原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
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令 和
SFミステリー
「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス
[京 都 大原 三千院 ♪~♪ 恋に弊(つか)れた 女がひとり ♪~♪ or検索] ヒット 91 件です。
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3つの願い
/XF/JeSouhaite/
「もちろんさ。きみの兄さんが見つけたものを、今、すぐに、このぼく
に、渡すんだ。さもないと、きみの兄さんの、二にの舞まいになるぞ」
レスリーは、あきらめて、車イスで、チェストに移動して、古い小箱
を渡した。
「ああ、これでいい」と、モルダー。小箱を、大事そうに、両手でつか
んだ。
◇
407号倉庫のシャッターを、レスリーはあけた。
40
39
まわりを確認してから、懐中電灯で、巻かれたジュータンを照らした。
◇
スカリーは、黄色いパウダーで全身がおおわれた、アンソンを、死体
安置室に入れて、写真を何枚も撮った。そこへ、モルダーが、帰ってき
た。
「スカリー、ちょっと来てくれ」と、モルダー。
スカリーは、カメラをかまえたまま、困った顔をした。
「死体は、逃げやしないよ!さぁ!」
スカリーは、しかたなく、死体安置室の扉のとびら鍵をしめた。
「バイ!」と、スカリ
|
イェフディの法則
/FB2/TheYehudiPrinciple/
「熱いブラックコーヒーを2杯頼む。カップに入れて」
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37
オレは、頭を下げた。なにも起こらなかった。オレは、このことをあ
る程度、予想していた。
チャーリーは、オレの頭からヘッドバンドをつかみとると、自分で試
した。
「イェフディは死んだんだよ!」と、オレ。「小人は自分を撃ったのさ。
もう、なにもできない。オレがコーヒーをいれる」
オレは、やかんをホットプレートにのせた。
「チャーリー」と、オレ。「仮に、みんなイェフディがしていたとしよ
う。きみは、イェフディの限界をどの程度知っていたんだい?たぶん、
彼は、リリーセントクレアも━━━」
「黙って!」と、チャーリー。「今、考えてるんだ」
オレは、黙った。チャーリーは、考え始めた。
コーヒーができたときまでには、自分が言ってることのバカらしさに
気づいた。
コーヒーを出した。チャーリーは、ずっと、薬の容器のようなものを
あけて、なかを調べていた。スイッチを作動させる小さな振り子や多く
のワイヤが見えた。
「分からないな。どこも壊れてない」と、チャーリー。
「たぶん、電池じゃないか?」と、オレ。
懐中電灯を出してきて、
|
帰ってきたカーン
/ST/StarTrek2013/
追跡されています」と、スポック。
「この地区は、無人だろ?」と、カーク。
「抜き打ちのパトロールです」と、ウラ。
「つかまれ!」カークは、船を加速させた。
「この船に、攻撃手段は、ない」と、スポック。
「オレたちが、手段だ。エンジン全開!」
「はい、船長」
貿易船は、廃墟の都市へ入りこんで、ビルの間を飛行した。
クリンゴン船が、砲撃を開始した。
「おっと!」と、カーク。砲撃を寸前でかわして、飛行した。
「近づいています」と、ウラ。「方位285」
「よし、あそこで、追手をまく!」と、カーク。前方に、わずかにビル
の隙間。
「あの建物の隙間に」と、スポック。「入はいろうというつもりなら、この
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船ではムリです」
「入はいれる」
「船長、入はいれません」
「入はいれる、入はいれる、入はいれる」
貿易船は、扁平な形で、上下をこすりながら、通り抜けた。
クリンゴン船は、寸前で停
|
まだ終わりじゃない
/FB3/NotYet/
カーは、パネルを操作した。
「ラル、スクリーンを見てくれ!」と、カー。「光の列が規則的に並ん
でいる!都市だ!この惑星には生物がいる!」
2
ラルは、別のコントロールパネルの攻撃用ボードに移って、ダイアル
に触れた。
「脅威になるものはない」と、ラル。「都市をおおうフォースフィール
ドの痕跡こんせきもない。ここの種族の科学レベルは低そうだ。都市は、攻撃す
れば1発で吹き飛ばせる」
「そうだな」と、カー。「しかし破壊は今回の目的ではない。標本がい
る。もしも標本がレベル以上なら、艦隊を呼んで、数千の奴隷を必要な
だけ確保したら、都市だけでなく惑星ごと破壊すればよい。そうしてお
6
5
けば、ここの文明が、われわれに仕返しに来れるまで発展することはな
い」
「よし」と、ラル。ノブを調整した。「磁気フィールドでキューブを不
可視化した。紫外線まで見れる視力がなければ、キュー
|
いつもふたりで
/SY/TwoForTheRoad/
受け取って、マークは、階段を上がった。
ジョアンナは、待ちきれずに、ドアをあけた。ホテルの白のバスロー
ブ姿。
「あやうく、警官につかまるところだったよ」と、マーク。
ベッドの上に、りんごやパンを、上着のおなかから出した。
ジョアンナは、大喜びで、りんごをマークの口へ。
「ピルよ」と、ジョアンナ。「ハンバーガーピル!」
マークは、ぶどう酒のせんを抜いた。
◇
ランチをとる、花柄のドレスのジョアンナと、グレーのスーツのマー
ク。
ポーターは、ワインをそそいで、テーブルに置いた。
マークは、黙って、ワインのグラスを上げた。
「会話なく、座ってる、ふたりとは?」と、ジョアンナ。
「ご夫婦さ」と、マーク。
◇
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メイドが、豪華なつくりの室へ入ってきた。
マークは、イスで、雑誌を読んでいた。
ベッドに、ジョアンナ。
マークは、指を口にあてて、静かに
|
人形の家で
/TZ/Miniature/
黒の手袋だった。あきれたように、頭をふって、
4
3
去っていった。アイリーンにぶつかったことが、チャーリーが見知らぬ
世界に迷い込むきっかけとなった。
館内の食堂は、「改装のため休業」の立て札があった。階段を上って
いくと、下へ降りようとする、団体客にぶつかった。
「次は、古代の美術品です」と、案内する男性。「この盾は、100年
も前のものです。比較的新しい、1950年代のものもあります。アフ
リカの一部の地域は、開拓前で、文明化されていません。奥地の先住民
の中には、文明社会を知ることなく、死んでゆくものもいます。また、
彼らは、数百の言語を操ります」チャーリーは、団体客に押されて、2
階に上がれず、1階の団体客の中にいた。
「美術鑑賞協会のみなさまなら、彼らの作品の価値が分かるでしょう。
盾は、特別の目的のために作られています。たとえば、これは、悪霊を
追い払うための、盾です。別の、この盾は、病かやまいら身を守ります」
チャーリーは、やっと、団体客から抜け出して、1階の展示室へ入っ
た。チャーリーが入ってゆくと、イスに座っていた、警備員が立ち上が
った。いろいろな博物品があった。チャーリーは、一番奥の、人形の家
の前に行った。豪華なつくりで、1階に応接室、2階に寝室、右側には、
螺旋階段があった。応接室に置かれたピアノには、若い女性が座ってい
た。
腕時計を見ると、
|
ネコどろぼう
/FB3/CatBurglar/
ネコどろぼう
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ミッドランドシティ警察の署長は、2匹のダックスフンドを飼ってい
た。名前は、リトルノートとロングリメンバーだった。しかしこのこと
は、ネコどろぼうとは全く関係ない。このストーリーは、いわゆる署長
が、一見すると不可解な一連のどろぼうに━━━ひとりの男の犯罪に興
味をもったその関心事から始まる。
どろぼうは数週間で、19の家に侵入した。見たところ犯罪は計画的
だった。侵入した家にはかならずネコがいた共通点があったからだ。
どろぼうはネコだけを盗んだ。
2
1
1
たまには、現金が見えるとこにあったり、宝石があったが、どろぼう
は目もくれなかった。家主が帰ると、窓やドアがこじあけられ、ネコが
いないことを発見するが、ほかに盗まれたものはなく、室を荒らされて
もい
|
レッドダイアモンド
/RD/RedDiamond/
あんたは分からないだろうが、やつも分かってない。オレはまた堕落だらく
する。またいかがわしい仕事に戻るなんてできない。それなら死んだ方
がましだ」
「どういう計画だったんだ?」
「防犯システムに細工する計画だった。数日して、日本人の男が加わっ
た。オレたちは、リトル東京のすし屋で会った。オレの役割の説明を受
けた」
「その男の人相は?」
「35才くらい。背は5フィート8インチくらい。顔立ちは良く、短め
の黒髪。全身に刺青いれずみがあった。龍とサムライとおかしな模様。やつには
小指の先が片方なかった」
「なに?」
「小指の先。左か右か忘れた。聞いたところでは、その理由は━━━」
「オーケー。ランダールとはその後会ったか?」
トッドは頭を振った。「会って話したのは1度だけで、そのときに脅おど
された。マンフレッド氏にも、なにか脅おどすようなことをしたようだ」
568
567
「どんなふ
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ボディスナッチャー
/SY/BodySnatcher/
ナンシーに。「送っていこう
か?」
「あそこへは、帰らないわ」と、ナンシー。
「ここへ、泊まれ!」と、マシュー。ナンシーは、うなづいた。
「世話になったね、デビット」と、マシュー。ギブナーに。
「寝たまえ!」と、ギブナー。帰って行った。
マシューは、テラスの階段を下りて、裏口に、南京錠をかけた。テラ
スのイスに座って、高層ビルの明かりを見ているうちに、眠くなった。
テラスの地面から、白い糸が伸びてきて、マシューの下ろした腕から、
服の中に入り込んだ。
白い糸の先には、大きなサヤがあって、そこから、大きな花が咲いた。
花の中心が、息づきはじめ、花びらが落ちると、そこから、人間の頭の
ようなものが、はい出てきて、両手をふるわせた。マシューにならぶよ
うにして、横たわり、両足を動かした。大きな花は、ほかにも、いくつ
か咲いて、花びらを落とすと、人間の頭のようなものが、はい出てきて、
テラスの芝の上で、ふるえていた。
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チャンスふたたび
/FB3/SecondChance/
「疑問なのは」と、ジェイ。「かつての人間たちの試合を実際に見るの
と、どのくらい違うのかな?」
エピローグ
「さぁね」と、オレ。「かつての人間たちを実際に見たことがないから
ね。オレはまだ200才にもならないが、少なくともこの400年は、
生きた人間は見つかってないそうだよ。帰りに潤滑油をさしに行かない?
きょうはまださしてないから、サビが出そうだ━━━あすの試合は、い
くら賭けるかい?ホワイトソックスは、チャンスをふたたび得た。実際
の人間たちにはなかったことだ。できる限り、彼らの伝統は保存してい
きたいね!」
(終わり)
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SFミステリー
☆原作:フレドリックブラウンより☆
緑の世界
小さな子羊よ
ヴァヴェリ
ギーゼンスタック家
ティラノサウルス
暗闇の家
サアルバの国
ファブクリップ
☆アリスのナンチャラン☆
アンダラン
ビックリラン
ルッグラン
☆サ
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ふくろぅ3兄弟
/FB3/Owl/
しっかりくわえた。静かにもとの枝に戻ると、鋭いとげをワイルドキャ
ットのやわらかいお尻に力いっぱい突き刺した。
「エェェェェェォゥ」と、ワイルドキャット。体を起こそうと、ねじり、
ジャンプを3つ同時にやったので、枝から落ちた。頭が下の枝にあたり、
地面にいるハンターの頭にぶつかった。ハンターは銃を落とし、銃は
「バン!」といって、やぶに隠れていた赤ぎつねにあたった。
「ホォォォォォ!」と、末っ子。くちばしは、とげを強くくわえて力い
っぱい突き刺したので、ひどく傷ついていたが、そのときは気づかなか
った。
6
5
3
末っ子は、木のうろに帰った。
「今、ワイルドキャットとハンターと赤ぎつねを殺したよ!」と、末っ
子。兄たちに、誇らしげに。
「夢でも見たんだよ!」と、長男。
「たしかに夢だな!」と、次男。
「じゃ、夜になったら見せてあげるよ!」と、末っ子。
◇
ワイル
|
ギーゼンスタック家
/FB1/TheGeezenstacks/
ショックが、すこしづつ大きくなった。
エディスとリチャードは、そのことに気づいて、サムがいないときに、
話しあった。
「サムは、最近、すこしおかしいわ、ディック。ほんとうに、心配だわ。
サムの行動といったら、まるで━━━お医者につれてゆくべきかしら?」
「精神科医かい?それは、どうかな。サムが応じるとも、思えないな。
エディス、サムは、なにかに、とりつかれているような気がするんだ。
そのことについて、一度、サムから聞きだそうとしたんだけれど、はっ
きり、こたえてくれなかった。たぶん、あの、人形に関係している気が
する」
「人形?オーブリーの人形のこと?あなたが、オーブリーにあげた?」
「そう、ギーゼンスタック家。サムは、人形の家の前に座って、じっと
見つめていた。人形について、オーブリーに質問するのを、聞いたよ。
サムは、おおまじめだった。サムは、ある妄想か、あるいは、人形に関
係するなにかに、とりつかれているんじゃないかな」
「まぁ、ディック。そんなことって、あるのかしら?」
「聞いて、エディス。オーブリーは、前ほど、人形に興味をもたなくな
った。ほかに、オーブリーがやりたがっていることはないかな?」
26
25
|
天使は淋しい道を行く
/TS/LonelyRoad/
「そうとう、ビビりまくってたぜ!」と、ひとり。また、ウィスキーの
小瓶を飲みあった。
そのとき、リチャードが立っているのに、気づいて、笑うのをやめた。
「ごあいさつに、帰ってきたのか?」と、若者。
「おまえたち、どこの石の下から、はい出てきたんだ?」と、リチャー
ド。
「だから、都会のやつはイヤなんだ!ユーモアのセンスってものが、ね
ぇんだからな!そういう口の利き方をするやつは、虫がすかねぇんだ!」
ひとりが、こぶし大の石を拾って、身構えた。
「つきあいにくい野郎とは、つきあわねぇことにするよ!」
もうひとりも、落ちていた棒を手にした。
3人は、身構えた。しかし、急に、若者は、ケンカの姿勢をやめた。
シスターが、ゆっくり、歩いてきた。そして、若者のひとりの、頬を
平手打ちした。
70
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もうひとりも、石を持った手を下げた。シスターは、その若者の腕を
ひっぱって、なら
|
武器
/FB2/TheWeapon/
親元を去ることのない子どもを、どれだけ多くの人が持てるという
のだろうか?たしかに、そう考えるのは、理にかなったことだ。間違っ
た理屈かもしれないが。そのとき、玄関のベルが鳴った。
グラハムは、立ち上がり、玄関へ行く前に、ほとんど暗くなった室の
電気をつけた。思考を中断された、イラつきはなかった。今夜ばかりは、
中断されたことを、むしろ歓迎した。
玄関のドアをあけた。
「グラハム博士ですか?」と、見知らぬ男性。「私は、ニーマンドです。
少し、お邪魔してもいいですか?」
男は、背が低くく、特徴的なところもなく、見たところ、まったく無
害そうだった。たぶん、どこかの記者か、保険の勧誘かなにかだろう。
4
3
しかし、彼がなにものかは、どうでもよかった。
「ええ、どうぞ、ニーマンドさん」と、グラハム。思考の転換を、むし
ろ喜んだ。そして、居間で。「お座りください。なにか、お飲み物
|
空想せよ
/FB1/Imagine/
空想せよ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
空想せよ。
さまざまな幽霊。神々。悪魔たち。
空想せよ。
いろいろな地獄や天国。空中に浮遊する都市や、海中に沈んだ都市。
ユニコーンやケンタウロス。魔女や魔法使い。精霊のジンやバンシー。
天使やハルピュイア。魔力や魔法。4大元素、守護神、悪霊。
空想するのは、かんたんだ。
何千年のあいだ、人類は、これらすべてを、空想してきた。
2
1
空想せよ。
宇宙船や未来を。
空想するのは、かんたんだ。
未来は、現実にやってくるし、宇宙船も登場する。
それでは、空想するのは、むずかしいものは、あるだろうか?
もちろん、ある。
空想せよ。
ひとつぶの物質を。
そのなかに、あなたがいて、目覚め、考え、
それゆえ、自分が存在することがわかり、
自分が入っている、ひとつぶ
|
ヴァンパイア
/FB/Blood/
タイムマシンで、さらなる未
来へ逃れるしかなかった。
「止めてくれて、うれしいわ」と、ドリーナ。溜息ためいきをついた。
「オレに感謝しないでいいよ」と、ヴェロン。「ここが、終点だ。燃料
切れなのさ。ここでは、おそらく、燃料のウランはすべて、鉛になって
いて、見つからないよ。ここで生きてゆくしかない。あるいは━━━」
ふたりは、偵察のために外へ出てみた。
「見て」と、ドリーナ。ふたりのもとに近づくなにかを指さしていた。
「新しい生物だわ!犬は、滅ほろんだのよ。なにものかが支配して、ヴァン
パイアは、忘れ去られたわ!」
4
3
こちらにやってくる生物は、テレパシーが使えた。
「私たちは、あなた方の考えを聞くことができます」と、ふたりの脳内
の声。
「ヴァンパイアのことを知っているか、考えていますね。それがなんな
のかわかりませんが、われわれは、知りませんね」
ドリーナは、歓喜のあ
|
気まぐれ
/FB1/Experiment/
3時に、です。注意して、見てい
てください」
物体は、教授の手から、消えた。
4
3
それは、再び、タイムマシンの台の上に現われた。
「見ましたか?私が、それを、台の上におく、ちょうど5分前に、そこ
に現われました!」
もうひとりの同僚の教授は、現われた物体を、疑わしそうな表情で見
た。
「あなたが、台におく、5分前にすでに、物体は、出現しているわけだ
から、もしも、あなたが、気まぐれで、物体を、3時に台の上におかな
かったら、なにが、起こるかな?ある種のパラドックスが、含まれてい
るんじゃないかな?」
「興味深い、考えです」と、ジョンソン教授。「その可能性は、考えて
いませんでした。やってみる価値はあるでしょう。いいですね、私が、
おかないと━━━」
パラドックスは、まったく、なかった。立方体の物体は、そのままだ
った。
しかし、それ以外の、宇宙の残りすべてが━━━教授た
|
パターン
/FB2/Pattern/
うす暗くなって、足をどけるか、
通り過ぎるまで、明かりが必要になった。それだけだった。
彼らは、人間には、なんの注意も払わなかった。そして、彼らと対話
しようとする、あらゆる試みは、陸軍や空軍によるあらゆる攻撃がそう
であったように、同じように、失敗におわった。彼らめがけて撃たれた
砲弾は、たしかに彼らの内部で炸裂したが、まったく、効果がなかった。
1匹が、砂漠を横断しているあいだに落とされた水爆でさえ、ほんのか
すり傷さえ与えられなかった。
彼らは、われわれには、なんの注意も払わなかった。
「それにさぁ」と、ミスメーシー。妹に。妹も、ミスメーシーだった。
というのも、ふたりとも、未婚だったからだ。
「彼らは、どんな危害も加えないのが、証拠よ、そうでしょ?」
「わたしも、そう、望みたいわ、アマンダ」と、妹のミスメーシー。
「でも、見て、彼らは、なにかしているわ」
その日は、天気のよい日だった。すくなくとも、すこし前までは。空
4
3
|
つくられた記憶
/ST/DS9_4_5_3/
もう、話し尽くしたよ」と、オブ
ライエン。
「だけど、聞きたいんだ、私にも妻がいれば、話してやれたんだけどな。
それに、イライラした時、ケイコのことを話すと、君は落ち着きを取り
戻すみたいだからね」
「そうか」
「ああ」
「そのお絵かきが気に障ってイライラするんだ」と、オブライエン。
「いつからだ?」
「今からだよ」
「どうしたんだ、落ち着け!」と、イーチャー。
「おまえの指図さしずなど聞きたくない」
「マイルズ」
「そのマイルズというのもよせ!もう、やだ、閉じ込められているのも、
おまえのお絵かきも、もう、うんざりだ、おまえの顔も見たくない!」
「冷静になるんだ!」
「冷静になんかなりたくないね、なんでおれがこんな目にあうんだ?い
い加減にしてくれよな。おおい、聞こえるか?ここから出せよ、おれは
なにも悪いことはしていないぞ、おい、聞いてるんだろ!」
34
33
「マイルズ!」
「なん
|
ファイナルアンサー
/FB2/Answer/
1
デュワーレインは、無数の聴衆にむかって、簡潔に話した。しばらく
の沈黙ののち、彼は、言った。
「スイッチをどうぞ、デュワーイブ」
デュワーイブは、スイッチを入れた。大きなハム音が響いて、960
億の惑星から情報が押し寄せてきた。数マイルにおよぶパネルが点滅し、
やがて、静まった。
デュワーイブは、1歩下がり、深く息をした。
「最初の質問をする栄誉は、あなたのものです、デュワーレイン」
「では」と、デュワーレイン。「今まで、どのサイバネティックマシン
でも、単独では、答えられなかった質問です」
彼は、マシンの正面に立った。
「神は、存在するか?」
力強い声が、なんのためらいも、なんのリレーの点滅もなしに、こた
えた。
「そう、今や、神は存在する」
突然、デュワーイブの顔におそれの表情がうかび、スイッチにとびつ
いた。
4
3
エピローグ
一筋の雷が、雲ひ
|
ファブクリップ
/FB5/FabClip/
オレが戻ったとき、みんなになんて言えばいいのか分からなかった。
ただ、だれとも話したくなかった。「おやじは死んだ」と、言えるよう
な気がまったくしなかった。
警察とも話したくなかったし、葬式について考えたくもなかった。お
ふくろとガーディが戻るのを待っていたが、帰ってこないのは好都合だ
った。ふたりとも話したくなかった。
オレはおふくろ宛のメモを残し、アム叔父さんに会いにジェーンズビ
ルへ行くと伝えた。おやじが死んだ今、おふくろもオレがアムに会うこ
とに口出しできないだろう。
オレは、そんなにアムに会いたいわけでもなかった。ジェーンズビル
へ行く口実になるからだ。
30
29
オリンズ通りからキンジーに出て、橋を渡って運河の先、シカゴ鉄道
マジソンストリート駅に行った。ジェーンズビルを通るセントポール行
きは、11時20分だった。切符を買って、駅のベンチで待った。
午後
|
殺人レッスン
/FB4/Lesson/
ビリヤードテーブルに戻った。デュークは、ニックチェ
スターを見ていた。そして、自分がなにをしたいのかに気づいていた。
襟えりに白のカーネーションをつけたスーツを着て、高い葉巻を吸い、うつ
ろだがなんでも気づいている目で、ポケットには札束。
力が必要だった。そのために働き、盗みもし、いつか━━━。
地獄でうれしそうな笑い声がしたのは、たぶん、このときだったのだ
ろう。もちろん、地獄があったとしての話だが。物事はスムーズに運ん
でいた。このとき、小さな赤の悪魔はボスに報告したに違いない。
16
15
「順調です、ボス!」と、小悪魔。「レッスンその6を終えました!ボ
スは来年だって言ってやしたけど━━━」
「そんなにせかせなくてもいい!じっくり育てるんだ!」
「やつは、すぐに卒業まで行きますぜ、ボス!しかも、優秀な成績で!
2・3年待てって言うんじゃ?」
「じっくりでいい。5・6年かけ
|
SFミステリー ライトノベル風
/CO/cmt/
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2.出版
|
失われた文明3永遠の生命
/FB3/Discovery3/
失われた文明3永遠の生命
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
20世紀に発見されたが失われた大きな発見の3番目は、永遠の生命
の秘密だった。
これは、はっきりしないが、モスクワのイバノビッチスメタコフスキ
ーという化学者が1978年に発見した。スメタコフスキーは、どのよ
うにして発見し、どのようにしてそれを試す前に有効なことを知ったの
かについての記録を残さなかった。2つの理由から、彼がそれを身が凍こお
るほど怖おそれていたからだ。
2
1
1
スメタコフスキーは、それを世界に発表することを怖おそれていた。自分
の政府にさえ、一度報告すれば、秘密はすぐに鉄のカーテンを漏れて、
世界に混乱をもたらすだろう。USSRはうまく処理できるだろうが、
ほかの野蛮で不道徳な国では、永遠の生命の薬は、たちまち人口爆発を
も
|
アリスのアンダラン
/LC/AliceUnderGround/
むずかしいパズルだわ!知っ
てたものが、ちゃんと分かるかテストしてみましょ!4×5は12、4
×6は13、4×7は14、あら、なんてことでしょう!このままでは
20になかなかならないわ!掛け算表は、証明にならない。地理がいい
わ。ロンドンはフランスの首都、ローマはヨークシャー州の首都、パリ
は━━━あ~、みんな違ってる!分かったわ!わたしはフローレンスに
24
23
なってしまったんだわ!それじゃ、こんどは『子どものクロコダイル』
を歌ってみましょ!」
アリスは、ひざの上に乗せた両手を合わせて、歌い始めた。しかし、
声はしゃがれて、歌詞も前とは違っていた。
「子どものクロコダイルは
尾は輝いかがやて
ナイルの水をかけると
全身が金色にひかり輝くかがや
楽しそうに笑い
ツメをきちんと広げて
魚うおを迎えると
アゴもやさしく笑う」
「この歌詞は、ぜんぜん違うわ!」と、アリ
|
世界の終わり
/FB/TheEnd/
場の内側にいる存在にとっては、すでに来てしまった未来は、過去に、
これから起ころうとする過去は、未来と捉とらえるしかない━━━それは、
あたかも」
納得のいかない生徒たちは、さらに、ざわつき始めた。
「ジョアンナ君、君の顔が、今、鏡のように左右反対になってしまって
も、誰も気がつかないのと同じだよ。
あるいは、地球の歴史において━━━なんどか起こっているように、
地球のN極とS極が瞬時に入れ替わっても、渡り鳥たちにとっては、な
んの支障もないのと━━━」
ジョアンナは、納得がいかないまま頬ほほに手をおくと、今朝け さ、右頬みぎほほに新
4
3
しくできたばかりのニキビがすっかり消えてしまっているのに気づいて
喜んだ。
しかし、その喜びは、長く続かなかった。右頬みぎほほのニキビは、そっくり
そのまま、左頬ひだりほほに移動しただけだったからだ。
(終わり)
|
おばばのバースデイ
/FB3/GrannysBirthday/
2
室の向こうで、クロスがハンクハルペリンと話しているのが見えた。
なにを話していたのか、突然声を荒あらげ、怒おこりだした。スミスは、たいし
たトラブルでなければいいがと願った。パーティがすごく楽しかったの
で、ケンカや言い争いでも、今ぶち壊しにしてもらいたくなかった。
しかし、ハンクハルペリンがパンチを繰り出して、あごをとらえ、ク
ロスは仰向あおむけに倒れた。頭が暖炉の石の縁へりにあたり、ズシンと大きな音
がして、倒れたままになった。ハンクはすぐに駆け寄り、クロスの横に
ひざをついて体に触れた。ハンクは青ざめた顔で立ち上がった。
「死んでいる」と、ハンク。「そんなつもりじゃ━━━」
おばばは、もう笑顔ではなかった。声は鋭く高音になって、気難しい
態度になった。
「彼がはじめに手を出したのよ、ヘンリー」と、おばば。「わしは見て
たよ。ここにいるみんなも見てたよ。そうだよね、みんな?」
おばばは言い終わらぬうちに、体の向きを変え、威圧的にウェードス
ミスを見た。彼が生き残った最後の部外者だった。
「私は━━━最初から見てなかったんです、ミセスハルペリン」
「おまえは見ていたよ」と、おばば。ぴしゃりと。「ちゃんと見ていた
よ、ミスタースミス!」
6
5
3
ウェードスミスが答える前に、ハンクハルペリンが言った。
「おばば、すまない」と、ハンク。おばばは答えなかった
|
地球人は出ていけ
/FB1/KeepOut/
地球人は出ていけ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ダプティンというのが、略称だ。最初は、アダプティンと呼ばれてい
たのが、ダプティンと、略されて呼ばれるようになった。それは、ぼく
たちを、適応させてくれるのだ。
10才の時に、みんなに説明された。彼らは、ぼくたちが10才にな
らなければ、理解できないと思っていたようだが、みんなは、すでに、
多くを知っていた。火星に着陸すると、すぐに、話してくれた。
「きみたちの故郷だよ、生徒諸君」と、主任の先生。ぼくたちのために
建設してくれた、プラスチック製のドームに入ってから、講義が始まっ
た。この夜の、特別講義は、とても重要なもので、全員、出席するよう
に言われていた。
その夜、先生は、ぼくたちに、なぜなのかやなんのためにも含めた、
すべてを、話してくれた。先生は、ぼくたちの前に立っていた。もちろ
ん、寒さを遮断する宇宙服を着て、ヘルメットをかぶっていた。ドーム
2
1
の気温は、ぼくたちにとって、適温だったが、先生にとっては、すでに、
凍るように寒く、空気も、すでに、先
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八甲田 歩のスペースドライバー日誌
/RM/SpaceDriver/
タワー
「東京駅まで!」と、料亭のおかみさんふう女性。
「ここからだったら、新目白通りを抜けてゆくのが断然早いわよ!」
「いいわ、私が教えてあげる!そこの高戸橋を右に曲がって新目白通り
に入ってくれる?」
「高速道路に沿って、飯田橋を抜けて」
「皇居に出たら、お堀ぞいに行くと」
「ほら、東京タワーが一番よく見える場所に出るから」
「ここで左折すれば、正面が東京駅よ!」
「あら、今夜のタワーは、ずいぶんブルーなかんじだこと!」
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1
想おもふ雲
「それって、なんなの?」と、女の子。
「どれ?これなら、安全の全の字よ」と、お母さん。
「金の字かと思った!」
「あら、金の字も忘れてしまったの?最近、覚えたばかりじゃない?」
「知ってるわよ!ただ、金の字をそう書く人もいるのかなって思ったの」
4
3
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オーマイガー
/FB2/Jaycee/
20年前の
2043年に、単性生殖━━━卵子を精子の助けなしに受精させる最初
の実験を担当していた。その実験で生まれた子どもは、ジョンという名
前で、今、20才で、おとなりのドクターグラハム夫妻と住んでいた。
ジョンの母親が数年前に事故で亡くなって、夫妻の養子として引き取ら
れたのだった。
ジョンが10才になるまで、ほかのパーシーたちはいなかった。10
4
3
才になって、明らかに、ジョンが健康で普通であることがわかって、初
めて、医師たちは、門戸を開放し、子どもを欲しがる女性━━━独身で
あろうと、不妊の夫をもつ女性であろうと、単性生殖で子どもを持つこ
とを許可した。2030年代に発生したパンデミックによって、世界の
男性人口の1/3が失われていたため、5000万を越える女性が単性
生殖で妊娠し、子どもたちが生まれた。性のバランスをとるのに、幸運
だったのは、単性生殖で生まれた
|
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
/FB2/Reconciliation/
衝撃がやってきた。
静かな夜は、昼と化し、巨大な赤の花がさらに、巨大化して、空をお
おいつつあった。
直径30マイルのすい星の衝突は、水爆の1千億倍のエネルギーで地ち
殻かくを溶かし、マグマの津波つなみは、高さ100マイルで30分後に地球の反
対側までくると、互いにぶつかりあって、波打った。
(終わり)
6
5
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報復戦隊
/FB3/Fleet/
しかし戦争は、歴史上最短で終結した。地球と火星の連合戦隊は、戦
争をやめ、地球と金星の途中で侵略者を迎え撃った。こちらは数の上で
敵を圧倒し、侵略者を宇宙のかなたへと吹き飛ばし、完全に追い払った。
2
24時間以内に、地球の首都アルバカーキで、地球と火星は平和条約
を締結した。火星の独立を認め、太陽系で唯一住居可能となった2つの
星のあいだの恒久的な同盟を結んだ。侵略者の本拠地を見つけ、2度と
太陽系が侵略されないように破壊する報復戦隊も計画された。
地上と数千マイル上空の衛星の探査装置が、金星を救う時間はなかっ
たが、侵略者の侵入を探知していた。探査装置の記録から、侵略者がや
ってきた方角は判明したが、正確な距離までは分からなかった。
4
3
3
光速を越えるスピードが出せるCプラスドライブは、発明されたばか
りで、実際に使用されていなかった。太陽系内の
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オブライエンの孤独
/ST/DS9_2_4_2/
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15
そこへ、シスコが、現われた。
「どうか、したのか?」と、シスコ。
「ミスターオブライエンが言うには」と、ドクターベシア。「きょうは、
健診は、受けられないと」
「仕事は、都合して、受けてくれ!」
「司令官!」と、オブライエン。
「ドクターは、来週までに、スタッフの健康状態について、宇宙艦隊に
報告しなければ、ならない」
「了解!」と、オブライエン。そして、ドクターベシアに。「ちゃんと、
1時間後に、行きます」
ドクターベシアは、医療室に戻っていった。
「司令官、すこし、よろしいでしょうか?」と、オブライエン。
シスコは、うなづいて、司令官オフィスに入った。
「デカーティスは、きみが、おこっていたと」と、シスコ。
「いえ、おこっていたわけじゃ」
「きみが、おこるのも、当然だ。きみに、ひとこと、断っておくべきだ
ったな。私の、完全な、采配さいはいミスだ」
シスコは、イスについた。
「なんとなく、カヤの外におかれた、気がしただけです」
「悪かったな。きみの報告を読んだが、パラダ人が、神経をとがらせて
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17
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パペットショー
/FB2/PuppetShow/
耳を、血だらけに見
える箱に押し当てた。
大佐が頭を上げたとき、デードグラントは、ぐだぐだ言う採掘工のよ
うに、ぐだぐだ言いだした。
「心音しんおんも無いよ、大佐。そもそも、心臓がないんだから。ガースは、記
念に置いておこう。中を見れば、心臓や内臓より、おもしろいものが見
つかるよ。ガースは、オレが操っあやつていたパペット、ただの操りあやつ人形にす
ぎないのさ。きみたちのエドガーバーゲンが━━━人形の名前は、そう
━━━チャーリーマッカーシーを操っあやつていたようにね!ガースは、目的
を果たしたから、非活性化された。大佐、もう、担当部署に戻ってもい
いよ」
ケイシー大佐は、ゆっくり、後ずさりした。
36
35
「なぜ?」と、大佐。
デードグラントは、ひげとかつらを、はがした。服を顔にこすりつけ、
化粧を取ると、若者の姿になった。
「ガースが言ったことは」と、デードグラント。「ある
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ノヴァリアン試用版
/novelyan/guestroom/
あなたは、すでに、ノヴァリスト!
サンプルあり(
1
2
3
) presented by bilyzkid
◆◇◆◇◆◇
or
and
(全角のみです)
京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
ノヴァリアン NOVELYAN 1.20 試用版
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画像コマンドの説明
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FAQ
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novファ
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ケンタウロス
/FB1/HorseRace/
ガーンロバーツは、秘密エージェントKー1356として知られる人
物だが、今は、銀河連邦の主任安全局員として、ひとり乗り宇宙船で、
眠りについていた。宇宙船は、地球を出発して、206光年離れた場所
をめざして、時速14光年で、自動航行中であった。ベルがなって、コ
ンピュータに、起こされた。すぐに、スクリーンにむかい、スイッチを
入れると、連邦の所長特別補佐のダウネンブランドの顔が映った。
「Kー1356、さっそく、仕事です」と、スクリーンのブランド。
「今、通過中の星雲にある、ノヴァという恒星をご存知ですか?」
2
1
「ええ」と、ロバーツ。すぐに、返答した。この距離での通信は、今の
ような、超光速通信では、かなりの電力ロスにつながるので、できるだ
け、早く、会話を切り上げたかった。
「では、その惑星については?」
「そこに行ったことはありません。知ってるのは、2つ
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緑の悪夢
/FB3/NightmareInGreen/
強い男になるために曲げてはなら
ない決意だった。妻のデイジーに離婚してくれるよう断固として要求す
る。そうしなければ、すべてを失って2度と勇気を持てなくなるだろう。
6年間の結婚生活の最初から、離婚は不可避だった。
今が、そのターニングポイントだった。自分より、あらゆる点ですぐ
れた女性と結婚することは、耐えられないだけでなく、自分がだんだん
弱々しい生き物、希望を失ったねずみになっていってしまうのだ。
2
1
1
デイジーは、あらゆる点で、ウィリアムより優まさっていた。彼女は、ア
スリートだったので、ゴルフでもテニスでもあらゆるスポーツで、彼を
やすやすと打ち負かした。デイジーは、ウィリアムを上廻り、圧倒した。
車の運転でも、彼には到底及ばないドライビングテクニックを披露ひろうした。
ほとんどあらゆる面でエクスパートのデイジーは、ブリッジでもチェス
でもポーカ
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アリスのビックリラン
/LC/AliceWonder/
わたしはわたしよ。むずかしいパズルだわ!知っ
てたものが、ちゃんと分かるかテストしてみましょ!4×5は12、4
×6は13、4×7は14、あら、なんてことでしょう!このままでは
20になかなかならないわ!掛け算表は、証明にならない。地理がいい
わ。ロンドンはフランスの首都、ローマはヨークシャー州の首都、パリ
は━━━あ~、みんな違ってる!分かったわ!わたしはフローレンスに
なってしまったんだわ!それじゃ、こんどは『子どものクロコダイル』
24
23
を歌ってみましょ!」
アリスは、ひざの上に乗せた両手を合わせて、歌い始めた。しかし、
声はしゃがれて、歌詞も前とは違っていた。
「子どものクロコダイルは
尾は輝いかがやて
ナイルの水をかけると
全身が金色にひかり輝くかがや
楽しそうに笑い
ツメをきちんと広げて
魚うおを迎えると
アゴもやさしく笑う」
「この歌詞は、ぜんぜん
|
あごひげ彩か
/FB3/Beard/
エピローグ
「オレのあごひげの色にもかかわらず、みんな好奇心いっぱいになって、
マリアンヌのようにクローセットの中を見たがるのはなぜなんだろう?
お墓はそこにはない。屋根裏さ」
ビリーは、マリアンヌをがっしりつかんだ。
「おいで、ダーリン」と、ビリー。「お墓を見せてあげるよ!」
(終わり)
8
7
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赤の悪夢
/FB1/NightmareInRed/
赤の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、なにによって起こされたのか、わからないまま、目が覚めた。
最初のゆれのあと、1分で、2回目のゆれが来た。ベッドが少しゆれ、
タンスの上の小物が、ガタガタと、音をたてた。3回目のゆれを、横に
なったまま、待っていたが、来なかった。その時までは、来なかった。
ほとんど目が覚めてしまっていて、もう、眠ることができなかった。
時計の夜光盤を見ると、まだ、真夜中の3時であった。ベッドから出て、
パジャマのまま、窓のところまで歩いた。暗い空に、点滅する光が見え
た。夜の音が聞こえた。どこかで、ベル。
2
1
しかし、なぜ、この時間にベルなんか?災害を知らせるベルなのか?
ここの軽いゆれが、どこか近くで、大きな地震につながったのだろうか?
あるいは、これから、ほんとうの地震が来る、とい
|
ユスタックウィバーの短い生涯2
/FB3/Weaver2/
ユスタックウィバーの短い生涯2
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。手持
ちは2ドルしかなく、やっている近くの競馬場までの飛行機代にもなら
なかった。
2
1
1
ユスタックウィバーは、倉庫係として働いていたスーパーマーケット
の金庫にねらいをつけた。金庫には、少なくとも千ドルはあり、タイム
ロックだった。タイムロックは、タイムマシンにとってはあひるのスー
プ
|
眠れるステーション エムポックノール
/ST/DS9_5_6_4/
◇
チーフオブライエンは、エアロックでガラックに訊きいた。
「司令官はなんて言って、きみを説得したんだ?」
「志願したとは思わない?」と、ガラック。
「へへ、脅されたんだろ」と、オブライエン。
「違いますよ、ワイロをつかまされたんです。私の店のスペースを増や
してくれるそうなんです。最近の仕立ての機械は、かさばるのでね」
「とにかく、来てくれて嬉しいよ。どうしたんだ?」
「いやはや、まったく、最近、みなさん、私を信用してるみたいなんで
す。なんと言いますか、居心地が悪くってね。この調子だと、そのうち
食事に招かれだすかもしれません」
「そうか、そんなにいやなら、僕は君を招待するのは、やめておくよ」
「ありがとうございます」
「お礼なんかいいって、君には借りができたしな、カーデシア人が仕掛
けたわなを、解除するのは、僕向きじゃないよ」と、オブライエン。
「それが当然ですよ。ご心配なく、私の得意分野ですから」と、ガラッ
ク。
ボリアン人のボクタは、シャトルに乗り込んできたクルーたちに言っ
た。
10
9
「わなの解除だと?それを知ってたら、この任務には志願しなかったの
に」
「
|
夢、遥かなる地にて
/ST/DS9_6_4_1/
「オーダー通してくる」と、キャシー。
「へへ、よう、ベニー、時計買わないか?」店に入ってきたのは、おし
ゃれな遊び人という風情のジェイクシスコ、ここではジミーだった。
「それ、どうした?」と、ベニー。
「拾ったんだ、いいだろ」
「ジミー、そんなことばかりしていると、取り返しのつかないことにな
るぞ」
「へへ、なにかあっても、自分のケツぐらいふけるよ」と、ジミー。
「いつか、かならず、痛い目に遭うぞ」
「へへ、なんで、いつも、おれに説教ばかりするんだよ」
「説教じゃない、力になりたいだけだ」
「力になりたいなら、時計買ってくれよ、金になるからさ」
「なんで働かない?」と、ベニー。
「何して?レストランの出前か皿洗い?へっへへへ、勘弁だね。人に使
われるのはご免だ、時間に追われるのも」
「ああ、ごたいそうな理屈だな」
「あんたよりましだろ。月に住んでいる白人の話なんて書いて、くだら
ないもいいところだね」と、ジミー。
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39
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ユスタックウィバーの短い生涯3
/FB3/Weaver3/
競馬や株式投資ですぐに信じられない金持ちになれるだろう。
ただ、問題は、今は無一文だということだった。
ユスタックウィバーは、ふいに、働いていたスーパーマーケットの金
庫を思い出した。金庫は、タイムロックだった。タイムロックは、タイ
ムマシンがあれば汗ひとつかかずにあけられた。
2
1
1
ユスタックウィバーは、自分のベッドに座って考えた。ポケットに手
を入れて、タバコを出すと、紙幣が出てきた。10ドル札で100ドル
あった。ほかのポケットにも手を入れると、何枚も出てきた。ベッドに
並べて、高額紙幣や低額紙幣、ざっと1400ドルあった。、
ユスタックウィバーは、ふいに、真実に気づき、笑いだした。すでに、
時間軸上の未来に行っていて、スーパーマーケットの金庫をカラにして、
それからタイムマシンを使って、マシンを発明した最初の地点に戻って
いたのだ。どろぼ
|
悪魔のジョーカー
/TZ/DealersChoice/
と、ジミー。「確かに、怪しいが、ここは、慎重にい
こう!ピート、やつの手札を見てみろ!」
ピートが、手をのばして、ニックの伏せカードを見ようとした。
「よせ、ゲームは続いている!」と、トニー。ピートの手を、つかんで
止めた。
「そんなことより、大事なことだ!」と、ジミー。そして、ピートに。
「見てみろ!」
ピートが、ニックの伏せカードを、すべてあけると、6・6・6だっ
た。
「アーハッ!アーハッ!」と、ジミー。
「ジミー、黙れ」と、トニー。ジミーの口を、手でふさいだ。
「悪魔が、ここに現われたんだ!」と、ジミー。
「ニュージャージーに?」と、トニー。
「近くに住んでいるんだ」
「なぜ、この家に?」
「いとこのノーマンに聞こう!」と、ピート。ピートは、電話台にいっ
て、電話機ごと持ってきた。
「トニー、オレには、分かるよ」と、ジミー。「悪魔が現われたとした
ら、理由は、1つ━━━誰かが、死ぬ!」
「バカな!」と、トニー。
14
13
|
暗闇の家
/FB1/TheHouse/
1
目の前にあるのは、くもの巣のように広がる広間だった。床には、ほ
こりが厚くつもり、その先には、細く曲がりくねった通路が、2匹の小
さな、へびか、あるいは、2匹の大きな、いも虫のように、続いていた。
暗く見えにくい通路で、右の方の最初のドアに近づくまで、気がつかな
かった。そのドアには、旧英国書体で、「常に忠実」と刻まれていた。
ドアを抜けると、そこは、大きなクローゼットほど広さの、小さな赤
い室であった。1脚のイスが、室の壁沿いにおいてあり、イスの足は、
1本折れてぶら下がっていた。近くの壁には、1つだけ、額に入れられ
た、ベンジャミンフランクリンの肖像画があった。額は、ななめに傾い
て、ガラスには、ひびがはいっていた。床にほこりはなく、最近、そう
じしたようにきれいだった。床の中央には、きれいに磨かれた、アラビ
アの片刃刀かたはとうがおいてあった。つかは、赤く染められ、刃先は、緑の軟泥なんでい
で、厚くコーティングされていた。室には、ほかに、なにもなかった。
彼は、ながいあいだ、この室に立っていたが、そのあと、広間を横切
って、反対側の室に入った。そこは、小規模な講堂くらいありそうな、
広い室で、壁がすべて黒なので、最初に入ったときは、それほど広くは
感じなかった。紫のビロードの劇場用のイスが、何列もならべてあった
が、ステージや壇はなく、黒の壁から数インチのところから、イスの列
4
3
|
終わり良ければ
/FB1/HappyEnding/
キフたちは、むずむずするような小さなあしではい回った。
2
夜には、海岸を歩いた。その夜は、やかましい夜だった。月光の下、
高く飛びながら轟音ごうおんをあげるジェット機の機体や、海の黒の水面に浮か
ぶ機影があった。それらの飛行機やロケット、ジェット機は、都市を破
壊し、鉄道をただの曲がった鉄にし、稼動していた工場に、水爆を落と
した機体だった。
彼は、それら夜空の機体にむかって、こぶしをあげ、大声でのろった。
叫ぶのをやめると、海岸に別の声がした。コンラッドの声だった。そ
の声は、ある日、コンラッドが官邸にやって来て、白い顔をして、敬礼
26
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も忘れて、こう言った日のことを思い出させた。
「デンバーが突破されました、ナンバーワン!トロントやモンテレーも
危険です。他の都市においても」コンラッドの声は、うわずっていた。
「マルスd星人と月の反逆者たちは、アルゼ
|
エコーバック
/FB3/Rebound/
得たものをうまく使えば、史上最強の独裁者になれ
るのではないか?1晩にひとりのスターダンサーの代わりに、ハーレム
を含むすべてを所有することもできるだろう。軍隊を組織して、彼の最
低の望みが、他の人々の最大の法になるよう強制することもできるだろ
う。命令が電話で伝えられたなら、ラジオやテレビを通じて服従させら
れるだろう。必要なものは、世界中のすべての人に、あるいは、ほとん
どの人に伝えられる、世界ネットワークの構築費用を払うこと、あるい
は、単に要求することだ。彼の側につく人々が大多数なら、残りの人々
も、そのうち従うだろう。
しかし、これは、大きな取引になる。今までなされた最大の取引だ。
計画に時間をかけて、ミスの可能性を無くさなければならない。数日間
は、計画のため人々から離れてひとりで、郊外で過ごさなければならな
い。
8
7
4
スネルは、チャーター機で、ハドソ
|
ティラノサウルス
/FB1/Runaround/
いつも、ほとんどいつも、彼の6インチの長さのカーブした、
さきが鋭利な、2重の歯の攻撃は、空ぶりした。しかし、ほんのたまに、
小さな口のちっぽけな毛のはえたやつらの1匹を、やつざきにできた。
やつの温かい血が、首のうしろの、厚い皮のうえをしたたり落ちた。
たしかに、やつらの1匹を、たまにつかまえることができた。しかし、
めったにつかまえられず、ティラノサウルス レックス、恐竜の王の、
ものすごい食欲を満たすには、遠くおよばなかった。今は、王国をもた
ない王であった。
死ぬほどの空腹が、彼のなかで、燃えていた。それが、彼を、いつも、
動かしていた。
それが、きょうも、彼を動かし、重い足どりで、森をぬけ、曲がった
道をたどり、平原の草地のようなところにはえた、重い低木や若木で、
道をさえぎられた。
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9
いつも、彼のまえを、小さなやつらが、ちょこちょこ走るような足音
をたてた
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ミットキーふたたび
/FB1/MitkeyRidesAgain/
受話器を上げる、クリック音。教授の声が、番号を告げた。
「ハートフォード研究所ですかな?こちら、オッペルバーガー教授。ね
ずみが必要なんじゃが。いいや、ねずみじゃ。そうじゃ、白いねずみ。
いや、色は、重要ではあらん。紫でも。ないって、ええ、紫のねずみが
いないことは、わかっておる。時期は、別にいそがん。1週間くらいの
うちに、都合のよろしいときに、送ってくだされ!」
受話器をおく、クリック音。
冷蔵庫の下のねずみの心にも、クリック音。ミットキーは、チーズを
かじるのをやめて、代わりに、それを見た。そのものの言葉が浮かんだ。
チーズ。
静かに、ミットキーは、自分に言った。「チーズ」ちゅうちゅう鳴く
声とそれの、中間くらいで。というのは、プロックスが教えてくれた発
音は、さびついていたからだ。しかし、次は、もっとうまく発音できた。
「チーズ」と、ミットキー。
それから、別の2つのワードが、考えなくても、浮かんできた。「そ
れは、チーズです」
そのことに、少し驚いて、ミットキーは、壁の穴に逃げ込んだ。暗闇
が、居心地がよかった。それから、別のワードが浮かんで、ミットキー
は、さらに少し、驚いた。「失敗につぐ、失敗」
もはや、それは、心に浮かんだ、ただの絵ではなく、それが意味する、
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音だった。とても混乱していて、だんだん思い出すにつれ、されに、混
乱していった。
|
聖なる神殿の謎
/ST/DS9_1_1_1/
と、キラ少佐。
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「未調整です!」
「また、通信波です」と、ダックス中尉。
「チャンネル、オン」
「都合のよい作り話には、誤魔化されんぞ!デュカットの船は、おまえ
たちの手で、撃墜したんだろ?」と、ガルジャサッド。
「ガルジャサッド、繰り返すけど」
「直ちに、無条件で、降伏し、我々に宇宙ステーションを明渡せ!嫌な
ら、我々は、攻撃を開始する」
「返答を出すために、一日時間をもらいたいわ」
「待ってやろう、ただし、一時間だ」
カーデシア船は、通信を切った。
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111
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ディーエスナインは、三隻のカーデシア船に囲まれていた。
「パワーを可能な限り集めて、最重要エリアだけシールドで保護しまし
た」と、オブライエン。
「ですが、もしも、連結部を狙われたら、致命傷です」
「オド
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フィッシュストーリー
/FB3/FishStory/
巻貝の
トランペットを吹くわ!」
ふたりは、腕を互いの腰にまわして待った。
やがて、海のはるか沖から巻貝のトランペットが聞こえてきた。
ロバートはすぐに服を脱ぐと、ロレーヌを抱いて海に入った。
ふたりは、泳いで、トリートーンがいるところに着いた。
「おまえたちは、結婚で結ばれたいのか?」と、トリートーン。
「そのとおりです」と、ロバートとロレーヌ。声を合わせて、強く。
「ならば」と、トリートーン。「ここにわしは、おまえたちを人魚の夫
と人魚の妻と宣言する」
すると、ロバートは、足で水中を蹴らなくてもよいことに気づいた。
強くしなやかな尾でひとかきすれば、やすやすと水面に浮かんでいられ
た。
トリートーンは、耳をつんざく音で巻貝のトランペットを吹くと、泳
ぎ去った。
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エピローグ
ロバートは、妻のところへ泳いでいって、腕をまわしてキスをした。
しかし、なにかが
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暗黒の地球帝国
/ST/ENT_4_5_2/
水爆実験、空母に着艦する戦闘機。魚雷発射の海中の潜水艦。魚雷命
中の別の潜水艦。進軍する戦車。ミサイルで撃墜された戦闘機。多量の
爆弾投下の爆撃機。
ロケットが発射。月で飛行士に掲げられた、地球帝国の国旗。
宇宙で分離される核弾頭。
エンタープライズが宇宙から、つぎつぎに敵の都市を爆撃し、放たれ
た爆弾で破壊されたビル群。何台ものエンタープライズが、多くの敵の
宇宙船を攻撃。
そして、宇宙に君臨する、地球にナイフのささった、地球帝国の紋章。
4
3
1
「航星日誌、2155年1月13日」と、エンタープライズ船長。「コ
リアンステーションを発たち、急襲部隊との合流ポイントを目指す」
エンタープライズは、宇宙を航行していた。
「リード少佐とドクターが、最新プロジュクトのお披露目ひ ろ めをするそうだ」
◇
医療室。
拷問ブースの中で、豚の鼻をした、異
|
小さな子羊よ
/FB/TheLittleLamb/
谷が1マイルは見え
た。ウェイバリーインのあかりも見えた。けばけばしいあかりで、うる
さいジュースボックスのようだった。そのせいで、寄るのを、なんどか、
ためらわせられた。なぜか、ラムは、ジュースボックスが気にならない
らしかった。彼女は、いい音楽も好きだったが。
ほかの光も、いくつか見えた。小さな農場だったり、ほかの画廊がろうとか。
ハンスワグナーのところは、ここから、1/4マイルくらい、丘を下っ
たところにあった。天窓てんまどつきで大きかった。天窓てんまどが、オレは、うらやま
6
5
しかったが、やつの画えには、興味がなかった。大学で教えるような画えの
スタイルで、カラー写真以上のものではなかった。やつは、ものごとを、
フィルターなしの、カメラのようにしか、見なかった。心の葛藤といっ
たフィルターをとおすことは、しなかった。精工な製図工ではあっても、
それ以上では、なかった
|
失われた母星
/ST/StarTrek2009/
プ
ラットフォームの上に着地した。折りたたみ式の剣を、自動で延ばして、
パラシュートを切り落として構えた。兵士が、もうひとり現われ、背中
の剣をぬいた。
剣では、決着がつかなかったが、けりで、噴射口の金網の上に蹴り出
して、兵士を蒸発させた。カークは、投げ出されて、へりに手でつかま
っていたところを、カトウの剣が、兵士の胸を貫いた。兵士は、地表へ
落ちていった。
「手を貸して!」と、カトウ。カークを引き上げた。「爆弾は、オルソ
ンが」
「分かってる」と、カーク。
「どうするんです?」
108
107
「これだ」と、カーク。兵士が置いていった、機銃を手にした。カトウ
も、もう一丁の機銃を手に、ドリルの中心部分を、ふたりで、銃撃した。
やがて、ドリルのレーザー噴射が弱まり、止まった。
◇
エンタープライズのブリッジ。
「妨害信号停止!」と、ウラ。「転送機能も回復しました」
「転送
|
“スペーステロリスト”ターナロス
/ST/DS9_1_1_2/
ターナは別です」
「コーマの一員か?」
「ええ、でも」
「かばう気なら、任務からはずれてもらう!どっちつかずの気で任務に
あたられるのはごめんだ。彼がコーマのテロリストなら、このステーシ
ョンを隠れ蓑にして、破壊活動を続けるおそれがある」
「私は、ベイジョーの利益を優先します。どっちつかずの気じゃないわ。
今のベイジョーには、ターナロスのような強い意志を持った人間が必要
なんです」
「カーデシアを倒せればテロも許すというのか?」
「我々が強力な独立国家をもう一度築きづくためには、コーマのようなテロ
リストグループは、いわば、必要悪です。はっきり言えば、ターナは我
々にとって、希望の光なんです、見殺しになんかできません」
医療室では、ドクターベシアがターナロスの治療にあたっていた。
「様子はどう?」と、キラ少佐。
「2度の火傷やけど、裂傷に脳震盪、でも、過去の傷に比べれば軽いもんだ」
と、ドクターベシア。
14
13
|
アンドロメダⅡの来訪者
/FB/AllGoodBems/
2番目
の文章の下に、タイプした。
「善良なるベムたちにとって━━━」彼は、そこを見つめながら言った。
「なんのためかな、トゥーツ。銀河かな、宇宙かな」
「好きなように書いたらいいんじゃない?ストーリーが完成しないで、
2週間で小切手が入ってこなけりゃ、この家を失って都会に逆戻りね。
あなたは小説家の仕事を失って、新聞記者に逆戻りよ、そして━━━」
「静かに、トゥーツ!ずっとよくわかっているよ」
「ずっとということはないわ、エルモ。こうすれば、いいわ」
「善良なるベムたちにとって、エルモスコットにやってくる時間だ」
ドーベルマンは、絨毯のじゅうたん上で、もぞもぞした。
6
5
「そんな必要はないと思うけど」
ふたりは、ドーベルマンを見た。
「エルモ!」と、ブルネットの女性。きれいな足を踏み鳴らした。「こ
んな手品をするなんて!腹話術をする時間があったら、もっと書く時間
を増や
|
ハンスカーベルのリング
/FB3/HansCarvel/
彼女を満足させるには十分では
なかったかもしれなかった。かもしれない?はっきり言おう。十分では
なかったのだ。不自然にならないように、ハンスカーベルは、調査を依
頼して、妻が浮気をしていることを知った。ハンスカーベルは、心が動
揺して苦しみ、夜眠るたびに悪夢に悩まされた。
2
その悪夢のひとつに、ある夜、デビルが現われた。ハンスカーベルは、
悩みを打ちあけて申し出た。
「なにか妻の貞操ていそうを保証してくれるものがあったら、ここにあるお金で
譲ゆずってほしいのだが!」
「もちろん、いいとも!」と、デビル。「魔法のリングをあげよう。目
覚めたら、リングがあるよ。そのリングをはめている限り、きみの奥さ
んがきみに隠れて浮気をすることは不可能だ」
4
3
デビルは、消えた。
ハンスカーベルは、目覚めた。
そしてリングをはめていることに気づいた。
悪魔が約束したことはホン
|
緑の世界
/FB/SomethingGreen/
この目で見たかった。
地球。そこでは、緑が、そこらじゅうにあふれる色であり、植物の生
命が、葉緑素ようりょくそに支えられている、宇宙で唯一の惑星であった。地球のあ
る太陽系でさえ、他の惑星には、岩肌に緑っぽい筋以上のものは見つか
っていなかった。ごくたまに、生命体らしき痕跡こんせきが見つかっても、むり
に呼んでも、茶色っぽい緑以上のものではなかった。宇宙のどこにも、
10
9
緑を見ることさえできないのに、人間は、いかなる理由で、地球以外の
惑星に住もうなどと、したのだろうか?
マクガリーは、ためいきをついた。前は、こころのなかで考えていた
のだが、今は、大声で考えられるようになった。ドロシーに、話せるよ
うになって、休みなく、考えられようになった。ドロシーに、というの
は、肝心なことではなかったけれど。
「そうだよ、ドロシー」と、マクガリー。「住む価値のある、唯一の惑
星だよ
|
囚人のピアノ
/TZ/TheConvictsPiano/
フレ
ッドが、横に座って、動く指を見ていた。
フットボールをしていたサムが、ボールを追って、ふたりにぶつかっ
てきた。サムは、追ってきたもうひとりに、タックルされた。
「ふざけるな!」と、サム。相手を突き飛ばしてから、ナイフを出した。
「来い!」
それを見て、リックが、サムにぶつかっていった。
すぐに、監視人がやってきた。
「やめろ!」と、監視人。ふたりを、引き離した。
「覚えてろよ!」と、サム。
「手を切られた」と、リック。監視人に、左手を見せた。シャツが血で
汚れていた。
◇
医務室。
4
3
「感染には、注意が必要だが、傷自体は、軽い」と、医師。
「利き手じゃなくて、よかった。左手は、使わない」と、リック。左手
に包帯を巻いていた。
「リック、囚人の生活は慣れたか?答えなくても、いい」
「構わないよ」と、リック。「すっかり、慣れた。同室の連中とも、仲
よくやって
|
ハーフベア
/FB3/Bear/
ハーフベア
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
もしも病院の待合室で、行ったり来たりしながらタバコに━━━たい
ていは間違えてフィルターの先に火をつけて、なにかを待っている父親
を見たら、その仕草からどんなに心配か分かるだろう。
しかしそれが心配だと思うなら、今、出産室の外のローカでうろうろ
している、ジョナサンクインビーをひと目見てほしい。クインビーは、
タバコのフィルターの先に火をつけて、そのまま吸っても違いが分かり
もしないのだ。
ジョナサンクインビーは、たしかに心配ごとを抱えていた。
2
1
1
始まりは、最後に動物園を訪れた夜だった。「最後に」は2つの意味
でそうだった。1つは、クインビーが1マイル以内には近づかないとい
うことであり、もう1つは、妻も近づかないということだった。彼女は
落ちて、そ
|
グレーの悪夢
/FB3/NightmareInGray/
昨夜のことで、土曜の夜だった。
2
1
彼は、スーザンに結婚を申し込み、スーザンはそれを受け入れたよう
に見えた。スーザンは、イエスと言う代わりにこう言ったのだ。
「そうね、返事をする前に、あした、うちに来て、家族に会ってほしい
の。うちの家族みんなを愛してほしいし、わたしと同じように、うちの
家族みんなもあなたを愛すると思うわ」
これがオーケーでなくてなんだろう?ふたりはあきらかに恋に落ちて
いた。それで、彼は、スーザンの家族に会いに来たのだ。
1
スーザンは、やわらかい茶髪に、キュートな小さいほとんどパグのよ
うな鼻に、かすかなやさしいそばかすに大きなやさしい茶の目をしてい
た。
彼女は、彼が今まで生きてきたなかでもっともすばらしい存在だった。
これは、誰にでも起こりうることだ。
そう、今はお昼過ぎで、スーザンが指定した時刻だった。ベンチから
立ち
|
屋根の上の少女
/TZ/IfSheDies/
ポールは、おそるおそる、右手をのばして、少女の手に触れた。
「どうしたの?」
「手が冷たいね」
16
15
「お願い」
少女の手をつかむと、少女は、先に立って、ベビーベッドのところへ
行った。
「あの子がいないと、眠れない」
「トビー?捜しておくよ」少女は、ベッドに入った。「眠るまで、いっ
しょにいてあげよう」
「ありがとう」ポールは、ベッドの脇のイスに座った。「わたしは、サ
ラ。あなたは?」
「ポール」
「毛布をかけて!」
ポールは、サラに毛布をかけてあげた。
「おやすみ、サラ!」
「おやすみなさい」
ポールが、キャシーのベッドの方を見てから、目を戻すと、サラの姿
は消えていた。
◇
ポールは、病院のとなりの施設に行ったが、移転の張り紙があった。
修道院の玄関。
18
17
「シ
|
ジバゴ
/SY/Zhivago/
トーニャ。
「そうだ。たまには、町に出ろ!気分もかわるぞ」と、叔父。
176
175
「ユリアティンになにか、あります?」と、ユーリ。
「都会とは違うが、りっぱな図書館があるぞ。まだ、あればだが」
「行ってらっしゃいよ」と、トーニャ。
「いや、やめておくよ」と、ユーリ。「どうせ、道も通れまい」
◇
やがて、陽射しがさして、窓の雪をとかした。春が来て、黄すいせん
が咲きほこった。白樺の白い木肌に、黄がよく似合った。
ラーラは、ユリアティンの図書館で働いていた。ユーリが入り口で、
入館証に記入しているときに、ラーラは気づいていた。ユーリは、歩い
てきて、階段のところで立ち止まった。
「ジバゴ」と、ラーラ。
「ああ」と、ユーリ。「元気だった?」
「どうして、ここにいるの?」
「ベリキノに住んでいる」
「ベリキノに?」
図書館の仕事を終え、ラーラは外へ出た。ユーリがいっしょだった
|
致命的なミス
/FB3/FatalError/
「逮捕状?」と、ウォルター。「なんの?」
「不法侵入と窃盗せっとう。きみの叔父お じさんが、寝室のドアのところで一部始終
を見ていた。きみが行くまで静かにしていて、それからダウンタウンに
来て通報した」
エピローグ
ウォルターバクスターは、アゴを撃ちぬかれた。やはりミスをしてい
たのだ。
完全な殺人計画だったが、どろぼうに夢中になりすぎて、肝心なこと
を実行するのを忘れていた。
(終わり)
6
5
|
フェルマーの予想
/RM/Fermat/
nが3以上だと、フェルマ
ー解が存在しないという、非存在定理です」
「非存在ってなんですか?」と、ノーグ。
「先生にも、正直なところ、よくわからないわね、今日の演習でやるの
は、むしろ、存在を見つけるプログラムを動かしてみるだけです。非存
在は、そこで見つからなければ、存在しないのかもしれないということ
かしら?」
「次の図は、なんですか?」と、ジェイク。
8
7
「この図は、テキストによると、y<1、x<1として、zもz=1と
すると、0と1の間の2次元の図に書けて」
「あ、ちょうど、ピタゴラスの二乗は、円の右上にあたるってことかな」
と、ジェイク。
「そのようね。n=3とすると、少し膨らんで、n=∞の極限では、四
角の右上になるらしいわ」
「たしかに、x=3/5、y=4/5とおくと、xの二乗とyの二乗を
足すと、25/25になって、z=1になってますね」と、ノーグ。
「さす
|
葬送曲
/FB3/Recessional/
王を守るためにわれわ
れが整列したときだった。
それは、司教の邪教の始まりでしかなかった。司教は1つの神を信ず
るのをやめ、いっしょにゲームをプレイする神々を信ずるようになった。
神々はわれわれを人間として扱いもせず、戦う動機もわれわれのもので
はなく、われわれは、無用な戦いにくり出された操りあやつ人形に過ぎないと
信じていた。さらに悪いことに━━━なんというバカげたことだろう!
━━━ホワイトはかならずしも善ではなく、ブラックはかならずしも悪
ではないという。宇宙のスケールから見たら、どちらが戦いに勝とうと
問題ではないという。
4
3
2
もちろんこれは、私にだけしかも囁かささやれたものだった。司教は心の安
らぎをのぞんでいたのであって、彼の言ったことは彼の意思ではなかっ
たのだ。
忠誠心がなければ、われわれはなにものでもない。チボルト司教はと
んでもない間違いを犯し
|
ねずみ
/FB1/Mouse/
自爆装置を備えていたのだ。それで、着
20
19
陸したあと、動力は、自ら、完全に破壊された。ロバーツ大佐、焦こげた
地面のエリアを調べましたね。なんらかの痕跡こんせきが見つかってますか?」
「ええ、確かに、大統領」と、ロバーツ。「金属やシリカ、ある種のカ
ーボンが、見つかってます。ひどい熱で蒸発して、固まったかのように、
一様に広がってます。手でつまめるような、かたまりではないですが、
センサーがそれを示してます。ほかには━━━」
ビルは、声に、気づいて、振り向いた。
「ビルヒラーさんでは?」
「ウィンスロー博士!」と、ビル。「写真で、存じ上げてます。学会誌
で論文を読みました。お会いできて、光栄です」
「大げさな話は、やめなさい」と、ウィンスロー。「それより、これを
見てください!」
ウィンスローは、ビルの腕をひっぱって、テントの端のテーブルに案
内した。
「どう見ても、死んだねずみに見える」と、ウィンスロー。「しかし、
まったく、違う。まだ、私は、解剖してない。きみと、グリムを待って
いた。ただ、体温測定と、体毛と筋肉組織は、調べた。さぁ、自分の目
で、見てみたまえ!」
ビルヒラーは、見た。それは、まったく、ねずみに見えた。とても、
小さなねずみだった。近くに寄って見ると、小さな違いが分かる、もし
22
21
|
歩兵
/FB1/Sentry/
歩兵
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、ぬれて、泥だらけで、ひどくおなかがすいて、寒かった。しか
も、故郷の星から、5万光年も離れた星にいた。
奇妙な青い太陽が、かがやいていた。重力も、彼の星の2倍もあって、
動くのも、困難だった。
1万年のあいだ、戦況は、変わらなかった。空軍のパイロットたちは、
流線型の宇宙船に、ファンシーな武器が使えて、上機嫌だった。チップ
が地上にバラまかれると、歩兵めがけて、地面をはってきて、足という
足は、すべて、血で染められた。
2
1
このひどい惑星に、上陸するとは、彼は、まったく、聞かされていな
かった。惑星の地表は、エイリアンたちも、そこにいるがゆえに、神聖
なる戦場だった。そのエイリアンたちは、この銀河に存在する、われわ
れ以外の、唯一の知的生命体であった。冷酷で、みにくく、考え
|
星雲を越えて
/ST/StarTrek2016/
古
代の遺物を。それが、あなたがここにいる理由。私も、みんな、そのせ
い」
女剣士は、魚雷から、部品を引き抜いた。
「さっきの山賊もか?」と、スコット。
「あいつら、みんな、空から落ちてきた」と、女剣士。「わたしや、あ
なたのように。いっしょに来て!今!」
「ちょっと待って!こっちにも、都合が」と、スコット。「仲間をさが
80
79
さないと!」
「あとで仲間をさがすの手伝うから、あなたも手伝って!」
「なにを?」
女剣士は、魚雷の排気管で直す動作をした。
「なんか、直すのか?」
「そう、助けたら、助ける」
「今日はほかにどうしようもなさそうだし、ついてくよ!」
「よし!わたし、ジェイラ。あなた、モンゴメリースコット?」
「そう、スコットだ」
「今、来て!スコット!」と、ジェイラ。部品を両手に持って、走りだ
した。
「おい、待って!」と、スコット。
◇
惑星の森林。
異星
|
バーニングマン
/TZ/TheBurningMan/
天候のせいなのか、どうか」
4
3
「どういう意味?」と、ローリー。
「きょうみたいに、暑いと、あらぬ妄想を、するもんだ。引き裂かれた
体の中から、悪魔が生まれるとか」
ダニーは、後部座席にもたれた。
「今年は、17年セミが、生まれる年では?今年が?」
「知らない」と、ローリー。
「そうだよ。体で感じる。いいかね」ダニーは、また、前の座席に身を
乗り出した。「世界は、謎に満ちている。17年セミがいるなら、17
年人間が、いてもいい」
「17年人間?」と、アンドレ。
「そうだよ。24年人間とか、57年人間だって、いるぞ。人間が生ま
れる理由は、大人が結婚するからだというが、他の方法で生まれる人間
が、いるかもしれない。たとえば、セミのように」
「セミだって?」
「それに、生まれつきの悪人がいないとは、言い切れん」
アンドレは、ローリーと、顔を見合わせた。そのとき、車の右後部タ
イヤがパンクした。ローリーは、車を止めて、タイヤ交換を始めた。
「どんな悪人ですって?」と、ローリー。レンチでナットを締めていた。
「生まれながらに、悪いやつ。生来の性悪さってものは、受け継がれる
んだよ」
|
アボミっぽい
/FB3/Abominable/
毛だらけの腕。片方の手が、楽々と、彼を抱きあげ、もう片方の手
が、彼からライフルを奪い、つまようじのように、簡単にL字型にする
と、投げ捨てた。
彼の頭の上、2フィートのあたりから、声がした。
「おとなしくしてれば、傷つけない」
シャウンシー卿は、勇敢な男だったが、そう言われても、チューチュ
ー鳴くことしかできなかった。彼は、その生きものに、強くつかまれて
いたので、見上げることも、振り返って、顔を見ることもできなかった。
「説明させてくれ」と、声。「われわれは、きみが、アボミっぽいスノ
ーマンと呼ぶものだが、人間なんだ。ただし、変異させられてる。数世
紀前は、シェルパのような一族だった。われわれは、偶然、ある薬を発
見した。それは、肉体的に、われわれを変化させるものだった。背がの
び、毛深くなり、肉体を、極寒の高地へ適応させた。われわれは、山へ
移り、短期間の登山隊の期間を除いて、ふつうの人間では、生きていけ
ない国へ移住した。言ってる意味が、分かるかい?」
「あ~、もちろん!」と、シャウンシー卿。なにか、戻れるかもしれな
い、というかすかな希望が生まれた。もしも殺そうとしているなら、な
8
7
|
恐怖のウイルス
/ST/DS9_1_2_1/
過去24
時間、どこでなにをしたか調べるんだ」
「もう、調べてみましたが、それこそ、ステーションじゅうに行ってま
す」と、キラ。
「それを、ひとつづつ、すべて当たってみてくれ。ダックス、当面は、
オブライエンの代理は君がやってくれ」
「ええ、でも」と、ダックス。
「不都合でもあるのか?」と、シスコ大佐。
「ええ」
「ダックス」
「ごめんなさい、ベンジャミン、私には、やっぱり、見るがいい、愚か
24
23
者の涙。嵐がやって来る」
◇
ドクターベシアは、医療室で、シスコ大佐に報告した。
「言語障害が伝染するというのは、実質上ありえません。それが伝染し
たということは、一見、言語障害にみえても、実は、なんらかの病気だ
と考えざるを得ないのです。そこで、大尉とチーフの神経細胞をスキャ
ンしたところ、ふたりとも側頭葉からこれが見つかりました」
「ウイルスか?」
「このウイルスは、
|
死の手紙
/FB3/DeadLetter/
「ハロー、コングレスマン?」と、ラバティ。
コングレスマンクインは振り返った。そして、ラバティが銃口を向け
ている拳銃を見て、震えながら立ち上がった。
「ラバティ」と、コングレスマン。「バカなことはやめろ!」
ラバティは、ニタリとした。「いつかこうなるって言っただろ?4年
待ったんだ。今は、もう安全さ」
2
1
1
「逃げ切ることはできないよ、ラバティ!私は手紙を託してある。私に
なにかあったら投函することになってる」
ラバティは、笑った。「ウソを言うんじゃない、クイン!そんな手紙
なんて書けやしない。もしもオレの動機を説明しようとしたら、おまえ
自身の罪を認めることになるからな。なぜおまえはオレを訴えて裁判に
かけようとしない?そうしないのは、真実が明らかになったら、おまえ
の名前は永遠に地に堕おちることになるからさ」
ラバティは、引き金を6回引いた。
|
幻の指揮官
/ST/VGR_6_1_4/
と、セブン。同化された、トゥヴォックとチャコティが
近づいてきた。ドクターは、ハイボスプレーで、チャコティを眠らせる
と、トゥヴォックの肩をつかんで、気絶させた。セブンは、ドクターに、
感謝の笑えみを送った。
「警告。メインシールド、消失します」と、コンピュータ。
「これが、最後だ、よく、聞け!」と、ドクター。「武装を解除しろ!
今のうちに、逃げたほうがいいぞ!」
「おまえたちを、同化する」と、ボーグ艦。
「やれるものなら、やってみろ!」と、ドクター。「コンピュータ、光子こうし
砲の発射準備をしてくれ!」
「光子こうし砲。準備オッケーです」と、コンピュータ。
「撃うて!」と、ドクター。
ボーグ艦は、光子こうし砲の閃光に包まれると、一瞬にして、大破した。
◇
異星人の宇宙船。
コンソールで、ボーグ艦が大破されると、担当のオペレータは、驚い
た顔をした。通信リンクは、そこで、切れた。
38
37
|
天使が死ぬ時
/TS/TheHabit/
「いや」と、リチャード。「サンフランシスコにいたときに、新聞で、
この学校が、困っていると知ったんです。たった、5ドルですが、それ
しかなかったもんで」
「なによりの、おこころざしですわ」
「それで、話は戻りますが━━━」
「わたくしが、タールトンへ行く件の?」
「車は、あの、いつかのですか?」
「いいえ、でも、あのガタガタトラックが、一生忘れられないでしょう」
「たいへんな、旅でした」
「すばらしいドライブでしたわ」
「お幸せですか?」
「ま、問題はありますけれど、できるだけの努力は、していますわ」
「その上、ぼくの問題が、飛び込んでしまって」
「わたくしは、お力になりたいと思っているんです」
ドアがあいて、先ほどの若いシスターが入ってきた。リチャードは、
出していた2枚の写真をしまった。
14
13
「シスター」と、シスターベロニカ。「ご苦労ですが、こちらの━━━
ごめんなさい、
|
黄の悪夢
/FB2/NightmareInYellow/
ほかのメリットもあった。もしも、妻が生きたままだったら、
次の朝、起きたときに彼がいなければ、なにか心配して、警察を呼ぶか
もしれない。しかし、殺しておけば、死体はしばらくは、見つからない
だろう。たぶん、2・3日は。これは、さいさきのよいスタートとなる
はずだ。
3
事務所では、ものごとは、スムーズに進んだ。約束の時間になったの
で、妻を迎えにいって、すべては予定どおりだった。しかし、レストラ
ンで、妻は食事に時間をかけていたので、家に8時46分に戻れるか、
心配になってきた。それは、バカげたことだとわかったはいたが、彼に
とっては、自由になる時間がすごく重要で、1分早くても、1分遅くて
もだめだったのだ。腕時計を見た。
家の中に入るまで、待つべきだったが、1分おくれそうだった。家の
ポーチは、暗く、家の中と同じくらい、だれかに気づかれる心配はなか
ったので、そこで、彼は、ドアの前に立って、ドアを開けるのを待って
いる妻に、ジャックナイフを一突きした。
妻が倒れる前に、片手でささえてまっすぐ立たせたまま、別の手で、
ドアを開け、なかへ入ってから、ドアを閉めた。
8
7
|
ミットキーあらわる
/FB1/TheStarMouse/
地球にやってきた。楽しみのために、殺さつ
34
33
戮りくをおこなう、凶暴な海賊のような巨人たちであった。デイモスの地下
には、今は眠る都市の遺跡の記録に、恐竜になにが起こったかが、記さ
れていた。恐竜の絶滅後の、宇宙の歴史でいえば、数分後に、繁栄して
いたクロマニヨン人が、その絶頂期になぜ、消滅したかについても。
しかし、プロックスは、生き残った。太陽の光を反射しない、ちっぽ
けな世界だが、軌道がずれたとしても、宇宙の侵略者からは、守られて
いた。
プロックスは、数百万年の文明の歴史があった。黒の保護コーティン
グは、維持され、定期的に塗り直された。後に、たびたび現われた敵に
対する恐れというよりは、伝統として、維持されてきた。プロックスの
文明は、力強いが、停滞していた。飛び出す弾丸のような、危うさの上
に、存在していた。
そして、ミットキーマウスが現われた。
クラロ
|
失われた文明2不死
/FB3/Discovery2/
失われた文明2不死
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
失われた大きな発見の2番目は、不死の秘密だった。
不死の秘密は、1952年、合衆国海軍無線技師のポールヒッケンド
ルフ中尉が発見した。その装置は小さな箱に入った電子基盤で、ポケッ
トに入れて手軽に持ち運べた。箱のスイッチをオンにすると、装置を持
っている人のまわりがフォースフィールドで覆おおわれ、その力の強さは、
ヒッケンドルフのたくみな数学で計算しても、ほとんど無限であった。
2
1
1
フォースフィールドは、いかなる熱や放射線も完全にシャットアウト
した。
ヒッケンドルフ中尉の計算によると、人間は━━━男だろうが女だろ
うが、子どもでも犬でも━━━このフォースフィールドの中にいれば、
至近距離で水爆が爆発しても守られ、かすり傷さえ負わなかった。
|
ドール
/XF/Chinga/
◇
深夜、メリッサの家の前に、パトカーが来て、スカリーとジャックが
降りた。
「バディの車だ」と、ジャック。別の白い車が、斜めに停めてあった。
ふたりは、家に向かった。
メリッサは、ポリーを寝かしつけると、かなづちと釘を戸棚にしまっ
て、南京錠をかけた。キッチンに戻って、石油ストーブを倒して、灯油
をまくと、マッチをすろうとした。
66
65
「メリッサ!」と、ジャック。玄関のドアをノックした。スカリーは、
窓からカーテンごしにのぞいた。
「なにか、見えるか?」
「いいえ」と、スカリー。裏に回った。
「メリッサ!」と、ジャック。ノックを続けた。
メリッサは、キッチンでなんどもマッチをするが、火がつかなかった。
「メリッサ!」玄関でノックする音が聞こえた。
やっと、1本のマッチに火がついた。
「ママ!」と、ポリー。キッチンまで、来ていた。
ポリーが抱いている人形が、
|
ファーストコンタクト
/FB3/Contact/
そうすれば━━━」
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火星は、長いあいだ地求人が来るのを待っていた。火星に残されたも
のは、人口900人だけの小さな村だけだった。火星の文明は、地球よ
り古かったが、死にかけていた。1つの村と900人の人間、それだけ
が残された。彼らは地球とコンタクトがとれる日を待ち望んでいた。そ
れは、利己的な理由と、利己的でない理由があった。
火星の文明は、地球の文明とは、まったく違う方向に発展した。火星
では物理科学は発展せず、技術もなかった。しかし社会科学は発展し、
この5万年のあいだ、ひとつの犯罪もひとつの戦争も発生しなかった。
物理学を越えた科学、つまり心の科学が発展していた。これは、地球で
は、発見しかけたばかりだった。
火星は、多くのことを地球に教えられるだろう。犯罪や戦争をいかに
回避するかは、2つの単純なことだった。これから始めて、さらにテレ
パシーやテレキネシス、エンパシーへと━━━。
一方、地球からは、多くの価値あるもの、科学や技術を教えてもらう
ことを望んだ。それは、火星だけでは、進歩した心をもってしても発展
させるには遅すぎるものだったが、死にかけた火星の人々を復活させ、
もう一度人口を増やしていくことを可能にするものだった。地球にとっ
てもメリットこそあれ、デメリットはなかっただろう。
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ヴァヴェリ
/FB/TheWaveries/
実体があり、彼らには、実体がありませ
ん。我々と彼らには、共通基盤というものがないのです」
「しかし、彼らに、知性があるなら━━━」
「アリは、見たところ、知性的です。本能と呼ぼうと思えば、呼べます。
本能は、知性の一形態です。本能は、知性がアリにさせられることの、
少なくとも、いくつかを、成し遂げさせることができます。けれど、我
々は、アリと、意志疎通できません。同様に、侵略者との意志疎通は、
もっと、できそうにありません。アリの知性と我々の知性との差は、侵
略者の知性━━━もしもあったとして━━━と我々の知性との差に比べ
たら、ほとんど、ないに等しいでしょう。それなのに、いまだに、我々
は、アリとも意志疎通できていないのです━━━」
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教授は、その講演でなにかに気づいたが、ヴェイダー━━━もちろん、
侵略者のインヴェイダー略称である━━━との意志疎通は、確
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アリスのルッグラン
/LC/AliceLooking/
「ごきげんいかが?とは言えない」と、アリス。自分に。「もう、それ
以上の仲だわ!」
「それほど疲れてないわよね?」と、アリス。やっと口をひらいた。
「まったく!」と、ダム。「心配してくれて、ありがとう!」
「ほんとに、ありがとう!」と、ディ。「詩が好きなんですか?」
「ええ、そう!いくつかは、とても好き!」と、アリス。「森を抜ける
には、どちらへ行ったらいいの?」
「彼女になにを読んであげようか?」と、ディ。アリスの質問は気にも
せず、しんみりとした目でテュデュルダムを見た。
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「『セイウチと大工だいく』が一番長い!」と、ダム。弟のテュデュルディを
愛情をこめてハグした。
「陽がさんさんと」と、ディ。すぐに詩を、声に出して読み始めた。
「長い詩なら」と、アリス。思い切って、さえぎった。「その前に、道
を教えて!」
テュデュルディは、やさしくほほえんで、最初から、詩を、声に
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ナイトゥアンディ
/SY/KAndDy/
コンロのフライパンのふたをとると、オムレツ。
「昨夜、7時30分頃」と、テレビ。「ウィチタ発ボストン行きの旅客
機が消息を絶ちました」
テレビを見た。
「上空で激しい乱気流に見舞われ、強風か落雷の影響で墜落したようで、
インディアナ州のとうもろこし畑で、機体の残骸が見つかりました」
玄関のドアをノックする音。
「今、行きます!」と、ジューン。階段を駆け降りた。
玄関のドアにも、吹き出し。
「なにも、しゃべるな!」と、ジューン。
玄関をあけた。だれもいなかった。
「ロドニー!」と、ジューン。
帰りかけていた消防士服のロドニーが、振り向いた。
「ああ、よかった」と、ロドニー。「無事かどうか、心配で」
「え?なんで?」と、ジューン。
「カンサスからの便に乗ったろ?」
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「ええ」
「事故のニュースを見たんだ」と、ロドニー。
「ニュース?事故って?」と、ジューン。
「とにか
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ナスティ
/FB3/Nasty/
ナスティ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ウォルタービュレガードは、この50年間というもの、情熱的にして、
完成された好きものであった。今、65才の年になって、好きもの協会
の会員資格をなくすかもしれない危機を迎えた。なくす危機?いや、正
直に言おう、彼はなくしたのだ。この3年間、彼は、医者から医者、偽
医者から偽医者、妙薬から妙薬へと渡り歩いた。すべては、まったく、
なんの効果もなかった。
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ついに、ビュレガードは、占いや魔法の本を思い出した。膨大な蔵書
の一部として、集めたり、読んだりするのを楽しんでいた。しかし、そ
れらを、まじめにとらえたことはなかった。今までは。今、彼に、なに
か、失うものがあっただろうか?
かびの生えた、悪のにおいのする、稀少本の1冊に、求めるものを発
見した。書かれているとお
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サアルバの国
/FB1/DeathOnTheMountain/
キャンドルの炎の光が、彼女の胸のあいだの、白いくぼみにある、小
さな黒の十字架を照らした。炎は、上下に、揺れた。
彼は、消灯時刻のベルを聞いて、山頂へ行く時間であることに気づい
た。3日目の夜だったからだ。
山から、嵐が降りてきた。風は、小屋のまわりで叫ぶように、吹き荒
れたが、女性は、目覚めなかった。
彼は、嵐のなかへ出て行った。風は、かつてないほど、冷酷だった。
恐ろしい手が、彼の心臓を、わしづかみにした。だが、あの星は、待っ
ていた。
寒さが、さらに厳しくなり、夜の黒が深まった。雪の毛布は、彼が倒
れた地点をおおいながら、山の上を漂っていた。
朝、女性は、解けた雪の上にある、赤いサンダルを見つけて、谷に持
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ち帰った。
「奇妙な夢を見たわ」と、年上の女性。「十字架の上で、男が苦しんで
いたの」
年下の女性は、手を組んだ。「キリストかしら?」
「いいえ、ち
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ユスタックウィバーの短い生涯1
/FB3/Weaver1/
ユスタックウィバーの短い生涯1
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。競馬
なら、2ドルから始めて、すぐに数千ドルにできるだろう。
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しかし、顔見知りのノミ屋がすぐに破産してしまい、ほかにノミ屋を
知らなかったので、競馬場に行く必要があった。今やっている競馬は、
南カルフォルニアとフロリダだけで、どちらも同じ距離、飛行機代は、
だいたい100ドルだ
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失われた文明1透明人間
/FB3/Discovery1/
プロローグ
20世紀に3つの大きな発見があったが、残念なことに失われた。
最初の発見は、透明人間だった。
透明人間の秘密は、1909年にアーキバルトプレーターによって発
見された。プレーターは、エドワード7世の宮廷に仕つかえる使者で、オス
マン帝国とゆるい同盟関係にあった小さな州の統治者だったサルタンア
ブデルクリムの宮廷に送られていた。
プレーターは、アマチュアだがとても熱心な生物学者でもあった。
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プレーターは、ねずみにさまざまな血清を注射して、突然変異をもた
らす注射を発見しようとしていた。3019匹目のねずみに注射したと
き、ねずみは消えた。ねずみは、まだ、そこにいて、手のひらに乗せれ
ば感じるが、体毛もつめも見ることができなかった。プレーターは、慎
重にねずみをケージに入れた。2時間後、ねずみはふたたび現われた。
どこにも傷
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ナッシングシリウス
/FB2/NothingSirius/
どこかに着いたとしても、どことも言えなかっ
た。
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ちょうど、そのとき、オレたちは、小さい丘の頂上まで来て、そして、
立ち止まった。目の前に、舗装道路が始まっていた。
普通に、地球の都市によくある、プラスチック製の舗装道路で、カー
ブや歩道や排水溝もあって、ペンキで塗られた、中央線もあった。ただ、
その道路は、オレたちが立っているところから、急に、始まっていた。
そして、そこからは、少なくとも、つぎの丘の上までは続いていた。見
える限りには、1軒の家も、1台の車も、それに、1匹の生物も、いな
かった。
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オレは、エレンを見た。彼女も、オレを見た。オレたちは、ママを見
て、ジョンレーンを見た。彼も、オレたちを見た。
「ジョニー、なにかな?」と、オレ。
「道路に見えます、船長」と、ジョニー。
オレが、じっと見たので、彼は、すこし赤くなった。腰をかがめて、
道路を調べ、驚きの目をして、立ち上がった。
「どうした?冷凍キャラメル製かい?」と、オレ。
「耐久プラスチック製です、船長。われわれは、この惑星の発見者では
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アンラッキー
/FB1/Unfortunately/
紙と鉛筆を手渡した。
急に、彼は、自分がほしいものにやっと気づいた。紙に急いで書いて、
返した。それは、彼らの手から手へ、まわされた。
すると、いきなり、彼は、捕とらえられ、腕は切り落とされた。はりつ
け柱に縛られ、まわりには、小枝やたきぎが積み上げられた。彼らのひ
とりが、火をつけた。
ラルフNCー5は、大声で抗議したが、アルクトゥルス星人によって、
却下された。抗議が、聞こえなかったからではなく、聴覚器官そのもの
がなかったからだった。彼は、苦痛のために叫んだ。そして、すぐに、
叫ぶのをやめた。
宇宙マニュアルの記述は、まったく正しかった。アルクトゥルス星人
は、地球言語の読み書きが、かなり、流暢りゅうちょうだった。しかし、書かれたこ
とが、あいまいだと、かならずしも、好意的に解釈してくれるとは限ら
なかった。宇宙マニュアルの記述は、この点について、じゅうぶんでは、
なかったかもしれない。
ラルフNCー5は、「あつあつのステーキ」と書いたのだが、あつあ
つのステーキがほしいのか、あつあつのステーキにされたいのかが、あ
いまいだった。アンラッキーにも、彼は、望みどおりに、あつあつのス
テーキにされた。
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