原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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NOVELYst AutogeNerating dimensional space
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京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス
[京 都 大原 三千院 ♪~♪ 恋に弊(つか)れた 女がひとり ♪~♪ or検索] ヒット 91 件です。
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暗闇の家
/FB1/TheHouse/
1
目の前にあるのは、くもの巣のように広がる広間だった。床には、ほ
こりが厚くつもり、その先には、細く曲がりくねった通路が、2匹の小
さな、へびか、あるいは、2匹の大きな、いも虫のように、続いていた。
暗く見えにくい通路で、右の方の最初のドアに近づくまで、気がつかな
かった。そのドアには、旧英国書体で、「常に忠実」と刻まれていた。
ドアを抜けると、そこは、大きなクローゼットほど広さの、小さな赤
い室であった。1脚のイスが、室の壁沿いにおいてあり、イスの足は、
1本折れてぶら下がっていた。近くの壁には、1つだけ、額に入れられ
た、ベンジャミンフランクリンの肖像画があった。額は、ななめに傾い
て、ガラスには、ひびがはいっていた。床にほこりはなく、最近、そう
じしたようにきれいだった。床の中央には、きれいに磨かれた、アラビ
アの片刃刀かたはとうがおいてあった。つかは、赤く染められ、刃先は、緑の軟泥なんでい
で、厚くコーティングされていた。室には、ほかに、なにもなかった。
彼は、ながいあいだ、この室に立っていたが、そのあと、広間を横切
って、反対側の室に入った。そこは、小規模な講堂くらいありそうな、
広い室で、壁がすべて黒なので、最初に入ったときは、それほど広くは
感じなかった。紫のビロードの劇場用のイスが、何列もならべてあった
が、ステージや壇はなく、黒の壁から数インチのところから、イスの列
4
3
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星雲を越えて
/ST/StarTrek2016/
古
代の遺物を。それが、あなたがここにいる理由。私も、みんな、そのせ
い」
女剣士は、魚雷から、部品を引き抜いた。
「さっきの山賊もか?」と、スコット。
「あいつら、みんな、空から落ちてきた」と、女剣士。「わたしや、あ
なたのように。いっしょに来て!今!」
「ちょっと待って!こっちにも、都合が」と、スコット。「仲間をさが
80
79
さないと!」
「あとで仲間をさがすの手伝うから、あなたも手伝って!」
「なにを?」
女剣士は、魚雷の排気管で直す動作をした。
「なんか、直すのか?」
「そう、助けたら、助ける」
「今日はほかにどうしようもなさそうだし、ついてくよ!」
「よし!わたし、ジェイラ。あなた、モンゴメリースコット?」
「そう、スコットだ」
「今、来て!スコット!」と、ジェイラ。部品を両手に持って、走りだ
した。
「おい、待って!」と、スコット。
◇
惑星の森林。
異星
|
人形の家で
/TZ/Miniature/
アイリ
ーンは、黒のコートに、黒の手袋だった。あきれたように、頭をふって、
4
3
去っていった。アイリーンにぶつかったことが、チャーリーが見知らぬ
世界に迷い込むきっかけとなった。
館内の食堂は、「改装のため休業」の立て札があった。階段を上って
いくと、下へ降りようとする、団体客にぶつかった。
「次は、古代の美術品です」と、案内する男性。「この盾は、100年
も前のものです。比較的新しい、1950年代のものもあります。アフ
リカの一部の地域は、開拓前で、文明化されていません。奥地の先住民
の中には、文明社会を知ることなく、死んでゆくものもいます。また、
彼らは、数百の言語を操ります」チャーリーは、団体客に押されて、2
階に上がれず、1階の団体客の中にいた。
「美術鑑賞協会のみなさまなら、彼らの作品の価値が分かるでしょう。
盾は、特別の目的のために作られています。たとえば、これは
|
アンドロメダⅡの来訪者
/FB/AllGoodBems/
2番目
の文章の下に、タイプした。
「善良なるベムたちにとって━━━」彼は、そこを見つめながら言った。
「なんのためかな、トゥーツ。銀河かな、宇宙かな」
「好きなように書いたらいいんじゃない?ストーリーが完成しないで、
2週間で小切手が入ってこなけりゃ、この家を失って都会に逆戻りね。
あなたは小説家の仕事を失って、新聞記者に逆戻りよ、そして━━━」
「静かに、トゥーツ!ずっとよくわかっているよ」
「ずっとということはないわ、エルモ。こうすれば、いいわ」
「善良なるベムたちにとって、エルモスコットにやってくる時間だ」
ドーベルマンは、絨毯のじゅうたん上で、もぞもぞした。
6
5
「そんな必要はないと思うけど」
ふたりは、ドーベルマンを見た。
「エルモ!」と、ブルネットの女性。きれいな足を踏み鳴らした。「こ
んな手品をするなんて!腹話術をする時間があったら、もっと書く時間
を増や
|
悪魔のジョーカー
/TZ/DealersChoice/
と、ジミー。「確かに、怪しいが、ここは、慎重にい
こう!ピート、やつの手札を見てみろ!」
ピートが、手をのばして、ニックの伏せカードを見ようとした。
「よせ、ゲームは続いている!」と、トニー。ピートの手を、つかんで
止めた。
「そんなことより、大事なことだ!」と、ジミー。そして、ピートに。
「見てみろ!」
ピートが、ニックの伏せカードを、すべてあけると、6・6・6だっ
た。
「アーハッ!アーハッ!」と、ジミー。
「ジミー、黙れ」と、トニー。ジミーの口を、手でふさいだ。
「悪魔が、ここに現われたんだ!」と、ジミー。
「ニュージャージーに?」と、トニー。
「近くに住んでいるんだ」
「なぜ、この家に?」
「いとこのノーマンに聞こう!」と、ピート。ピートは、電話台にいっ
て、電話機ごと持ってきた。
「トニー、オレには、分かるよ」と、ジミー。「悪魔が現われたとした
ら、理由は、1つ━━━誰かが、死ぬ!」
「バカな!」と、トニー。
14
13
|
つくられた記憶
/ST/DS9_4_5_3/
もう、話し尽くしたよ」と、オブ
ライエン。
「だけど、聞きたいんだ、私にも妻がいれば、話してやれたんだけどな。
それに、イライラした時、ケイコのことを話すと、君は落ち着きを取り
戻すみたいだからね」
「そうか」
「ああ」
「そのお絵かきが気に障ってイライラするんだ」と、オブライエン。
「いつからだ?」
「今からだよ」
「どうしたんだ、落ち着け!」と、イーチャー。
「おまえの指図さしずなど聞きたくない」
「マイルズ」
「そのマイルズというのもよせ!もう、やだ、閉じ込められているのも、
おまえのお絵かきも、もう、うんざりだ、おまえの顔も見たくない!」
「冷静になるんだ!」
「冷静になんかなりたくないね、なんでおれがこんな目にあうんだ?い
い加減にしてくれよな。おおい、聞こえるか?ここから出せよ、おれは
なにも悪いことはしていないぞ、おい、聞いてるんだろ!」
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「マイルズ!」
「なん
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アボミっぽい
/FB3/Abominable/
2
1
1
シャウンシー卿は、女性の目利きでもあった。ここでひとりで挑戦す
る理由がそれで、危険な登山というだけでなく、危険な救出でもあった。
もしも、ローラガブラルディが、まだ、生きていれば、アボミっぽいス
ノーマンにつかまったのだ。
シャウンシー卿は、ローラガブラルディ本人に、直接会ったことはな
かった。彼女のことを知ったのは、1ヶ月にもならない前で、彼女が主
演する映画を見たのだ。その映画で、彼女は突然、地球上でもっとも美
しい女性、イタリアが生んだ最も美しい映画スターとして伝説になった。
シャウンシー卿が理解できないのは、イタリアが彼女を生み出したこと
だった。彼女は、世界中の女性の目利きの心に残る、完成された女性美
として、バルドーやロロブリジッダ、エクバーグに、とって代わった。
シャウンシー卿も、女性の目利きのトップとして、そうだった。映画で
彼女を見た瞬間、彼女本人に会わなければならないことを、たとえ死ん
でも、そうしなければならないことを知った。
しかし、その時まで、ローラガブラルディは失踪しっそうしたままだった。最
初の映画の休暇で訪れたインドで、登山家のパーティに参加して、オブ
リモフ山の登山をすることになった。パーティのほかの全員は戻ったが、
ローラは、戻らなかった。パーティのひとりの話では、手をのばせば届
4
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死の手紙
/FB3/DeadLetter/
「ハロー、コングレスマン?」と、ラバティ。
コングレスマンクインは振り返った。そして、ラバティが銃口を向け
ている拳銃を見て、震えながら立ち上がった。
「ラバティ」と、コングレスマン。「バカなことはやめろ!」
ラバティは、ニタリとした。「いつかこうなるって言っただろ?4年
待ったんだ。今は、もう安全さ」
2
1
1
「逃げ切ることはできないよ、ラバティ!私は手紙を託してある。私に
なにかあったら投函することになってる」
ラバティは、笑った。「ウソを言うんじゃない、クイン!そんな手紙
なんて書けやしない。もしもオレの動機を説明しようとしたら、おまえ
自身の罪を認めることになるからな。なぜおまえはオレを訴えて裁判に
かけようとしない?そうしないのは、真実が明らかになったら、おまえ
の名前は永遠に地に堕おちることになるからさ」
ラバティは、引き金を6回引いた。
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失われた文明2不死
/FB3/Discovery2/
失われた文明2不死
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
失われた大きな発見の2番目は、不死の秘密だった。
不死の秘密は、1952年、合衆国海軍無線技師のポールヒッケンド
ルフ中尉が発見した。その装置は小さな箱に入った電子基盤で、ポケッ
トに入れて手軽に持ち運べた。箱のスイッチをオンにすると、装置を持
っている人のまわりがフォースフィールドで覆おおわれ、その力の強さは、
ヒッケンドルフのたくみな数学で計算しても、ほとんど無限であった。
2
1
1
フォースフィールドは、いかなる熱や放射線も完全にシャットアウト
した。
ヒッケンドルフ中尉の計算によると、人間は━━━男だろうが女だろ
うが、子どもでも犬でも━━━このフォースフィールドの中にいれば、
至近距離で水爆が爆発しても守られ、かすり傷さえ負わなかった。
|
エコーバック
/FB3/Rebound/
1
ある夜、スネルは、食堂の電話ブースで、競馬のノミ屋と、その日の
午後のレースで電話で賭けた当たり馬券が、3連単か3連複かで、言い
争いをしていた。ついにあきらめて、スネルは、言い放った。
「死んじまいな!」
そして、受話器をたたきつけた。
そのことを、スネルはそのまま忘れていたが、つぎの日、そのノミ屋
が、電話しながら死んだことを聞かされた。ちょうど、スネルと話して
いた時刻に。
このことは、ラリースネルに考える材料を与えた。スネルは、無学で
はなく、魔力について知っていた。実際、前に魔力を試してみたことが
あった。まったく効果はなかったが。なにが変わったのだろう?試して
みる価値はあった。注意深く、20人のリストを作った。いろいろな理
由で、スネルが憎んでるやつらだ。そして、順番にひとりづつ、1週間
で全員に電話して言った。
「死んじまいな!」
すると、みんな、言ったとおりになった。
スネルは、得たものが、単なる魔力ではなく、パワーだということに
気づくまで、その週末までかからなかった。
4
3
2
スネルは、高級ナイトクラブで、収入が彼の数十倍のナンバ
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夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
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令 和
SFミステリー
「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス
SFミステリー
☆原作:フレドリックブラウンより☆
緑の世界
小さな子羊よ
ヴァヴェリ
ギーゼンスタック家
ティラノサウルス
暗闇の家
サアルバの国
ファブクリップ
☆アリスのナンチャラン☆
アンダラン
ビックリラン
ルッグラン
☆サイモンが覚え
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オーマイガー
/FB2/Jaycee/
1
ドクターラルストンとドクターグラハムは、ふたりとも、パーシーた
ち━━━単性生殖で生まれた子どもたちの担当医師だった。20年前の
2043年に、単性生殖━━━卵子を精子の助けなしに受精させる最初
の実験を担当していた。その実験で生まれた子どもは、ジョンという名
前で、今、20才で、おとなりのドクターグラハム夫妻と住んでいた。
ジョンの母親が数年前に事故で亡くなって、夫妻の養子として引き取ら
れたのだった。
ジョンが10才になるまで、ほかのパーシーたちはいなかった。10
4
3
才になって、明らかに、ジョンが健康で普通であることがわかって、初
めて、医師たちは、門戸を開放し、子どもを欲しがる女性━━━独身で
あろうと、不妊の夫をもつ女性であろうと、単性生殖で子どもを持つこ
とを許可した。2030年代に発生したパンデミックによって、世界の
男性人口の1/3が失われて
|
終わり良ければ
/FB1/HappyEnding/
心配することは、なにもなかった。
つらさは、後悔からくるものではなく、敗北からくるつらさであった。
完璧な敗北。いまいましいマルスd星人に、あの不毛の星から戻る途中
から尾行された。ユテピールe星の衛星連合艦隊が、日々、なんども地
球に来襲して、無数の宇宙艦船からの攻撃で、巨大都市はすべて灰と化
した。あらゆる努力にもかかわらず、彼の強力な秘密兵器による抵抗も
12
11
むなしく、彼の軍隊の最後の決戦のあと、生き残りは、わずかに20名
か40名だった。彼の軍隊内の将軍でさえ、敵に内通したものがいて、
月の連隊の裏切りが、決定的な敗北をもたらした。
彼は、部下とともに、ふたたび決戦にのぞむこともできただろう。し
かし、大敗北のあとでは、彼の生きているあいだは、無駄だった。独裁
者の最後だった。
銀河系からうらまれ、そのことをのろった。
そのことは、がまんができるし、ひとりに
|
ケンタウロス
/FB1/HorseRace/
アランフィールド
ガーンロバーツは、秘密エージェントKー1356として知られる人
物だが、今は、銀河連邦の主任安全局員として、ひとり乗り宇宙船で、
眠りについていた。宇宙船は、地球を出発して、206光年離れた場所
をめざして、時速14光年で、自動航行中であった。ベルがなって、コ
ンピュータに、起こされた。すぐに、スクリーンにむかい、スイッチを
入れると、連邦の所長特別補佐のダウネンブランドの顔が映った。
「Kー1356、さっそく、仕事です」と、スクリーンのブランド。
「今、通過中の星雲にある、ノヴァという恒星をご存知ですか?」
2
1
「ええ」と、ロバーツ。すぐに、返答した。この距離での通信は、今の
ような、超光速通信では、かなりの電力ロスにつながるので、できるだ
け、早く、会話を切り上げたかった。
「では、その惑星については?」
「そこに行ったことはありま
|
ユスタックウィバーの短い生涯2
/FB3/Weaver2/
ユスタックウィバーの短い生涯2
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。手持
ちは2ドルしかなく、やっている近くの競馬場までの飛行機代にもなら
なかった。
2
1
1
ユスタックウィバーは、倉庫係として働いていたスーパーマーケット
の金庫にねらいをつけた。金庫には、少なくとも千ドルはあり、タイム
ロックだった。タイムロックは、タイムマシンにとってはあひるのスー
プ
|
失われた母星
/ST/StarTrek2009/
「オルソン!」と、カーク。
106
105
「オルソンが、消えました!」と、チェコフ。
カークは、かろうじて、プラットフォームにつかまると、肩のボタン
を押して、パラシュートを背中に収容した。
「カーク、着地しました」と、チェコフ。
プラットフォームのふたがあいて、銃を持った兵士が、ひとり現われ
た。
カークは、ヘルメットを脱ぐと、それを武器に、兵士に向かっていっ
た。
カトウは、パラシュートがからみついたが、収容ボタンを押して、プ
ラットフォームの上に着地した。折りたたみ式の剣を、自動で延ばして、
パラシュートを切り落として構えた。兵士が、もうひとり現われ、背中
の剣をぬいた。
剣では、決着がつかなかったが、けりで、噴射口の金網の上に蹴り出
して、兵士を蒸発させた。カークは、投げ出されて、へりに手でつかま
っていたところを、カトウの剣が、兵士の胸を貫いた。兵士は、地表へ
落ち
|
ふくろぅ3兄弟
/FB3/Owl/
しっかりくわえた。静かにもとの枝に戻ると、鋭いとげをワイルドキャ
ットのやわらかいお尻に力いっぱい突き刺した。
「エェェェェェォゥ」と、ワイルドキャット。体を起こそうと、ねじり、
ジャンプを3つ同時にやったので、枝から落ちた。頭が下の枝にあたり、
地面にいるハンターの頭にぶつかった。ハンターは銃を落とし、銃は
「バン!」といって、やぶに隠れていた赤ぎつねにあたった。
「ホォォォォォ!」と、末っ子。くちばしは、とげを強くくわえて力い
っぱい突き刺したので、ひどく傷ついていたが、そのときは気づかなか
った。
6
5
3
末っ子は、木のうろに帰った。
「今、ワイルドキャットとハンターと赤ぎつねを殺したよ!」と、末っ
子。兄たちに、誇らしげに。
「夢でも見たんだよ!」と、長男。
「たしかに夢だな!」と、次男。
「じゃ、夜になったら見せてあげるよ!」と、末っ子。
◇
ワイル
|
ナスティ
/FB3/Nasty/
ナスティ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ウォルタービュレガードは、この50年間というもの、情熱的にして、
完成された好きものであった。今、65才の年になって、好きもの協会
の会員資格をなくすかもしれない危機を迎えた。なくす危機?いや、正
直に言おう、彼はなくしたのだ。この3年間、彼は、医者から医者、偽
医者から偽医者、妙薬から妙薬へと渡り歩いた。すべては、まったく、
なんの効果もなかった。
2
1
1
ついに、ビュレガードは、占いや魔法の本を思い出した。膨大な蔵書
の一部として、集めたり、読んだりするのを楽しんでいた。しかし、そ
れらを、まじめにとらえたことはなかった。今までは。今、彼に、なに
か、失うものがあっただろうか?
かびの生えた、悪のにおいのする、稀少本の1冊に、求めるものを発
見した。書かれているとお
|
赤の悪夢
/FB1/NightmareInRed/
赤の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、なにによって起こされたのか、わからないまま、目が覚めた。
最初のゆれのあと、1分で、2回目のゆれが来た。ベッドが少しゆれ、
タンスの上の小物が、ガタガタと、音をたてた。3回目のゆれを、横に
なったまま、待っていたが、来なかった。その時までは、来なかった。
ほとんど目が覚めてしまっていて、もう、眠ることができなかった。
時計の夜光盤を見ると、まだ、真夜中の3時であった。ベッドから出て、
パジャマのまま、窓のところまで歩いた。暗い空に、点滅する光が見え
た。夜の音が聞こえた。どこかで、ベル。
2
1
しかし、なぜ、この時間にベルなんか?災害を知らせるベルなのか?
ここの軽いゆれが、どこか近くで、大きな地震につながったのだろうか?
あるいは、これから、ほんとうの地震が来る、とい
|
ファイナルアンサー
/FB2/Answer/
1
デュワーレインは、無数の聴衆にむかって、簡潔に話した。しばらく
の沈黙ののち、彼は、言った。
「スイッチをどうぞ、デュワーイブ」
デュワーイブは、スイッチを入れた。大きなハム音が響いて、960
億の惑星から情報が押し寄せてきた。数マイルにおよぶパネルが点滅し、
やがて、静まった。
デュワーイブは、1歩下がり、深く息をした。
「最初の質問をする栄誉は、あなたのものです、デュワーレイン」
「では」と、デュワーレイン。「今まで、どのサイバネティックマシン
でも、単独では、答えられなかった質問です」
彼は、マシンの正面に立った。
「神は、存在するか?」
力強い声が、なんのためらいも、なんのリレーの点滅もなしに、こた
えた。
「そう、今や、神は存在する」
突然、デュワーイブの顔におそれの表情がうかび、スイッチにとびつ
いた。
4
3
エピローグ
一筋の雷が、雲ひ
|
バーニングマン
/TZ/TheBurningMan/
天候のせいなのか、どうか」
4
3
「どういう意味?」と、ローリー。
「きょうみたいに、暑いと、あらぬ妄想を、するもんだ。引き裂かれた
体の中から、悪魔が生まれるとか」
ダニーは、後部座席にもたれた。
「今年は、17年セミが、生まれる年では?今年が?」
「知らない」と、ローリー。
「そうだよ。体で感じる。いいかね」ダニーは、また、前の座席に身を
乗り出した。「世界は、謎に満ちている。17年セミがいるなら、17
年人間が、いてもいい」
「17年人間?」と、アンドレ。
「そうだよ。24年人間とか、57年人間だって、いるぞ。人間が生ま
れる理由は、大人が結婚するからだというが、他の方法で生まれる人間
が、いるかもしれない。たとえば、セミのように」
「セミだって?」
「それに、生まれつきの悪人がいないとは、言い切れん」
アンドレは、ローリーと、顔を見合わせた。そのとき、車の右後部タ
イヤがパンクした。ローリーは、車を止めて、タイヤ交換を始めた。
「どんな悪人ですって?」と、ローリー。レンチでナットを締めていた。
「生まれながらに、悪いやつ。生来の性悪さってものは、受け継がれる
んだよ」
|
オブライエンの孤独
/ST/DS9_2_4_2/
16
15
そこへ、シスコが、現われた。
「どうか、したのか?」と、シスコ。
「ミスターオブライエンが言うには」と、ドクターベシア。「きょうは、
健診は、受けられないと」
「仕事は、都合して、受けてくれ!」
「司令官!」と、オブライエン。
「ドクターは、来週までに、スタッフの健康状態について、宇宙艦隊に
報告しなければ、ならない」
「了解!」と、オブライエン。そして、ドクターベシアに。「ちゃんと、
1時間後に、行きます」
ドクターベシアは、医療室に戻っていった。
「司令官、すこし、よろしいでしょうか?」と、オブライエン。
シスコは、うなづいて、司令官オフィスに入った。
「デカーティスは、きみが、おこっていたと」と、シスコ。
「いえ、おこっていたわけじゃ」
「きみが、おこるのも、当然だ。きみに、ひとこと、断っておくべきだ
ったな。私の、完全な、采配さいはいミスだ」
シスコは、イスについた。
「なんとなく、カヤの外におかれた、気がしただけです」
「悪かったな。きみの報告を読んだが、パラダ人が、神経をとがらせて
18
17
|
アリスのルッグラン
/LC/AliceLooking/
と、白の王。秋になってかぜを引いた鼻をこすった。
白の王は、頭から足まで灰におおわれていたので、白の女王は、突き飛
ばしても気にもとめなかった。
「どうしましょう、リリーが、発作で叫び声をあげそうだわ!」と、ア
リス。白の女王をあわててつかむと、テーブルのリリーの近くに置いた。
白の女王は、つかまれて、座らされた。息つく間まもない、瞬間移動だ
った。そして、1・2分後には、なにも言わずに、リリーを抱きしめて
いた。しばらくすると、白の女王は、灰まみれで、むっとしている白の
王に言った。
「火山に気をつけて!」
「火山?」と、白の王。心配そうに、暖炉の火を見上げた。「あの中に
火山が?」
「わたしを吹き飛ばしたのよ!」と、白の女王。まだ少し息切れしてい
た。「ふつうに歩いて来てちょうだい!吹き飛ばされないように!」
アリスは、白の王が、ゆっくり棒から棒へ渡ってくるのを見ていた。
「そのペースだと、テーブルまで来るのに何時間もかかるわ!わたしの
助けが必要かしら?」
白の王は、答えなかった。白の王には、アリスの声は届かず、姿も見
えなかった。
アリスは、そっと白の王をつまみ上げ、白の女王のときよりゆっくり
18
17
|
緑の悪夢
/FB3/NightmareInGreen/
強い男になるために曲げてはなら
ない決意だった。妻のデイジーに離婚してくれるよう断固として要求す
る。そうしなければ、すべてを失って2度と勇気を持てなくなるだろう。
6年間の結婚生活の最初から、離婚は不可避だった。
今が、そのターニングポイントだった。自分より、あらゆる点ですぐ
れた女性と結婚することは、耐えられないだけでなく、自分がだんだん
弱々しい生き物、希望を失ったねずみになっていってしまうのだ。
2
1
1
デイジーは、あらゆる点で、ウィリアムより優まさっていた。彼女は、ア
スリートだったので、ゴルフでもテニスでもあらゆるスポーツで、彼を
やすやすと打ち負かした。デイジーは、ウィリアムを上廻り、圧倒した。
車の運転でも、彼には到底及ばないドライビングテクニックを披露ひろうした。
ほとんどあらゆる面でエクスパートのデイジーは、ブリッジでもチェス
でもポーカ
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世界の終わり
/FB/TheEnd/
場の内側にいる存在にとっては、すでに来てしまった未来は、過去に、
これから起ころうとする過去は、未来と捉とらえるしかない━━━それは、
あたかも」
納得のいかない生徒たちは、さらに、ざわつき始めた。
「ジョアンナ君、君の顔が、今、鏡のように左右反対になってしまって
も、誰も気がつかないのと同じだよ。
あるいは、地球の歴史において━━━なんどか起こっているように、
地球のN極とS極が瞬時に入れ替わっても、渡り鳥たちにとっては、な
んの支障もないのと━━━」
ジョアンナは、納得がいかないまま頬ほほに手をおくと、今朝け さ、右頬みぎほほに新
4
3
しくできたばかりのニキビがすっかり消えてしまっているのに気づいて
喜んだ。
しかし、その喜びは、長く続かなかった。右頬みぎほほのニキビは、そっくり
そのまま、左頬ひだりほほに移動しただけだったからだ。
(終わり)
|
小さな子羊よ
/FB/TheLittleLamb/
ヴァンゴッホは星空の画えに月を
入れたが、これは、こぎれいどころか、驚嘆 きょうたんする画えだった。ただ、彼は
これを描かいたとき、正気ではなかった。正気な人間は、なかなか、ヴァ
ンゴッホのようには描かけない。
パレットを洗っていなかったので、もう少し、画えを続けようとした。
二日ふつか前にはじめた画えだった。緑をパレットで混ぜはじめたが、思う色が
作れなかった。やはり、昼間の光を待たなくてならないことを、痛感さ
せられた。夜は、自然の光がないところでも、下書きや仕上げはできる。
しかし、色を作るとなると、昼間の光を待たなくてはならない。汚れた
パレットを水洗いして、朝になったら、新しくやり直すことにした。刷は
毛けも洗った。9時に近く、まだ、彼女は帰ってなかった。
4
3
1
なにか心配するようなことがあるわけでもなかった。どこかで、友達
といっしょで、たのしくやっ
|
フェルマーの予想
/RM/Fermat/
nが3以上だと、フェルマ
ー解が存在しないという、非存在定理です」
「非存在ってなんですか?」と、ノーグ。
「先生にも、正直なところ、よくわからないわね、今日の演習でやるの
は、むしろ、存在を見つけるプログラムを動かしてみるだけです。非存
在は、そこで見つからなければ、存在しないのかもしれないということ
かしら?」
「次の図は、なんですか?」と、ジェイク。
8
7
「この図は、テキストによると、y<1、x<1として、zもz=1と
すると、0と1の間の2次元の図に書けて」
「あ、ちょうど、ピタゴラスの二乗は、円の右上にあたるってことかな」
と、ジェイク。
「そのようね。n=3とすると、少し膨らんで、n=∞の極限では、四
角の右上になるらしいわ」
「たしかに、x=3/5、y=4/5とおくと、xの二乗とyの二乗を
足すと、25/25になって、z=1になってますね」と、ノーグ。
「さす
|
恐怖のウイルス
/ST/DS9_1_2_1/
過去24
時間、どこでなにをしたか調べるんだ」
「もう、調べてみましたが、それこそ、ステーションじゅうに行ってま
す」と、キラ。
「それを、ひとつづつ、すべて当たってみてくれ。ダックス、当面は、
オブライエンの代理は君がやってくれ」
「ええ、でも」と、ダックス。
「不都合でもあるのか?」と、シスコ大佐。
「ええ」
「ダックス」
「ごめんなさい、ベンジャミン、私には、やっぱり、見るがいい、愚か
24
23
者の涙。嵐がやって来る」
◇
ドクターベシアは、医療室で、シスコ大佐に報告した。
「言語障害が伝染するというのは、実質上ありえません。それが伝染し
たということは、一見、言語障害にみえても、実は、なんらかの病気だ
と考えざるを得ないのです。そこで、大尉とチーフの神経細胞をスキャ
ンしたところ、ふたりとも側頭葉からこれが見つかりました」
「ウイルスか?」
「このウイルスは、
|
SFミステリー ライトノベル風
/CO/cmt/
Top
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
試用版 ゲストルーム
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
presented by bilyzkid
◆◇◆◇◆◇
1.自分のオリジナル作品を、非公開URLにて、掲載可能です。
表示は、縦書きで、ルビ可能です。PC上から、印刷可能です。
2.出版
|
ノヴァリアン試用版
/novelyan/guestroom/
あなたは、すでに、ノヴァリスト!
サンプルあり(
1
2
3
) presented by bilyzkid
◆◇◆◇◆◇
or
and
(全角のみです)
京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
ノヴァリアン NOVELYAN 1.20 試用版
ご使用方法
小説コマンドの説明
画像コマンドの説明
詩的コマンドの説明
FAQ
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タイトル
novファ
|
まだ終わりじゃない
/FB3/NotYet/
スクリーンには、下界の様子が映しだされた。
「キューブは、第3惑星の夜の側にいる。下界は雲の層だ。ここからマ
ニュアルに切り替える」
カーは、パネルを操作した。
「ラル、スクリーンを見てくれ!」と、カー。「光の列が規則的に並ん
でいる!都市だ!この惑星には生物がいる!」
2
ラルは、別のコントロールパネルの攻撃用ボードに移って、ダイアル
に触れた。
「脅威になるものはない」と、ラル。「都市をおおうフォースフィール
ドの痕跡こんせきもない。ここの種族の科学レベルは低そうだ。都市は、攻撃す
れば1発で吹き飛ばせる」
「そうだな」と、カー。「しかし破壊は今回の目的ではない。標本がい
る。もしも標本がレベル以上なら、艦隊を呼んで、数千の奴隷を必要な
だけ確保したら、都市だけでなく惑星ごと破壊すればよい。そうしてお
6
5
けば、ここの文明が、われわれに仕返しに来れるまで発展す
|
ネコどろぼう
/FB3/CatBurglar/
ネコどろぼう
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ミッドランドシティ警察の署長は、2匹のダックスフンドを飼ってい
た。名前は、リトルノートとロングリメンバーだった。しかしこのこと
は、ネコどろぼうとは全く関係ない。このストーリーは、いわゆる署長
が、一見すると不可解な一連のどろぼうに━━━ひとりの男の犯罪に興
味をもったその関心事から始まる。
どろぼうは数週間で、19の家に侵入した。見たところ犯罪は計画的
だった。侵入した家にはかならずネコがいた共通点があったからだ。
どろぼうはネコだけを盗んだ。
2
1
1
たまには、現金が見えるとこにあったり、宝石があったが、どろぼう
は目もくれなかった。家主が帰ると、窓やドアがこじあけられ、ネコが
いないことを発見するが、ほかに盗まれたものはなく、室を荒らされて
もい
|
屋根の上の少女
/TZ/IfSheDies/
ポールは、おそるおそる、右手をのばして、少女の手に触れた。
「どうしたの?」
「手が冷たいね」
16
15
「お願い」
少女の手をつかむと、少女は、先に立って、ベビーベッドのところへ
行った。
「あの子がいないと、眠れない」
「トビー?捜しておくよ」少女は、ベッドに入った。「眠るまで、いっ
しょにいてあげよう」
「ありがとう」ポールは、ベッドの脇のイスに座った。「わたしは、サ
ラ。あなたは?」
「ポール」
「毛布をかけて!」
ポールは、サラに毛布をかけてあげた。
「おやすみ、サラ!」
「おやすみなさい」
ポールが、キャシーのベッドの方を見てから、目を戻すと、サラの姿
は消えていた。
◇
ポールは、病院のとなりの施設に行ったが、移転の張り紙があった。
修道院の玄関。
18
17
「シ
|
ティラノサウルス
/FB1/Runaround/
それに、小さいやつらは、とてもすばしっこく走った。やつらを見つ
けて、大きな口からよだれをたらしながら地面をゆらして突進してゆく
と、やつらは、木々のあいだを毛皮のいなづまのように、さっと、どこ
かへ行ってしまった。やつらをつかまえようと、死にものぐるいになっ
て、前方の小さな木々をなぎ倒して突進していっても、ついたときには、
やつらは、いつも、逃げたあとだった。
彼の頑丈ながんじょう足よりも、やつらのちっぽけな足の方が速かった。彼の1
歩は、やつらの50歩分あったが、1歩すすむあいだに、やつらは、小
さな足をすばやく動かして、100歩もすすんでしまうのだ。身をかく
せる木々のない、開けたところでさえ、やつらをつかまえられなかった。
1
空腹は、100年つづいた。
彼、ティラノサウルス レックスは、すべての王であり、かつてこの
世が生んだ、最強にして、もっとも残虐非道、生きた殺戮さつりくマシーンであ
り、むかってくるあらゆる敵を、容赦なく殺すことができた。しかし、
だれも、彼にむかって来るものは、いなくなった。今いるやつらは、逃
げるだけだった。
小さなやつらめ。やつらは、逃げた。あるものは、飛んで逃げた。別
4
3
|
チャンスふたたび
/FB3/SecondChance/
「疑問なのは」と、ジェイ。「かつての人間たちの試合を実際に見るの
と、どのくらい違うのかな?」
エピローグ
「さぁね」と、オレ。「かつての人間たちを実際に見たことがないから
ね。オレはまだ200才にもならないが、少なくともこの400年は、
生きた人間は見つかってないそうだよ。帰りに潤滑油をさしに行かない?
きょうはまださしてないから、サビが出そうだ━━━あすの試合は、い
くら賭けるかい?ホワイトソックスは、チャンスをふたたび得た。実際
の人間たちにはなかったことだ。できる限り、彼らの伝統は保存してい
きたいね!」
(終わり)
8
7
|
ハーフベア
/FB3/Bear/
ハーフベア
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
もしも病院の待合室で、行ったり来たりしながらタバコに━━━たい
ていは間違えてフィルターの先に火をつけて、なにかを待っている父親
を見たら、その仕草からどんなに心配か分かるだろう。
しかしそれが心配だと思うなら、今、出産室の外のローカでうろうろ
している、ジョナサンクインビーをひと目見てほしい。クインビーは、
タバコのフィルターの先に火をつけて、そのまま吸っても違いが分かり
もしないのだ。
ジョナサンクインビーは、たしかに心配ごとを抱えていた。
2
1
1
始まりは、最後に動物園を訪れた夜だった。「最後に」は2つの意味
でそうだった。1つは、クインビーが1マイル以内には近づかないとい
うことであり、もう1つは、妻も近づかないということだった。彼女は
落ちて、そ
|
眠れるステーション エムポックノール
/ST/DS9_5_6_4/
◇
チーフオブライエンは、エアロックでガラックに訊きいた。
「司令官はなんて言って、きみを説得したんだ?」
「志願したとは思わない?」と、ガラック。
「へへ、脅されたんだろ」と、オブライエン。
「違いますよ、ワイロをつかまされたんです。私の店のスペースを増や
してくれるそうなんです。最近の仕立ての機械は、かさばるのでね」
「とにかく、来てくれて嬉しいよ。どうしたんだ?」
「いやはや、まったく、最近、みなさん、私を信用してるみたいなんで
す。なんと言いますか、居心地が悪くってね。この調子だと、そのうち
食事に招かれだすかもしれません」
「そうか、そんなにいやなら、僕は君を招待するのは、やめておくよ」
「ありがとうございます」
「お礼なんかいいって、君には借りができたしな、カーデシア人が仕掛
けたわなを、解除するのは、僕向きじゃないよ」と、オブライエン。
「それが当然ですよ。ご心配なく、私の得意分野ですから」と、ガラッ
ク。
ボリアン人のボクタは、シャトルに乗り込んできたクルーたちに言っ
た。
10
9
「わなの解除だと?それを知ってたら、この任務には志願しなかったの
に」
「
|
緑の世界
/FB/SomethingGreen/
離陸する
ことはなかった。マクガリーは、その宇宙船を見つけようとしていた。
ここに来てから、5年間というもの、じゅうぶんに、計画を練って、探
索していた。
その宇宙船が見つかれば、そこに、もしも━━━まったく、もしもだ
が、マクガリーの宇宙船が不時着で破壊された電子部品が、いくつか、
こわされずに残されているかもしれないのだ。その宇宙船に、必要な電
子部品が、ちゃんと見つかれば、地球に戻れるのだ。
6
5
赤いジャングルの10歩手前で、マクガリーは、立ち止まった。さき
ほど、ライオンがひそんだ茂みに、ソラーガンをかまえた。引き金をひ
くと、明るい緑の閃光が走った。シンプルだけれど、うつくしい━━━
そう、とても、うつくしい緑。その茂みは、ライオンとともに、消失し
た。
「いまのを見たかい? ドロシー?」と、マクガリー。声に出さずに笑
った。「あれが、緑さ。きみたちの、血のような
|
夢、遥かなる地にて
/ST/DS9_6_4_1/
結局何をしても無駄な気がしてくる」
「それで、どうしたいんだ?」
「退くしりぞべき時かもしれない、重い責務は誰かに任せて」
「ああ、そうか、おまえは優秀な指揮官だが、代わりはいるさ。おまえ
がどう決めようと、私は応援する。だが、まあ、もし、スワフォードが
ここにいたら、いくつか言いたいこともあるだろうがな」
「でも、彼はいない。私はそれを言っているんだ」
「自分でもう少し考えたほうがいい。私は、かわいい孫と食事の約束が
ある。じっくり、考えてみるんだな」
その時、オフィスのドアの脇を、紳士帽に背広を着て眼鏡をした長身
6
5
の男性が、ゆっくり横切ってゆくのが見えた。
「誰だ、あれは?どこ行った?」
あわててその男のあとを追ってオフィスを出たシスコ大佐を、コント
ロールパネルにいたダックス中尉とキラ少佐は、いぶかし気に見上げた。
「誰が?」ジョセフも出てきて言った。
「今、ドア
|
パターン
/FB2/Pattern/
うす暗くなって、足をどけるか、
通り過ぎるまで、明かりが必要になった。それだけだった。
彼らは、人間には、なんの注意も払わなかった。そして、彼らと対話
しようとする、あらゆる試みは、陸軍や空軍によるあらゆる攻撃がそう
であったように、同じように、失敗におわった。彼らめがけて撃たれた
砲弾は、たしかに彼らの内部で炸裂したが、まったく、効果がなかった。
1匹が、砂漠を横断しているあいだに落とされた水爆でさえ、ほんのか
すり傷さえ与えられなかった。
彼らは、われわれには、なんの注意も払わなかった。
「それにさぁ」と、ミスメーシー。妹に。妹も、ミスメーシーだった。
というのも、ふたりとも、未婚だったからだ。
「彼らは、どんな危害も加えないのが、証拠よ、そうでしょ?」
「わたしも、そう、望みたいわ、アマンダ」と、妹のミスメーシー。
「でも、見て、彼らは、なにかしているわ」
その日は、天気のよい日だった。すくなくとも、すこし前までは。空
4
3
|
天使は淋しい道を行く
/TS/LonelyRoad/
「そうとう、ビビりまくってたぜ!」と、ひとり。また、ウィスキーの
小瓶を飲みあった。
そのとき、リチャードが立っているのに、気づいて、笑うのをやめた。
「ごあいさつに、帰ってきたのか?」と、若者。
「おまえたち、どこの石の下から、はい出てきたんだ?」と、リチャー
ド。
「だから、都会のやつはイヤなんだ!ユーモアのセンスってものが、ね
ぇんだからな!そういう口の利き方をするやつは、虫がすかねぇんだ!」
ひとりが、こぶし大の石を拾って、身構えた。
「つきあいにくい野郎とは、つきあわねぇことにするよ!」
もうひとりも、落ちていた棒を手にした。
3人は、身構えた。しかし、急に、若者は、ケンカの姿勢をやめた。
シスターが、ゆっくり、歩いてきた。そして、若者のひとりの、頬を
平手打ちした。
70
69
もうひとりも、石を持った手を下げた。シスターは、その若者の腕を
ひっぱって、なら
|
ドール
/XF/Chinga/
◇
深夜、メリッサの家の前に、パトカーが来て、スカリーとジャックが
降りた。
「バディの車だ」と、ジャック。別の白い車が、斜めに停めてあった。
ふたりは、家に向かった。
メリッサは、ポリーを寝かしつけると、かなづちと釘を戸棚にしまっ
て、南京錠をかけた。キッチンに戻って、石油ストーブを倒して、灯油
をまくと、マッチをすろうとした。
66
65
「メリッサ!」と、ジャック。玄関のドアをノックした。スカリーは、
窓からカーテンごしにのぞいた。
「なにか、見えるか?」
「いいえ」と、スカリー。裏に回った。
「メリッサ!」と、ジャック。ノックを続けた。
メリッサは、キッチンでなんどもマッチをするが、火がつかなかった。
「メリッサ!」玄関でノックする音が聞こえた。
やっと、1本のマッチに火がついた。
「ママ!」と、ポリー。キッチンまで、来ていた。
ポリーが抱いている人形が、
|
歩兵
/FB1/Sentry/
歩兵
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、ぬれて、泥だらけで、ひどくおなかがすいて、寒かった。しか
も、故郷の星から、5万光年も離れた星にいた。
奇妙な青い太陽が、かがやいていた。重力も、彼の星の2倍もあって、
動くのも、困難だった。
1万年のあいだ、戦況は、変わらなかった。空軍のパイロットたちは、
流線型の宇宙船に、ファンシーな武器が使えて、上機嫌だった。チップ
が地上にバラまかれると、歩兵めがけて、地面をはってきて、足という
足は、すべて、血で染められた。
2
1
このひどい惑星に、上陸するとは、彼は、まったく、聞かされていな
かった。惑星の地表は、エイリアンたちも、そこにいるがゆえに、神聖
なる戦場だった。そのエイリアンたちは、この銀河に存在する、われわ
れ以外の、唯一の知的生命体であった。冷酷で、みにくく、考え
|
帰ってきたカーン
/ST/StarTrek2013/
追跡されています」と、スポック。
「この地区は、無人だろ?」と、カーク。
「抜き打ちのパトロールです」と、ウラ。
「つかまれ!」カークは、船を加速させた。
「この船に、攻撃手段は、ない」と、スポック。
「オレたちが、手段だ。エンジン全開!」
「はい、船長」
貿易船は、廃墟の都市へ入りこんで、ビルの間を飛行した。
クリンゴン船が、砲撃を開始した。
「おっと!」と、カーク。砲撃を寸前でかわして、飛行した。
「近づいています」と、ウラ。「方位285」
「よし、あそこで、追手をまく!」と、カーク。前方に、わずかにビル
の隙間。
「あの建物の隙間に」と、スポック。「入はいろうというつもりなら、この
96
95
船ではムリです」
「入はいれる」
「船長、入はいれません」
「入はいれる、入はいれる、入はいれる」
貿易船は、扁平な形で、上下をこすりながら、通り抜けた。
クリンゴン船は、寸前で停
|
葬送曲
/FB3/Recessional/
王を守るためにわれわ
れが整列したときだった。
それは、司教の邪教の始まりでしかなかった。司教は1つの神を信ず
るのをやめ、いっしょにゲームをプレイする神々を信ずるようになった。
神々はわれわれを人間として扱いもせず、戦う動機もわれわれのもので
はなく、われわれは、無用な戦いにくり出された操りあやつ人形に過ぎないと
信じていた。さらに悪いことに━━━なんというバカげたことだろう!
━━━ホワイトはかならずしも善ではなく、ブラックはかならずしも悪
ではないという。宇宙のスケールから見たら、どちらが戦いに勝とうと
問題ではないという。
4
3
2
もちろんこれは、私にだけしかも囁かささやれたものだった。司教は心の安
らぎをのぞんでいたのであって、彼の言ったことは彼の意思ではなかっ
たのだ。
忠誠心がなければ、われわれはなにものでもない。チボルト司教はと
んでもない間違いを犯し
|
聖なる神殿の謎
/ST/DS9_1_1_1/
そんなものはない。センサーにはな
んの反応もない」
「当然よ、突然、消滅したの」
「なんだと?」
「人工的に作られたワームホールなのよ。そのせいで、我々のセンサー
にも量子変動のパターンが見られなかったんだと思うわ」と、ダックス
中尉。
「何者かがワームホールを作って、突然、都合よく消したとでもいうの
か?そんなみえすいた嘘を、どこのだれが信じるんだ?」
「その通りだもの、信じてもらうしかないわ!」
カーデシア船は、通信を切った。
「反軽粒子妨害波を亜空間に送っています。艦隊との交信を邪魔する気
です」
「敵は、フェーザー砲を準備中です」と、オブライエン。
「非常警報!シールドアップ!」と、キラ少佐。
110
109
「未調整です!」
「また、通信波です」と、ダックス中尉。
「チャンネル、オン」
「都合のよい作り話には、誤魔化されんぞ!デュカットの船は、おまえ
たちの手で、撃墜したんだ
|
囚人のピアノ
/TZ/TheConvictsPiano/
1
刑務所の屋上。休憩時間。
リックは、目をつぶって、頭の中で、軽快なジャズピアノを演奏して
いた。台の上に置いた、両手の指が動いていた。不思議に思った、フレ
ッドが、横に座って、動く指を見ていた。
フットボールをしていたサムが、ボールを追って、ふたりにぶつかっ
てきた。サムは、追ってきたもうひとりに、タックルされた。
「ふざけるな!」と、サム。相手を突き飛ばしてから、ナイフを出した。
「来い!」
それを見て、リックが、サムにぶつかっていった。
すぐに、監視人がやってきた。
「やめろ!」と、監視人。ふたりを、引き離した。
「覚えてろよ!」と、サム。
「手を切られた」と、リック。監視人に、左手を見せた。シャツが血で
汚れていた。
◇
医務室。
4
3
「感染には、注意が必要だが、傷自体は、軽い」と、医師。
「利き手じゃなくて、よかった。左手は、使わない」と、リ
|
サアルバの国
/FB1/DeathOnTheMountain/
太かった。
彼女は、着ているものをぬいで、寝床に横になった。眠りながら、彼
女は、何気なく手ではらいのけると、毛布が床に落ちた。キャンドルは、
まだ、テーブルの上で燃えていた。
キャンドルの炎の光が、彼女の胸のあいだの、白いくぼみにある、小
さな黒の十字架を照らした。炎は、上下に、揺れた。
彼は、消灯時刻のベルを聞いて、山頂へ行く時間であることに気づい
た。3日目の夜だったからだ。
山から、嵐が降りてきた。風は、小屋のまわりで叫ぶように、吹き荒
れたが、女性は、目覚めなかった。
彼は、嵐のなかへ出て行った。風は、かつてないほど、冷酷だった。
恐ろしい手が、彼の心臓を、わしづかみにした。だが、あの星は、待っ
ていた。
寒さが、さらに厳しくなり、夜の黒が深まった。雪の毛布は、彼が倒
れた地点をおおいながら、山の上を漂っていた。
朝、女性は、解けた雪の上にある、赤いサンダルを見つけて、谷に持
12
11
|
ナイトゥアンディ
/SY/KAndDy/
と、女性。
「うん?」と、係員。
「古い車をリストアするので」
「うん?」係員は、いぶかしげに円筒の装置を手にした。
「それは、ドライヤー!」
◇
空港ロビー。
女性がカートカバンを引きながら歩いていると、また、サングラスの
男にぶつかった。
「あ、すいません」と、女性。
「あ、いや」と、男。「ぶつかるのが、くせになった!」
「ごめんなさい」女性は、男が雑誌を拾うのを手伝った。
「ありがとう」と、男。
「どうも」
「ボストンへ?」
「ええ」
「12番ゲート!」
8
7
◇
12番ゲート入り口。
「よいフライトを!」と、係員。ゲートの旅行者に。
ジーパンの女性が、やってきた。うしろに、サングラスの男。
「こんにちわ」と、係員。
「どうも」と、女性。搭乗券を出した。
「あ、この便ではありませんね」と、係員。コンソールを見ながら。
「そう?10分前にチェックインしたのよ
|
報復戦隊
/FB3/Fleet/
しかし戦争は、歴史上最短で終結した。地球と火星の連合戦隊は、戦
争をやめ、地球と金星の途中で侵略者を迎え撃った。こちらは数の上で
敵を圧倒し、侵略者を宇宙のかなたへと吹き飛ばし、完全に追い払った。
2
24時間以内に、地球の首都アルバカーキで、地球と火星は平和条約
を締結した。火星の独立を認め、太陽系で唯一住居可能となった2つの
星のあいだの恒久的な同盟を結んだ。侵略者の本拠地を見つけ、2度と
太陽系が侵略されないように破壊する報復戦隊も計画された。
地上と数千マイル上空の衛星の探査装置が、金星を救う時間はなかっ
たが、侵略者の侵入を探知していた。探査装置の記録から、侵略者がや
ってきた方角は判明したが、正確な距離までは分からなかった。
4
3
3
光速を越えるスピードが出せるCプラスドライブは、発明されたばか
りで、実際に使用されていなかった。太陽系内の
|
ハンスカーベルのリング
/FB3/HansCarvel/
彼女を満足させるには十分では
なかったかもしれなかった。かもしれない?はっきり言おう。十分では
なかったのだ。不自然にならないように、ハンスカーベルは、調査を依
頼して、妻が浮気をしていることを知った。ハンスカーベルは、心が動
揺して苦しみ、夜眠るたびに悪夢に悩まされた。
2
その悪夢のひとつに、ある夜、デビルが現われた。ハンスカーベルは、
悩みを打ちあけて申し出た。
「なにか妻の貞操ていそうを保証してくれるものがあったら、ここにあるお金で
譲ゆずってほしいのだが!」
「もちろん、いいとも!」と、デビル。「魔法のリングをあげよう。目
覚めたら、リングがあるよ。そのリングをはめている限り、きみの奥さ
んがきみに隠れて浮気をすることは不可能だ」
4
3
デビルは、消えた。
ハンスカーベルは、目覚めた。
そしてリングをはめていることに気づいた。
悪魔が約束したことはホン
|
暗黒の地球帝国
/ST/ENT_4_5_2/
水爆実験、空母に着艦する戦闘機。魚雷発射の海中の潜水艦。魚雷命
中の別の潜水艦。進軍する戦車。ミサイルで撃墜された戦闘機。多量の
爆弾投下の爆撃機。
ロケットが発射。月で飛行士に掲げられた、地球帝国の国旗。
宇宙で分離される核弾頭。
エンタープライズが宇宙から、つぎつぎに敵の都市を爆撃し、放たれ
た爆弾で破壊されたビル群。何台ものエンタープライズが、多くの敵の
宇宙船を攻撃。
そして、宇宙に君臨する、地球にナイフのささった、地球帝国の紋章。
4
3
1
「航星日誌、2155年1月13日」と、エンタープライズ船長。「コ
リアンステーションを発たち、急襲部隊との合流ポイントを目指す」
エンタープライズは、宇宙を航行していた。
「リード少佐とドクターが、最新プロジュクトのお披露目ひ ろ めをするそうだ」
◇
医療室。
拷問ブースの中で、豚の鼻をした、異
|
ユスタックウィバーの短い生涯1
/FB3/Weaver1/
ユスタックウィバーの短い生涯1
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。競馬
なら、2ドルから始めて、すぐに数千ドルにできるだろう。
2
1
1
しかし、顔見知りのノミ屋がすぐに破産してしまい、ほかにノミ屋を
知らなかったので、競馬場に行く必要があった。今やっている競馬は、
南カルフォルニアとフロリダだけで、どちらも同じ距離、飛行機代は、
だいたい100ドルだ
|
ファーストコンタクト
/FB3/Contact/
そうすれば━━━」
4
3
2
火星は、長いあいだ地求人が来るのを待っていた。火星に残されたも
のは、人口900人だけの小さな村だけだった。火星の文明は、地球よ
り古かったが、死にかけていた。1つの村と900人の人間、それだけ
が残された。彼らは地球とコンタクトがとれる日を待ち望んでいた。そ
れは、利己的な理由と、利己的でない理由があった。
火星の文明は、地球の文明とは、まったく違う方向に発展した。火星
では物理科学は発展せず、技術もなかった。しかし社会科学は発展し、
この5万年のあいだ、ひとつの犯罪もひとつの戦争も発生しなかった。
物理学を越えた科学、つまり心の科学が発展していた。これは、地球で
は、発見しかけたばかりだった。
火星は、多くのことを地球に教えられるだろう。犯罪や戦争をいかに
回避するかは、2つの単純なことだった。これから始めて、さらにテレ
パシーやテ
|
黄の悪夢
/FB2/NightmareInYellow/
ほかのメリットもあった。もしも、妻が生きたままだったら、
次の朝、起きたときに彼がいなければ、なにか心配して、警察を呼ぶか
もしれない。しかし、殺しておけば、死体はしばらくは、見つからない
だろう。たぶん、2・3日は。これは、さいさきのよいスタートとなる
はずだ。
3
事務所では、ものごとは、スムーズに進んだ。約束の時間になったの
で、妻を迎えにいって、すべては予定どおりだった。しかし、レストラ
ンで、妻は食事に時間をかけていたので、家に8時46分に戻れるか、
心配になってきた。それは、バカげたことだとわかったはいたが、彼に
とっては、自由になる時間がすごく重要で、1分早くても、1分遅くて
もだめだったのだ。腕時計を見た。
家の中に入るまで、待つべきだったが、1分おくれそうだった。家の
ポーチは、暗く、家の中と同じくらい、だれかに気づかれる心配はなか
ったので、そこで、彼は、ドアの前に立って、ドアを開けるのを待って
いる妻に、ジャックナイフを一突きした。
妻が倒れる前に、片手でささえてまっすぐ立たせたまま、別の手で、
ドアを開け、なかへ入ってから、ドアを閉めた。
8
7
|
ナッシングシリウス
/FB2/NothingSirius/
どこかに着いたとしても、どことも言えなかっ
た。
24
23
ちょうど、そのとき、オレたちは、小さい丘の頂上まで来て、そして、
立ち止まった。目の前に、舗装道路が始まっていた。
普通に、地球の都市によくある、プラスチック製の舗装道路で、カー
ブや歩道や排水溝もあって、ペンキで塗られた、中央線もあった。ただ、
その道路は、オレたちが立っているところから、急に、始まっていた。
そして、そこからは、少なくとも、つぎの丘の上までは続いていた。見
える限りには、1軒の家も、1台の車も、それに、1匹の生物も、いな
かった。
5
オレは、エレンを見た。彼女も、オレを見た。オレたちは、ママを見
て、ジョンレーンを見た。彼も、オレたちを見た。
「ジョニー、なにかな?」と、オレ。
「道路に見えます、船長」と、ジョニー。
オレが、じっと見たので、彼は、すこし赤くなった。腰をかがめて、
道路を調べ、驚きの目をして、立ち上がった。
「どうした?冷凍キャラメル製かい?」と、オレ。
「耐久プラスチック製です、船長。われわれは、この惑星の発見者では
26
25
|
致命的なミス
/FB3/FatalError/
「逮捕状?」と、ウォルター。「なんの?」
「不法侵入と窃盗せっとう。きみの叔父お じさんが、寝室のドアのところで一部始終
を見ていた。きみが行くまで静かにしていて、それからダウンタウンに
来て通報した」
エピローグ
ウォルターバクスターは、アゴを撃ちぬかれた。やはりミスをしてい
たのだ。
完全な殺人計画だったが、どろぼうに夢中になりすぎて、肝心なこと
を実行するのを忘れていた。
(終わり)
6
5
|
武器
/FB2/TheWeapon/
1
グラハムは、このようなときに、もっとも創造的で、すばらしい仕事
をした。昼間の雑用から解放されて、自宅の薄暗い室に、ひとりすわり
ながら。しかし、今夜は、彼の心は乱れて、建設的な方向に進まなかっ
た。考えていたのは、隣の室にいる、精神的に未発達の息子のことだっ
た。おもに感じていたのは、愛情であって、数年前に、息子のことを初
めて聞かされた時に感じたような、怒りでは、なかった。少年は、幸せ
だった。それで、じゅうぶんではないか?子どもが、いつまでも子ども
で、親元を去ることのない子どもを、どれだけ多くの人が持てるという
のだろうか?たしかに、そう考えるのは、理にかなったことだ。間違っ
た理屈かもしれないが。そのとき、玄関のベルが鳴った。
グラハムは、立ち上がり、玄関へ行く前に、ほとんど暗くなった室の
電気をつけた。思考を中断された、イラつきはなかった。今夜ばかりは、
中断されたことを、むしろ歓迎した。
玄関のドアをあけた。
「グラハム博士ですか?」と、見知らぬ男性。「私は、ニーマンドです。
少し、お邪魔してもいいですか?」
男は、背が低くく、特徴的なところもなく、見たところ、まったく無
害そうだった。たぶん、どこかの記者か、保険の勧誘かなにかだろう。
4
3
しかし、彼がなにものかは、どうでもよかった。
「ええ、どうぞ、ニーマンドさん」と、グラハム。思考の転
|
“スペーステロリスト”ターナロス
/ST/DS9_1_1_2/
カーデシア人だけでなく、邪魔なベイジョー人まで、
みさかいなく殺している。確か、先月の政府高官の暗殺にも、犯行声明
を出していたはずだ」
「でも、ターナは別です」
「コーマの一員か?」
「ええ、でも」
「かばう気なら、任務からはずれてもらう!どっちつかずの気で任務に
あたられるのはごめんだ。彼がコーマのテロリストなら、このステーシ
ョンを隠れ蓑にして、破壊活動を続けるおそれがある」
「私は、ベイジョーの利益を優先します。どっちつかずの気じゃないわ。
今のベイジョーには、ターナロスのような強い意志を持った人間が必要
なんです」
「カーデシアを倒せればテロも許すというのか?」
「我々が強力な独立国家をもう一度築きづくためには、コーマのようなテロ
リストグループは、いわば、必要悪です。はっきり言えば、ターナは我
々にとって、希望の光なんです、見殺しになんかできません」
医療室では、ドクターベシアがターナロスの治療にあたっていた。
「様子はどう?」と、キラ少佐。
「2度の火傷やけど、裂傷に脳震盪、でも、過去の傷に比べれば軽いもんだ」
と、ドクターベシア。
14
13
「過去の傷?」と、シス
|
殺人レッスン
/FB4/Lesson/
そろそろ話を先に進めよう。スティンキーエバンズに戻って、レッス
ンその1から。その時、スティンキーは14才で、ギャングの仲間だっ
た。土曜の夜はいつも、10セントストアを襲ってポケットをいっぱい
にして店を出てくるようなギャングだった。ほとんどの連中はうまくや
っていて、つかまることはめったになかった。
ハリーキャランは、ギャングの親玉だった。ハリーは、ほかの少年た
ちよりすこし年上で、コネがあった。かみそりの刃やレコードプレーヤ
ーの針やらの20ドルの価値はありそうな雑多な寄せ集めを、ハリーの
4
3
ところへ持ってゆくと、5ドルの現金に交換してくれた。そのアイデア
とやつの鉄拳と巨漢を生かして、ギャングたちを支配していた。
スティンキーエバンズの殺人レッスンその1は、ハリーキャランがス
ティンキーの地獄のドアをノックした午後に始まったといえるだろう。
とくに理由があった
|
3つの願い
/XF/JeSouhaite/
楽しくなって、作業を続けた。
見えない死体の全身が、黄色いパウダーで、見えるようになったころ
には、モルダーも来ていた。
「塗り残しがあるぞ!」と、モルダー。「尻が丸見えだよ!これが、ア
ンソンストークスか?」
「そうよ」と、スカリー。塗り残しに、黄色いパウダーを塗りながら。
「歯型で確認したわ。自宅から、1マイルぐらいのところで、見つかっ
たの。たぶん、車にはねられたか、なにかね」
「そして、目に、見えない!」
「ええ、その通りよ!」と、スカリー。「この7年間で、信じられない
ようなことに、さんざん出くわしたけど、でも、これは━━━これは、
特別よ!まさに、科学の常識を、くつがえす、できごとだわ!」
「たしかに、驚きだ。でも、この件と、科学は、関係ないだろう。この
前の、ミスターディスコだけど」
モルダーは、倉庫で見つけた、写真の拡大コピーを見せた。
「それが?」
「彼について、調べてみた。名前は、ヘンリーフランケン。一夜にして、
大金持ちとは、彼のことだよ。77年には3万6千ドルしかなかった資
34
33
産が、翌78年には、3千万ドルになってる。プラス、この男の死に方
とい
|
地球人は出ていけ
/FB1/KeepOut/
地球人は出ていけ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ダプティンというのが、略称だ。最初は、アダプティンと呼ばれてい
たのが、ダプティンと、略されて呼ばれるようになった。それは、ぼく
たちを、適応させてくれるのだ。
10才の時に、みんなに説明された。彼らは、ぼくたちが10才にな
らなければ、理解できないと思っていたようだが、みんなは、すでに、
多くを知っていた。火星に着陸すると、すぐに、話してくれた。
「きみたちの故郷だよ、生徒諸君」と、主任の先生。ぼくたちのために
建設してくれた、プラスチック製のドームに入ってから、講義が始まっ
た。この夜の、特別講義は、とても重要なもので、全員、出席するよう
に言われていた。
その夜、先生は、ぼくたちに、なぜなのかやなんのためにも含めた、
すべてを、話してくれた。先生は、ぼくたちの前に立っていた。もちろ
ん、寒さを遮断する宇宙服を着て、ヘルメットをかぶっていた。ドーム
2
1
の気温は、ぼくたちにとって、適温だったが、先生にとっては、すでに、
凍るように寒く、空気も、すでに、先
|
フィッシュストーリー
/FB3/FishStory/
巻貝の
トランペットを吹くわ!」
ふたりは、腕を互いの腰にまわして待った。
やがて、海のはるか沖から巻貝のトランペットが聞こえてきた。
ロバートはすぐに服を脱ぐと、ロレーヌを抱いて海に入った。
ふたりは、泳いで、トリートーンがいるところに着いた。
「おまえたちは、結婚で結ばれたいのか?」と、トリートーン。
「そのとおりです」と、ロバートとロレーヌ。声を合わせて、強く。
「ならば」と、トリートーン。「ここにわしは、おまえたちを人魚の夫
と人魚の妻と宣言する」
すると、ロバートは、足で水中を蹴らなくてもよいことに気づいた。
強くしなやかな尾でひとかきすれば、やすやすと水面に浮かんでいられ
た。
トリートーンは、耳をつんざく音で巻貝のトランペットを吹くと、泳
ぎ去った。
8
7
エピローグ
ロバートは、妻のところへ泳いでいって、腕をまわしてキスをした。
しかし、なにかが
|
ジバゴ
/SY/Zhivago/
トーニャ。
「そうだ。たまには、町に出ろ!気分もかわるぞ」と、叔父。
176
175
「ユリアティンになにか、あります?」と、ユーリ。
「都会とは違うが、りっぱな図書館があるぞ。まだ、あればだが」
「行ってらっしゃいよ」と、トーニャ。
「いや、やめておくよ」と、ユーリ。「どうせ、道も通れまい」
◇
やがて、陽射しがさして、窓の雪をとかした。春が来て、黄すいせん
が咲きほこった。白樺の白い木肌に、黄がよく似合った。
ラーラは、ユリアティンの図書館で働いていた。ユーリが入り口で、
入館証に記入しているときに、ラーラは気づいていた。ユーリは、歩い
てきて、階段のところで立ち止まった。
「ジバゴ」と、ラーラ。
「ああ」と、ユーリ。「元気だった?」
「どうして、ここにいるの?」
「ベリキノに住んでいる」
「ベリキノに?」
図書館の仕事を終え、ラーラは外へ出た。ユーリがいっしょだった
|
イェフディの法則
/FB2/TheYehudiPrinciple/
「熱いブラックコーヒーを2杯頼む。カップに入れて」
38
37
オレは、頭を下げた。なにも起こらなかった。オレは、このことをあ
る程度、予想していた。
チャーリーは、オレの頭からヘッドバンドをつかみとると、自分で試
した。
「イェフディは死んだんだよ!」と、オレ。「小人は自分を撃ったのさ。
もう、なにもできない。オレがコーヒーをいれる」
オレは、やかんをホットプレートにのせた。
「チャーリー」と、オレ。「仮に、みんなイェフディがしていたとしよ
う。きみは、イェフディの限界をどの程度知っていたんだい?たぶん、
彼は、リリーセントクレアも━━━」
「黙って!」と、チャーリー。「今、考えてるんだ」
オレは、黙った。チャーリーは、考え始めた。
コーヒーができたときまでには、自分が言ってることのバカらしさに
気づいた。
コーヒーを出した。チャーリーは、ずっと、薬の容器のようなものを
あけて、なかを調べていた。スイッチを作動させる小さな振り子や多く
のワイヤが見えた。
「分からないな。どこも壊れてない」と、チャーリー。
「たぶん、電池じゃないか?」と、オレ。
懐中電灯を出してきて、
|
ヴァヴェリ
/FB/TheWaveries/
インク入れやらが飛ん
14
13
で来た。それらを、すばやく身をかわして、よけながら、ドアの外に出
た。
待っていたメイジーをつかまえて、階段へ走った。
「さぁ、飲みにゆこう!」と、ジョージ。
◇
放送局のビルのはす向かいのバーは、混んでいたが、奇妙に静かだっ
た。客の大半は、テレビ関係者であったため、バーカウンタ正面には、
大きな液晶テレビがすえられて、そのまわりに、人々が集まっていた。
「ジ━」と、テレビ。「ジ━ダ━ダダ━ジ━ダ━ダ━ダジダ━ジ━」画
面は、乱れたままだった。
「美しい響きだ」と、ジョージ。メイジーに囁いささやた。
誰かが、チャンネルをかえ、誰かが、たずねた。
「どこの周波数バンド?」誰かが、答えた。「警察だよ」「海外に、合
わせてみたら?」「ここは、ブエノスアイレスのはずだけど」
「ジ━ダダ━ジ━」と、テレビ。
誰かが、自分の髪をかきむしってから、
|
レッドダイアモンド
/RD/RedDiamond/
あんたは分からないだろうが、やつも分かってない。オレはまた堕落だらく
する。またいかがわしい仕事に戻るなんてできない。それなら死んだ方
がましだ」
「どういう計画だったんだ?」
「防犯システムに細工する計画だった。数日して、日本人の男が加わっ
た。オレたちは、リトル東京のすし屋で会った。オレの役割の説明を受
けた」
「その男の人相は?」
「35才くらい。背は5フィート8インチくらい。顔立ちは良く、短め
の黒髪。全身に刺青いれずみがあった。龍とサムライとおかしな模様。やつには
小指の先が片方なかった」
「なに?」
「小指の先。左か右か忘れた。聞いたところでは、その理由は━━━」
「オーケー。ランダールとはその後会ったか?」
トッドは頭を振った。「会って話したのは1度だけで、そのときに脅おど
された。マンフレッド氏にも、なにか脅おどすようなことをしたようだ」
568
567
「どんなふ
|
失われた文明3永遠の生命
/FB3/Discovery3/
失われた文明3永遠の生命
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
20世紀に発見されたが失われた大きな発見の3番目は、永遠の生命
の秘密だった。
これは、はっきりしないが、モスクワのイバノビッチスメタコフスキ
ーという化学者が1978年に発見した。スメタコフスキーは、どのよ
うにして発見し、どのようにしてそれを試す前に有効なことを知ったの
かについての記録を残さなかった。2つの理由から、彼がそれを身が凍こお
るほど怖おそれていたからだ。
2
1
1
スメタコフスキーは、それを世界に発表することを怖おそれていた。自分
の政府にさえ、一度報告すれば、秘密はすぐに鉄のカーテンを漏れて、
世界に混乱をもたらすだろう。USSRはうまく処理できるだろうが、
ほかの野蛮で不道徳な国では、永遠の生命の薬は、たちまち人口爆発を
も
|
いつもふたりで
/SY/TwoForTheRoad/
「ヘーイ!」と、ジョアンナ。車は、一周して戻ってきた。「わたしを
覚えてる?ジョアンナよ!」助手席に乗り込んだ。
「しっ!」
「なにか?」
「ほら、ドンク!」
「ドンクって、どんな?」
「中くらいの、不安なドンク!ほら、ドンク!」
車は、走り出し、港を出て、畑の間を抜けて、走った。
「いつから、だめに?」と、今のジョアンナ。また、テーマ曲が聞こえ
14
13
た。「MGで初めて、ケンカしたとき?」
「あの旅は、楽しかった」と、今のマーク。
「そうね、幸せだった」
「わたしたちも、一人前ね!」と、MGの運転席のジョアンナ。
「まだ、不吉なドンクだ!」と、MGの助手席のマーク。「ドンク、ド
ンク!」
「エンジン周りよ!」
「だろうな!」
車は、また、テーマ曲に包まれた花畑を過ぎて、川の渡し船に。
「太陽の下の午後は、1年ぶりだわ。帰宅すると、いつも真っ暗だった
もの」と、ジョアンナ。車
|
ギーゼンスタック家
/FB1/TheGeezenstacks/
たぶん、夜
ふかしの習慣だったろう。これは、むしろ、両親の間違いだった。じっ
さい、オーブリーは、自分から、眠いのでベッドへ行きたいと言いだす
まで、服のままで、夜ふかしを許されていた。5才や6才のころでさえ、
夜の10時前に、ベッドへ行くことは、めったになかった。母がしつけ
に気をつかっていた、最初のころは、早めにベッドへ行かされたが、そ
れでも、眠らないで、別のことをしていた。それなら、夜ふかししても
同じことだ、ということになったのだ。
9才の今も、両親と同じ時間まで、夜ふかしをしていた。ふつうの夜
なら、だいたい、11時まで、ブリッジの仲間がいたり、外出した夜は、
11時よりもっとおそくなった。外出するときは、おそくなっても、た
いてい、オーブリーもいっしょだった。オーブリーは、どこへ行っても、
4
3
楽しかった。劇場のいすに、ねずみのようにじっとしていたし、ナイト
ク
|
天使が死ぬ時
/TS/TheHabit/
お怪我でも?すぐに誰か呼んで、手当てさせましょう」
「いやいや、自分でやりますから。できることがあれば、いつでも、声
をかけろと言ってくださいましたね?それで、うかがったんです」
「どんな、お役に立てそうですの?」
「片腕の男のジョンソン、家内を殺した男の話は?」
「覚えています。見つかりましたの?」
「らしいんです。その男をさがし歩くのに、疲れましてね。情報を買う
ために、金をためたんです」
「買うとおっしゃると?」
8
7
「これです」リチャードは、写真を見せた。「これを、買いました。2
日前、タールトンで撮った写真です。もぐりの富くじを、やっているら
しいです。数を当てるやつです」
「この人が?」写真には、レストランのカウンターに座った、片腕の男
が写っていた。
「お客から、金を、集めたり、払ったりするんです」
「もし、居場所がわかっていらっしゃるのなら」
「写真だけでは、正確
|
幻の指揮官
/ST/VGR_6_1_4/
「だけど、あなたの、この提案は、━━━なんて、タイトルだった?」
「ECH、緊急司令ホログラムです」
「アイデアとしては、おもしろいけど、私が指揮不能に陥 おちいった時のため
の、艦長のバックアップなんてね。でも、プログラムの改良に、何か月
もかかるわ」
「いつか、クルーの生死がかかわる時がきます」
「残念だけど、答えは、ノー。でも、正式な回答として言うけど、この
提案は考慮に値すると、艦隊に報告するつもりよ。アルファ宇宙域に戻
ったら、かならずね」
「ありがとうございます」と、ドクターは、自分が提出したパッドを受
け取った。
22
21
「どういたしまして」と、ジェインウェイ。退席するドクターを見送っ
た。
◇
ドクターは、自分の要望が、通らなかったことに、がっかりした様子
で、つき返されたパッドを眺めながら、医療室に戻ってきた。ドアがあ
くと、風船で飾られた食堂で、ヴォ
|
八甲田 歩のスペースドライバー日誌
/RM/SpaceDriver/
タワー
「東京駅まで!」と、料亭のおかみさんふう女性。
「ここからだったら、新目白通りを抜けてゆくのが断然早いわよ!」
「いいわ、私が教えてあげる!そこの高戸橋を右に曲がって新目白通り
に入ってくれる?」
「高速道路に沿って、飯田橋を抜けて」
「皇居に出たら、お堀ぞいに行くと」
「ほら、東京タワーが一番よく見える場所に出るから」
「ここで左折すれば、正面が東京駅よ!」
「あら、今夜のタワーは、ずいぶんブルーなかんじだこと!」
2
1
想おもふ雲
「それって、なんなの?」と、女の子。
「どれ?これなら、安全の全の字よ」と、お母さん。
「金の字かと思った!」
「あら、金の字も忘れてしまったの?最近、覚えたばかりじゃない?」
「知ってるわよ!ただ、金の字をそう書く人もいるのかなって思ったの」
4
3
|
ファブクリップ
/FB5/FabClip/
オレが戻ったとき、みんなになんて言えばいいのか分からなかった。
ただ、だれとも話したくなかった。「おやじは死んだ」と、言えるよう
な気がまったくしなかった。
警察とも話したくなかったし、葬式について考えたくもなかった。お
ふくろとガーディが戻るのを待っていたが、帰ってこないのは好都合だ
った。ふたりとも話したくなかった。
オレはおふくろ宛のメモを残し、アム叔父さんさんに会いにジェーン
ズビルへ行くと伝えた。おやじが死んだ今、おふくろもオレがアムに会
うことに口出しできないだろう。
オレは、そんなにアムに会いたいわけでもなかった。ジェーンズビル
へ行く口実になるからだ。
30
29
オリンズ通りからキンジーに出て、橋を渡って運河の先、シカゴ鉄道
マジソンストリート駅に行った。ジェーンズビルを通るセントポール行
きは、11時20分だった。切符を買って、駅のベンチで待った。
|
グレーの悪夢
/FB3/NightmareInGray/
暖かい太陽の影は、
寝ているあいだにわずかに角度を変えた。公園のベンチで座ったまま、
わずかに頭が下がり、前のめりになっていた。
公園は、夏よりやさしい春の緑であふれていた。その日は、重要な日
で、彼は若く、恋に落ちていた。すばらしい恋。目がくらむ恋。幸せに
なれたのは、昨夜のことで、土曜の夜だった。
2
1
彼は、スーザンに結婚を申し込み、スーザンはそれを受け入れたよう
に見えた。スーザンは、イエスと言う代わりにこう言ったのだ。
「そうね、返事をする前に、あした、うちに来て、家族に会ってほしい
の。うちの家族みんなを愛してほしいし、わたしと同じように、うちの
家族みんなもあなたを愛すると思うわ」
これがオーケーでなくてなんだろう?ふたりはあきらかに恋に落ちて
いた。それで、彼は、スーザンの家族に会いに来たのだ。
1
スーザンは、やわらかい茶髪に、キュ
|
空想せよ
/FB1/Imagine/
空想せよ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
空想せよ。
さまざまな幽霊。神々。悪魔たち。
空想せよ。
いろいろな地獄や天国。空中に浮遊する都市や、海中に沈んだ都市。
ユニコーンやケンタウロス。魔女や魔法使い。精霊のジンやバンシー。
天使やハルピュイア。魔力や魔法。4大元素、守護神、悪霊。
空想するのは、かんたんだ。
何千年のあいだ、人類は、これらすべてを、空想してきた。
2
1
空想せよ。
宇宙船や未来を。
空想するのは、かんたんだ。
未来は、現実にやってくるし、宇宙船も登場する。
それでは、空想するのは、むずかしいものは、あるだろうか?
もちろん、ある。
空想せよ。
ひとつぶの物質を。
そのなかに、あなたがいて、目覚め、考え、
それゆえ、自分が存在することがわかり、
自分が入っている、ひとつぶ
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おばばのバースデイ
/FB3/GrannysBirthday/
おばばのバースデイ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ハルペリン家は、とても強い絆できずな結ばれた家族だった。ウェードスミ
スは、非ハルペリン家のふたりのうちのひとりで、自分には家族がなか
ったので、この結びつきがうらやましかった。しかし、羨望せんぼうは、手にし
たグラスの柔らかい光のなかに閉じ込めた。
きょうは、ハルペリンおばばの、80才のバースデイパーティであっ
た。
2
1
1
スミスともうひとりを除いた全員が、ハルペリン家でハルペリンの姓せい
だった。おばばには、3人の息子と娘がひとりいて、みんな集まってい
た。3人の息子はみんな結婚していて、妻たちもいた。おばばも合わせ
て、8人のハルペリン家がいた。さらに、4人の孫がいて、そのうちの
ひとりには妻がいたので、合計13人のハルペリン家がいた。スミスと、
もう
|
ボディスナッチャー
/SY/BodySnatcher/
ナンシーに。「送っていこう
か?」
「あそこへは、帰らないわ」と、ナンシー。
「ここへ、泊まれ!」と、マシュー。ナンシーは、うなづいた。
「世話になったね、デビット」と、マシュー。ギブナーに。
「寝たまえ!」と、ギブナー。帰って行った。
マシューは、テラスの階段を下りて、裏口に、南京錠をかけた。テラ
スのイスに座って、高層ビルの明かりを見ているうちに、眠くなった。
テラスの地面から、白い糸が伸びてきて、マシューの下ろした腕から、
服の中に入り込んだ。
白い糸の先には、大きなサヤがあって、そこから、大きな花が咲いた。
花の中心が、息づきはじめ、花びらが落ちると、そこから、人間の頭の
ようなものが、はい出てきて、両手をふるわせた。マシューにならぶよ
うにして、横たわり、両足を動かした。大きな花は、ほかにも、いくつ
か咲いて、花びらを落とすと、人間の頭のようなものが、はい出てきて、
テラスの芝の上で、ふるえていた。
102
101
|
アリスのアンダラン
/LC/AliceUnderGround/
わたしはわたしよ。むずかしいパズルだわ!知っ
てたものが、ちゃんと分かるかテストしてみましょ!4×5は12、4
×6は13、4×7は14、あら、なんてことでしょう!このままでは
20になかなかならないわ!掛け算表は、証明にならない。地理がいい
わ。ロンドンはフランスの首都、ローマはヨークシャー州の首都、パリ
は━━━あ~、みんな違ってる!分かったわ!わたしはフローレンスに
24
23
なってしまったんだわ!それじゃ、こんどは『子どものクロコダイル』
を歌ってみましょ!」
アリスは、ひざの上に乗せた両手を合わせて、歌い始めた。しかし、
声はしゃがれて、歌詞も前とは違っていた。
「子どものクロコダイルは
尾は輝いかがやて
ナイルの水をかけると
全身が金色にひかり輝くかがや
楽しそうに笑い
ツメをきちんと広げて
魚うおを迎えると
アゴもやさしく笑う」
「この歌詞は、ぜんぜん
|
アンラッキー
/FB1/Unfortunately/
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
ラルフNCー5は、監視スクリーンのアルクトゥルス第4惑星を見て、
安堵あんどのためいきをついた。コンピュータが、そう、教えてくれたのだ。
アルクトゥルス第4惑星は、ここでは、唯一の、人が住んでいる、居住
可能な惑星で、となりの太陽系まで、数光年離れていた。
彼は、食料を必要としていた。燃料や水は、じゅうぶんだったが、冥めい
王おう星の兵站へいたん部は、彼の偵察艇に物資を補充する際、食料を補充しわすれ
た。宇宙マニュアルによると、アルクトゥルス第4惑星の原住民は、友
好的だった。頼めば、なんでも与えてくれるという。
2
1
マニュアルには、この点について、詳細に記述されていた。自動操縦
で、着陸を指示すると、アルクトゥルス星人に関する記述を再読した。
「アルクトゥルス星人は」と、ラルフNCー5。マニュアルを
|
アリスのビックリラン
/LC/AliceWonder/
わたしはわたしよ。むずかしいパズルだわ!知っ
てたものが、ちゃんと分かるかテストしてみましょ!4×5は12、4
×6は13、4×7は14、あら、なんてことでしょう!このままでは
20になかなかならないわ!掛け算表は、証明にならない。地理がいい
わ。ロンドンはフランスの首都、ローマはヨークシャー州の首都、パリ
は━━━あ~、みんな違ってる!分かったわ!わたしはフローレンスに
なってしまったんだわ!それじゃ、こんどは『子どものクロコダイル』
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を歌ってみましょ!」
アリスは、ひざの上に乗せた両手を合わせて、歌い始めた。しかし、
声はしゃがれて、歌詞も前とは違っていた。
「子どものクロコダイルは
尾は輝いかがやて
ナイルの水をかけると
全身が金色にひかり輝くかがや
楽しそうに笑い
ツメをきちんと広げて
魚うおを迎えると
アゴもやさしく笑う」
「この歌詞は、ぜんぜん
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あごひげ彩か
/FB3/Beard/
エピローグ
「オレのあごひげの色にもかかわらず、みんな好奇心いっぱいになって、
マリアンヌのようにクローセットの中を見たがるのはなぜなんだろう?
お墓はそこにはない。屋根裏さ」
ビリーは、マリアンヌをがっしりつかんだ。
「おいで、ダーリン」と、ビリー。「お墓を見せてあげるよ!」
(終わり)
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7
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ユスタックウィバーの短い生涯3
/FB3/Weaver3/
競馬や株式投資ですぐに信じられない金持ちになれるだろう。
ただ、問題は、今は無一文だということだった。
ユスタックウィバーは、ふいに、働いていたスーパーマーケットの金
庫を思い出した。金庫は、タイムロックだった。タイムロックは、タイ
ムマシンがあれば汗ひとつかかずにあけられた。
2
1
1
ユスタックウィバーは、自分のベッドに座って考えた。ポケットに手
を入れて、タバコを出すと、紙幣が出てきた。10ドル札で100ドル
あった。ほかのポケットにも手を入れると、何枚も出てきた。ベッドに
並べて、高額紙幣や低額紙幣、ざっと1400ドルあった。、
ユスタックウィバーは、ふいに、真実に気づき、笑いだした。すでに、
時間軸上の未来に行っていて、スーパーマーケットの金庫をカラにして、
それからタイムマシンを使って、マシンを発明した最初の地点に戻って
いたのだ。どろぼ
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ヴァンパイア
/FB/Blood/
あやうく殺されるところであった。ヴァンパイアは、決して忘れ去られ
ていなかった。
前回止めたのは、50万年前だった。人類に代わって犬が人類のよう
な文明を築いている社会であったが、まだ、ヴァンパイアは忘れ去られ
ていなかった。一度、ふたりは、犬社会の娼婦の血をむさぼったが、す
ぐに見つかって猟犬たちに追い立てられ、タイムマシンで、さらなる未
来へ逃れるしかなかった。
「止めてくれて、うれしいわ」と、ドリーナ。溜息ためいきをついた。
「オレに感謝しないでいいよ」と、ヴェロン。「ここが、終点だ。燃料
切れなのさ。ここでは、おそらく、燃料のウランはすべて、鉛になって
いて、見つからないよ。ここで生きてゆくしかない。あるいは━━━」
ふたりは、偵察のために外へ出てみた。
「見て」と、ドリーナ。ふたりのもとに近づくなにかを指さしていた。
「新しい生物だわ!犬は、滅ほろんだのよ。なにものかが支配して、ヴァン
パイアは、忘れ去られたわ!」
4
3
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失われた文明1透明人間
/FB3/Discovery1/
プロローグ
20世紀に3つの大きな発見があったが、残念なことに失われた。
最初の発見は、透明人間だった。
透明人間の秘密は、1909年にアーキバルトプレーターによって発
見された。プレーターは、エドワード7世の宮廷に仕つかえる使者で、オス
マン帝国とゆるい同盟関係にあった小さな州の統治者だったサルタンア
ブデルクリムの宮廷に送られていた。
プレーターは、アマチュアだがとても熱心な生物学者でもあった。
2
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1
プレーターは、ねずみにさまざまな血清を注射して、突然変異をもた
らす注射を発見しようとしていた。3019匹目のねずみに注射したと
き、ねずみは消えた。ねずみは、まだ、そこにいて、手のひらに乗せれ
ば感じるが、体毛もつめも見ることができなかった。プレーターは、慎
重にねずみをケージに入れた。2時間後、ねずみはふたたび現われた。
どこにも傷
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すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
/FB2/Reconciliation/
衝撃がやってきた。
静かな夜は、昼と化し、巨大な赤の花がさらに、巨大化して、空をお
おいつつあった。
直径30マイルのすい星の衝突は、水爆の1千億倍のエネルギーで地ち
殻かくを溶かし、マグマの津波つなみは、高さ100マイルで30分後に地球の反
対側までくると、互いにぶつかりあって、波打った。
(終わり)
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気まぐれ
/FB1/Experiment/
教授は、前かがみになって、タイムマシンのダイヤルのひとつをセッ
トした。
「時計を見ていてください」と、教授。
ふたりの同僚の教授は、自分の時計を見た。ジョンソン教授は、物体
を、マシンの台の上に、静かにおいた。すぐに、物体は消えた。
5分後に、一瞬で、それは、現われた。
ジョンソン教授は、それを、持ち上げた。
「こんどは、5分、過去に送りましょう」
教授は、別のダイヤルをセットした。物体を、手の上において、時計
を見た。
「今は、3時6分前です。ちょうど3時に、物体を台の上において、実
験を開始します。よって、物体は、私の手から消えたあと、3時5分前
に、台の上に出現します。それは、私がそこに物体をおいて、実験を始
めた、5分前です」
「どうやって、物体を台の上におくことができるのかな?」と、同僚の
教授のひとり。
「それは、私の手が近づくと、台から消えてから、そこにおかれるため
に、また、私の手の上に現われます。3時に、です。注意して、見てい
てください」
物体は、教授の手から、消えた。
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それは、再び、タイムマシンの台の上に現われた。
「見ましたか?私が、そ
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ミットキーふたたび
/FB1/MitkeyRidesAgain/
受話器を上げる、クリック音。教授の声が、番号を告げた。
「ハートフォード研究所ですかな?こちら、オッペルバーガー教授。ね
ずみが必要なんじゃが。いいや、ねずみじゃ。そうじゃ、白いねずみ。
いや、色は、重要ではあらん。紫でも。ないって、ええ、紫のねずみが
いないことは、わかっておる。時期は、別にいそがん。1週間くらいの
うちに、都合のよろしいときに、送ってくだされ!」
受話器をおく、クリック音。
冷蔵庫の下のねずみの心にも、クリック音。ミットキーは、チーズを
かじるのをやめて、代わりに、それを見た。そのものの言葉が浮かんだ。
チーズ。
静かに、ミットキーは、自分に言った。「チーズ」ちゅうちゅう鳴く
声とそれの、中間くらいで。というのは、プロックスが教えてくれた発
音は、さびついていたからだ。しかし、次は、もっとうまく発音できた。
「チーズ」と、ミットキー。
それから、別の2つのワードが、考えなくても、浮かんできた。「そ
れは、チーズです」
そのことに、少し驚いて、ミットキーは、壁の穴に逃げ込んだ。暗闇
が、居心地がよかった。それから、別のワードが浮かんで、ミットキー
は、さらに少し、驚いた。「失敗につぐ、失敗」
もはや、それは、心に浮かんだ、ただの絵ではなく、それが意味する、
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音だった。とても混乱していて、だんだん思い出すにつれ、されに、混
乱していった。
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ミットキーあらわる
/FB1/TheStarMouse/
ミニートは、忙しかった。ね
ずみとチーズ、すぐに、一方は他方に変異した。
しかし、オッペルバーガーは、別のことを考えていた。教授は、心配
だった。計算し、また、再計算し、屋根の穴を通して、8インチ反射望
遠鏡をのぞき、室の明かりを消して。
そう、教授が独身であったことは、好都合であった。もしも、屋根に
穴を必要としても、文句を言うものは、いなかったからだ。冬が来たり、
いや、ただの雨でも、穴があったら、すぐに、大工を呼んだりして、防
水布で修理されてしまうだろうから。
しかし、かすかな、光跡さえなかった。教授は、顔をしかめた。再計
算し、もう一度、再計算し、望遠鏡を、0・3分動かしたが、ロケット
は、見えなかった。
「ミニート、なにかがおかしい!」と、オッペルバーガー。「排気管が
噴射をやめてしまったか、あるいは」
あるいは、ロケットが、出発点から直線状に、飛行していないかだ。
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パペットショー
/FB2/PuppetShow/
ただし、私は、その惑星の代表ではなく、銀河連邦の全権大使として、
来ました。銀河連邦は、高度に文明化された星々による、互いのための
連邦です。私の使命は、あなた方を訪問し、あなた方が連邦に、喜んで
参加するかどうかの、返事をもらうことです。
自由に質問してください。ただし、質問のいくつかについては、好ま
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しい答えでない場合、私は、即答しない権利があることとします。好ま
しい答えの場合は、しばらく即答を避けた質問も含めて、すべての質問
に答えます。そこまで、よろしいでしょうか?」
「ええ」と、大佐。「さっそくだが、なにで来たのかね?宇宙船か?」
「そうです」と、ガース。「ちょうど、この真上の、2万2千マイルの
静止軌道上にいます。ここの真上にとどまるように、地球とともに、回
転してるわけです。船から、私は、監視されてますが、それは、私がこ
こにいたいと思うかもしれない
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ねずみ
/FB1/Mouse/
着
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陸したあと、動力は、自ら、完全に破壊された。ロバーツ大佐、焦こげた
地面のエリアを調べましたね。なんらかの痕跡こんせきが見つかってますか?」
「ええ、確かに、大統領」と、ロバーツ。「金属やシリカ、ある種のカ
ーボンが、見つかってます。ひどい熱で蒸発して、固まったかのように、
一様に広がってます。手でつまめるような、かたまりではないですが、
センサーがそれを示してます。ほかには━━━」
ビルは、声に、気づいて、振り向いた。
「ビルヒラーさんでは?」
「ウィンスロー博士!」と、ビル。「写真で、存じ上げてます。学会誌
で論文を読みました。お会いできて、光栄です」
「大げさな話は、やめなさい」と、ウィンスロー。「それより、これを
見てください!」
ウィンスローは、ビルの腕をひっぱって、テントの端のテーブルに案
内した。
「どう見ても、死んだねずみに見える」と、ウィンスロー。
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