離れた星にいた。
奇妙な青い太陽が、かがやいていた。重力も、彼の星の2倍もあって、
動くのも、困難だった。
1万年のあいだ、戦況は、変わらなかった。空軍のパイロットたちは、
流線型の宇宙船に、ファンシーな武器が使えて、上機嫌だった。チップ
が地上にバラまかれると、歩兵めがけて、地面をはってきて、足という
足は、すべて、血で染められた。
2
1
このひどい惑星に、上陸するとは、彼は、まったく、聞かされていな
かった。惑星の地表は、エイリアンたちも、そこにいるがゆえに、神聖
なる戦場だった。そのエイリアンたちは、この銀河に存在する、われわ
れ以外の、唯一の知的生命体であった。冷酷で、みにくく、考え
|
つくられた記憶
/ST/DS9_4_5_3/
もう、話し尽くしたよ」と、オブ
ライエン。
「だけど、聞きたいんだ、私にも妻がいれば、話してやれたんだけどな。
それに、イライラした時、ケイコのことを話すと、君は落ち着きを取り
戻すみたいだからね」
「そうか」
「ああ」
「そのお絵かきが気に障ってイライラするんだ」と、オブライエン。
「いつからだ?」
「今からだよ」
「どうしたんだ、落ち着け!」と、イーチャー。
「おまえの指図さしずなど聞きたくない」
「マイルズ」
「そのマイルズというのもよせ!もう、やだ、閉じ込められているのも、
おまえのお絵かきも、もう、うんざりだ、おまえの顔も見たくない!」
「冷静になるんだ!」
「冷静になんかなりたくないね、なんでおれがこんな目にあうんだ?い
い加減にしてくれよな。おおい、聞こえるか?ここから出せよ、おれは
なにも悪いことはしていないぞ、おい、聞いてるんだろ!」
34
33
「マイルズ!」
「なん
|
ヴァンパイア
/FB/Blood/
こちらにやってくる生物は、テレパシーが使えた。
「私たちは、あなた方の考えを聞くことができます」と、ふたりの脳内
の声。
「ヴァンパイアのことを知っているか、考えていますね。それがなんな
のかわかりませんが、われわれは、知りませんね」
ドリーナは、歓喜のあまり、ヴェロンの腕をつかんだ。
「自由よ!それに、ごはん!」
「あなた方は、疑問を抱いていますね」と、声。
「私たちがなにから進化した生物なのか━━━そうですね、現在の全種
族は、野菜です。私は━━━」
彼は深くおじぎをした。
「ここの支配種族のひとりですが、かつて、あなた方が、チューリップ
と呼んでいたものです」
(終わり)
6
5
|
武器
/FB2/TheWeapon/
そう考えるのは、理にかなったことだ。間違っ
た理屈かもしれないが。そのとき、玄関のベルが鳴った。
グラハムは、立ち上がり、玄関へ行く前に、ほとんど暗くなった室の
電気をつけた。思考を中断された、イラつきはなかった。今夜ばかりは、
中断されたことを、むしろ歓迎した。
玄関のドアをあけた。
「グラハム博士ですか?」と、見知らぬ男性。「私は、ニーマンドです。
少し、お邪魔してもいいですか?」
男は、背が低くく、特徴的なところもなく、見たところ、まったく無
害そうだった。たぶん、どこかの記者か、保険の勧誘かなにかだろう。
4
3
しかし、彼がなにものかは、どうでもよかった。
「ええ、どうぞ、ニーマンドさん」と、グラハム。思考の転換を、むし
ろ喜んだ。そして、居間で。「お座りください。なにか、お飲み物は?」
「いえ、けっこうです」ニーマンドは、イスに座った。グラハムは、ソ
ファに。
|
ねずみ
/FB1/Mouse/
それは、数日間、調査して、分かったんだ。
この世界は、自滅する寸前にあることが。必要なのは、あとひと押しだ
けだと。それで、それは、そのひと押しを加えた」
彼は、ひと呼吸した。
「頭を内側から操作して、それは、誰かに、大統領を暗殺させて、捕つかま
らせた。それは、ロシアの高官を銃撃させた。それは、イギリスの首相
を暗殺させた。それは、サクセス湖で、暴動をおこさせ、ミサイル基地
の兵士に、ミサイルを爆発させた。なんてことだ、ビューティ、この世
界は、あと1週間で、最終戦争に突入する。それを、実際に、やってし
まったんだ」
6
ビルは、窓に行って、ネコのやわらかい毛をなでた。そして、公園の
照明で浮かびあがる、対空砲に、眉をひそめた。
たしかに、その生命体は、それをやった。私が正しいとしても、彼を
止めることはできなかった。なぜなら、彼が、どこにいるか分からなか
ったからだ。誰も、今、私を信じてくれないだろうし。彼は、世界を、
火星人に安全なものに変えるだろう。最
|
ハンスカーベルのリング
/FB3/HansCarvel/
十分では
なかったのだ。不自然にならないように、ハンスカーベルは、調査を依
頼して、妻が浮気をしていることを知った。ハンスカーベルは、心が動
揺して苦しみ、夜眠るたびに悪夢に悩まされた。
2
その悪夢のひとつに、ある夜、デビルが現れた。ハンスカーベルは、
悩みを打ちあけて申し出た。
「なにか妻の貞操ていそうを保証してくれるものがあったら、ここにあるお金で
譲ゆずってほしいのだが!」
「もちろん、いいとも!」と、デビル。「魔法のリングをあげよう。目
覚めたら、リングがあるよ。そのリングをはめている限り、きみの奥さ
んがきみに隠れて浮気をすることは不可能だ」
4
3
デビルは、消えた。
ハンスカーベルは、目覚めた。
そしてリングをはめていることに気づいた。
悪魔が約束したことはホントだった。
エピローグ
若い妻も目覚め、体をもぞもぞさせて言った。
「ハンス、
|
ジバゴ
/SY/Zhivago/
トーニャ。
「そうだ。たまには、町に出ろ!気分もかわるぞ」と、叔父。
176
175
「ユリアティンになにか、あります?」と、ユーリ。
「都会とは違うが、りっぱな図書館があるぞ。まだ、あればだが」
「行ってらっしゃいよ」と、トーニャ。
「いや、やめておくよ」と、ユーリ。「どうせ、道も通れまい」
◇
やがて、陽射しがさして、窓の雪をとかした。春が来て、黄すいせん
が咲きほこった。白樺の白い木肌に、黄がよく似合った。
ラーラは、ユリアティンの図書館で働いていた。ユーリが入り口で、
入館証に記入しているときに、ラーラは気づいていた。ユーリは、歩い
てきて、階段のところで立ち止まった。
「ジバゴ」と、ラーラ。
「ああ」と、ユーリ。「元気だった?」
「どうして、ここにいるの?」
「ベリキノに住んでいる」
「ベリキノに?」
図書館の仕事を終え、ラーラは外へ出た。ユーリがいっしょだった
|
終わり良ければ
/FB1/HappyEnding/
こう言った日のことを思い出させた。
「デンバーが突破されました、ナンバーワン!トロントやモンテレーも
危険です。他の都市においても」コンラッドの声は、うわずっていた。
「マルスd星人と月の反逆者たちは、アルゼンチンに侵攻しました。ニ
ューペトログラード近郊にも上陸してます。敗北です。すべて敗北です
!」
「ナンバーワン、おーい!」と、声。「ナンバーワン、おーい!」
声は、だんだん、大きく高くなり、ほかの音より、ずっと激しくなっ
た。自分の声の記憶が、なん重にも、積み重なって、まるで、自分の演
説を聞かされているようだった。
子どもたちの賛美する声。「ナンバーワン、ナンバーワン━━━」そ
の先を、思い出せなかった。美しい言葉だったことしか覚えていなかっ
た。それは、ニューロサンゼルスにある公立小学校の会合でのことだっ
た。今、ここで、そのことを思い出すのは、じつに、奇妙なことだった。
自分の声のトーンの上げ下げや、子どもたちの目の輝き。思い出したの
は、子どもたちだ
|
ユスタックウィバーの短い生涯3
/FB3/Weaver3/
競馬や株式投資ですぐに信じられない金持ちになれるだろう。
ただ、問題は、今は無一文だということだった。
ユスタックウィバーは、ふいに、働いていたスーパーマーケットの金
庫を思い出した。金庫は、タイムロックだった。タイムロックは、タイ
ムマシンがあれば汗ひとつかかずにあけられた。
2
1
1
ユスタックウィバーは、自分のベッドに座って考えた。ポケットに手
を入れて、タバコを出すと、紙幣が出てきた。10ドル札で100ドル
あった。ほかのポケットにも手を入れると、何枚も出てきた。ベッドに
並べて、高額紙幣や低額紙幣、ざっと1400ドルあった。、
ユスタックウィバーは、ふいに、真実に気づき、笑いだした。すでに、
時間軸上の未来に行っていて、スーパーマーケットの金庫をカラにして、
それからタイムマシンを使って、マシンを発明した最初の地点に戻って
いたのだ。どろぼ
|
緑の世界
/FB/SomethingGreen/
しかし、それほど、気
にすることはありません。医学は、進歩しています。まだ、そうとう長
く生きられますよ」
「55才か」と、マクガリー。しずかに。「30年になるのか━━━」
中尉は、マクガリーを、哀れむように見た。
「もしもがまんできるなら、悪いニュースの残りも、聞いておきますか?
いくつかあります。私は、心理学者ではないですが、悪いニュースは、
28
27
今、全部聞いておく方が、いいと思いますよ。帰ってから、ひとつづつ
聞かされるよりは。どうですか、聞いておきますか、マクガリー?」
今、聞かされたことより、悪いことがあるだろうか?人生の30年が、
ここで、無駄に費やされてしまった。しかし、地球に、緑の地球に戻れ
る限り、残りの人生で、やりたいことがなんであれ、できるだろう。
マクガリーは、あたりを見渡した。青紫の空、赤く輝く太陽、茶の平
原。そして、静かに言った。
「今、聞
|
3つの願い
/XF/JeSouhaite/
文句ばっかり、言いやがって!━━━よし!最後
だ。ああ、なににしようかな」
54
53
アンソンは、なんど、すっても、マッチに火がつかなかった。
「カネがいいかな」と、レスリー。「透明人間だけは、やめておこう!
死んじゃ、おしまいだからな!なぁ、アンソン、透明人間だと?まった
く、なんて、バカなんだ?」
アンソンは、なんど、すっても、マッチに火がつかなかった。
モルダーとスカリーは、車をゆっくりとめて、降りてきた。
「透視力?やめよう。やっぱ、純金の車イス?」と、レスリー。
女性は、ガスの臭いに気づいて、台所の方を見た。
「決めた!足だ!」と、レスリー。
アンソンは、やっと、マッチに火をつけた。
◇
大爆発が起こって、ストークス家は、吹きとんだ。
近くまで来ていた、モルダーとスカリーは、道路に吹きとばされ、車
の窓は、すべて、木こっ端ぱ微塵みじんになった。
モル
|
黄の悪夢
/FB2/NightmareInYellow/
ほかのメリットもあった。もしも、妻が生きたままだったら、
次の朝、起きたときに彼がいなければ、なにか心配して、警察を呼ぶか
もしれない。しかし、殺しておけば、死体はしばらくは、見つからない
だろう。たぶん、2・3日は。これは、さいさきのよいスタートとなる
はずだ。
3
事務所では、ものごとは、スムーズに進んだ。約束の時間になったの
で、妻を迎えにいって、すべては予定どおりだった。しかし、レストラ
ンで、妻は食事に時間をかけていたので、家に8時46分に戻れるか、
心配になってきた。それは、バカげたことだとわかったはいたが、彼に
とっては、自由になる時間がすごく重要で、1分早くても、1分遅くて
もだめだったのだ。腕時計を見た。
家の中に入るまで、待つべきだったが、1分おくれそうだった。家の
ポーチは、暗く、家の中と同じくらい、だれかに気づかれる心配はなか
ったので、そこで、彼は、ドアの前に立って、ドアを開けるのを待って
いる妻に、ジャックナイフを一突きした。
|
暗黒の地球帝国
/ST/ENT_4_5_2/
◇
医療室。
拷問ブースの中で、豚の鼻をした、異星人が、悲鳴を上げ、苦痛に顔
をゆがめていた。
「このブースは、従来の拷問ブースより、はるかに、効果的です」と、
リード少佐。
「いかなる人種の、神経中枢も、刺激できる」と、ドクター。「シナプ
スをスキャンし、その都度つ ど、対応します」
「これが、画期かっき的だそうです」と、副長。
「昔でいうところの」と、船長。「ムチ打ちと同じだ!」
「ムチとは、違うから、画期かっき的だといっているのです」と、リード少佐。
「従来の拷問方法では、神経組織がマヒし、時間がたつと、なにも感じ
6
5
なくなる」
「この装置は、刺激する神経群を変えてゆくんです」と、ドクター。
「拷問の対象者が、永遠に、苦痛から逃れられないようにね」
拷問ブースの中で、苦しむ、異星人。
「個人的趣味も、入っているんじゃないか?」と、船長。
「ミスターテレブは、何
|
致命的なミス
/FB3/FatalError/
「逮捕状?」と、ウォルター。「なんの?」
「不法侵入と窃盗せっとう。きみの叔父お じさんが、寝室のドアのところで一部始終
を見ていた。きみが行くまで静かにしていて、それからダウンタウンに
来て通報した」
エピローグ
ウォルターバクスターは、アゴを撃ちぬかれた。やはりミスをしてい
たのだ。
完全な殺人計画だったが、どろぼうに夢中になりすぎて、肝心なこと
を実行するのを忘れていた。
(終わり)
6
5
|
いつもふたりで
/SY/TwoForTheRoad/
「レディ?」
マークのサーブを、モーリスが打ち返したボールは、ジョアンナのと
ころへ。
146
145
ジョアンナは、ボールをつかんで、飲み込むふりをした。
「こっちへ」と、マーク。
「うぐ、ごくん」と、ジョアンナ。「もう、おそいわ」
「ふざけないで。プレーしてるとこだから」
「もう、2時間もね」
ボーイが電話を、銅像のおへそにつないで、モーリスに渡した。
「ありがとう」と、モーリス。電話に。「ハロー、パラモス?電話待っ
てたよ。私がかけた?そうか」
マークは、ジョアンナのデッキチェアまで、来た。
「ボールを返してくれる?」と、マーク。
ジョアンナは、首をふった。マークは、ジョアンナをくすぐった。
ジョアンナは、ボールをプールの中へ。
「ボールを拾え!」と、マーク。
「自分で拾えば?」と、ジョアンナ。
「スニーカーだ」
「フランソワーズに借りたの?」
「依頼主だぞ」
「息子のかし
|