原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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NOVELYst AutogeNerating dimensional space
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◆◇◆更新ニュース◇◆◇
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京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス
[夢 心 or検索] ヒット 108 件です。
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エコーバック
/FB3/Rebound/
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7
4
スネルは、チャーター機で、ハドソン西の比較的、旅行者の少ない地
方へ行って、ホテルから━━━そこでは、お客はみんな出てゆくように
言っただけだが━━━ひとりで、考えたり、夢見たりするために、長い
ウォーキングを始めた。いい場所を見つけた。そこは、山に囲まれた谷
にある小高い丘で、景色が雄大であった。考える時間のほとんどをそこ
で過ごした。そこで、さらに、意欲が沸いてきた。やがて、動き出すで
あろう世界が見えてきて、幸福感がさらに高まった。
独裁者。彼が、自分に皇帝の冠をかんむり授けるだろう。世界の皇帝だ。だめ
なことがあるか?パワーを持つ人間に、はむかえるものがいるだろうか?
パワーが誰をも命令に服従させ、与えることも取り上げることも、さら
に━━━。
「死んじまいな!」
丘の上から、スネルは、叫んだ。声の届く範囲に誰がいようが、おか
まいなしに、気兼ねなく大声で━
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殺しは10時15分
/FB5/MurderAt1015/
ドアは、できるだけ静かに閉めた。
また、いつ来ようとも、2度とゲリットのことを、ドライアイスじいさ
んと呼ぶのはやめようと思った。この30分間、隠されたカラクリを考
えていた。
署長が、今、感じていることの一部しか分かってないと気づいていた。
待つこと、待つこと、なにを待っているのか分からないまま、できるつ
ぎのステップもなしに、ただ、暗闇で待っていた。
ベニーのデスクに白紙の紙があった。鉛筆を手に取り、指のあいだで
ねじった。彼は、少年のイメージを心から追い出そうとした、ビリーゲ
リット少年のイメージは、楽しそうに、盲目的に、死に向かっていた。
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あるいは、どこかで、彼が死ぬのを待っていた。
しかし、どこで?どのようにして?よく考えてみるべきものがあった。
カッツがどのようにして、助けもなしに━━━収容施設から逃げて来た
殺人狂が、友人もなく、正気の沙汰でない冷酷な計画を実行
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ボディスナッチャー
/SY/BodySnatcher/
街を歩く、リサ。なん人かが、リサを見ていた。
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「この町の人々の雰囲気が、違って感じるの。ジェフリーもみんなも、
きのうまでは、普通だったのに、きょうは、違和感を感じる」バスの人
々が、みんな、リサを見ていた。「悪い夢かしら?恐ろしいわ。一晩で、
町が変わったなんて」
マシューは、赤信号で、車を止めた。
「英軍ラクダ部隊の話をしたことは?」
「ええ」
「サハラ砂漠でのことだ」青信号に変わったので、車を発進させた。
「敵に40日間、包囲され、食料もつきていた。そのとき、隊長が、部
下たちに言った。諸君、いいニュースと悪いニュースがある。すると、
部下のひとりが━━━」
「それ、聞いたわ、ははは」
「もう一度、話す?」
赤信号で車を止めると、男性が、フロントガラスの上に、飛び乗って
きた。
「いったい、なんだ!」と、マシュー。「ドアをロックしろ!」
「やつらが来る!」と、男性。フ
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死の手紙
/FB3/DeadLetter/
おまえ
自身の罪を認めることになるからな。なぜおまえはオレを訴えて裁判に
かけようとしない?そうしないのは、真実が明らかになったら、おまえ
の名前は永遠に地に堕おちることになるからさ」
ラバティは、引き金を6回引いた。
2
ラバティは、車に戻り、運転して帰る途中、橋の上から拳銃を捨て、
アパートに帰るとすぐ寝室へ行った。
よく眠っていたが、ドアベルで起こされた。バスローブを引っ掛けて、
玄関のドアをあけた。
彼の心臓は立ったまま止まり、そのままだった。
4
3
3
ラバティのドアベルを鳴らした男は、驚いてショックを受けたが、正
しいことをした。ラバティの体をアパートの中に運び、警察と救急車に
電話して待った。
救急隊員は、ラバティが死んでることを確認し、男は警部補に質問さ
れた。
「きみの名前は?」と、警部補。
「バブコック、ヘンリーバブコックです。ミスターラバ
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ドール
/XF/Chinga/
「なにで?」と、スカリー。
「バディ、あれを見せてやれ!」
バディは、ビニールに入れてある割れたレコードを見せた。
警部は、自分のケータイが鳴ったので、電話で話した。
「ボンザントだ。そうだ。だれ?ああ、よし、今、かわる━━━あんた
に、電話だ」電話を、スカリーにわたした。
「もしもし?」
「おはよー、元気かい?」
「モルダー?」
「ああ、きみが心配で、かけてみた。ぼくのヘルプがいるんじゃないか
?」
「ヘルプって、なんのために?」
「モーテルに残した伝言、聞いていないの?」
「ああ、今朝 けさは、早い時間から、出ていたから━━━モルダー?なに、
その音?どこなの?」
「え?窓の外で、工事やっているんだ、ちょっと、待ってくれ!きみた
ち、静かにしてくれ!電話中だぞ!」モルダーは、自室で、バスケット
ボールのドリブルをやめて、ボールを放り投げた。
「どうも!いや、例の事件のこと考えていたんだけど、もしかしたら、
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白日夢
/FB7/Daymare/
狂った、目的のない夢。先祖返り?人々が、
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互いに、相手の喉のどを掻かき切ることばかり考えていた時代、戦争と憎しみ
と覇は権を争っていた時代へ、逆もどり。
それは、太陽議会ミーティングが、居住可能なある惑星で、さらに別
の惑星で開かれる以前の話だった。ミーティングでは、裁定によって秩
序が作られ、のちにユニオンとなった。そして、今、戦争は過去の遺物
となった。太陽系の居住可能な場所、地球、金星、火星、それに、木星
の2つの衛星は、1つの政府の統制下にある。
しかし、古い血の日々に立ち返れば、人々は、昨夜の先祖返りの夢で
彼が感じたような感情を抱くに違いない。地球が恒星間飛行を発見し、
統一されると、火星━━━知力の優れた種族によって、すでに植民地化
されていた、唯一の他の惑星━━━を服従させた。それから、人類が足
跡を付けたどんな場所にも植民地を広げて行った。
それら植民地のあるものは、独立を求め、つぎに、覇は権を争った。血
の世紀、その時代は、そう、今、呼ばれている。
服を着るためにベッドから出ると、彼を惑わせ、ろうばいさせるよう
なものを見た。服は、きちんと折りたたまれて、ベッドの脇にあるイス
の背に掛けられてなかった。代わりに、それは、暗闇の中で急いで、不
注意に服をぬいだかのように、床一面にまき散らされていた。
「なんてこと!」と、彼は考えた。「昨夜、オレは眠りながら歩いた?
オレは夢を見ながら、実際にベッドから出て、通りへ出て行ったのか?
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眠れるステーション エムポックノール
/ST/DS9_5_6_4/
「アマロ」と、チーフオブライン。
「撃ちたくて、たまらないんだろうね。カーデシア人を殺せるのなら、
誰でもいいんだ」
「アマロ、よせ!」と、チーフオブライン。
「ガラックが敵を始末してくれるのなら、それに越したことはない」
「さすが、チーフですね。どうです。いっしょに来ませんか?昔のよう
に、カーデシア人を殺しにゆきましょう。復讐したくありませんか?」
「いいや、ただ、ここを、脱出したいだけだ」
「あなたは、本能を抑え込んでいるんですね。でも、心のどこかに、セ
トリックスリーの英雄が眠っているはずだ」
「時間がないぞ。行け!」
「ノーグ、ボクタとアマロと行くんだ」
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「了解」
「いえ、平気です。ノーグはチーフと。ガラックが敵を捕まえに行って
くれましたから、安心しました」と、ボクタは言って、アマロと出かけ
ていった。
◇
ガラックは、医療室のコンソールパネルの前にいた。
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パペットショー
/FB2/PuppetShow/
杖男は、言い終える前に、砂の上に水平に、仰あお向けに倒れ、目をつぶ
った。
大佐は、1歩踏み出した。
「どうした?」と、大佐。すぐに、マイクロフォンの三脚に駆け寄り、
横になった、地球圏外ヒューマノイドに体を曲げ、耳を、血だらけに見
える箱に押し当てた。
大佐が頭を上げたとき、デードグラントは、ぐだぐだ言う採掘工のよ
うに、ぐだぐだ言いだした。
「心音しんおんも無いよ、大佐。そもそも、心臓がないんだから。ガースは、記
念に置いておこう。中を見れば、心臓や内臓より、おもしろいものが見
つかるよ。ガースは、オレが操っあやつていたパペット、ただの操りあやつ人形にす
ぎないのさ。きみたちのエドガーバーゲンが━━━人形の名前は、そう
━━━チャーリーマッカーシーを操っあやつていたようにね!ガースは、目的
を果たしたから、非活性化された。大佐、もう、担当部署に戻ってもい
いよ」
ケイシー大佐は、ゆっくり、後ずさりした。
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グレーの悪夢
/FB3/NightmareInGray/
グレーの悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、すばらしい気分で目覚めた。明るい春の日射しが暖かく降りそ
そいでいた。30分くらいうたた寝していたようだ。暖かい太陽の影は、
寝ているあいだにわずかに角度を変えた。公園のベンチで座ったまま、
わずかに頭が下がり、前のめりになっていた。
公園は、夏よりやさしい春の緑であふれていた。その日は、重要な日
で、彼は若く、恋に落ちていた。すばらしい恋。目がくらむ恋。幸せに
なれたのは、昨夜のことで、土曜の夜だった。
2
1
彼は、スーザンに結婚を申し込み、スーザンはそれを受け入れたよう
に見えた。スーザンは、イエスと言う代わりにこう言ったのだ。
「そうね、返事をする前に、あした、うちに来て、家族に会ってほしい
の。うちの家族みんなを愛してほしいし、わたしと同じように、うちの
家族みん
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屋根の上の少女
/TZ/IfSheDies/
車のドアを閉めて、急いで、その建物の方へ行った。
「何か?」と、シスターマリア。両手には、バザーで売っている、何冊
かの本を持っていた。
「少女が、屋根の上に」と、ポール。
「屋根の上ですって?見み間違まちがいでは?」
「確かに見た!」
「子どもたちは、みんな、出ていきました。施設が閉鎖されて」
「施設?」
「児童養護施設でしたが、来週、取り壊されることに。子どもたちは、
新しい建物に移り、ここには、いません」
「でも、確かに見ました。落ちるのでは、と心配で━━━はっきり、見
たんだ」
「勘違いでしょう。まぁ、自由に、ご覧になって!ガラクタばかりだけ
れど、使えそうなものがあれば、お買い求めを!」
「はい?」
「慈善バザーです」
「物を買う気分じゃない」
ポールは、施設の遊び場に広げられた、イスやらベッドやら物入れの
12
11
間を通って、車に戻ろうとした。振り返ったときに、ブランコに
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ハンスカーベルのリング
/FB3/HansCarvel/
妻は元気がよすぎて活発すぎるのでは
ないかという気がした。彼が与えられるものが、もちろんお金は十分あ
ったが、お金以外で与えられるものが、彼女を満足させるには十分では
なかったかもしれなかった。かもしれない?はっきり言おう。十分では
なかったのだ。不自然にならないように、ハンスカーベルは、調査を依
頼して、妻が浮気をしていることを知った。ハンスカーベルは、心が動
揺して苦しみ、夜眠るたびに悪夢に悩まされた。
2
その悪夢のひとつに、ある夜、デビルが現われた。ハンスカーベルは、
悩みを打ちあけて申し出た。
「なにか妻の貞操ていそうを保証してくれるものがあったら、ここにあるお金で
譲ゆずってほしいのだが!」
「もちろん、いいとも!」と、デビル。「魔法のリングをあげよう。目
覚めたら、リングがあるよ。そのリングをはめている限り、きみの奥さ
んがきみに隠れて浮気をすることは不可能だ」
4
3
|
武器
/FB2/TheWeapon/
2
グラハムは、ニーマンドが少年を好きな態度を示したことで、ニーマ
ンドに好感をもった。インタビューを、すぐ終わらせるべきことを、思
い出した。毅然きぜんとして、立ち上がった。「ニーマンドさん、あなたは、
時間をムダにしてますよ。私は、すべての議論を承知してますし、あな
た方が言ってることは、何千回も聞かされました。たぶん、あなた方が
言うことに、真実があるのでしょう。しかし、私には、まったく関心の
ないことです。私は、科学者です。私は、武器、究極の武器に関する、
研究をしてます。しかし、個人的には、それは、科学の進歩の副産物に
すぎません。研究を推し進めることが、唯一、関心のある事なのです」
「しかし、グラハム博士、人類は、究極の武器をもつ、準備ができてる
んですか?」
グラハムは、眉まゆをひそめた。
「ニーマンドさん、私は、私の観点を、お話ししたのです」
ニーマンドは、イスから、ゆっくり立ち上がった。
「いいでしょう。議論したくないのなら、これ以上、お話しすることは
ありません」
彼は、組んだ手を、ほどいた。
「もうすぐ、おいとましますが、グラハム博士、もしよければ、先ほど
10
9
の、飲み物のお申し出を、お受けしたいのですが」
グラハムのイラつきは、消えた。
「
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ジバゴ
/SY/Zhivago/
「同志たちよ!進め!」と、軍服姿のパーシャ。塹壕ざんごうからつぎつぎに兵
士たちが出てきて、敵の機銃掃射にむかって走り出し、パーシャに続い
た。
「進め、進め、オレたちの力を見せてやれー」と、パーシャ。銃剣を持
って突撃した。
「行けー!」
そのとき、パーシャの横で迫撃砲が炸裂して、パーシャは、倒れた。
雪の上にパーシャのかけていたメガネが、落ちた。次々に倒れる兵士た
ち。上官を失って敗走する兵士たち。
「そして、ついに、彼らは、夢に見たことを実行に移した。
故郷に帰り始めたのだ」
塹壕ざんごうから出て、敗走してゆく兵士たち。
「それが、革命の始まりだった」
雪原を埋め尽くす、敗走してゆく兵士たち。
ユーリは、軍医の軍服を着て、医療品を積んだ馬車に乗って、前線に
向かう兵士たちとともに、隊列を組んで進んでいた。敗走してくる兵士
たちの一群が、向こうから、ばらばらに歩いてきた。
「脱走兵だ」と、先頭の馬に乗っていた将軍。
「補充兵が来た」と、敗走する救護用馬車の兵士。となりに、看護婦姿
100
99
のラーラが乗っていた。
「捧ささげー、筒つつ!」と、補充兵の隊列の副官。
脱走兵たちは、草原へ逃げ始めた。
「戻って来い!バラバラになるんじゃない!」と、救護用馬車の兵士。
「お
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死んだ夫
/FB5/LateLamented/
大声で叫んだ。
204
203
そして、修道女と駆け落ちした」
彼女は、笑った。「その五行戯詩は聞いたことがある。しかし、父が
そうだとは思えない。彼は自分の生活にも自分の地位にも満足していて、
抑圧を感じていたとは思えない」
「夢中になっていたものは?」
「日曜ゴルファーだった。右肘の関節炎をやるまでは、毎週1回は通っ
ていた。ゴルフができないほど悪くはなかったが、スコアには影響して、
関節炎を完全に治すまでは、ゴルフをやめた。代わりに、トランプゲー
ムをするようになった。おもに家で」
「ふたりでトランプ?ほかに仲間は?」
「仲間を呼んで。わたしは、トランプは好きでないので、ふたりでやっ
たことはない。しかし、ブリッジをするふたりと知り合って、2週間に
1度、交互にお互いの家で夜、トランプをするようになった。1ポイン
ト10セント程度で、ギャンブルと呼べない」
「お酒は?」
「付き合い程度
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青の悪夢
/FB3/NightmareInBlue/
青の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、今まで見たことのないような輝く青の朝に目覚めた。ベッドの
脇の窓から、ほとんど信じられない青空が見えた。ジョージは、すぐに
ベッドからすべり出ると、完全に目覚め、休暇の1日目のほんの1分も
無駄にしたくなかった。しかし妻を起こさないように、静かに服を着た。
休暇のために1週間友人から借りたロッジに着いたのは、昨夜遅くで、
ウィルマは旅にとても疲れていて、すこしでも長く寝かせてあげたかっ
たのだ。靴も居間に行ってからはいた。
2
1
1
息子のトミーは、まだ5才だが、髪をくしゃくしゃにして、寝ていた
子ども室から出てきて、あくびをした。
「朝ごはんは、いるかい?」と、ジョージ。トミーはうなづいた。「服
を着てから、台所に来なさい」
ジョージは台所に行ったが、朝食を始める前に
|
感想
/CO/Comment/
戻れないことを知りながら。
室の中では、ろうそくに火をつけ、静かに死を待つ。しかし時間が過
ぎて、死が迫ってくると、まだ死ぬ準備ができていないことに気づく。
まだ死ねないと考えるが、その瞬間は目の前に迫り、やつは、恐怖を覚
える。絶望しながら、室を出ようとする。だが、もちろん、死からは逃
れられない。それが悪夢の結末だ。
ラリーホーム Seattle
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◇アランフィールド 2018年7月24日◇
フレドリックブラウンは、オレが思うに、彼の魔法のようなショート
ストーリーで、時として最後のセンテンスに秘密を明かす。最後のワー
ドにさえ。「ザ・ハウス」においては、最後のセンテンスは以下だ。
ろうそくの残りが、あと1センチになるまで、9時間もかからなかっ
た。暗闇が、室の片隅から集まりはじめ、近くまではいよってきた。彼
は、悲鳴をあげて、ドアをたたき、両手が原料のままの血のにじんだパ
ルプになるまで、つめでひっかいた。
14
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藍色の蟇
/OT/Aiirono_Hiki/
藍色あいいろの蟇ひき
大手おおて拓次たくじ
藍色の蟇
森の宝庫の寝間ね まに
藍色の蟇は黄色い息をはいて
陰湿の暗い暖炉のなかにひとつの絵模様をかく。
太陽の隠し子のやうにひよわの少年は
美しい葡萄のやうな眼をもつて、
行くよ、行くよ、いさましげに、
空想の猟人かりうどはやはらかいカンガルウの編靴あみぐつに。
2
1
陶器の鴉
陶器製のあをい鴉、からす
なめらかな母韻をつつんでおそひくるあをがらす、
うまれたままの暖かさでお前はよろよろする。
嘴のくちばし大きい、眼のおほきい、わるだくみのありさうな青鴉、あをがらす
この日和のしづかさを食べろ。
4
3
しなびた船
海がある
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人形の家で
/TZ/Miniature/
チャーリーは、手をさし出した。バディも、握手した。
「母さん、来てくれて、うれしいよ!」母に、あいさつして、イスに座
54
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った。
「チャーリー、気分はどう?」と、精神科医。
「最高としか、言えません!先生のおかげです」
「夢を見ることは?」
「赤ちゃんのように、よく眠れます」
「人形の家の女性は?」
「あれは、ただの人形です。先生のおかげで、目が覚めました。感謝し
ます」
「ご自分で、解決されたのですよ。私は、ヒントを与えただけ」
母は、チャーリーの受け応えを見ていて泣き出した。
「母さん!」
「チャーリー!どれほど、心配したことか!ほんとうに」
「心配させて悪かった。でも、もう、大丈夫だ!ですよね?」
「ええ」と、精神科医。
「仕事を見つけて、元通りの生活に戻るよ!」
◇
チャーリーの家。4人そろって、ココアを飲んでいた。
「母さんのココアは、やっぱり格別だ」と、チャー
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ノヴァリアン試用版
/novelyan/guestroom/
(画像提供:
ISFDB)
SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
ゲストルーム
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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ノヴァリアン NOVELYAN 2.40 試用版
ご使用方法
小説コマンドの説明
画像コマンドの説明
詩的コマンドの説明
FAQ
バージョン履歴
タイトル
novファイ
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ミットキーあらわる
/FB1/TheStarMouse/
説明されなかった。それ
48
47
は、外がい延えんを理解することなしに、物事の本質が分かる能力だった。
彼らは、ミットキーの視点のようには、物事を理解してなかった。そ
れで、ミットキーに教えるよりも、ミットキーから教わることに、夢中
になった。ベムジとクラロフに、さらに、12人が、特権を与えられた。
誰かが、ミットキーと話してないと、すぐに、別の誰かが、話しかけた。
彼らの質問で、ミットキーの理解も増した。ミットキーは、ふつう、
質問されるまで、答えを知らない。質問されると、答えを、知らないま
ま、知識をつなぎ合わせ、答えにした。
「きみが話す、この言語は、世界中で使われている?」と、ベムジ。
ミットキーは、それについては、前に考えたことなかったが、すぐに、
答えた。「いいえ、違います。それは、英語です。教授は、他の方言も、
話していたのを覚えています。ほかの独自の方言も話しますが、ア
|
パターン
/FB2/Pattern/
ほとんどくっきり見えていた。しかし、今、だんだんもやがかかってき
た。ミスメーシーは、妹が上空を見ているので、いっしょに上を見た。
2匹の巨体が見えた。1匹が、タンクのようなものを手に、ゆっくりと
地上に向けて、霧のような雲を出現させていた。
エピローグ
ミスメーシーは、また、鼻で笑った。
「雲を作ってるわ。彼らのおもしろいところね。雲なんて、ぜんぜん、
人の害にはならないわ。みんなは、なんで、そんなに心配するのかしら
?」
ミスメーシーは、庭仕事に戻った。
「今まいているのは、アマンダ、液体肥料なの?」と、妹。
「いいえ」と、ミスメーシー。
「殺虫剤よ」
(終わり)
6
5
|
ヴァンパイア
/FB/Blood/
追い詰められたが、ふたりは、なんと
かタイムマシンに逃がれ、さらなる未来へと向かった。
2
1
遥はるかな未来、ヴァンパイアという言葉さえ忘れ去られ、ふたりが安心
して、暮らし、子孫しそんをふやしていける未来へ━━━。
「お腹なかがへったわ、ヴェロン」と、ドリーナ。「ひどく空腹よ」
「オレもだ、愛するドリーナ。また、タイムマシンを止めてみよう」
ふたりは、すでに、4回、タイムマシンを止めていたが、いずれも、
あやうく殺されるところであった。ヴァンパイアは、決して忘れ去られ
ていなかった。
前回止めたのは、50万年前だった。人類に代わって犬が人類のよう
な文明を築いている社会であったが、まだ、ヴァンパイアは忘れ去られ
ていなかった。一度、ふたりは、犬社会の娼婦の血をむさぼったが、す
ぐに見つかって猟犬たちに追い立てられ、タイムマシンで、さらなる未
来へ逃れるしかなかった。
「
|
さぁ愉快にやろう
/FB6/ComeAndGoMad/
普通の夢よりすごく異常ということはない。そのひとつは、赤と
黒の間のゲームのようななにかだ。それが、チェスなのかどうかは、分
64
63
からない。夢を見ているときは、どちらかなんてこと気にせず、意味の
あるように思っている。その夢でも、オレは、赤と黒のビジネスが、チ
ェスかどうかなんてことは気にしてなかった。分かってたのか、そう思
っていたのか、あるいは、知ってるように思っていたのか。しかし、知
識は、持ち越せない。意味は分かる?」
「よく分かる。続けて!」
「そう、チャーリー、それは、まだ越えることのできない、記憶喪失の
壁の向こう側のことと、関係するんじゃないかと思う。これは、最初の
ことだ。オレの人生ではなくて、たぶん、思い出せる限りの、この3年
間で。オレの記憶は、壁を乗り越えようとはしないのではないか、と心
配になる」
「たとえば、赤と黒のチェスの駒を、今までに、見たことがあるかど
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殺しのプロット
/FB6/MurderPlot/
スポンサーが引っ繰り返したら、
視聴者の反応というセクションが現われる。それが放送されたら、あま
りに下品なため、一度も読まれることも聞かれることもなかった。
視聴者は、化粧品や石けんのような買い物はする。それと同じに、今
や、視聴者は自分たちに寄り添ったラジオ番組も視聴する。どんな番組?
際限のないシーンが続いて行く、そこに登場するのは、とても人の良い
キャラクターたちが、もしもキャラクターと呼んでいいなら、とても悪
い状況に苦しめられる、そのなんと悪いことか!
ソープオペラの脚本を書くことは、ヒロインがたどる運命を描くこと
によって、あんたたちを、目が覚めたままの悪夢に案内する。ヒロイン
は、地震にあったり、片思いや中傷メールに悩んだり、ギャングやスパ
イに捕つかまったり、殺されそうになったり、そのほかあらゆる災難に合う、
ほんとうにヒロインが望んでいるものを得られること以外。ラジオでは、
ヒロインは決して救われることはない。
あんたたちは、つまり、オレは、ヒロインをいつもあらゆる困難に合
わせる、最後のものから、救い出される前に、永遠に。ときどき、オレ
は、家事をしながら『ミリー』を聴いている女たちの意見を集約したい
20
19
と思う」
そう、それは、トレーシーがファンた
|
失われた文明2不死
/FB3/Discovery2/
失われた文明2不死
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
失われた大きな発見の2番目は、不死の秘密だった。
不死の秘密は、1952年、合衆国海軍無線技師のポールヒッケンド
ルフ中尉が発見した。その装置は小さな箱に入った電子基盤で、ポケッ
トに入れて手軽に持ち運べた。箱のスイッチをオンにすると、装置を持
っている人のまわりがフォースフィールドで覆おおわれ、その力の強さは、
ヒッケンドルフのたくみな数学で計算しても、ほとんど無限であった。
2
1
1
フォースフィールドは、いかなる熱や放射線も完全にシャットアウト
した。
ヒッケンドルフ中尉の計算によると、人間は━━━男だろうが女だろ
うが、子どもでも犬でも━━━このフォースフィールドの中にいれば、
至近距離で水爆が爆発しても守られ、かすり傷さえ負わな
|
ナイトオブジャバウォック
/FB7/Jabberwock/
ピートに断っておくことは、とても大事で、彼はたいてい
自分の仕事が終わるまでは飲むことはない。オレの分は済んだが、ピー
トの仕事は、機械の調整もあって、あと1時間は残っている。
ドリンクは、オレのベルトのあたりに熱いかたまりとなり、オレはラ
イノタイプの脇の窓の方へ歩いて行って、外の静かな薄闇を見た。オー
ク通りの街灯は、窓際に立っているあいだに、電気がついた。オレは夢
を見ていた。なんの夢?
通りと交わる歩道に、マイルズハリソンがスマイリーの店の前で立ち
止まり、ビールのクールなグラスが、誘惑しているかのようだった。彼
の心が手に取るように分かった。「オレはカーメル郡の副保安官。今夜
はまだ仕事がある。勤務中は飲めない。ビールは待ってくれる」
そう、彼は歩き出したので、自覚の方が勝った。
今、不思議に思うのは、もちろん、そのときは不思議に思わなかった
が、もしも彼が真夜中の前に死ぬと知っていたら、ビールを飲むのを止
めなかっただろうということ。彼はビールを飲んだだろうと思う。オレ
なら飲んだだろうが、そのことは、なにも証明してない。なぜなら、オ
レはなにがあっても飲んでしまうし、マイルズハリソンのような自覚は
ない。
オレの背後、近くで、ピートは最終組版をフロントページの場所に入
れていた。「オーケー」と、彼。「ドック、ぴったりだ。入った!」
8
7
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葬送曲
/FB3/Recessional/
4
3
2
もちろんこれは、私にだけしかも囁かささやれたものだった。司教は心の安
らぎをのぞんでいたのであって、彼の言ったことは彼の意思ではなかっ
たのだ。
忠誠心がなければ、われわれはなにものでもない。チボルト司教はと
んでもない間違いを犯していた。ホワイトはかならず勝つ。勝利は、わ
れわれを救う唯一のものだ。勝利なしに、この戦いの地で散っていった
仲間たちにやすらぎはない。チボルト司教の言うとおりなら、やすらぎ
はどこにもない。
3
あなたは大きな間違いを犯している。神はいるし、偉大な神は、あな
たを許すだろう。なぜなら、あなたに悪気わるぎはなかったからだ。チボルト
司教よ、疑いもなく、そう、疑いは誤りであって、悪ではなかった。
忠誠心がなければ、なにも。
そのとき、なにかが起こった。
ルークが、彼は戦いのはじめから女王の脇を固めていた城将だが、敵
のブラック王
|
オレとフラップジャックとマルスd星人
/FB4/Flapjack/
いなないていた。
「たしかに!」と、ラウドスピーカー。「それがお互い、ベストの解決
法だ。オレたちも、すでに文明化された惑星を━━━武力で、あるいは
別の手段で━━━占領するのは気が進まない。もしもあんたが、ほんと
うにいい解決策を提案できるなら━━━」
フラップジャックは、いなないた。
「そうか!」と、ラウドスピーカー。「オレもそれはうまくゆくと確信
する。なぜそれに気づかなかったのか、不思議だ。オレたちは、あんた
のアドバイスに計り知れないほど感謝する。心のこもったお礼を捧げた
い。善良な心で、オレたちは去る。2度と戻っては来ないだろう!」
28
27
5
オレのひざはもとに戻って、オレは立ち上がった。しかし、どこへも
行かなかった。オレのひざは1分間機能を停止していた。もしも懐中電
灯がもう少し上をねらっていたら、オレの心臓は1分間機能を停止して
いただろう。ひざの心配
|
暗闇の間奏曲
/FB4/Interlude/
現代人ではないよ
うな、なにかがあって。なにかが違う。どんなというと、なにか彼のペ
ースがあって、それが、彼が生まれた人々のペースから来ている。それ
から、スマートで、むちのようなスマートさ。そして、とてもまじめ」
「彼は戻ったら、なにを?」と、保安官。皮肉っぽく静かに。
「彼は、学生だそうだ。彼が言うには、その時代、ほとんどの人が学生
だという。人々は生産と分配のすべての問題を解決していて、だれもセ
キューリティの心配はしない。実際、今の問題はどれも心配することは
ない」ルイアレンビィの声は、あこがれるような響きがあった。深くた
め息をして続けた。「彼は今の時代を研究するために来た。彼らは今の
12
11
ことをあまり多くは知らないように見える。なにかがあいだに起こって、
何世紀もの良くない時代が続いて、多くの本や記録が失われた。数冊は
あったが、多くはなかった。それでこの時代のことをよく知
|
ブラックジョーク
/FB4/Joke/
愕然がくぜんとして、大男はそれまで持っていた木の札を落とした。彼女を見
28
27
下ろして、言った。「マリエ、ハニー、どうした!」急いで中に入り、
ドアを閉めた。彼は、身をかがめて━━━思い出した。彼女は心臓に注
意が必要なことを。彼女の心臓が鼓動しているところに手を置いた。鼓
動しているところ、しかし、してなかった。
彼は急いでそこから出た。ミネアポリスでは妻と子どもが待っていた。
彼には助けられなかった。それで、外へ出た。
まだ愕然がくぜんとしながら、急ぎ足で歩いた。
エピローグ
床屋まで来ると、中は暗かった。ドアの前に立ち止まった。ドアの暗
いガラスは、向かいの通りから来る街灯が反射して、透明でありながら
鏡でもあった。その中に、彼は3つのものを見た。
最初に見たものは、ドアの鏡の役割から、ホラーの顔だった。彼自身
の。明るいグリーン、プロの手で丁寧に陰影が付けら
|
いつもふたりで
/SY/TwoForTheRoad/
足をかいた。
「いいアイデアが、あったんだけど」と、ジョアンナ。
朝。ベッドにテントが張られていた。
「よく寝られた?」と、マーク。
「ぐっすり!」と、ジョアンナ。「ヘンな夢を、見たわ!」
「どんなヘンな夢だった?」
「あなたが、自分で設計した、最高の家を建ててくれる、夢」
「ふーん」
「それから、わたしが、三つ子をうんだの」
「人口増加に、貢献ってわけか?」
テントをたたむと、ノックの音。ふたりは、ベッドにもぐりこんだ。
「どうぞ」と、マーク。
メイドが、朝食を運んできた。
「蚊帳か やを、ご使用にならなかったんですか?」と、メイド。
マークとジョアンナは、顔を見合わせた。上には、蚊帳か やが、たたまれ
たままだった。
「使わないで、すんだわ」と、ジョアンナ。
メイドが、朝食の盆を、ベッドに持ってきた。ふたりは、首をふった。
「お食べにならないんですか?」
「戒律で」
98
97
|
失われた文明1透明人間
/FB3/Discovery1/
死んだ瞬間に姿を現すということだった。
発見の重要性に気づくと、英国に辞表を提出して使者をやめ、家に閉
じこもって、自分自身を実験台にして実験を始めた。少しの注射では、
わずか数分のあいだだけ透明になった。彼の耐久力が、ねずみの耐久力
と同等になるまで、実験を繰り返し、24時間まで透明になれる注射の
量を見つけた。それ以上だと、やはり病気になった。もうひとつ分かっ
たことは、体は見えなくなるが、義歯は見えるので、口を閉じる必要が
あり、全裸であることが肝心で、服はいっしょに透明にはならなかった。
4
3
2
プレーターは、正直な人間だったので、犯罪は考えなかった。英国に
戻り政府に発見を提供し、スパイ活動に使用してもらおうと決めていた。
しかしその前に、自分の楽しみのために使ってもいいのではないか?
いつも興味があったのは、宮廷に隣接したサルタンのハーレムで、ここ
は厳重に警備
|
存在のわな
/FB4/Trap/
彼は習った、そして同化されていった、二等兵ジョニーディックスの
憎しみと偏見のすべてに。それらはたくさんあり、いずれも暴力的だっ
た。この奇妙な世界に反するものは、なにひとつ知らなかった。そのた
め、それらは、記憶がそのまま彼の記憶になったように、彼の憎しみ、
彼の偏見となった。
それがそうであることを疑わなかったけれど、ストレンジャは、物理
的囚人であるよりも、より狭い思想の囚人となっていった。強くもまっ
すぐでもない心の思想に囚われつつあった。
心の状態は、徐々に、強い存在の強力な心と、ジョニーディックスの
狭い思想と偏見、その2つが奇妙に混ざり合ったものになっていった。
彼は世界を、暗いゆがんだレンズを通して見た。なにがなされるべき
かが、分かった。
「ワシントンにいる、このようなまぬけ者どもは」と、彼もしくはジョ
ニーディックスは述べている「追い出さなければならない。オレがこの
国を治めるとしたら」
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35
|
そよぐ幻影
/OT/SoyoguGenei/
そよぐ幻影げんえい
大手おおて拓次たくじ
あなたは ひかりのなかに さうらうとしてよろめく花はな、
あなたは はてしなくくもりゆく こゑのなかの ひとつの魚うを、
こころを したたらし、
ことばを おぼろに けはひして、
あをく かろがろと ゆめをかさねる。
あなたは みづのうへにうかび ながれつつ
ゆふぐれの とほいしづけさをよぶ。
あなたは すがたのない うみのともしび、
あなたは たえまなく うまれでる 生涯しょうがいの花はなしべ、
あなたは みえ、
あなたは かくれ、
あなたは よろよろとして わたしの心のこころなかに 咲さきにほふ。
みづいろの あをいまぼろしの あゆみくるとき、
わたしは そこともなく ただよひ、
ふかぶかとして ゆめにおぼれる。
ふりしきるささめゆきのやうに
わたしのこころは ながれ ながれて、
ほのぼのと 死しのくちびるのうへに たはむれる。
あなたは みちもなくゆきかふ むらむらとしたかげ、
かげは にほやかに もつれ、
かげは やさしく ふきみだれる。
(昭和八年六月二十九日)
2
1
|
3つの願い
/XF/JeSouhaite/
モルダーは、アンソンが置いてあった、死体安置室を調べた。
スカリーは、手で顔をおおっていた。
「ああ、もう、死んじゃいたい!」と、スカリー。「ああ、あんなに興
奮して、はしゃいじゃって、バカみたい!どうか、してたわ!なにが、
透明人間よ!」
「あれは、たしかに、本物だよ」と、モルダー。
「わたし、夢でも、見てたのかも。ああ、冷静になって、考えてみれば、
あんなうまい話、あるはずないのよね」
「死体が消えたのには、わけがある」
「わけがあるって、どんな?」
「これは、願いがかなった、結果だよ」
「願いが?誰の?」
「アンソンを、愛してるのは、誰だ?心から、愛してるのは?」
「弟のレスリー?」
◇
ストークス家。
アンソンは、叫ぶのをやめた。
レスリーは、女性を、責めるように見た。「こんなのありかよ?」
52
51
「オレになにを、した?」と、アンソン。
「へ?」と、レスリー。「
|
ドーム
/FB7/TheDome/
それに、あんたは
そんなことをしない、最初のボスでもあった」
10
9
ブラドンは、彼女に笑いかけた。「すまない。期待していたとは知ら
なかった。しかし、マイラ、オレは本気だ、結婚してくれるかい?」
彼女は、考え深げに彼を見た。「わたしは━━━分からない。奇妙な
ことは、わたしはあんたに少し、恋をしていたこと。なぜ、そうなった
のか、分からない。あんたはずっと、自分の仕事に夢中で、非人間的で、
ビジネスパートナーのようだった。わたしにキスしようとしたりしなか
ったし、お世辞ひとつ言ってくれなかった」
彼女は、立ち上がるとオレを見た。「わたしは、こんな突然の、ロマ
ンティックでないプロポーズはイヤ!なぜ、もう一度別の時にしないの?
一方で、わたしを愛してると言ってくれたことは、助けになるわ」
「愛してるとも、マイラ。許してくれ!少なくとも、オレと結婚するこ
とが明らかにイヤではない?断ってはいない?」
彼女は、頭をゆっくり振った。目は、彼を見つめ、とてもきれいだっ
た。
「それなら、マイラ、遅くなったことと急になったことを、説明させて
くれ!まず、オレは必死に仕事をして時間に追われていた。なんの仕事
だったか、知ってる?」
「防衛に関するなにか、だと思う。なにかの装置。わたしが間
|
イェフディの法則
/FB2/TheYehudiPrinciple/
と、
オレ。ドリンクを取ろうと、かがんだ。
オレは、フロアに、殴り倒されていた。
「気をつけないと、ハンク!」と、チャーリー。「かがんだら、頭を下
げることになるからね。命令でないことを言ったら、頭を下げたり、か
がんだりしないこと!」
オレは、起き上がって、イスに座った。「たいまつであぶってくれ!」
オレは、頭を下げなかった。じっとしていた。言ってしまったことに
気づいてから、首が痛くなるほど、じっとして、振り子が作動してしま
うんじゃないかと心配で、完全に息も止めていた。
オレは、ヘッドバンドが傾かないように注意しながら、慎重に持ち上
げて、フロアの上に置いた。
立ち上がって、体を調べたが、打ち身程度で、骨は折れてなかった。
グラスを持ち上げて、飲んだ。うまかった。しかし、つぎは、自分で作
った。3/4を、ジンで。
14
13
3
グラスを手に、オレは、ヘッドバンドのま
|
ナッシングシリウス
/FB2/NothingSirius/
冒険家の正しい装備では、なかったかもしれない。
しかし、完璧なパイロットは、けっして、船長の命令に、疑問を持つ
ことはない。
ジョニーは、操縦席に座り、パネルを操作した。オレたちは、邪魔し
ないよう、操縦室を出た。
「ママ」と、オレ。「オレは、恥ずべきアホだ」
「そうじゃなかったとしても、そうなるわね」と、ママ。
オレは、ニヤリとして、エレンを見た。
しかし、エレンは、オレを見てなかった。エレンは、ふたたび、夢見
るような表情を浮かべていた。操縦室へ連れてって、ジョニーに1突き
して、気づかせてやりたかった。
「エレン、聞いてくれ、ジョニーは、今━━━」と、オレは言いかけた
10
9
が、すぐ黙った。顔の片方が燃えるように感じて、ママが、こっちを見
ていることが分かったからだ。オレは、カードを手にして、着陸するま
で、ふたりで、ソリテールをやっていた。
2
ジョニーは、
|
夢、遥かなる地にて
/ST/DS9_6_4_1/
「ゆっくり、1、2、3」と、救急隊員。救急車が呼ばれて、担架で運
ばれるベニーを、編集部の面々がビルの入り口で見送った。ダーリーン
は、心配そうな顔で、くちゃくちゃとチューインガムを噛んでいた。
救急車の中で、父親に似た牧師がベニーを覗き込んで言った。
「ゆっくり休め、ブラザーベニー、預言者の道を歩み始めたのだ。これ
以上の栄光はないぞ」
「教えてください、私は誰なんだ?」と、ベニー。
「知らないのか?」
「教えてくれ」
「おまえは、夢見るものであり、夢そのものだ」
◇
「ベン、ベン」と、キャシディの声。
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79
シスコ大佐は、ステーションの診療室で気が付いた。
「どのぐらい寝てた?」と、シスコ大佐。
「ほんの、2・3分です」と、ドクターベシア。
「一生に思えたね」と、ジョセフ。
「変ですね、どういうわけか、神経パターンが正常に戻ってます」
「それって、いいんだよね?」と、
|
白の悪夢
/FB3/NightmareInWhite/
白の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、突然目覚めた。完全に目覚めていて、眠るつもりもなかったの
に、なぜ眠ってしまったのかと訝りいぶかながら、すぐに腕時計の蛍光文字板
を見た。文字板がなければ真っ暗闇の中で、明るく光っていた。11時
数分過ぎだった。彼はホッとした。ほんの少し、うたた寝しただけだっ
た。このソファに横になってから、まだ30分もたっていなかった。妻
がおやすみを言いに来るには、まだ早い。彼の姉が、完全に眠り、寝息
をたてるまで待ってからだ。
2
1
1
それは、バカらしい話だった。ふたりは、3週間前に結婚したばかり
で、ハネムーンの帰りだった。ふたりが別々に寝るのは、これが初めて
だった━━━すべては、彼の姉のデボラが、帰り道の途中にある自分の
アパートに泊まってゆくよう、バカらしい提案をしたから
|
アンドロメダUの来訪者
/FB/AllGoodBems/
言った。「心配しな
いで、みなさん。ぼくは、みなさんの心を読むまで、知らなかったんだ。
ぼくが尻尾をさっきみたいに振るのは、コウゲキ、そう、攻撃するぞっ
ていう警告だってことをね」ファイブは、イスの下から這はい出てきて、
ドーベルマンの横で、トグロを巻いた。
「ファイブは、きみたちを傷つけないよ」と、ドーベルマン。「ぼくた
ちのだれもね」
「そうッス!」と、リス。
「そうだよ、マック」と、ウシ。彼、あるいは、彼女は、ドロシーにも
言った。「ベイビー、きみは、心配することないよ、今、心配している
こと、すべてをね!おらは、家の中で、そそうしたりはしないよ!」口
の中で、静かにそしゃくしてから、結論づけるように、言った。「だか
ら、なんの心配もいらないって!」
エルモスコットは、かすかに、身震いした。
「きみが考えるほどは、悪い事態には、ならないよ」と、ドーベルマン。
「ただの、言語上のお遊びみたいなものさ。あ、今、きみの心に1つの
26
25
|
星雲を越えて
/ST/StarTrek2016/
エンタープライズ、どうぞ!」と、マッコ
イ。通信機に。「応答せよ!だれでもいい!」
返答はなく、マッコイは、通信機をスボンのポケットにしまった。
「行こう、スポック!おまえなら、できる!」
マッコイは、スポックの手を肩にまわして、立ち上がらせた。
「私を置いてゆけば」と、スポック。「生存の確率は、飛躍的に上がり
ます!」
「男らしい申し出だが」と、マッコイ。「そんなことが、できるかよ!」
「残ったクルーを、見つけることの方が、重要だ!」
「オレを心配してたわけじゃないのか!」
敵の小型艇が3機、飛来した。
「もちろん、心配です」と、スポック。「尊敬の念が、伝わっていると
122
121
思っていました。何年にもわたり、われわれがかわしてきた会話が」
「分かってる、スポック」と、マッコイ。「言わなくたって」
敵に囲まれたので、マッコイはスポックと背中合わせに立った。
「最悪、ひとりで死ぬわ
|
ねずみ
/FB1/Mouse/
あなたが、生物学者なら。
グリムが到着して、3人は、慎重に、解剖をはじめた。違いは、小さ
いことをやめ、大きくなった。骨格は、骨ではなく、別の1つのもので
できていて、色も、白ではなく、明るい黄だった。消化組織は、まった
く常識はずれだった。白のミルクのようなものが、流れていたが、心臓
はなかった。そのかわりに、チューブに沿って、区画ごとに、接点があ
った。
「道の駅だな」と、グリム。「中央ポンプはない。1つの大きな心臓の
かわりに、多くの小さな心臓を持つわけだ。効率的と、いえる。このよ
うな生物は、心臓病を、患うわずらことはない。白の液体を、少し、スライド
に取ってみよう」
誰かが、ビルの肩にもたれかかって、体重をかけてきた。彼は、文句
を言おうと、顔を向けると、合衆国大統領だった。
「地球外からかね?」と、大統領。静かに、訊きいた。
「それに、どうやって?」と、ビル。1秒後に、付け足した。「大統領」
大統領は、うなづいた。「それは、死んで長いのかね?それとも、着
陸時に死んだのかね?」
「これは、推測ですが、大統領」と、ウィンスロー。「というのは、生
物の化学的組成が不明で、平熱がどのくらいか分からないからです。た
だ、私がここへ到着した、20分前には、直腸の体温は、95・3でし
24
23
|
幻の指揮官
/ST/VGR_6_1_4/
間違いなど、ありえません」
「では、予定どおりだ」と、監督官。自分の席に、戻っていった。
監督官がいなくなると、別のオペレータに、小声で。
「とんでもない、間違いだった!」
「とんでもないって、どんな?」と、別のオペレータ
「ドクターは、2・3秒ごとに、違う場所に現われる。そんなことは、
どうみても、不可能だ。だから、調べてみて、わかったんだよ。おれは、
彼の体験をモニターしてたんじゃない、彼の夢をのぞいてたんだ。もし
くは、彼の、空想をね。どっちか、わからない。とにかく、現実じゃあ
ない。まずい━━━どうすれば、いいんだ!」
3
医療室。
「ちょっと、様子を見によったのよ」と、ジェインウェイ。
「なんとか、やってます、艦長」と、ドクター。「トレス中尉が、マト
リックスを、安定させてくれました。そのあと、一度も、白昼夢はくちゅうむは見て
いません。勝手に、プログラムを変更して、すみませんでした」
「重大な損害は、なかったわ」
「いいえ、ありましたよ。私のバカな空想が、衆目にしゅうもくさらされてしまい
ました。軽蔑けいべつしたでしょう」
62
61
「そんなこと、ないわ。空想を見ただけで、あなたを判断したりしない。
誰だって、夢を見るのよ。いろんな可能性を、イメージするのに役立つ
|
ギーゼンスタック家
/FB1/TheGeezenstacks/
人形を、ひとつも持っていない、と。これなら、オーブリー
も納得してくれると思うよ。エディスが、強めに言ってくれれば」
「でも、ディック。サムには、なんて、言うの?理由を知りたがるんじ
ゃない?」
「サムには、オーブリーがいないときに、人形で遊ぶには大きくなりす
ぎたとか、人形に興味をもちすぎているから、お医者さんのアドバイス
で、とかなんとか言ったらいいんじゃないかな」
オーブリーは、あまり、乗り気ではなかった。最初のころほどは、ギ
ーゼンスタック家に夢中ではなかったが、どうして、人形とダンスレッ
スンの、両方できないのか、と訊きいた。
「両方は、時間的に無理だわ、ハニー。それに、貧しい子どもたちは、
いっしょに遊ぶお人形が、ひとつもないのよ。貧しい子どもたちが、か
わいそうでしょ?」
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オーブリーは、しぶしぶながら、うなづいた。けれど、ダンススクー
ルは、10日後からだったので
|
天使は淋しい道を行く
/TS/LonelyRoad/
とうとう、
それを、人々に伝えることができなかったのです。わたくしには、修道
女になる資格はなかったのです。もっと、つらい、仕事をしている方も
56
55
いるのに」
「どうしても、あなたは、夢の世界から出られないんですね?」
「夢の世界?」
「信仰の世界だって、実際的な面があるのですよ。ところが、あなたは、
奇跡を求めてるんです、違いますか?1匹の魚、1きれのパンで、何千
も養うような奇跡をね。雷鳴や稲妻とともに、現われる奇跡がないから、
いっさいが、むなしかったっていうんですか?とんでもないですよ!シ
スター、だれかしら、なんかの形で、かならず救われていますよ!」
「ウォーカーさん、思い出のひとつを、お話しましょう。教区の学校で
教えていたころ、インディアンの少年がいました。あの子は、16くら
いでした。ホソギという子でした。ホソギは、ナガギ語で、幸せと正義
という意味なの。不良という評判
|
おぼろ月夜に死ね
/FB5/MoonOverMurder/
手紙を書く」
ふたりは、ブラッドフォード通りを渡り、海辺の砂浜と岬まで2マイ
ルを結ぶ散歩道へ向かった。
歩いているあいだ、時々、どちらともなくなにかをしゃべり掛けよう
とするが、ほとんどなにもしゃべらなかった。海辺の砂浜の近くまで来
た。遠くで、波の砕ける音がかすかにした。
「彼女は、心になにかある」と、ホルムは考えた。「海辺に着いたら、
訊きいてみよう」
しかし、待つ必要はなかった。突然、沈黙を破って、彼女が言った。
「ピート、それはできない。心が変わった」
彼は立ち止まり、彼女の方を向いた。
「エレン」と、彼。「できないって━━━」
そのとき、彼女の目に涙が見えた。彼は意味を理解して、笑い掛けた。
「ああ、分かる。あんたは、オレにその仕事をするキャリアがあるかど
18
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うか考えてる。あんたは賢い。聞いて!かわいいまぬけ、ニューヨーク
には絵画クラスがある、夜間の。結婚して
|
致命的なミス
/FB3/FatalError/
「ウォルターバクスターか?」と、保安官。「逮捕状が出ている。服を
着て、いっしょに来なさい!」
「逮捕状?」と、ウォルター。「なんの?」
「不法侵入と窃盗せっとう。きみの叔父お じさんが、寝室のドアのところで一部始終
を見ていた。きみが行くまで静かにしていて、それからダウンタウンに
来て通報した」
エピローグ
ウォルターバクスターは、アゴを撃ちぬかれた。やはりミスをしてい
たのだ。
完全な殺人計画だったが、どろぼうに夢中になりすぎて、肝心なこと
を実行するのを忘れていた。
(終わり)
6
5
|
悪魔のジョーカー
/TZ/DealersChoice/
ポーカーを楽しみたかったんだ」
16
15
「金を、まきあげてくれたな!」と、ジミー。
「この金は、返すよ!」ニックは、10枚くらい溜まったお札を、前に
出した。
3人は、そろって、不満の声を出した。
「そういう問題じゃない!」と、トニー。
「ああ、そうさ」と、ピート。「ポーカーをやりたいんなら、ちゃんと、
名乗れよ!闇の王子です、とかなんとかさ」
「悪かった、心から謝る。金は、返すよ。必要だろうからね━━━」
3人は、謝罪に、少しホッとした。
「ひとりは、別だが━━━」
3人は、互いに、顔を見合わせた。
「そのひとり、とは?」と、ピート。
「察してくれ!」ニックは、言いにくそうな顔をした。
3人は、また、不満の声を出した。
「悪魔だからって、もったいぶるなよ!」と、ジミー。
「ピートのパーティで」と、トニー。「迷惑かけた、ジミーか?」
「あのときの女全員に、新しい靴を贈っている!」
トニーとジミーは、ピートを見た。
「オレが、怒鳴り散らしたせいで」と、ピート。「嫁は出ていったが、
だからって、殺すことはないだろ!厳しすぎるぞ!」
18
17
|
サアルバの国
/FB1/DeathOnTheMountain/
彼は、山のそばを漂う雲を見た。雲は、奇妙な形
8
7
をしていた。その形は、時々刻々変化し、鳥であったり、剣であったり、
象であったりした。ごくたまに、雲は、彼以外は、だれも見たことのな
いような形になった。彼は、その雲の形を、夢のなかの、サアルバの国
で見ていたのだ。サアルバの国では、パンは、星くずでできていて、1
オンスが16ポンドで、時計は、暗くなると、逆に進んだ。
3
ふたりの女性が、その山に登った。そして、小屋のなかの彼のいると
ころへ来た。ふたりの女性は、小屋のなかのものを見わたした。
「ここには、ないみたいだわ」と、年上の女性。「ここに、彼のサンダ
ルがあると思ったのだけど、見あたらないわ」
「戻ってて、いいわよ」と、年下の女性。「すぐに、暗くなるわ。日が
昇ったら、わたしが、見つけておいてあげる」
「こわくはないの?」
「シェパードは、羊の世話をするものよ」と、
|
バーニングマン
/TZ/TheBurningMan/
グローブボックスには、かなづちも━━━」
ローリーもアンドレも、大声で笑った。
◇
湖。木製の台から、飛び込むアンドレ。水中から、現われるローリー。
ローリーとアンドレは、水着で水をかけあって、おはしゃぎだった。
木陰で休む、ローリーとアンドレ。すでに、服を着替えていた。
「セミの声だ」と、アンドレ。「まさか、あの人の話、ほんとうじゃ、
ないよね?違う道で、帰れないの?」
「無理ね」
「何も、起きないといいけど」
「心配ないわ。行くわよ」
アンドレは、ランチバスケットを車に乗せた。
夕日の中を、昼と同じ道を、帰っていった。
「ほんとうだったらな」と、アンドレ。
14
13
「何の話?」と、ローリー。
「座席の下に、十字架さ」
道端で、真っ白な服を着た、少年が手を振っていた。
ローリーは、車を止めた。
「町へ行く?」と、白い服の少年。
「そうよ、あなたは、何してるの?」
|
アリーナ
/FB6/Arena/
アウトサイダーを彼らの銀河へ追い返す
ことはできるが、彼らは戻ってくる。それがイヤなら、あんたらの種は、
遅かれ早かれ、彼らに服従するしかない。この空間と時間にとどまり続
ければ、互いに戦争しないように見守ることはできるだろうが、オレは
ここにとどまり続けることはできない。
それで、今、オレは介入することにした。一方の艦隊は無傷で残し、
他方の艦隊を完全に破壊する。1つの文明は、そうして生き残る」
悪夢だった。これは、悪夢に違いない。カーソンは考えた。しかし、
彼は夢でないことも分かっていた。バカげていて、あり得えなかったが、
しかし現実だった。
彼はあえて、訊きかなかった。どっちが?しかし、考えたことが質問に
なってしまった。
「強いものが生き残る!」と、声。「結果は変えられない、変えない。
オレは単に、完全な勝利に至るまで、介入するだけだ━━━また、言葉
を捜して━━━敗やぶれたものに、勝利をもたらしはしない。
戦い寸前の辺境から、ふたりの個体、あんたとアウトサイダーを拾い
上げてきた。あんたの心をのぞいて分かったことは、昔のナショナリズ
ムの戦いでは、チャンピオン同士が戦って、勝利した方がさまざまな争
いごとの決定権を持っていたそうだ。
あんたとあんたの相手は、ここにピットインして、互いに1対1で、
20
19
|
失われた母星
/ST/StarTrek2009/
他のもんも同様。さ、乗れよ!」
4人は、シャトルへ乗り込んだ。
「エンタープライズは処女航海したんだ!」と、スコット。「あれは、
スタイル抜群だね!この手で、あのワープナセルを直せるのが、エンジ
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ニアの夢ってもんだ」
スポックは、パネルの前で、転送装置が使えるか、調べていた。
「だけど、ただね」と、スコット。スポックに。「あんたを信じても、
オレが、トランスワープ理論を発明といっても、まだ、してねぇわけだ
し、だいだい、ワープしているエンタープライズにさ、まともな、転送
パットもないのに、転送で乗り込むって━━━降りろ!」転送ルームの
手すりに登っている、小さな宇宙人に。「ジャングルジムじゃ、ねぇ!」
カークは、小さな宇宙人を抱きかかえて、降ろした。
「トランスワープ転送ってのは、銃弾を銃弾で撃つようなもんだ。しか
も、目隠ししたまんま、馬に乗ってさ━━━なに、それ?」
|
ライトインスカイスター
/FB5/LightInSkyStar/
対抗馬は?」
「レイトンという男がいる、ドワイトレイトン、サクラメント出身。そ
この元市長。出身と同じに曲がっている。保守主義者」
オレは肩を震ふるわせた。「それだけ?」
「彼はテレビの時間をたくさん買って、しゃべりがうまい。彼が言うに
は、人類はもっとも貴重な資源、ウラニウムを無駄に捨てている。死ん
だ月や火星の上の価値のない植民地を維持するために膨大な量のウラニ
ウムを消費することによって。地球は、長期にわたって証明された非現
実的な夢を実現するために無駄な努力を続けることによって、地球自身
をだめにしている。火星だけで、1千億ドル以上を費やして、火星にい
ったいなんの価値がある?砂漠とわずかなコケだけだ。人間生活を維持
するじゅぶんな大気もないし、ひどく寒い。だが、年間、なん百万ドル
も使って、数十人の生活を支えようとしている、まったく正気の沙汰と
40
39
は思えない」
「分かった
|
緑の世界
/FB/SomethingGreen/
中尉?自分の計算では、30才のはず
だけど、いくつになるのかな?」
「今は」と、アーチャー。「2272年です、マクガリー。あんたは、
ここに、30年いる。あんたは、55才。しかし、それほど、気にする
ことはない。医学は、進歩している。まだ、そうとう長く生きられる」
「55才か」と、マクガリー。しずかに。「30年になるのか━━━」
中尉は、マクガリーを、哀あわれむように見た。
「もしもがまんできるなら、悪いニュースの残りも、聞いておく?いく
つかある。オレは、心理学者ではないが、悪いニュースは、今、全部聞
いておく方が、いいと思う。帰ってから、ひとつづつ聞かされるよりは。
28
27
どうする?聞いておく、マクガリー?」
今、聞かされたことより、悪いことがあるだろうか?人生の30年が、
ここで、無駄に費やされてしまった。しかし、地球に、緑の地球に戻れ
る限り、残りの人生で、やりたいことがなん
|
血だらけの月の光
/FB5/BloodyMoonlight/
数分、シャーロッ
クのオフィスで会っただけ」
「たいてい、なんの仕事で依頼して来る?」
「彼女の使用人の調査。やる気があるかどうか。彼女はドレスショップ
のチェーン店を経営していて、12店のうちの8店がシカゴにある。ほ
かに、ミルウォーキー、スプリングフィールド、ゲーリー、それにセン
トルイス。かなり頭のいいビジネスウーマンだと思う」
「帰る前に、もう一杯づつ?」
「いいね、エド、もう一杯ずつ飲もう!」
オレたちはそうしてから、帰った。
それは、恐ろしい悪夢の前奏曲のようには見えなかった。
朝、アムは7時に起きてから、9時まで寝ているオレのために、目覚
ましをセットし直してくれた。10時43分の列車に余裕を持って乗れ
46
45
た。スレーター駅で、乗り継ぎのため1時間待たされて、3時にトレモ
ントに着いた。トレモントハウスの室を、スターロックの予想通り1泊
ちょうど3ドルで取れた。列車
|
八甲田 歩のスペースドライバー日誌
/RM/SpaceDriver/
ニュー芝浦
「わたしが幽霊になって、あなたの夢に出てくるですって?」と、大海
八尋。
ニュー芝浦エアポートは、行き交う人でごった返していた。
「そうなんです、しかも僕は僕で、21世紀のタクシードライバーとや
らをやってる夢なんです!」
「あなたも21世紀かぶれになったわけ?今は121世紀よ、そんな1
万年も前の古代文明を知ってなにになるっていうの?いつからそんな夢
を見るの?」
「やはり、1万年アニバーサリーが始まってからでしょうか?」
36
35
「その幽霊、ご職業は?」
「幽霊に職業があるのかわかりませんが、生前はやはり、キャビンアテ
ンダントでしょうか?あの気の強さから察するに」
「どういう意味よ、CAがみんな気が強いってわけじゃないのよ!それ
にその頃って、1万メートルくらいの地べたを這はうようなところをウロ
ウロしてたっていうじゃない?」
「タクシードライバーはそのまま地べたを這は
|
SFミステリー ライトノベル風
/CO/cmt/
Top
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
試用版 ゲストルーム
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
presented by bilyzkid
◆◇◆◇◆◇
1.自分のオリジナル作品を、非公開URLにて、掲載可能です。
表示は
|
“スペーステロリスト”ターナロス
/ST/DS9_1_1_2/
警備体制は大丈夫?」
「ご心配なく、ちゃんとやっていますとも」
「そう?」
「ベイジョー人には、私どもには、とうていマネのできない、能力がひ
とつあります」
「それは?」
「うわべを作る、虚勢をはる能力です。本心を隠すことは、私には、非
常に難しい」
「私が、いつも、あなたに意見を求めるのは、そのせいよ。率直な意見
が聞ける。私の過去を知ってる?」
「かなり詳しく知っていますよ」
「誇りに思えないようなことも、してきたわ。ハルという基地を襲った
ことは、今も、夢に見てうなされる。でも、少なくとも、当時は、信念
を持って行動していたわ」
「それでは、今は、迷いがあるということですか?」
「私もあなたも、連邦の人間じゃない」
「というと?」
「私には、戦うべき相手がいるのに、自分を欺いて現状に甘んじている
のかもしれないわ」
「どうやら、苦しい選択を迫られているようですね。どちらを選びます
54
53
|
ハーフベア
/FB3/Bear/
2
1
1
始まりは、最後に動物園を訪れた夜だった。「最後に」は2つの意味
でそうだった。1つは、クインビーが1マイル以内には近づかないとい
うことであり、もう1つは、妻も近づかないということだった。彼女は
落ちて、そう、穴の中へ━━━。
その夜、起こったことを分かってもらうためには、すこし説明が必要
だ。クインビーは、若い頃から熱心に魔術━━━手品のようなものでな
く、本物の魔術を学んでいた。不運にも、魔術はクインビー自身には効
かなかった。どんなにがんばっても、ほかの人にも効かなかった。
ひとつの魔術を除いて。それは、人間をクインビーの好きな動物に変
えるもので、同じ魔術を逆に唱えれば、ふたたび人間に戻せた。もしも
悪意のある人間なら、この魔術を犯罪に使うところだが、クインビーは
まったくそうでなかった。何回か練習で使ったあとは、好奇心から自分
から言ってきた者に使用しただけで、2度と使用することはなかった。
ジョナサンクインビーは、10年前30才のとき、ジェシーと恋に落
ちて結婚した。クインビーは、ジェシーの好奇心を満たすため、1度だ
け魔術を使った。魔術の話をしたとき、ジェシーは疑って証明を迫った
ので、ジェシーをシンプルにシャムネコに変えた。クインビーは
|
蛇の花嫁
/OT/Hebino_Hanayome/
蛇へびの花嫁はなよめ
大手おおて拓次たくじ
しろきもの
しろきもの
ゆくりなく 心のうへをただよへり
ながるるひまもなく
あはきがなかに なほあはき
かすかなる 鳥の啼音なきねのつらなれり
2
1
ほのあをき貝
ほのあをき貝をもて
わがただよへる心を をさめよ
らうたけし ほのあをき貝をもて
わがかなしみを をさめよ
4
3
相見ざる日
こころ おもくして
うなだれてのみ あるものを
身をつつむ ひぐらし色のこゑ
6
5
|
赤の悪夢
/FB1/NightmareInRed/
赤の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、なにによって起こされたのか、わからないまま、目が覚めた。
最初のゆれのあと、1分で、2回目のゆれが来た。ベッドが少しゆれ、
タンスの上の小物が、ガタガタと、音をたてた。3回目のゆれを、横に
なったまま、待っていたが、来なかった。その時までは、来なかった。
ほとんど目が覚めてしまっていて、もう、眠ることができなかった。
時計の夜光盤を見ると、まだ、真夜中の3時であった。ベッドから出て、
パジャマのまま、窓のところまで歩いた。暗い空に、点滅する光が見え
た。夜の音が聞こえた。どこかで、ベル。
2
1
しかし、なぜ、この時間にベルなんか?災害を知らせるベルなのか?
ここの軽いゆれが、どこか近くで、大きな地震につながったのだろうか?
あるいは、これから、ほんとうの地震が来る、とい
|
お手伝いさんはジーナデービス2
/FD/FD3_3_1/
皿を置いた。
「ありがとう」と、マロリー。
「キートンさんは」と、カレン。やはり、裏のメモを見て「ショッキン
グエッグス」スティーブンの前に、皿を置いた。
「わぁ、どうも」と、スティーブン。
3人は、出された卵料理をじっと見ている。
「あ、カレン」と、スティーブン。「見たところ、みんな同じスクラン
ブルエッグみたいだけど」
「そんな、バカな!」と、カレン。「それしか知らないの、でも、安心
して、ネーミングで、ますますおいしくなってるから!」
「最近、ニワトリの夢ばっかり」と、スティーブン。
4
3
1
「おはよう」と、アレックス。スーツ姿で入って来た。「マロリー、電
話なかった?」
「ないって、言ってるでしょ!」と、マロリー。
「あ。そうね、くせになっちゃったんだ」と、アレックス。冷蔵庫をあ
けて、オレンジジュースを出した。「だから、電話は、あ、止まらなく
なっちゃった!」
「
|
ファマドユニヴァース
/FB5/WhatMadUniverse/
(全部で18あった)惑星
のあいだ、恒星のあいだのなにもないボイドに頭を出していた。猛スピ
304
303
ードでベルが鳴る感覚が、耳にあった。音はどんどん大きくなり、アル
クトゥルス人であることをやめて、電話のベルだと気づくまで続いた。
電話に出ると、声は言った。「今は6時、サー!」
また横になることも、眠りに戻ることもせずに、ベッドに座って、し
ばらく、考えて、夢を思い出していた。それは、結局、彼に起こってい
ることに比べたら、ぜんぜんバカらしくなかった。
ドッペルは、なにに見えた?夢では、エロールフリンに見えた。似て
ないと、なぜ言える?たぶん、ドッペルはエロールフリンだった。その
ことを忘れなかったら、そこで、エロールフリンがいるかどうかを調べ
ればいい。
いなくても、驚かないだろう。
現実の亜空間の1つに迷い込んだのは、ファンタスティックな映画か
ストーリーか本だということもあるのではないか?そうでないと、なぜ
言える?ドッペルは、と彼は考えた、あまりに完璧すぎて、現実のキャ
ラクターとしては、あまりにファンタスティック過ぎた。パルプ雑誌か
ら出て来たなにかだとしても、妥当なものでなかった。まともに考えた
ら、どんな編集者でも、これほどありえないキャラクターが登場するス
|
ミットキーふたたび
/FB1/MitkeyRidesAgain/
送信機が、そう、教えてくれた。ロケットの轟音ごうおんが、大きすぎて、中
のねずみが生きているかどうか、確信がもてなかったが、たぶん、生き
ているだろう。ミットキーは、プロックスへの旅でも生きていたのだか
ら。
ついに、教授は、長椅子でうたた寝するために、電気を消した。起き
たときには、雨はやんでいるだろう。
教授は、うとうとして、目は閉じられた。そして、しばらくして、ふ
たたび、目をあける夢を見た。自分の見ているものが夢だということは、
分かったいた。
4つの小さい白い点が、ドアから床を横切って、動いた。
4つの小さい白い点は、ねずみのようだったが、ねずみの夢を見てい
るのでない限り、ありえなかった。それらは、軍隊のように整然と、正
確な四角形で、動いたからだ。ほとんど、兵士のように。
それから、音が、あまりにかすかで聞き取れなかった。4つの小さい
白い点は、1つのかたまりになって、消えた。1つ1つ、正確なインタ
ーバルで、床板から消えた。
教授は、目が覚めて、自分に笑った。
「夢ではない?白いねずみや、手についた白ペンキのことを考えて、眠
ったから、それで、そんな夢を━━━」
伸びをして、あくびをして、起き上がった。
48
47
しかし、小さい白い点は、つまり、白いなに
|
お手伝いさんはジーナデービス1
/FD/FD3_2_6/
お手伝いさんはジーナデービス1
ルースベネット、マイケルJウェイトン
登場人物
エリス:キートン家の母、42、2階で出産療養中。(お休み)
スティーブン:父、44、テレビ局でドキュメンタリー番組を製作。
アレックス:兄、18、優秀な成績で、大学に進学。努力家タイプ。
マロリー:姉、16、勉強よりもファッションが得意。
ジェニファー:妹、13、子どもが生まれると、のけ者にされると心配。
カレン:背の高い女性、32、お手伝いさんに応募。
プロローグ
2
1
キートン家の居間。夕方。
テーブルに、アレックスとスティーブン、それに、お手伝いさんに応
募してきた65くらいの女性。
「というわけで」と、スティーブン。「女房が休んでるしばらくの間、
うちのことをやってもらうことって、ふつうの主婦の仕事と変わりませ
んが、買い物とか、料理とか、その程度のこと。給料は、
|
オブライエンの孤独
/ST/DS9_2_4_2/
仕事に戻ってください。敵の注意を、引かないようにしないと。
私も調べてみます。もし、チーフの疑っているとおりだったら、宇宙艦
隊とベイジョー当局に、同時に通報しましょう」
「頼りは、きみだけだ」
「かならず、真相は、暴あばきます」
◇
オブライエンの室。
オブライエンは、戻ってきた。
「私は、やっと、ひと安心した」と、オブライエンの声。個人日誌に。
「ついに、味方ができたんだ。あとは、待つしかなかった。だが、私は、
この、待つというのが、できない主義なんだ。そこで、次に起こるであ
ろうことに備そなえて、準備を始めた。打つ手は、まだ、いくつかあった」
オブライエンは、いくつかのパーツを組み合わせて、閃光弾せんこうだんを作った。
◇
ステーションのプロムナード。
オブライエンは、クワークの店の2階のテーブル席にいた。
60
59
下のフロアでは、ダーボが出て、大騒ぎ
|
SFミステリー (小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン) ライトノベル風
/
(画像提供:
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原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
◆◇◆更新ニュース◇◆◇
一.
試用版 ゲストルーム
をリリースしました。
二.
サイト 内 検索
をリリースしました。
三.
郵便番号検索
をリリースしました。
四.
世界の国旗
に暗記用シャッフル機能および新国旗追加。
五.
和暦⇔西暦・早見表
に十二支(し)アニマルズ参加。
六.
ネット広告
を
すべて廃止しました(弊社のものは除く)。
左
中央:初出年月・初放映日・初出雑誌・他
右
七.
|
天使が死ぬ時
/TS/TheHabit/
なぜ、そう言ってくださらなかった?」
「あしたは、行きます。どんなことがあっても、あしたは、1番に、タ
ールトンへさがしに行きます」
「もう、手遅れでしょう。指紋もとられてるでしょうし。片腕の男も新
聞を見たでしょうから」
「もうしわけありません。ほんとうに、すいませんでした」
シスターは、足元がふらついて、机にもたれかかった。リチャードは、
驚いた。
「疲れました。いろいろと事件の多い1日でしたから。先生、ご恩に報
いるチャンスをなくして、心から、お詫び申します」
リチャードは、立ち上がった。目は、シスターを診察する目になった。
「シスター、ぼくの手を握ってごらんなさい!」
「なんのために?」シスターは、両手を握った。
「さ、握ってください!ぎゅっと!両方、いっしょに、力いっぱい」
「先生、わたくし、疲れていますから、もう」シスターは、やめて、イ
スにすわった。
48
47
「医者に診み
|
緑の悪夢
/FB3/NightmareInGreen/
緑の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は目覚めると、昨夜ベッドの中で考えた強い決意を思い起こした。
それは、ウィリアムがふたたび男に、強い男になるために曲げてはなら
ない決意だった。妻のデイジーに離婚してくれるよう断固として要求す
る。そうしなければ、すべてを失って2度と勇気を持てなくなるだろう。
6年間の結婚生活の最初から、離婚は不可避だった。
今が、そのターニングポイントだった。自分より、あらゆる点ですぐ
れた女性と結婚することは、耐えられないだけでなく、自分がだんだん
弱々しい生き物、希望を失ったねずみになっていってしまうのだ。
2
1
1
デイジーは、あらゆる点で、ウィリアムより優まさっていた。彼女は、ア
スリートだったので、ゴルフでもテニスでもあらゆるスポーツで、彼を
やすやすと打ち負かした。デイジーは、ウ
|
発酵したインク
/FB5/FermentedInk/
発酵はっこうしたインク
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
もくじ
太ふとりすぎのふくろうに捧ささげる歌 ∨
間奏曲 かんそうきょく ∨
ギフト ∨
聞ききなれないセレナーデ ∨
モダンメロディ ∨
ラプソディ ∨
オーチュア ∨
ロマンス ∨
ミッドナイトソナタ ∨
ゆっくりと目覚め ざめる ∨
2
1
太りすぎのふくろうに捧げる歌
Ode to a Stuffed Owl
太りすぎの ふくろう The stuffed owl
遠ぼえも Does not howl、
うなりも しない Or yowl。
飛ぶとき When flies
目の光 Light on its eyes
またたきも It doesn’t blink
ウィンクも しない Or wink、
止まり木から Nor from its perch
ね
|
それですべて
/FB5/OnlyEverything/
それですべて
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
今朝、とてもハンサムですごく若い男が、家の玄関に来た。彼は、あ
とで分かったが、エホバの証人で、オレを救済するために来た。たぶん、
なにか売るつもりだろうが、そのような話にはまったくならなかった。
オレは、熱心な無神論者だと伝えたが、それでもまったく意に介さな
かった。彼はしゃべり続け、オレは、二日酔いでパジャマのまま、聞き
続けた━━━なぜなら、彼を見ていると、自分を見ているようで、オレ
が見逃してしまった方法で、もしも神がいて、チャンスがあれば、彼は
宇宙の一部を変えて、オレに奇跡をもたらせてくれるように思えた。オ
レは、奇跡がなくても、簡単に説得されてしまう若者だった。
2
1
1
これは、オレが嫌っていることのひとつだった。嫌っているのは、キ
リス
|
アンラッキー
/FB1/Unfortunately/
というのも、彼らには、発声や聴覚のための、いかなる器
官もないからだ。彼らは、地球言語の読み書きを、かなり、流暢りゅうちょうにこな
す」
ラルフNCー5は、なにが食べたいか、考えただけで、口に唾液だえきがあ
ふれてくる気がした。なにしろ、この2日間は、まったく、なにも食べ
ていなかったからだ。その前の5日間もわずかしか食べていなかった。
1週間前に、兵站へいたん部が食料を補充しなかったことに、初めて気づいたか
らだ。
ごはん、すばらしいごはんが、心の中に、いろいろと浮かんでは、消
えた。
偵察艇が着陸すると、アルクトゥルス星人は、10人あまり━━━た
しかに、彼らは、ヒューマノイドではなかった。12フィートの背丈で、
6本の腕、肌は、明るい赤紫あかむらさきだった━━━彼に近づいてきて、リーダー
4
3
がおじぎをして、紙と鉛筆を手渡した。
急に、彼は、自分がほしいものにやっと気づいた
|
アボミっぽい
/FB3/Abominable/
プロローグ
シャウンシーアサートン卿は、キャンプを手伝ってくれていたシェル
パに、手を振って別れを告げ、その先は、ひとりで進んだ。ここは、ヒ
マラヤのエベレスト山の北数百マイル、アボミっぽい、つまり、忌いまわ
しいスノーマンの国だった。アボミっぽいスノーマンは、しばしば、エ
ベレストやチベット、ネパールの山々に現われた。しかし、オブリモフ
山は、今、彼が現地ガイドと別れた山だが、シェルパは、彼を心配して、
ほんとうに山に登る気なのか、引き返せる地点まで、待っていてくれた。
ここを越えるのは、勇敢な男だった。シャウンシー卿も、そうだった。
2
1
1
シャウンシー卿は、女性の目利きでもあった。ここでひとりで挑戦す
る理由がそれで、危険な登山というだけでなく、危険な救出でもあった。
もしも、ローラガブラルディが、まだ、生きていれば、アボミっぽいス
ノーマンにつ
|
聖なる神殿の謎
/ST/DS9_1_1_1/
医療室は、散らか
り放題であった。
「ステーション内で、窃盗が横行しているの、ここも荒らされたみたい
ね」と、キラ少佐。
「まさに、理想的な環境だ!これこそ、真の辺境医療だ!」と、ドクタ
ーベシア。
「辺境医療?」
「実は、僕は、志願してここへ来たんですよ」
「あら、そう?」
「楽な仕事や研究には、興味はない。僕は、こういうところで働きたか
った。銀河の果ての辺境の地。冒険とロマンに満ち溢れ、英雄が生まれ
る場所!未知の世界が僕を待っている!この、未開の星や、夢をかき立
てる」
「その未開の星が、私の故郷よ」
52
51
「あ、僕は、その」
「カーデシアのおかげで、負傷者が山ほど出ているわ。治療してくれれ
ば、あなたに、心から感謝してくれると思うわよ、なんせ、素朴で単純
な連中だから」
「ひゅー」
◇
シスコ中佐は、研究室で、ダックス中尉に発光体を見せて、言った。
「ベイジョーの僧
|
あごひげ彩か
/FB3/Beard/
カ
ラー音痴の妻をもらった。違いが分からないからね。
いままでの妻たちは、みんなカラー音痴だった」
ビリーは、深くため息をついた。
6
5
エピローグ
「オレのあごひげの色にもかかわらず、みんな好奇心いっぱいになって、
マリアンヌのようにクローセットの中を見たがるのはなぜなんだろう?
お墓はそこにはない。屋根裏さ」
ビリーは、マリアンヌをがっしりつかんだ。
「おいで、ダーリン」と、ビリー。「お墓を見せてあげるよ!」
(終わり)
8
7
|
つくられた記憶
/ST/DS9_4_5_3/
オブライエンを乗せて、アルファ宇宙域に戻
った。
「よく夢にみましたよ。シャトルに乗って、ワームホールを抜けてステ
8
7
ーションに帰る。今でも目を覚ますと、消えてしまうような気がする」
と、オブライエン。
「投獄されたのが夢よ。こっちが、現実なの」と、キラ少佐。
「ほんとに、なんて、きれいなんだ」
ディープスペースナインは、宇宙に浮かぶ巨大な神殿のようだった。
「ふん、それじゃ、着艦するわよ」
エアロックで待っていたのは、ドクターベシアだった。
「チーフ」と、ドクターベシア。
「ジュリアン、ほんとに君かい?」と、オブライエン。
「そうだよ」
「あとは、お願いね」キラ少佐は、ふたりを残して、ブリッジへ戻って
いった。
「二度と会えないかと思った」と、オブライエン。
「僕も、君を心配していたよ」と、ドクターベシア。
「ケイコは?」
「ケイコには、少し待ってもらっているんだ。まず、君の状態
|
小さな子羊よ
/FB/TheLittleLamb/
ラムは、どこだろう?戻ったときに、彼女が戻っていなかっ
たら、画えのつづきができるだろうか?また、理由もなく、彼女のことを、
16
15
心配するだろうか?胸のあたりに、また、なにかかたいものを感じ出す
だろうか?
グラスを見ると、カラだった。早く飲みすぎたようだ。もう一杯注文
すべきだった。そうしないと、なぜ、ここへ来たのか、バレてしまうだ
ろう。ラムに嫉妬しっとしたり、心配したりしていると、みんなに、ここにい
る人たちにさえも、思われたくなかった。ラムとは、互いに、心のなか
では、信頼しあっていた。彼女がどこにいるのか気になって、帰ってき
てほしいとは思うが、それだけだった。彼女がどこか特定の場所にいる
のではないか、と疑ってはいなかった。みんなは、そこまでわかっては
くれないだろう。
「ハリー、マティーニをくれないか?」オレは、そんなに多くは酒を飲
まないし、いろいろ混ぜると、体によくないことを知っていたが、あの
色を、近くで観察しておきたかった。すべてが、その色を中心に展開す
る、中心の色になるはずだった。
ハリーは、マティーニを作ってくれた。味は、うまかった。オリーブ
をまわしてみたが、欲しかった色ではなかった。茶が、あまりに強かっ
た。しかし、まだ、あの色は、憶おぼえてい
|
囚人のピアノ
/TZ/TheConvictsPiano/
と、呼ぶ声がした。
「すぐ行く!」そして、「ミサで使えるかも」と、言って、出ていった。
「そうだな」と、リック。
リックは、ピアノをあけてみた。鍵盤を押すと、音がした。
イスをあけると、楽譜がいくつも入っていた。
「スコットジョプリンのメイプルリーフラグ」
楽譜を開いて、ピアノに座った。
「1899年に発行か━━━」
初めての曲だった。右手だけで、出だしを弾いた。左手は、包帯をし
ていたが、なんとか弾けた。3・4小節で、軽快なリズムが出てきた。
夢中になって弾いてるうちに、いつのまにか、赤の楽団の制服を着て、
夜の公園の野外ステージでピアノを弾いていることに気づいた。
周りには、トランペットやホルンのブラスバンドが一緒に演奏してい
た。公園は、感謝祭のお祝いで、テーブルクロスが敷かれ、帽子をかぶ
って着飾った男女が、散策していた。
10
9
セーラー服を着た女性が、花火を持って
|
ノック、312
/FB7/Knock312/
久しぶりに、あんたの便りが聞けてうれしい、大学で寮が同室だった
時以来だから、10年ぶりだ。あんたがウォルトにたまたま出会って、
オレの住所をもらったことはとても良かった。
見事、博士号を取ったこと、おめでとう、それに、コンサルト精神分
析医として、自分のオフィスを持ったことも、ニューヨークのパークア
ベニューなら、これ以上ない立地で、申し分なしと期待できる。
いや、オレはもう学位を取るための勉強はしてないし、する気もない。
今では、オレはオレで、ギリシア料理のレストランのオーナーをやって
いる。しかし、本はよく読んで、少し勉強もしている。こころが完全に
腐らないようにしている。物事を維持できるようトライしている、たと
えば、『心理学ジャーナル』は、毎号購読している、たとえ今では、そ
の分野では門外漢になってしまっていても。読書の半分は、時間潰しだ
が、もう半分は違う。古典をよく読む。古典文学における知識は、大学
時代の知識量を大きくしのぐ。
体を鍛えることも、週2日か3日、朝にレスリングジムに通っている。
まだ、グレコローマンレスリングをやっていて、スパーリングの相手は
見つかるが、オレに勝てる相手は見つからない。
レストランのことも知りたいと思う。なんという名前とか、店のすべ
て。すべてというのは、多すぎて、あんたが自分の店をやろうというの
でない限り、退屈してしまう。イメージが湧かないのではないかと心配
38
37
だ。よって、だいたいのイメージだけ伝えよう。
最初は名前だが、ミコスが、店の名前。ファンタスティックではない
が、ギリシア人の店だということを隠す意図は
|
カトゥーニスト
/FB4/Cartoonist/
22
21
「オレは、オレはできないと思う」と、ビル。「むしろ、戻りたい、
つまり、支払いは?しばらくやって稼いだら、カネをもらって、あるい
は、その対価物をもらって、地球に戻りたい」
「支払いは、あんたのゴージャスな夢のはるか上を行く。欲しいものは
なんでも手に入る。1年契約で始めることもできる。1年後に、望めば、
生涯契約に変更できるオプションも付けて」
「そう」と、ビル。ゴージャスな夢のはるか上っていくらなのだろう?
金の延べ棒を抱かかえて、地球に戻る自分の姿を想像した。
「受け入れてくれるよう、促しうながたい」と、皇帝。「あんたが描かいたすべ
てのカトゥーンは、希望すれば、1日1つ以上描かくこともできる、惑星
のすべての出版社が出版する。そのすべてからロイヤリティが入る」
「出版社の数は?」
「10万社以上。200億の人々があんたのカトゥーンを読む」
「それなら」と、ビル。「たぶん
|
ネコどろぼう
/FB3/CatBurglar/
ネコどろぼう
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ミッドランドシティ警察の署長は、2匹のダックスフンドを飼ってい
た。名前は、リトルノートとロングリメンバーだった。しかしこのこと
は、ネコどろぼうとは全く関係ない。このストーリーは、いわゆる署長
が、一見すると不可解な一連のどろぼうに━━━ひとりの男の犯罪に興
味をもったその関心事から始まる。
どろぼうは数週間で、19の家に侵入した。見たところ犯罪は計画的
だった。侵入した家にはかならずネコがいた共通点があったからだ。
どろぼうはネコだけを盗んだ。
2
1
1
たまには、現金が見えるとこにあったり、宝石があったが、どろぼう
は目もくれなかった。家主が帰ると、窓やドアがこじあけられ、ネコが
いないことを発見するが、ほかに盗まれたものはなく、室を荒らされて
も
|
アリスのビックリラン
/LC/AliceWonder/
エピローグ
そのとき、アリスは、土手の上で横になっていることに気づいた。頭
は、姉のマギーのひざの上だった。マギーは、木の上からアリスの顔に
降ってきた落葉おちばを、やさしく払いのけていた。
「起きなさい、アリス!」と、マギー。「ずいぶん長く眠っていたわ!」
「変な夢だった!」と、アリス。マギーに、見た夢をすべて話した。
「確かに、おかしな夢ね!」と、マギー。アリスの頬ほおにキスをした。
「でも、すぐ急がないと、お茶の時間に遅れてしまうわ!」
アリスは、走りながら考えた。
「なんて、すばらしい夢だったんでしょう!」
◇
マギーは、しばらく土手にいて、夕陽を眺めていた。ヒザの上の手に
アゴを乗せて座り、アリスのことを考えていた。アリスの夢の冒険も考
えたが、それよりもファッションのことを考えた。ファッションがマギ
ーの夢だった。
やがて、眠りの中で、ふたたび、アリスの夢を見た。手でヒザをたた
き、目はマギーを見つめていた。アリスの声も聞こえ、目に入る長い髪かみ
226
225
をうしろにはね上げた。そして聞こえてきたのは、あるいは、聞こえて
きたように思えたのは、マギーを取り囲んで現われた、アリスの夢の奇
妙な生物たちだった。
◇
長く伸びた草が足元で音をた
|
ふくろぅ3兄弟
/FB3/Owl/
6
5
3
末っ子は、木のうろに帰った。
「今、ワイルドキャットとハンターと赤ぎつねを殺したよ!」と、末っ
子。兄たちに、誇らしげに。
「夢でも見たんだよ!」と、長男。
「たしかに夢だな!」と、次男。
「じゃ、夜になったら見せてあげるよ!」と、末っ子。
◇
ワイルドキャットとハンターは、気絶しただけだった。ワイルドキャ
ットはしばらくして起き上がると、逃げていった。ハンターは、目覚め
ると、銃が偶然しとめた赤ぎつねを見つけて、家に持ち帰った。
◇
夜がきて、3兄弟は、木の外へ出た。
末っ子は、ワイルドキャットとハンターと赤ぎつねを捜し回ったが見
つからなかった。
8
7
エピローグ
「ホォォォォォ!」と、末っ子。
|
レッドダイアモンド
/RD/RedDiamond/
グウェンは、2重のセキュリティのかかったドアを通ってブザーを鳴
364
363
らすと、振り返って、レッドを心配そうに見た。レッドは、一番大柄で
声も大きい、ぽん引きに近づいていった。
ぽん引きは、金のラメが入った服に、左耳に小さな金のイアリングを
していた。背は6フィートを越えていたが、体重は160ポンド以上で
はなかった。仲間たちに物知りなところを見せるのに夢中で、レッドが
来るのを無視した。
「よう、クズ野朗、口笛吹いたか?」と、レッド。
ぽん引きは、振り返った。5人の仲間は、黙っていた。
「なんて?」
「クズ野朗と言ったんだ。出産制限している人への侮辱になるかも」
「なんの用だ?」と、ぽん引き。レッドのレベルを見極めようとしなが
ら、イアリングをいじった。
「あんたのみすぼらしいケツを、通りに蹴り落としたいね。しかしそん
なことのために、靴を汚したくない」
「外へ出ろってか?」と、ぽん引き。前かがみの背筋を伸ばそうとした。
「もう、外にいるぜ、ケツの穴!」
レッドは、ぽん引きから2フィートのところにいた。両手はだらりと
下げて、目は細めて、ぽん引きの手の動きに注意を払っていた。
「オレのことを知ってるのか?」と、レッド。
「ブラウンさんのとこで働いている」と、仲間のひとり
|
ファブクリップ
/FB5/FabClip/
オランダ人のオジのようにしゃべっている!」
アムは、歯を見せて笑った。アムは、女性に話すかように、なにかし
ゃべろうとしていた。オレがそれを分かっていることも、分かっていた
し、話す必要もなかった。そんなふうにきいてくれたことが、うれしか
った。
その代わりに、アムはきいた。「エド、夢は?」
オレは、アムを見た。アムはまじめだった。オレはきいた。「これっ
て、修学旅行の夜?あるいは、精神分析かなにか?」
「その中間だ」
オレは言った。「今朝、夢で、質屋の窓に見えるトロンボーンに、手
を伸ばしていた。ガーディは、歩道でなわとびをしていた。トロンボー
ンに触れる前に目が覚めた。これで、オレのすべてが分かったんじゃな
い?」
アムは、声に出さずに笑った。「それは、エド、止まっているあひる
を撃つようなもんだ。1発で2羽。2羽のうち1羽だけを見るべきだと
120
119
言ったら、どっちのこと
|
アリスのアンダラン
/LC/AliceUnderGround/
アリス。マギーに、見た夢をすべて話した。
「確かに、おかしな夢ね!」と、マギー。アリスの頬ほおにキスをした。
「でも、すぐ急がないと、お茶の時間に遅れてしまうわ!」
アリスは、走りながら考えた。
120
119
「なんて、すばらしい夢だったんでしょう!」
◇
マギーは、しばらく土手にいて、夕陽を眺めていた。アリスの夢の冒
険のことも考えたが、それよりもファッションのことを考えた。ファッ
ションがマギーの夢だった。
夢に、古代の都市が現われた。平野に沿って、近くを蛇行して流れる、
静かな河の流れ。子どもたちを乗せてゆっくり進む、ボートが浮かんで
いた。マギーには、水の上の音楽のように、子どもたちの話し声や楽し
そうな笑い声が聞こえた。
その中に、もうひとりのアリスのような子どもがいた。目を輝かかがやせて、
女性が語る物語に、熱心に耳を傾けていた。物語の1語1語に聞き入っ
ていた。
|
ブルーモンスター
/FB5/brmon/
それを経験しただけ━━━今も、信じてない。肝心な点は、数か月前の
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17
あるとき、オレには夢の記憶があって、それであとで知ったのだが、夢
のいくつかは、その後の経験に、遠方から、影響を及ぼしているかのよ
うだった。今まで、そういうことはなかった。しかし、まだ、それは肝
心な点でなく、肝心な点は━━━」
ひと息入れて、続けた。「肝心な点は、そのときまで、オレは、ほと
んど夢を見たことがない、という印象があった。しかし、そのとき以来、
紙と鉛筆をベッドのすぐ脇に置いて、目覚めた瞬間に、少なくとも、覚
えている夢についてのキーワードなり、フレーズをざっと書き留とめるこ
とを眠る前に心に印象づけてからベッドに入った。驚いたことに、オレ
はいつも、不変的に、夢を見ていたことだった。目覚めた瞬間に、いく
つかのキーワードを書き留とめることで、完全に目覚めて、意識を持った
あとでも、夢の少なくとも一部を、その結末を、思い出したり、再構築
できるようになった。多くの人々は、オレが思うに、それを見なかった
かのように、夢のほとんどを忘れてしまう。オレについては、覚えてい
る時間は、ほとんどの人よりずっと短かった。しかし、それはあった」
「それで?」
「それで、殺人衝動の方は、夢ではないが、それは
|
ナイトゥアンディ
/SY/KAndDy/
どうなるの?
どうするつもり?」
「まず、すこし休んで、サイモンフェックを迎えにゆき、きみを妹の結
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婚式に出席させる。ぼくは、とても優秀なエージェントだ。今夜は、安
心しろ!ボーイスカウトのぼくといれば、安全だ」
「安心に安全?」と、ジューン。フィギアを返した。「おやすみ、ロイ。
ボーイスカウトだったの?」
「イーグルスカウトだ」と、ロイ。
「わたしは、ブラウニー」と、ジューン。
「すごいな!」と、ロイ。
「おやすみ、ロイ」ジューンは、助手席で目を閉じた。
ロイも、運転席で目を閉じた。
ふたりが乗った、赤のオープンカーは、トレーラーに乗せられたまま、
夜のハイウェイをマンハッタン方向へ走り去った。
◇
CIA本部の1室。
「みんな、パイを食べろ!」と、ロイ。監視カメラ映像で。「アイスク
リームアラモードは、足腰が弱くなる!」
「どう思う?」と、上司の女性。モニターを
|
帰ってきたカーン
/ST/StarTrek2013/
◇
小惑星。一面、火成岩の平原。遠くに奇妙な形の岩。
シャトルから10メートル離れた場所に、光子魚雷。
ウォレスとマッコイが、装置を運んでいた。
「たしかに」と、マッコイ。「美人と無人星で、ふたりっきりっていう
のは、夢のようだよ。魚雷さえ、なけりゃな」
「ボーンズ、デートに行かせたんじゃないぞ」と、カーク。
「では、自慢の腕で、どのようにお手伝いしましょうか?」
「ボーンズ!」
「魚雷の威力を知るには」と、ウォレス。「弾頭を開あけるしかない。そ
のため、燃料コンパートメントにアクセスするんだけど、この魚雷の弾
頭は、生きてるわ」
「お嬢さん、オレは、ゴーン人の緊急帝王切開をしたことがある。八つ
子だった。しかも、あいつら、噛み付いてくるんだ。ああ、オレのゴッ
トハンドに任せりゃ、心配ない」
◇
128
127
エンタープライズのブリッジ。
マッコイのおしゃべりが、聞
|
ゴーホームマーティアン
/FB5/GoHomeMartian/
わざと彼女が残して行った。それを見て、彼女のことを
考え、すまない気持になり、彼女はなんてバカなことをしたんだろうと
考える。シャツがあろうがなかろうが、たまには彼女のことを考えたが、
すまない気持ちには、これっぽっちもならなかった。彼は、また、恋に
落ちた。マギーとはほとんどすべての点で正反対の娘と。彼女の名前は、
ロザリンドホールで、パラマウントスタジオで速記タイピストをしてい
た。
彼女に惚れていた。彼女に首ったけ。彼女に夢中。
この瞬間、舗装道路からなんマイルも離れた小屋にひとりでいること
の貢献度は、大きかった。小屋は、友人のカーターベンソンのもので、
同じ作家であり、彼もたまに、比較的涼しい数か月間をここで過ごす。
今と同じように、その目的は、生活を追求して、ストーリーを追求して、
孤独を追求することだった。
◇
それは、小屋でのルークの生活の3日目のことだった。まだ、追求し
ていた。しかし、まだ、孤独以外は獲得できてなかった。小屋には、な
いものはなかった。電話なし、郵便配達なし、遠くの方でさえ、ほかに
人間を見ることはなかった。
20
19
しかし、まさに今日の午後、なにかがアイデアを這はい上がり始めたの
を感じた。なにかは、あまりにあいまいで、透明すぎ
|
ファーストコンタクト
/FB3/Contact/
2
火星は、長いあいだ地求人が来るのを待っていた。火星に残されたも
のは、人口900人だけの小さな村だけだった。火星の文明は、地球よ
り古かったが、死にかけていた。1つの村と900人の人間、それだけ
が残された。彼らは地球とコンタクトがとれる日を待ち望んでいた。そ
れは、利己的な理由と、利己的でない理由があった。
火星の文明は、地球の文明とは、まったく違う方向に発展した。火星
では物理科学は発展せず、技術もなかった。しかし社会科学は発展し、
この5万年のあいだ、ひとつの犯罪もひとつの戦争も発生しなかった。
物理学を越えた科学、つまり心の科学が発展していた。これは、地球で
は、発見しかけたばかりだった。
火星は、多くのことを地球に教えられるだろう。犯罪や戦争をいかに
回避するかは、2つの単純なことだった。これから始めて、さらにテレ
パシーやテレキネシス、エンパシーへと━━━。
一方、地球からは、多くの価値あるもの、科学や技術を教えてもらう
ことを望んだ。それは、火星だけでは、進歩した心をもってしても発展
させるには遅すぎるものだったが、死にかけた火星の人々を復活させ、
もう一度人口を増やしていくことを可能にするものだった。地球にとっ
てもメリットこそあれ、デメリットはなかっただろう。
6
5
|
殺人レッスン
/FB4/Lesson/
ニックチェスターは白のバラの花を見たとき、左の眉が0・5ミリほ
ど上がったが、デュークは気づかなかった。
6
デュークは、トニーバリアと親しくなった。だれでもトニーとはすぐ
仲良くなれた。トニーは、ラーキン同様、背が低かったが、軽くあしら
えるタイプではなかった。トニーは、魚雷だった。トニーは、クールで
張りつめたかんじで、動作はすばやく華麗だったが、あまりに速いので
ぎこちなく見えた。トニーとはいっしょにいても、だれも心からはくつ
ろげなかった。トニーを背後からたたこうとしたら、トニーは爆発した
だろう。魚雷が、トニーバリアにちょうどふさわしい呼び名だった。
トニーとスヌーカービリヤードを2回やれば、トニーが、高級イタリ
22
21
アン赤ワインのキャンティに目がないことに気づくだろう。
デュークは、トニーにいろいろ学びたかったので、室にはいつもキャ
ンティを置いてあった。
|
失われた文明3永遠の生命
/FB3/Discovery3/
失われた文明3永遠の生命
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
20世紀に発見されたが失われた大きな発見の3番目は、永遠の生命
の秘密だった。
これは、はっきりしないが、モスクワのイバノビッチスメタコフスキ
ーという化学者が1978年に発見した。スメタコフスキーは、どのよ
うにして発見し、どのようにしてそれを試す前に有効なことを知ったの
かについての記録を残さなかった。2つの理由から、彼がそれを身が凍こお
るほど怖おそれていたからだ。
2
1
1
スメタコフスキーは、それを世界に発表することを怖おそれていた。自分
の政府にさえ、一度報告すれば、秘密はすぐに鉄のカーテンを漏れて、
世界に混乱をもたらすだろう。USSRはうまく処理できるだろうが、
ほかの野蛮で不道徳な国では、永遠の生命の薬は、たちまち人口爆
|
終わり良ければ
/FB1/HappyEnding/
彼が笑うと、マリギーたちも笑った。たまに、ベヌースb星の
16
15
奇妙な形をした木々たちも話しをした。しかし、彼らの声は、ずっとか
すかであった。木々たちは、従順で、よき従者であった。
ときとして、すばらしい考えが浮かんだ。木々の種族は、純血種であ
って、他種と混ざることはなく、常に、しっかりと立っている。つまり、
いつの日か、木々たちは━━━。
いや、これは、たんなる夢、空想だった。当面の問題は、むしろ、マ
リギー、それに、キフという地球のアリに似た虫だった。こいつらは、
いつも、彼を困らせた。大声で鳴くマリギーがいた。「すべて取り逃が
した!」彼は、縫い針銃で、何百回も撃ったが、いつも取り逃がした。
ときには、逃げさえしないマリギーもいた。
「すべて取り逃がした!」
ついには、もう、縫い針を無駄にするのをやめてしまった。マリギー
に忍び寄り、素手で絞め殺そうとした。この方が、ずっとよい方法だっ
た。何千回目に、やっと、1匹とらえ、殺した。手にあたたかい血がし
たたり、羽が飛び散った。
これで、終わりにしてほしかったが、そうでは、なかった。今では、
何十匹ものマリギーが鳴き叫び、すべて取り逃がした。もしかしたら、
ぜんぶで、1ダースしかいなかったのかもしれない。今では、すっ
|
フィッシュストーリー
/FB3/FishStory/
そして、わたしたちを結婚させてくれる。あな
た、泳ぎはだいじょうぶ?トリートーンに会いにゆかなくてはならない
わ。トリートーンの一行は、けっして岸の近くには来ないの」
「もちろん」
「それでは、あしたの夜、トリートーンに会いにゆきましょう!」
ロバートは、友人の家に幸せの絶頂の気持ちで戻った。
ロバートは、トリートーンがロレーヌを人間に変えるのか彼を人魚に
変えるのか知らなかったが、どちらでもよかった。ロバートは、ロレー
ヌに夢中になるあまり、結婚さえできればその形態は気にならなかった。
6
5
3
つぎの夜、結婚式の夜、ロレーヌはさきに来て、ロバートを待ってい
た。
「座って!」と、ロレーヌ。「トリートーンは、到着の合図に、巻貝の
トランペットを吹くわ!」
ふたりは、腕を互いの腰にまわして待った。
やがて、海のはるか沖から巻貝のトランペットが聞こえてきた。
ロバー
|
デッドリンガー
/FB5/DeadRinger/
眠かったが、アムが戻って着替え始めるまで、眠らなかった。「ハイ」
と、オレ。起きてることを伝えた。
「リタは気に入った?」と、彼。
42
41
「彼女は、いいね」
「あまり、情熱的には聞こえない。それとも?とにかく、あまり夢中に
ならないように!彼女は、すぐ忘れるタイプだ」
「うう」と、オレ。「自分でそう言ってた。オレが金持ちだったら、遊
んでもいいそうだ」
アムは、頭をゆっくり振って、言った。「それは、危険、キッド。彼
らが正直になったら、危険」アムが本気で言ってるのかそうでないのか、
声からでは判断できなかった。
「それなら」と、オレ。「不正直だったら、危険じゃない?」
「そういうわけでもない」アムは立ち上がり、カーボンランプの外に出
た。それから、簡易ベッドに跳び込む音がした。
「子どもは、誰だった?」と、オレ。
「子どもって?」
「もちろん、殺された子、カーニバルにいた?」
「そ
|
ヴァヴェリ
/FB/TheWaveries/
待ってくれているんだ。
ここには、新聞店があって、小さなミール印刷機があり、仕事もある。
正面部分は、事務所だけど、これはこれで、すごく、効率的なのさ!」
マルベニーは、あたりを見渡して、微笑ほほえんだ。
「ジョージ、きみは、自分の居場所を、ついに、見つけたね。小さな町
の新聞の編集って、ジョージにふさわしいよ」
「ふさわしい、どころじゃないよ!もう、夢中さ!みんなに、もっと、
喜んでもらいたいし、信じられないかもしれないが、イヌのように働い
て、仕事が大好きなんだ。さぁ、二階へ行こう!」
階段で、ピートは、訊きいた。
「前に、きみが書いていた、小説は?」
「半分、書いたまま。悪くはないが、オレが前に、書いていたものは、
小説じゃないな。前は、オレは、すごく冷笑的 シニカルで━━━今は」
「ジョージ。ヴァヴェリは、きみのベストフレンドだった、と思うよ」
「ヴァヴェリ?」
「ということは、ニューヨークのスラングが、ここまで、伝わってない
らしいね!もちろん、ヴェイダーのことさ。やつらを研究していた学者
が、ヴァヴェリプレースとか、ヴァヴェリスタックと呼んだのが広まっ
たのさ━━━やぁ、メイジー、ひさしぶりだね。百万ドルの笑顔は、ま
すます、その輝きかがやを増してるね!」
90
89
|
ダンシングサンドの場合
/FB6/DancingSand/
ドロシーは、それはいいアイデアと言って、車を降りるときに笑って
14
13
カールに言った。「また、わたしとダンスすることになる。ビックは踊
らない。彼が言うには、妹とのダンスは不謹慎だそうよ」
カールも笑ったが、内心では、ショックを受けた。スーザンなら、そ
ういうことは言わない、別のことにたとえるなりして。しかし、ドロシ
ーは、スーザンのようなふつうの娘と比べて、少し直接的すぎるところ
があった。
今は、深夜で、あとで、なん回かダンスして、なん杯か飲んで、それ
以上は、もう飲めず、いっしょに来なければよかったと後悔しそうだっ
た。少し酔っていたが、問題があれば認識できた。
そう、すぐには決心できなかった。ビックとドロシーは、新しい店の
ことを話していた。カールも、なにか言うべきと思った。
「店の名前は、ビック?」と、彼。
「アンシン&ビックにしようと思う」と、ビック。「もっと覚えや
|
黄の悪夢
/FB2/NightmareInYellow/
黄の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、目覚まし時計の音で目覚めた。音を止めたあとも、しばらくベ
ッドのうえに横になったまま、その日の昼間に実行する盗みと、夜中に
実行する殺人の計画を考えながら、最後の時間をすごした。
どんなささいな事柄でも、見逃してはならなかった。しかし、これは、
最終チェックだった。今夜の8時46分に、彼は自由になるのだ。あら
ゆる意味で、自由に。
2
1
1
今夜を選んだのは、今日が彼の40回目の誕生日で、夜中の8時46
分が、まさに彼が生まれた瞬間だったからだ。時刻まで詳しく知ってい
るのは、母が占星術にこっていて、生まれたときのことを、なんども聞
かされていたからだった。彼自身は、迷信深くはなかったが、40才で
新しい人生を、正確な時刻にはじめることは、彼のユーモアのセンスに
強
|
恐怖のウイルス
/ST/DS9_1_2_1/
「それは現場へ行って、手作業でやるしかない」
66
65
「私がやります」と、オドー。
「ありがとう。星を横切ればいい。心臓が止まる前に」と、シスコ少佐。
「何ですって?」
「夢が、叶うんだ、本当の夢が」
「ああ、司令官」
「はあぁ」
◇
キラ少佐は、シャトルをステーションへ向かわせた。
「少佐、これは誘拐ですよ。すぐに帰してください。でないと、一生、
フラントボル刑務所に暮らすはめになりますよ」と、ドクターサーマク
レイン。
「結構よ。でも、今だけ助けてちょうだい。言語障害のウイルスがステ
ーションじゅうに広まっているの」と、キラ。
「しかし、なぜ私を」
「ウイルスを作るのを手伝ったんでしょ」
「いやぁ、私は何も手を貸していない。あれは、ディーコンエルグが作
ったんだ。私は、助手をしていただけだ。もう、ひと昔前のことですよ。
地下活動をしていたのも、半年だけで、すぐ捕まった。私
|
暗黒の地球帝国
/ST/ENT_4_5_2/
「地球帝国や艦隊が」と、ホシサトウ。「別の宇宙に?」
「だから、なんだって、いうんです?」と、タッカー。
「ソリア人が、製造年を調べたところ」と、アーチャー。「この船は、
別の宇宙のものというだけでなく、100年後のものでもあった。使わ
れている、テクノロジーのことを考えてみろ!未来の戦術システム。進
化した生物兵器。エンジンは、夢のようなスピードを可能にする!すべ
て、われわれの手に、入るんだ!」
「聞く価値は、ありません」と、トゥポル。「あの船は、誰かが、われ
われをおびき出すために、作り出したおとりにすぎない。アーチャー副
長は、反乱騒動の責めをおうべきです」
「もう、よせ、少佐」と、フォレスト。
「船長、われわれは、ただちに━━━」
「黙れ!調査は、元帥の命令だ」そして、タッカーに。「すぐに遮蔽装
置を直せ!」
フォレストは、護衛とともに、会議室を出ていった。
アーチャーは、勝ち誇った顔で、トゥポルを見た。
◇
60
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|
夜明け前に死んでもらう
/FB5/BeforeDawn/
2 ベン、体重を計る
ビッグベンは、慎重に、スツールから降りた。立ったときに、うまく
バランスが取れるか分からなかった。降りると、軽くなっていて、驚い
た。100パウンド以上ではなかった。それは、誓っても良かった。実
際、羽より軽かった。
「おやすみ、ハリー」と、彼。ドアへ向かった。ほとんど、真っすぐに
歩いた。一秒間くらい、このまま警察本部へ行って、体重を計ってもら
おうかと思った。しかし、心の中の小さな声が、それは懸命な考えでは
ないと、ささやいた。夜の警察がどうなってるのか知らなったが、オレ
は酔っていると思われるだろう。
歩道に出ると、冷たい風が強く吹きつけた。一晩中、オーバーコート
を着たまま座っていたが、脱ぐべきだったと気づいた。風は、ナイフの
ように当たり、彼は「ブルルル」と言って、カラーのボタンを上まで掛
けた。
タクシーが来たら停めていただろうが、来なかった。北に向かって、
家を目指した。たったの10ブロック先だったのはいいが、眠くなって
来た。
目の前の歩道に、真っ黒なネコが2匹現われた。2匹はそっくりだっ
16
15
た。道を通せんぼされたら困る。「シーッ!」と言って、手で追い払お
うとしたが、まったく同じひとり良がりの表情で、彼を見上げた。それ
か
|
アリスのルッグラン
/LC/AliceLooking/
8
ドラムの音は、だんだん小さくなって、まったく聞こえなくなった。
アリスは、注意しながら、顔を上げた。まわりには誰もいなかった。
「もしかしたら、ライオンとユニコーンは夢だったのかも?」と、アリ
ス。「それに、変なアングロサクソンのメッセンジャーも!でも、プラ
ムケーキを切った、お皿は、ちゃんと目の前にある。同じ夢の続きでな
ければ、夢ではなかったんだわ。できれば、夢は、わたしの夢であって
ほしい!赤の王の夢ではなく!別の人の夢に登場するなんて、ごめんだ
わ!」不満そうに。「その人を起こして、何が起こったの?と訊きくなん
てまっぴら!」
「アッポー!アッポー!チェック!」と、赤のナイト。大声で。深紅の
よろいに大きなこん棒を持って、馬に乗って走ってきた。「きみは、捕虜ほりょ
だ!」目の前にくると、馬は急にとまったので、赤のナイトは馬から落
ちた。
「馬に、また、乗れるのかしら?」と、アリス。驚くより、赤のナイト
が心配だった。
赤のナイトは、サドルの上に戻ると、また、繰り返そうとした。「き
みは━━━」
「アッポー!アッポー!チェック!」と、白のナイト。大声で。やはり、
198
197
馬に乗って走ってくると、赤のナイトと同じように、馬から落ちた。
白のナイトは、サドルの上
|
ミミ、遠い叫び
/FB5/ScreamingMimi/
もちろん、できるよ、スウィーニー!精神を集中
させ、直接的にも、間接的にも、1つのことに、真剣に集中させれば。
なぜだめ?」
スウィーニーは、また、笑った。
頭を後ろに傾けて、木々の暗い緑の葉を見た。笑いが声を出さない笑
いになって、ハットを取って、それで自分を仰あおいだ。それから、ハット
を、今まで見たこともないように見て、それから、慎重にコートの襟えりで
埃をほこり払い、もっとずっと、ハットらしく見えるように形を整えた。子ど
もが針を怖おそれるように、夢中になってその作業をした。
ゴッドは、2度、訊きいた。バカげた質問ではなかった。ゴッドは答え
40
39
を期待してなかった。彼は、ボトルを差し出した。
スウィーニーは、受け取らなかった。ハットをかぶり直すと、立ち上
がった。ゴッドにウィンクして、言った。「ノーサンクス、ゴッド!こ
れから、デートがある」
2
夜明
|
ティラノサウルス
/FB1/Runaround/
弱さ
があった。彼は、100年間、空腹だったが、これが、最悪だった。し
かし、彼を立ち止まらせたのは、弱さではなかった。彼をあやつるなに
かがあって、それが、1歩1歩さえ苦痛であっても、彼を前進させてい
たのだ。
大木の上の方に、なにかがいて、枝にぶらさがって、「ヤーヤーヤー」
と、あざけるように単調に鳴いていた。枝が弧を描いて落下してきて、
彼の頑丈な背中でバウンドした。攻撃なのか?一瞬、なにものかがむか
ってくるかもしれないという期待から、闘争心が沸いた。
ぶつかってきた枝をまわして、ポキッと折ってこなごなにした。直立
姿勢で、大木の上の小さな挑戦者に、大声でほえた。しかし、そいつは、
降りてこなかった。「ヤーヤーヤー」と、鳴くだけで、臆病にも、けっ
して、大木の上から動かなかった。
木の幹にからだごと力強くぶつかったが、幹は5フィートもあって、
ゆらすことさえできなかった。幹のまわりを2回まわって、ほえてから、
木立の影のなかへ進んでいった。
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オーマイガー
/FB2/Jaycee/
子どもを欲しがる女性━━━独身で
あろうと、不妊の夫をもつ女性であろうと、単性生殖で子どもを持つこ
とを許可した。2030年代に発生したパンデミックによって、世界の
男性人口の1/3が失われていたため、5000万を越える女性が単性
生殖で妊娠し、子どもたちが生まれた。性のバランスをとるのに、幸運
だったのは、単性生殖で生まれた子どもたちは、すべて、男性であった。
エピローグ
「マルシアが言うには」と、ラルストン夫人。「ヘンリーの心配は、ジ
ョンのことらしいの。でも、理由がわからないって。だって、ジョンは、
あんなにいい子なんですもの、と言っていたわ」
そのとき、いきなり、ドクターグラハムが、ノックもなしに室に入っ
てきた。顔は、まっ白で、目は、大きく見開かれ、同僚を見つめて、言
った。
「ぼくが正しかった」
「正しいって、なにが?」
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「ジョンのことだよ。だれにも言ってなか
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ザ・オフィス
/FB5/TheOffice/
この瞬間、彼の顔を見れる。リラック
スしている今は、(別の場合でも、この点は同じだろう)弱々しい顔で
はなく、かといって、力強く、決意を固めた顔でもない。ハンサムでも
醜くみにくもない。ただの、顔だ。目を閉じていることを除いて、正確に、普
段の顔に見える。ある人たちは、意識して、あるいは、無意識に、マス
クを着けている。起きてるときと、眠っているときは、違って見える。
ジョージは、そのようなひとりではなかった。
しかし、今、彼は眠ってるとき、夢見ているように、ころげ回る。最
初、一方にころがり、それから、別の方へころがる。彼は、夢見ている、
楽しい夢には見えない。唇がくちびる、少し動いて、かすかなつぶやきが、漏もれ
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ている。けれど、エイダを起こすほどの、大声ではない。そのとき、目
が開いて、目覚めた。同じ夢で目覚めたのは、今回で、6回目だった。
よく見る夢は、まったくの悪夢では
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