原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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NOVELYst AutogeNerating dimensional space
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試用版 ゲストルーム
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一.
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二.
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三.
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四.
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京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス
[夢 心 or検索] ヒット 76 件です。
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幻の指揮官
/ST/VGR_6_1_4/
ニーリックスの首に投与した。
「私は、行けないから、よかったら、ホログラム写真を、2・3枚撮っ
てきてくれないかな」
「よろこんで」と、ニーリックス。ドクターから、カメラを預あずかった。
「ちょっと、ききたいんだが」と、ドクター。「きみは、空想するか?」
「タラクシアじゃ、夢は、夢想家を夢みる、っていう、ことわざがある」
「どういう意味だ?」
「おれたちの星じゃ、空想や夢は、どっかからやってくる、と言われて
いる。別の国からな。そして、心に入り込み、思いもしなかったことを、
30
29
ささやく」
「ユニークな発想だ」
「あんたは、空想は?」と、ニーリックス。
「まさか、私はホログラムだよ」と、ドクター。ごまかすように。「引
いた写真が、好きなんだ、気が向いたらでいい。明るい場所で、たのむ
よ」
「了解」と、ニーリックス。カメラを手に、医療室をあとにした。
◇
惑星の周回軌
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パペットショー
/FB2/PuppetShow/
ア
リゾナ州、チェリーベルまで、ヘリで急送されたことに、興味しんしん
で、杖男を、ぽかんと口をあけて見ていた。みんなは、ひそひそ話を続
けていた。
「諸君!」と、大佐。静かに言ったのだが、みんな、ひそひそ話をやめ
た。「リラックスして、座りたまえ!だいたいの円を作って、その中心
に、軍曹、マイクを置けば、誰がしゃべっても、ちゃんと録音できるだ
ろう」
「そうですね、大佐。準備できました」と、軍曹。
10人の男たちと、1人の地球圏外ヒューマノイドが、だいたいの円
を描いて座り、真ん中あたりに、低い三脚の上に、マイクロフォンが置
かれた。男たちは、かなり、汗をかいていて、ヒューマノイドは、すこ
22
21
し、凍こごえていた。円のすぐ外に、ロバが、しょんぼり立ち、頭を下げて
いた。5ヤード外側に、さらに、円ができていて、今ごろは家にいるは
ずの、チェリーベルの全住民が、集まっていた。
|
屋根の上の少女
/TZ/IfSheDies/
答えなかった。
「お願いです、助けてください。妻のソフィーを、去年、亡くしたばか
りなのに」
「分かっています」
「ぼくには、あの子しかいない。あの子が死んだら、いったい、どうす
れば」
「最善を尽くします。睡眠導入剤を飲んで、ゆっくり休んでください」
「娘が、呼んでいる気がする。きっと、心の中で、ぼくを呼んでるんだ」
キャシーは、まったく、動かなかった。
「帰ってください。何かあれば、連絡します。よく、休んで」
「帰っても、休めるわけない」
◇
病院を出て、通りにとめた車に乗ろうとして、ドアをあけた。そのと
き、病院のとなりの大きな屋根の上に、少女が白の長い服を着て、立っ
ていた。
10
9
ドアをあけたままなので、後ろからきたトラックが、クラクションを
鳴らした。その音に振り返って、また、見ると、少女の姿はなかった。
車のドアを閉めて、急いで、その建物の方へ行っ
|
あごひげ彩か
/FB3/Beard/
ビリーは、深くため息をついた。
6
5
エピローグ
「オレのあごひげの色にもかかわらず、みんな好奇心いっぱいになって、
マリアンヌのようにクローセットの中を見たがるのはなぜなんだろう?
お墓はそこにはない。屋根裏さ」
ビリーは、マリアンヌをがっしりつかんだ。
「おいで、ダーリン」と、ビリー。「お墓を見せてあげるよ!」
(終わり)
8
7
|
ミットキーあらわる
/FB1/TheStarMouse/
ミットキーに、説明されなかった。それ
48
47
は、外がい延えんを理解することなしに、物事の本質が分かる能力だった。
彼らは、ミットキーの視点のようには、物事を理解してなかった。そ
れで、ミットキーに教えるよりも、ミットキーから教わることに、夢中
になった。ベムジとクラロフに、さらに、12人が、特権を与えられた。
誰かが、ミットキーと話してないと、すぐに、別の誰かが、話しかけた。
彼らの質問で、ミットキーの理解も増した。ミットキーは、ふつう、
質問されるまで、答えを知らない。質問されると、答えを、知らないま
ま、知識をつなぎ合わせ、答えにした。
「きみが話す、この言語は、世界中で使われている?」と、ベムジ。
ミットキーは、それについては、前に考えたことなかったが、すぐに、
答えた。「いいえ、違います。それは、英語です。教授は、他の方言も、
話していたのを覚えています。ほかの独自の方言も話しますが、アメリ
カでは、英語が一般的で、なじみがあります。美しい言語だと、思いま
せんか?」
「ふ~む」と、ベムジ。
「きみの種族は、ねずみだね」と、クラロフ。「扱いは、どうだね?」
「ほとんどの人は、ひどい扱いです」と、ミットキー。「ぼくは、仲間
のために、なにかしてあげたい。ぼくにしてくれた、X19光線を、持
ち帰っても、いいですよね?仲間にも照射して、スーパーマウス軍団を
作りた
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ノヴァリアン試用版
/novelyan/guestroom/
あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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SFミステリー
ノヴァリアン NOVELYAN 1.20 試用版
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novファ
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青の悪夢
/FB3/NightmareInBlue/
青の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、今まで見たことのないような輝く青の朝に目覚めた。ベッドの
脇の窓から、ほとんど信じられない青空が見えた。ジョージは、すぐに
ベッドからすべり出ると、完全に目覚め、休暇の1日目のほんの1分も
無駄にしたくなかった。しかし妻を起こさないように、静かに服を着た。
休暇のために1週間友人から借りたロッジに着いたのは、昨夜遅くで、
ウィルマは旅にとても疲れていて、すこしでも長く寝かせてあげたかっ
たのだ。靴も居間に行ってからはいた。
2
1
1
息子のトミーは、まだ5才だが、髪をくしゃくしゃにして、寝ていた
子ども室から出てきて、あくびをした。
「朝ごはんは、いるかい?」と、ジョージ。トミーはうなづいた。「服
を着てから、台所に来なさい」
ジョージは台所に行ったが、朝食を始める前
|
人形の家で
/TZ/Miniature/
あいさつして、イスに座
54
53
った。
「チャーリー、気分はどう?」と、精神科医。
「最高としか、言えません!先生のおかげです」
「夢を見ることは?」
「赤ちゃんのように、よく眠れます」
「人形の家の女性は?」
「あれは、ただの人形です。先生のおかげで、目が覚めました。感謝し
ます」
「ご自分で、解決されたのですよ。私は、ヒントを与えただけ」
母は、チャーリーの受け応えを見ていて泣き出した。
「母さん!」
「チャーリー!どれほど、心配したことか!ほんとうに」
「心配させて悪かった。でも、もう、大丈夫だ!ですよね?」
「ええ」と、精神科医。
「仕事を見つけて、元通りの生活に戻るよ!」
◇
チャーリーの家。4人そろって、ココアを飲んでいた。
「母さんのココアは、やっぱり格別だ」と、チャーリー。
56
55
|
アボミっぽい
/FB3/Abominable/
1ヶ月にもならない前で、彼女が主
演する映画を見たのだ。その映画で、彼女は突然、地球上でもっとも美
しい女性、イタリアが生んだ最も美しい映画スターとして伝説になった。
シャウンシー卿が理解できないのは、イタリアが彼女を生み出したこと
だった。彼女は、世界中の女性の目利きの心に残る、完成された女性美
として、バルドーやロロブリジッダ、エクバーグに、とって代わった。
シャウンシー卿も、女性の目利きのトップとして、そうだった。映画で
彼女を見た瞬間、彼女本人に会わなければならないことを、たとえ死ん
でも、そうしなければならないことを知った。
しかし、その時まで、ローラガブラルディは失踪しっそうしたままだった。最
初の映画の休暇で訪れたインドで、登山家のパーティに参加して、オブ
リモフ山の登山をすることになった。パーティのほかの全員は戻ったが、
ローラは、戻らなかった。パーティのひとりの話では、手をのばせば届
4
3
|
SFミステリー ライトノベル風
/CO/cmt/
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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2.出版
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葬送曲
/FB3/Recessional/
やすらぎ
はどこにもない。
3
あなたは大きな間違いを犯している。神はいるし、偉大な神は、あな
たを許すだろう。なぜなら、あなたに悪気わるぎはなかったからだ。チボルト
司教よ、疑いもなく、そう、疑いは誤りであって、悪ではなかった。
忠誠心がなければ、なにも。
そのとき、なにかが起こった。
ルークが、彼は戦いのはじめから女王の脇を固めていた城将だが、敵
のブラック王を急襲して追い詰めた。悪の王に逃げ道はなかった。
われわれは勝った!勝ったのだ!
6
5
エピローグ
「チェックメイト!」と、空の声。静かに。
われわれは勝ったのだ!このひどい戦いの地は、ムダではなかった。
チボルト司教よ、あなたは間違っていた。あなたは。
そのとき、なにかが起こった。
大地が傾き、戦いの地の一方が盛り上がり、われわれは滑すべっていった。
ホワイトもブラックも同じように。
大
|
ナイトゥアンディ
/SY/KAndDy/
サイモン?」と、ジューン。
「ジューン、サイモンだ!」と、ロイ。紹介した。「彼女は、ジューン
だ!」ジューンは、手を振った。
男は、ロイを蹴けって、腕をつかんで投げ飛ばした。
「大丈夫、心配ない!」と、ロイ。
男は、さらに、サイモンのいる方向へ、ロイを投げ飛ばした。
「サイモン」と、ロイ。「悪いが、どいてくれ!」サイモンがよけると、
ロイがテーブルの上に投げられて、気を失った。
男は、さらに、動こうとすると、右からジューンの右ストレートが飛
んできて、男の顔面にヒットした。男は、2発目の右ストレートはかわ
して、ジューンの右腕をつかんで、後ろからはがいじめにした。
「ずいぶん、いい度胸してるな!」と、男。「女のくせに!」
「フーディーニハンド!」と、ジューン。ロイに教えてもらったように、
思いっきり両手を下に振り下ろすと、テーブルにあったナイフの柄にあ
たり、ナイフは回転しながら、男の左胸に突き刺さった。
「ごめんなさい!」と、ジューン。男が向かってきた。「殺そうとする
からよ!」
男は、ナイフを左手で抜いた。
「気持ち悪すぎ!」と、ジューン。
男は、抜いたナイフを振りかざしたので、立ち上がったロイが、男を
120
119
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つくられた記憶
/ST/DS9_4_5_3/
「全受刑者はこれから睡眠時間です。睡眠時間に起きて活動している受
刑者は罰っせられます。照明は20秒後に暗くなります」
「ううん」と、イーチャー。
「なにしてるんだ?」と、オブライエン。
「なにって?眠るんだよ」
「こんな時に、よく眠ろうって気になるな」
「食べ物の夢でも見るさ、へへへ」
「どうかしてる」
「いいや、腹が減っているだけだ」
「今から睡眠時間に入ります」と、アナウンス。
◇
イーチャーは、起き出して穴の中に隠しておいた食べ物を掘り出そう
とした。
「いやー!おい!」と、オブライエン。
58
57
「ううー」
「友達みたいな顔をしやがって、実は、ずっとおれをだましていたんだ
な」
「いったい、どうしたんだ?落ち着け!」と、イーチャー。
「うお、あ」
「うおい、は」
「今まで親切にしてやったのに、この恩知らず!」と、オブライエン。
「けぅ」
「くぅ」
オブライエン
|
ティラノサウルス
/FB1/Runaround/
彼を前進させてい
たのだ。
大木の上の方に、なにかがいて、枝にぶらさがって、「ヤーヤーヤー」
と、あざけるように単調に鳴いていた。枝が弧を描いて落下してきて、
彼の頑丈な背中でバウンドした。攻撃なのか?一瞬、なにものかがむか
ってくるかもしれないという期待から、闘争心が沸いた。
ぶつかってきた枝をまわして、ポキッと折ってこなごなにした。直立
姿勢で、大木の上の小さな挑戦者に、大声でほえた。しかし、そいつは、
降りてこなかった。「ヤーヤーヤー」と、鳴くだけで、臆病にも、けっ
して、大木の上から動かなかった。
木の幹にからだごと力強くぶつかったが、幹は5フィートもあって、
ゆらすことさえできなかった。幹のまわりを2回まわって、ほえてから、
木立の影のなかへ進んでいった。
14
13
前方、若木のひとつに、小さな灰のなにかがいた。木を折って、あご
でかみついても、そいつは逃げたあ
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SFミステリー (小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン) ライトノベル風
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白の悪夢
/FB3/NightmareInWhite/
白の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、突然目覚めた。完全に目覚めていて、眠るつもりもなかったの
に、なぜ眠ってしまったのかと訝りいぶかながら、すぐに腕時計の蛍光文字板
を見た。文字板がなければ真っ暗闇の中で、明るく光っていた。11時
数分過ぎだった。彼はホッとした。ほんの少し、うたた寝しただけだっ
た。このソファに横になってから、まだ30分もたっていなかった。妻
がおやすみを言いに来るには、まだ早い。彼の姉が、完全に眠り、寝息
をたてるまで待ってからだ。
2
1
1
それは、バカらしい話だった。ふたりは、3週間前に結婚したばかり
で、ハネムーンの帰りだった。ふたりが別々に寝るのは、これが初めて
だった━━━すべては、彼の姉のデボラが、帰り道の途中にある自分の
アパートに泊まってゆくよう、バカらしい提案をした
|
オブライエンの孤独
/ST/DS9_2_4_2/
「ドクター、来てくれ!」と、シスコ。
ドクターベシアは、撃たれた、オブライエンをセンサーで調べた。
本物のオブライエンは、起き上がって、ニセモノを見にきた。
「完璧じゃないか!」と、オブライエン。「ぼくに、そっくりだ!」
「自分が本物の気よ!」と、キラ少佐。
「心まで、本物と同じにしてあるんです」と、もうひとりのパラダ人。
「この複製の体には、和平交渉が始まれば、行動を起こさせる装置が、
しかけてあるんです。政府側の科学者がしたことです。複製の技術にか
けては、すごいですからね」
88
87
「なにを、やらせようとしたんだ?」と、オブライエン。
「確証はありませんが、おそらく、誰かの暗殺でしょう。われわれの代
表全員に━━━」
「政府内の内通者が、知らせてくれたのさ」と、シスコ。「出張中、き
みが、誘拐されて、複製にすりかえられたと」
「それ以来、ずっと、さがしていたんです」と
|
ネコどろぼう
/FB3/CatBurglar/
ネコどろぼう
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ミッドランドシティ警察の署長は、2匹のダックスフンドを飼ってい
た。名前は、リトルノートとロングリメンバーだった。しかしこのこと
は、ネコどろぼうとは全く関係ない。このストーリーは、いわゆる署長
が、一見すると不可解な一連のどろぼうに━━━ひとりの男の犯罪に興
味をもったその関心事から始まる。
どろぼうは数週間で、19の家に侵入した。見たところ犯罪は計画的
だった。侵入した家にはかならずネコがいた共通点があったからだ。
どろぼうはネコだけを盗んだ。
2
1
1
たまには、現金が見えるとこにあったり、宝石があったが、どろぼう
は目もくれなかった。家主が帰ると、窓やドアがこじあけられ、ネコが
いないことを発見するが、ほかに盗まれたものはなく、室を荒らされて
もいな
|
ナッシングシリウス
/FB2/NothingSirius/
たぶん、エレンが好
きになれる若者も現われるだろう。
ジョニーは、ボーっとして、歩いていた。彼は、大丈夫そうだったが、
若者がそうなりがちなような、なにか突然のことに、落ちてしまってい
た。たぶん、それは、愛ではなく、ただの夢中だった。彼は、今、どん
な惑星にいるのかも、忘れてしまった。
オレたちは、最初の丘を越え、サムのテントは、見えなくなった。
「パパ」と、ママ。突然、きいた。「映画カメラが、1台でも見える?」
「いいや。でも、何百万もするものだから、使わないときに、そこらへ
んにほったらかしには、しないよ」
レストランの正面が見えた。それは、横から見ると、ひどく滑稽こっけいで、
その方向から近づいていった。道路と緑の粘土の丘以外は、なにも見え
なかった。
タランチュラは、道路には、いなかった。道路では、1匹も見てない
ことを、思い出した。タランチュラは、道路に上がったり、横切ったり
できないように見えた。なぜ、道路を横切れないのだろう?反対側には、
行けない?
オレの心に引っかかるなにかが、まだ、あった。ほかのものよりは、
それほど、重要でないなにか。
それが、だんだん大きくなって、オレの心を占めるようになった。オ
50
49
レは、のどが渇かわいた。シリウスの太陽は、地平線に傾いたが、まだじゅ
うぶん、暖かかった。水が飲みたくなった。
ママも、疲れていた。
|
ヴァヴェリ
/FB/TheWaveries/
待ってくれているんだ。
ここには、新聞店があって、小さなミール印刷機があり、仕事もある。
正面部分は、事務所だけど、これはこれで、すごく、効率的なのさ!」
マルベニーは、あたりを見渡して、微笑ほほえんだ。
「ジョージ、きみは、自分の居場所を、ついに、見つけたね。小さな町
の新聞の編集って、ジョージにふさわしいよ」
「ふさわしい、どころじゃないよ!もう、夢中さ!みんなに、もっと、
喜んでもらいたいし、信じられないかもしれないが、イヌのように働い
て、仕事が大好きなんだ。さぁ、二階へ行こう!」
階段で、ピートは、訊きいた。
「前に、きみが書いていた、小説は?」
「半分、書いたまま。悪くはないが、オレが前に、書いていたものは、
小説じゃないな。前は、オレは、すごく冷笑的 シニカルで━━━今は」
「ジョージ。ヴァヴェリは、きみのベストフレンドだった、と思うよ」
「ヴァヴェリ?」
「ということは、ニューヨークのスラングが、ここまで、伝わってない
らしいね!もちろん、ヴェイダーのことさ。やつらを研究していた学者
が、ヴァヴェリプレースとか、ヴァヴェリスタックと呼んだのが広まっ
たのさ━━━やぁ、メイジー、ひさしぶりだね。百万ドルの笑顔は、ま
すます、その輝きかがやを増してるね!」
92
91
「そんなこと言っても、なにも出ないわよ!」と、メイジー。「さ、テ
ーブルにどうぞ!」
みんな
|
オーマイガー
/FB2/Jaycee/
5000万を越える女性が単性
生殖で妊娠し、子どもたちが生まれた。性のバランスをとるのに、幸運
だったのは、単性生殖で生まれた子どもたちは、すべて、男性であった。
エピローグ
「マルシアが言うには」と、ラルストン夫人。「ヘンリーの心配は、ジ
ョンのことらしいの。でも、理由がわからないって。だって、ジョンは、
あんなにいい子なんですもの、と言っていたわ」
そのとき、いきなり、ドクターグラハムが、ノックもなしに室に入っ
てきた。顔は、まっ白で、目は、大きく見開かれ、同僚を見つめて、言
った。
「ぼくが正しかった」
「正しいって、なにが?」
6
5
「ジョンのことだよ。だれにも言ってなかったんだが━━━。昨夜のパ
ーティーで、お酒を切らしたとき、ジョンがなにをしたと思う?」
ドクターラルストンは、まゆをひそめた。
「水をワインに変えたのかい?」
「ジンに変えたんだ。みんな、マ
|
ハンスカーベルのリング
/FB3/HansCarvel/
デビルは、消えた。
ハンスカーベルは、目覚めた。
そしてリングをはめていることに気づいた。
悪魔が約束したことはホントだった。
エピローグ
若い妻も目覚め、体をもぞもぞさせて言った。
「ハンス、ステキなリングをしてるじゃない。ダーリン、だれに?」
「夢のなかのデビルさ━━━つぎは、もっと実用的なものをもらうよ」
(終わり)
6
5
|
囚人のピアノ
/TZ/TheConvictsPiano/
「これを、見てくれ!」
「シャムロック?シャナシーのクラブだ━━━どこで?」
「きのう、オレは、そのクラブにいたんだ。このピアノで、曲を正しく
弾けば、オレたちは、1928年に戻ることができる」
「1928年だと?」
リックは、ピアノに座った。
「手をピアノに置け!」
「そんな夢みたいな話は、刑務所暮らしの長いオレでも、信じられん」
「頼むよ、エディ」
「勝手にやってくれ!」
リックは、サムワントゥウォッチオーバーミーの最初のフレーズを弾
いた。そして、すぐに、軽快なリズムになった。リックの姿は、消えた。
24
23
エピローグ
リックは、ミッキーシャナシーのクラブで、グレーのスーツに黒のネ
クタイで、サムワントゥウォッチオーバーミーを、軽快に、弾いていた。
クラブは、大賑わいで、人が大勢いた。ミッキーは、すぐに、ピアノ
を聞きつけて、やってきた。
「ジミーは?」と
|
小さな子羊よ
/FB/TheLittleLamb/
その姿勢をたも
ったまま、クローゼットのドアが、ゆっくり、オレの方に、開いてきた。
オリーブが、タイルの上に落ちた。その音は、大きくはなく、ふつう
だった。ドアが完全に開いて、クローゼットのなかを見ながら、ハンス
を監視していた。
ラムは、そこにいた。全裸で。
ハンスを、撃った。オレの腕はしっかりしていたので、1発でじゅう
ぶんだった。やつは、手を心臓にもってこようとして、はたせずに、倒
れた。やつの頭がタイルでくだける音がした。その音は、死の音だった。
銃をポケットにしまった。オレの手は、今になって、ふるえていた。
ハンスのイーゼルが近くにあった。パレットナイフが、へりにおいて
あった。
オレは、パレットナイフを手にとって、オレのラムを、全裸のラムを、
フレームから、切りとった。くるっとまいて、しっかりと抱きあげた。
このような姿を、他人に見せることは、二度としない。いっしょに、出
発した。手に手をとって、丘の上のわが家をめざして。明るい月あかり
のしたで、彼女を見た。オレは、笑い声をたて、彼女も笑った。
50
49
彼女の笑い声は、
銀のシンバル のようだった。
|
パターン
/FB2/Pattern/
ゆっくりと
地上に向けて、霧のような雲を出現させていた。
エピローグ
ミスメーシーは、また、鼻で笑った。
「雲を作ってるわ。彼らのおもしろいところね。雲なんて、ぜんぜん、
人の害にはならないわ。みんなは、なんで、そんなに心配するのかしら
?」
ミスメーシーは、庭仕事に戻った。
「今まいているのは、アマンダ、液体肥料なの?」と、妹。
「いいえ」と、ミスメーシー。
「殺虫剤よ」
(終わり)
6
5
|
ボディスナッチャー
/SY/BodySnatcher/
リサを見ていた。
32
31
「この町の人々の雰囲気が、違って感じるの。ジェフリーもみんなも、
きのうまでは、普通だったのに、きょうは、違和感を感じる」バスの人
々が、みんな、リサを見ていた。「悪い夢かしら?恐ろしいわ。一晩で、
町が変わったなんて」
マシューは、赤信号で、車を止めた。
「英軍ラクダ部隊の話をしたことは?」
「ええ」
「サハラ砂漠でのことだ」青信号に変わったので、車を発進させた。
「敵に40日間、包囲され、食料もつきていた。そのとき、隊長が、部
下たちに言った。諸君、いいニュースと悪いニュースがある。すると、
部下のひとりが━━━」
「それ、聞いたわ、ははは」
「もう一度、話す?」
赤信号で車を止めると、男性が、フロントガラスの上に、飛び乗って
きた。
「いったい、なんだ!」と、マシュー。「ドアをロックしろ!」
「やつらが来る!」と、男性。フロントガラスやドアの窓を、必死に、
たたいた。「助けてくれ!やつらが来るんだ!聞いてくれ!つぎは、き
みらだ!ねらわれている!恐ろしいことだ!やつらは、もう、来ている!
つぎは、きみらだ!やつらが、来る!」赤い車が、急発進し
|
ミットキーふたたび
/FB1/MitkeyRidesAgain/
教授の手助けがあったし、暗闇で盗む代わりに、必要な
ものを言うだけですんだ。
いっしょに働いているあいだに、教授は、なにかを思い出した。
「ミットキー!」と、教授。突然に。「きみは、月におったのじゃろ?
聞くのを、忘れておった。月は、どうじゃった?」
「教授、ぼくは、帰ることに夢中で、注意して見てませんでした。覚え
てないです」
機械が完成する、最後の接続まできた。
「教授を信用しないわけでは、ありません」と、ミットキー。熱心に。
「しかし、プロックスの科学者たちとの、約束なんです。この機械が、
どのように動くのか、分かりませんし、教授も、理解できないでしょう。
人間やねずみの科学を、越えています。しかし、約束なので、最後の接
続は、ひとりでやります」
「分かるとも、ミットキー。もちろん、いいとも。ところで、きみが、
これから、ショートさせて破壊するプロジェクターの方は、誰かにみつ
80
79
|
レッドダイアモンド
/RD/RedDiamond/
アングリッチは、殺人課の刑事しか見せないような、きまり悪そうな
顔をした。ほかの乗客たちは、床を見ているふりをした。
「女はオレを触さわり始めた」と、サイモン。「いい感じがした。今までそ
んなことはしたことなかった。売春婦ともなかった。オレはずっと、大
切なものを捨てたミリーに夢中だったんだ。売春婦はうまくコントロー
ルして支配権を持った」
6階のドアがあいて、閉まった。ボタンを押した粋いきな男は、降りるチ
ャンスをパスした。
「そのとき、ドアをノックする音がした」と、サイモン。「オレはクロ
738
737
ーゼットに隠れた。女は隠れるのを手伝ってくれた。もの音。びくびく
するようなもの音。暗闇。クローゼットから出たとき、静かだった。あ
とでなにが起るか分からなかった。誰もいなかった。女はオレをもてあ
そんだ」
7階のドアがあいて、閉まった。最初にボタンを押した、ふとった清
潔
|
夢、遥かなる地にて
/ST/DS9_6_4_1/
「だとしたら、おそろしいな」
「そうだ、ほんとうに、だけど、もしかしたら、夢なのは、ベニーじゃ
なく、こっちで、私たちは、みんな、ただ彼の空想の産物なのかもしれ
ない。世界のすべてが、今この瞬間、どこか、遠く、美しく輝く星々の、
遥はるか彼方かなたで、ベニーラッセルが夢ゆめ見てる幻かまぼろしもしれない」
(第六_四_一話 終わり)
84
83
|
サアルバの国
/FB1/DeathOnTheMountain/
「いいえ、ちがうわ」と、年上の女性。「彼は、サアルバの国とか、叫
んでいたわ」
「どういう意味かしら?」と、年下の女性。「そのようなところは、聞
いたことがないわ」
「彼は、そう、叫んでいたわ。今でも、覚えているもの」
「それは」と、年下の女性。笑いだした。「夢だからよ。夢って、そう
いうものよ。現実にあるものは、あるようにみえるし、現実にはないも
のは、ないようにみえるのよ」
「そうね」と、年上の女性。肩をすくめた。
14
13
エピローグ
雲は、奇妙な形をしていた。その形は、時々刻々変化し、荷車であっ
たり、白鳥であったり、木々であったりした。ごくたまに、雲は、サア
ルバの国以外では、だれも見たことのないような形になった。
雲は、非人格的だった。なにもない山頂から、すぐにも降りてきた。
(終わり)
16
15
|
赤の悪夢
/FB1/NightmareInRed/
赤の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、なにによって起こされたのか、わからないまま、目が覚めた。
最初のゆれのあと、1分で、2回目のゆれが来た。ベッドが少しゆれ、
タンスの上の小物が、ガタガタと、音をたてた。3回目のゆれを、横に
なったまま、待っていたが、来なかった。その時までは、来なかった。
ほとんど目が覚めてしまっていて、もう、眠ることができなかった。
時計の夜光盤を見ると、まだ、真夜中の3時であった。ベッドから出て、
パジャマのまま、窓のところまで歩いた。暗い空に、点滅する光が見え
た。夜の音が聞こえた。どこかで、ベル。
2
1
しかし、なぜ、この時間にベルなんか?災害を知らせるベルなのか?
ここの軽いゆれが、どこか近くで、大きな地震につながったのだろうか?
あるいは、これから、ほんとうの地震が来る、という
|
眠れるステーション エムポックノール
/ST/DS9_5_6_4/
銃を床に」
56
55
「君からだ」
「あなたからだ。でないと、ノーグとはお別れだ」
「だめです、チーフ」と、ノーグ。
「心配することはないさ」と、ガラック。
「丸腰の相手は撃たないよ、それじゃ、楽しくないですからね」
チーフオブライエンは、銃を床に置いた。
「もう一丁、隠していませんか?後ろに」
チーフオブライエンは、後ろに手を廻してフェーザーをふたつ床に置
いた。
「君の番だ」
「正直、すぐ撃ち殺したいところですが、でも、それでは、せっかくの
楽しみが、味わえませんからね」
ガラックは、銃を脇に置くと身構えた。ニ三発殴り合って、チーフオ
ブライエンは、床に倒れた。
「うう、わぁぁ」
「がっかりですよ、チーフ、あなたの目にあるのは、血に飢えた輝きで
はなく、恐怖だけだ」
チーフオブライエンは、ガラックに一方的に殴られて、再び床に倒れ
た。
「うう、おおぁ」
58
|
ドール
/XF/Chinga/
「うるさいの、やめて!」
「いいから、ベッドに戻って!」
そのとき、人形の目がひらいた。メリッサは、ギョッとした。
「あ・そ・ぼ!」と、人形。
メリッサは、階段の窓を見ると、かなづちのとがった方の先を、頭に
刺した自分の姿があった。
「助けて!」と、窓のメリッサ。
「なにも心配しなくていいのよ!」メリッサは、階段を上がっていった。
「さ、ベッドに戻って!」
◇
深夜、メリッサの家の前に、パトカーが来て、スカリーとジャックが
降りた。
「バディの車だ」と、ジャック。別の白い車が、斜めに停めてあった。
ふたりは、家に向かった。
メリッサは、ポリーを寝かしつけると、かなづちと釘を戸棚にしまっ
て、南京錠をかけた。キッチンに戻って、石油ストーブを倒して、灯油
をまくと、マッチをすろうとした。
66
65
「メリッサ!」と、ジャック。玄関のドアをノックした。スカリーは、
窓から
|
失われた文明2不死
/FB3/Discovery2/
失われた文明2不死
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
失われた大きな発見の2番目は、不死の秘密だった。
不死の秘密は、1952年、合衆国海軍無線技師のポールヒッケンド
ルフ中尉が発見した。その装置は小さな箱に入った電子基盤で、ポケッ
トに入れて手軽に持ち運べた。箱のスイッチをオンにすると、装置を持
っている人のまわりがフォースフィールドで覆おおわれ、その力の強さは、
ヒッケンドルフのたくみな数学で計算しても、ほとんど無限であった。
2
1
1
フォースフィールドは、いかなる熱や放射線も完全にシャットアウト
した。
ヒッケンドルフ中尉の計算によると、人間は━━━男だろうが女だろ
うが、子どもでも犬でも━━━このフォースフィールドの中にいれば、
至近距離で水爆が爆発しても守られ、かすり傷さえ負わなかっ
|
“スペーステロリスト”ターナロス
/ST/DS9_1_1_2/
虚勢をはる能力です。本心を隠すことは、私には、非
常に難しい」
「私が、いつも、あなたに意見を求めるのは、そのせいよ。率直な意見
が聞ける。私の過去を知ってる?」
「かなり詳しく知っていますよ」
「誇りに思えないようなことも、してきたわ。ハルという基地を襲った
ことは、今も、夢に見てうなされる。でも、少なくとも、当時は、信念
を持って行動していたわ」
「それでは、今は、迷いがあるということですか?」
「私もあなたも、連邦の人間じゃない」
「というと?」
「私には、戦うべき相手がいるのに、自分を欺いて現状に甘んじている
のかもしれないわ」
「どうやら、苦しい選択を迫られているようですね。どちらを選びます
54
53
?」
「どちらかを裏切ることになるわ」
「自分を裏切らない道を選ぶことです」
「とはいえ、ターナたち仲間を裏切ることはできない」
「仲間?彼らは、仲間ですか?」
「昔は、私も
|
ハーフベア
/FB3/Bear/
ハーフベア
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
もしも病院の待合室で、行ったり来たりしながらタバコに━━━たい
ていは間違えてフィルターの先に火をつけて、なにかを待っている父親
を見たら、その仕草からどんなに心配か分かるだろう。
しかしそれが心配だと思うなら、今、出産室の外のローカでうろうろ
している、ジョナサンクインビーをひと目見てほしい。クインビーは、
タバコのフィルターの先に火をつけて、そのまま吸っても違いが分かり
もしないのだ。
ジョナサンクインビーは、たしかに心配ごとを抱えていた。
2
1
1
始まりは、最後に動物園を訪れた夜だった。「最後に」は2つの意味
でそうだった。1つは、クインビーが1マイル以内には近づかないとい
うことであり、もう1つは、妻も近づかないということだった。彼女は
落ちて、そ
|
失われた文明1透明人間
/FB3/Discovery1/
わずか数分のあいだだけ透明になった。彼の耐久力が、ねずみの耐久力
と同等になるまで、実験を繰り返し、24時間まで透明になれる注射の
量を見つけた。それ以上だと、やはり病気になった。もうひとつ分かっ
たことは、体は見えなくなるが、義歯は見えるので、口を閉じる必要が
あり、全裸であることが肝心で、服はいっしょに透明にはならなかった。
4
3
2
プレーターは、正直な人間だったので、犯罪は考えなかった。英国に
戻り政府に発見を提供し、スパイ活動に使用してもらおうと決めていた。
しかしその前に、自分の楽しみのために使ってもいいのではないか?
いつも興味があったのは、宮廷に隣接したサルタンのハーレムで、ここ
は厳重に警備されていて、中がどうなっているのか、見てみたかった。
それに、なにか分からないが、発見について気になることがあった。
なにかの条件下では、ある状況が━━━あま
|
アリスのビックリラン
/LC/AliceWonder/
アリスのビックリラン
原作:ルイスキャロル
アランフィールド
プロローグ
アリスは、姉のマギーといっしょに土手にすわって、な~んにもする
ことがなくて、飽きてしまった。1回か2回、マギーが読んでいる本を
のぞいてみたが、そこには、さし絵も会話もなかった。
「さし絵も会話もない本なんて、なんの価値があるのかしら?」と、ア
リス。自分に。
アリスは、心のなかで話していたので、(暑い日ですごく眠くて、頭
はボーッとしながら)デイジーの花のチェーンを作るのは起き上がる価
値があると、デイジーの花を摘つんでいると、アリスのすぐ近くを、ピン
クの目をした白のウサギが走っていった。
2
1
1
そのこと自体におかしなことはなにもなかったし、ウサギがこう自分
に言うのを聞いてもとても自然に思えた。
「あ~、なんてこった!遅刻だ!」
(あとで思い起こす
|
終わり良ければ
/FB1/HappyEnding/
しかし、彼らの声は、ずっとか
すかであった。木々たちは、従順で、よき従者であった。
ときとして、すばらしい考えが浮かんだ。木々の種族は、純血種であ
って、他種と混ざることはなく、常に、しっかりと立っている。つまり、
いつの日か、木々たちは━━━。
いや、これは、たんなる夢、空想だった。当面の問題は、むしろ、マ
リギー、それに、キフという地球のアリに似た虫だった。こいつらは、
いつも、彼を困らせた。大声で鳴くマリギーがいた。「すべて取り逃が
した!」彼は、縫い針銃で、何百回も撃ったが、いつも取り逃がした。
ときには、逃げさえしないマリギーもいた。
「すべて取り逃がした!」
ついには、もう、縫い針を無駄にするのをやめてしまった。マリギー
に忍び寄り、素手で絞め殺そうとした。この方が、ずっとよい方法だっ
た。何千回目に、やっと、1匹とらえ、殺した。手にあたたかい血がし
たたり、羽が飛び散った。
これで、終わりにしてほしかったが、そうでは、なかった。今では、
何十匹ものマリギーが鳴き叫び、すべて取り逃がした。もしかしたら、
ぜんぶで、1ダースしかいなかったのかもしれない。今では、すっかり
あきらめて、マリギーを手でふりはらうか、石を投げるだけになった。
キフは、地球のアリに似た、ベヌースb星の虫で、食料を盗んだ。し
18
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かし、このことは、多くの食料があったので、それほ
|
グレーの悪夢
/FB3/NightmareInGray/
グレーの悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、すばらしい気分で目覚めた。明るい春の日射しが暖かく降りそ
そいでいた。30分くらいうたた寝していたようだ。暖かい太陽の影は、
寝ているあいだにわずかに角度を変えた。公園のベンチで座ったまま、
わずかに頭が下がり、前のめりになっていた。
公園は、夏よりやさしい春の緑であふれていた。その日は、重要な日
で、彼は若く、恋に落ちていた。すばらしい恋。目がくらむ恋。幸せに
なれたのは、昨夜のことで、土曜の夜だった。
2
1
彼は、スーザンに結婚を申し込み、スーザンはそれを受け入れたよう
に見えた。スーザンは、イエスと言う代わりにこう言ったのだ。
「そうね、返事をする前に、あした、うちに来て、家族に会ってほしい
の。うちの家族みんなを愛してほしいし、わたしと同じように、うちの
家族
|
ファーストコンタクト
/FB3/Contact/
火星は、多くのことを地球に教えられるだろう。犯罪や戦争をいかに
回避するかは、2つの単純なことだった。これから始めて、さらにテレ
パシーやテレキネシス、エンパシーへと━━━。
一方、地球からは、多くの価値あるもの、科学や技術を教えてもらう
ことを望んだ。それは、火星だけでは、進歩した心をもってしても発展
させるには遅すぎるものだったが、死にかけた火星の人々を復活させ、
もう一度人口を増やしていくことを可能にするものだった。地球にとっ
てもメリットこそあれ、デメリットはなかっただろう。
6
5
今夜は、水爆の閃光分析として、地球がファーストコンタクトする夜
だった。つぎのコンタクトは、有人ロケットによるもので、地球年で2
年後、火星年では、だいたい4年後だった。火星人は、テレパスチーム
から地球人の宇宙計画をある程度知ることができた。ただこの距離では、
テレパスは一方的のみ
|
アンドロメダⅡの来訪者
/FB/AllGoodBems/
エピローグ
エルモスコットは、両手を頭の上においた。ドーベルマンは、開いた
口から、長い舌を、だらりと垂らして、今にも笑い出しそうだった。
エルモは、責めるように、ドーベルマンを指さして、言った。「おま
えは、オレに、生活のために、一生、小説を書き続けろというのか!」
「なぜ、だめなの?」と、ドーベルマン。「ワンは、それで、あんたが
ずっとハッピーになれるって、言っていたよ。心理的ブロックも取り除
いたし、それほど、苦労しないで書けるようになってるよ。あんたは、
━━━善良なる男たちにとって━━━の時間だ━━━から、始める必要
なんかないし、男たちをベムたちに、置きかえようというのは、偶然の
一致なんかではなく、ワンのアイデアなんだ。その時、すでに、ワンは、
ぼくの中に入っていて、そこから始めようと、思いついたのさ」
エルモは、立ち上がって、行ったり来たりし始めた。
「やつらは、あらゆる点で、オレより一枚上手うわてだったわけだ。ただし、
ひとつのことを除いて。レックスさ」と、エルモ。「その点で、おまえ
が共犯だとしても、オレはやつらに勝っている」
「どうやって?」
「おまえが、幸運の星なのさ。世界に一匹だけの、しゃべれる犬さ、レ
ックス。オレたちは、おまえに、ダイヤモンドで装飾された首輪をプレ
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37
ゼントできるし、熟成肉のステーキをごちそうできるのさ。なんで
|
いつもふたりで
/SY/TwoForTheRoad/
「きみの夢だ!」
「食欲とは、関係ないわ。空腹じゃないもの」
ジョアンナは、起きて、窓のカーテンをあけた。
「フロイト先生に、論争を」
窓のシャッターを上げると、線路を貨物列車が走り、室じゅうがゆれ
た。シャンデリアのろうそくが、1本、落ちた。
「すごい迫力!」
「たしかに、きみの夢分析は、必要ないね」
◇
砂浜に停めた、白のベンツから、マークとジョアンナは、降りて、ヨ
ットハーバーへ。ジョアンナは、白と黄のドレスに、白枠のサングラス
に、黄のバッグ。
138
137
◇
ヒッチハイクのふたりは、岩場で水着に着替えた。ジョアンナは、赤
の水着の上にシャツ。マークは、黒の水着。走って、砂浜へ。
「熱い!」と、ジョアンナ。
「やけどする」と、マーク。
「最初は、あまり焼かない方がいいわ」
「ぼくの肌は、耐火性さ。海へ、入ろう!シャツなんて、ぬいで!」
ジョアンナは
|
バーニングマン
/TZ/TheBurningMan/
ローリーとアンドレは、水着で水をかけあって、おはしゃぎだった。
木陰で休む、ローリーとアンドレ。すでに、服を着替えていた。
「セミの声だ」と、アンドレ。「まさか、あの人の話、ほんとうじゃ、
ないよね?違う道で、帰れないの?」
「無理ね」
「何も、起きないといいけど」
「心配ないわ。行くわよ」
アンドレは、ランチバスケットを車に乗せた。
夕日の中を、昼と同じ道を、帰っていった。
「ほんとうだったらな」と、アンドレ。
14
13
「何の話?」と、ローリー。
「座席の下に、十字架さ」
道端で、真っ白な服を着た、少年が手を振っていた。
ローリーは、車を止めた。
「町へ行く?」と、白い服の少年。
「そうよ、あなたは、何してるの?」と、ローリー。
「ぼくは、トミー。ピクニックで、家族に置き去りにされた」
トミーの服は、新品のように白く、ネクタイは茶柄だった。
「それは、かわいそうに
|
フィッシュストーリー
/FB3/FishStory/
「もちろん」
「それでは、あしたの夜、トリートーンに会いにゆきましょう!」
ロバートは、友人の家に幸せの絶頂の気持ちで戻った。
ロバートは、トリートーンがロレーヌを人間に変えるのか彼を人魚に
変えるのか知らなかったが、どちらでもよかった。ロバートは、ロレー
ヌに夢中になるあまり、結婚さえできればその形態は気にならなかった。
6
5
3
つぎの夜、結婚式の夜、ロレーヌはさきに来て、ロバートを待ってい
た。
「座って!」と、ロレーヌ。「トリートーンは、到着の合図に、巻貝の
トランペットを吹くわ!」
ふたりは、腕を互いの腰にまわして待った。
やがて、海のはるか沖から巻貝のトランペットが聞こえてきた。
ロバートはすぐに服を脱ぐと、ロレーヌを抱いて海に入った。
ふたりは、泳いで、トリートーンがいるところに着いた。
「おまえたちは、結婚で結ばれたいのか?」と、トリート
|
ジバゴ
/SY/Zhivago/
「進め、進め、オレたちの力を見せてやれー」と、パーシャ。銃剣を持
って突撃した。
「行けー!」
そのとき、パーシャの横で迫撃砲が炸裂して、パーシャは、倒れた。
雪の上にパーシャのかけていたメガネが、落ちた。次々に倒れる兵士た
ち。上官を失って敗走する兵士たち。
「そして、ついに、彼らは、夢に見たことを実行に移した。
故郷に帰り始めたのだ」
塹壕ざんごうから出て、敗走してゆく兵士たち。
「それが、革命の始まりだった」
雪原を埋め尽くす、敗走してゆく兵士たち。
ユーリは、軍医の軍服を着て、医療品を積んだ馬車に乗って、前線に
向かう兵士たちとともに、隊列を組んで進んでいた。敗走してくる兵士
たちの一群が、向こうから、ばらばらに歩いてきた。
「脱走兵だ」と、先頭の馬に乗っていた将軍。
「補充兵が来た」と、敗走する救護用馬車の兵士。となりに、看護婦姿
100
99
のラーラが乗ってい
|
致命的なミス
/FB3/FatalError/
きみの叔父お じさんが、寝室のドアのところで一部始終
を見ていた。きみが行くまで静かにしていて、それからダウンタウンに
来て通報した」
エピローグ
ウォルターバクスターは、アゴを撃ちぬかれた。やはりミスをしてい
たのだ。
完全な殺人計画だったが、どろぼうに夢中になりすぎて、肝心なこと
を実行するのを忘れていた。
(終わり)
6
5
|
失われた母星
/ST/StarTrek2009/
と、スコット。「あれは、
スタイル抜群だね!この手で、あのワープナセルを直せるのが、エンジ
154
153
ニアの夢ってもんだ」
スポックは、パネルの前で、転送装置が使えるか、調べていた。
「だけど、ただね」と、スコット。スポックに。「あんたを信じても、
オレが、トランスワープ理論を発明といっても、まだ、してねぇわけだ
し、だいだい、ワープしているエンタープライズにさ、まともな、転送
パットもないのに、転送で乗り込むって━━━降りろ!」転送ルームの
手すりに登っている、小さな宇宙人に。「ジャングルジムじゃ、ねぇ!」
カークは、小さな宇宙人を抱きかかえて、降ろした。
「トランスワープ転送ってのは、銃弾を銃弾で撃つようなもんだ。しか
も、目隠ししたまんま、馬に乗ってさ━━━なに、それ?」
スポックは、画面に、式を出した。
「トランスワープ転送のために、きみが書いた、方程式だ」
スポ
|
聖なる神殿の謎
/ST/DS9_1_1_1/
「喜びって?どういうもの?」と、ジェニファー。
「気分がいいもの。幸せなこと」
「この日のことも忘れられません」と、ボリアン人士官。
シスコ中佐は、ボーグとの戦いの船内にいた。
「思い出させないでくれ!。一番辛い記憶だよ」と、シスコ中佐。
「なぜです?」
「この日、私は、妻を、失った。悪夢の一日だ。ここには,入りたくな
い」
「じゃ、なぜ、ここにいるの?」と、ジェニファー。
「それは、こっちが聞きたいよ!」
「あなたは、過去にとどまっている!」
シスコ中佐は、白い光の中にいた。
「どういうことだ?どうなっている?」
ワームホールを抜けて、カーデシア船が姿を現した。
「あと、二分でワームホールに到着するはずです」と、ダックス中尉。
100
99
「推力、三分の一に減速」と、キラ少佐。
ワームホールは一度開いたが、シャトルが近づくと、閉じて消滅した。
7
シスコ中佐は
|
暗黒の地球帝国
/ST/ENT_4_5_2/
「だから、なんだって、いうんです?」と、タッカー。
「ソリア人が、製造年を調べたところ」と、アーチャー。「この船は、
別の宇宙のものというだけでなく、100年後のものでもあった。使わ
れている、テクノロジーのことを考えてみろ!未来の戦術システム。進
化した生物兵器。エンジンは、夢のようなスピードを可能にする!すべ
て、われわれの手に、入るんだ!」
「聞く価値は、ありません」と、トゥポル。「あの船は、誰かが、われ
われをおびき出すために、作り出したおとりにすぎない。アーチャー副
長は、反乱騒動の責めをおうべきです」
「もう、よせ、少佐」と、フォレスト。
「船長、われわれは、ただちに━━━」
「黙れ!調査は、元帥の命令だ」そして、タッカーに。「すぐに遮蔽装
置を直せ!」
フォレストは、護衛とともに、会議室を出ていった。
アーチャーは、勝ち誇った顔で、トゥポルを見た。
◇
60
59
|
緑の悪夢
/FB3/NightmareInGreen/
2
今までは、ローラがやって来るまでは、そうだった。ローラは今週か
ら、お客として家に滞在していた。愛らしくかわいらしいローラは、デ
イジーにはない、きゃしゃでかよわく、ほれぼれするほどの無力で頼り
なさのすべてを持っていた。ウィリアムはローラに夢中になり、ローラ
が彼の救世主だと分かった。ローラと結婚すれば、ウィリアムは、ふた
たび男になれるだろう。ローラが彼と結婚するだろうことは、確かだと
感じた。ローラは、ウィリアムの唯一の希望だった。今度ばかりは、デ
イジーがなんと言おうと、ウィリアムが勝利するのだ。
3
ウィリアムは、シャワーを浴びて、すぐに服を着た。デイジーとの対
決シーンを恐れながらも、勇気が続くうちに、早く終わらせるために、
急いだ。下へ降りると、朝食のテーブルにデイジーがひとりでいた。
「おはよう、あなた」と、デイジー。「ローラは、朝食をすませて、散
歩に行ってるわ。わたしが頼んだの。あなたとだけ話したくて」
「そりゃよかった」と、ウィリアム。デイジーの向かいに座り、考えた。
「オレが言おうとしていることが、分かっているみたいだな。デイジー
が離婚を切り出してくれることで、物事がスムーズに運びそうだ」
6
5
エピローグ
「ウィリアム、いい?」と、デイジー。「わたし、離婚してほしいの。
このことは、あなたにはショックなことは知ってる。でも
|
黄の悪夢
/FB2/NightmareInYellow/
黄の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、目覚まし時計の音で目覚めた。音を止めたあとも、しばらくベ
ッドのうえに横になったまま、その日の昼間に実行する盗みと、夜中に
実行する殺人の計画を考えながら、最後の時間をすごした。
どんなささいな事柄でも、見逃してはならなかった。しかし、これは、
最終チェックだった。今夜の8時46分に、彼は自由になるのだ。あら
ゆる意味で、自由に。
2
1
1
今夜を選んだのは、今日が彼の40回目の誕生日で、夜中の8時46
分が、まさに彼が生まれた瞬間だったからだ。時刻まで詳しく知ってい
るのは、母が占星術にこっていて、生まれたときのことを、なんども聞
かされていたからだった。彼自身は、迷信深くはなかったが、40才で
新しい人生を、正確な時刻にはじめることは、彼のユーモアのセンスに
|
天使は淋しい道を行く
/TS/LonelyRoad/
もっと、つらい、仕事をしている方も
56
55
いるのに」
「どうしても、あなたは、夢の世界から出られないんですね?」
「夢の世界?」
「信仰の世界だって、実際的な面があるのですよ。ところが、あなたは、
奇跡を求めてるんです、違いますか?1匹の魚、1きれのパンで、何千
も養うような奇跡をね。雷鳴や稲妻とともに、現われる奇跡がないから、
いっさいが、むなしかったっていうんですか?とんでもないですよ!シ
スター、だれかしら、なんかの形で、かならず救われていますよ!」
「ウォーカーさん、思い出のひとつを、お話しましょう。教区の学校で
教えていたころ、インディアンの少年がいました。あの子は、16くら
いでした。ホソギという子でした。ホソギは、ナガギ語で、幸せと正義
という意味なの。不良という評判でしたが、そのとおりでした。ずいぶ
ん、悪いことをしましたわ。盗みもし、ウソもつきました。でも、
|
天使が死ぬ時
/TS/TheHabit/
シスターは、それを聞いて、ゆっくりと店の外へ戻った。リチャード
は、店の外で、タバコを吸っていた。
「やはり、あの男でした」と、シスター。「今朝、出ていったそうです。
許してください。あなたも、ビッキーも。助けられなくて」
「ビッキーのことは、お気の毒でした。あれほど、心にかけていらした
のに。シスターのご苦労は、ぼくにも、よく分かっています」
「シスターアンジェリカが、おおげさに、お話したんです。これから、
どうなさいますか?」
「やるべきことを、やるだけです。あなたは?」
「同じです。生きてるかぎり、努力しますわ━━━では、先生。もう、
お会いする日もありますまい。ご無事をお祈りしています」
「あ、拝借した上着を」リチャードは、上着をぬいで、シスターに渡し
た。
「どうも。神さまが、お守りくださいますように」
「ありがとう、シスター。お別れします」
リチャードは、一度振り返ってから、横道へ入っていった。
66
65
|
ふくろぅ3兄弟
/FB3/Owl/
ぼくは夢
を見てたんだ!」
3兄弟は、日が照っている間は外へ出ないほうが安全だと、意見が一
致した。お母さんは正しかった。そう考えたのは、長男は、ハンターに
撃たれたからだった。次男は、赤ぎつねにとびかかられたからだった。
しかし末っ子は、だいたいはそう考えたが、見た夢が、彼のやわらか
い口ばしをひどく傷つけ、ものも食べられないほど痛んで、1日じゅう
空腹だったからだった。
教訓:昼間は家にいましょう。昼間の観劇は、トラブルのもと!
(終わり)
10
9
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アリスのアンダラン
/LC/AliceUnderGround/
アリスのアンダラン
原作:ルイスキャロル
アランフィールド
プロローグ
アリスは、姉のマギーといっしょに土手にすわって、な~んにもする
ことがなくて、飽きてしまった。1回か2回、マギーが読んでいる本を
のぞいてみたが、そこには、さし絵も会話もなかった。
「さし絵も会話もない本なんて、なんの価値があるのかしら?」と、ア
リス。自分に。
アリスは、心のなかで話していたので、(暑い日ですごく眠くて、頭
はボーッとしながら)デイジーの花のチェーンを作るのは起き上がる価
値があると、デイジーの花を摘つんでいると、アリスのすぐ近くを、ピン
クの目をした白のウサギが走っていった。
2
1
1
そのこと自体におかしなことはなにもなかったし、ウサギがこう自分
に言うのを聞いてもとても自然に思えた。
「あ~、なんてこった!遅刻だ!」
(あとで思い起こすと
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緑の世界
/FB/SomethingGreen/
そ
のあいだ、ずっと、そこにいたように。彼女は、マクガリーの指や裸の
肩には、まるで、女性の手のように、感じられた。
36
35
「心配しないでいいよ、ドロシー。きっと、見つかるさ。つぎのジャン
グルは、きっと、ビンゴさ!それが、見つかったら━━━」
マクガリーは、ジャングルのはしまで来た。赤いジャングル。すると、
タイガーが、マクガリーめがけて、いきおいよく、飛び出してきた。6
本足で、青薄紫あおうすむらさきのタイガーは、頭は、ビヤだるのようだった。マクガリ
ーは、ソラーガンをかまえた。引き金をひくと、明るい緑の閃光が走っ
た。シンプルだけれど、うつくしい━━━そう、とても、うつくしい緑。
そのタイガーは、もはや、存在しなかった。
「いまのを見たかい? ドロシー?」と、マクガリー。声に出さずに笑
った。「あれが、緑さ。ある惑星にしか、存在しない色だよ。宇宙に、
たったひとつだけ
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八甲田 歩のスペースドライバー日誌
/RM/SpaceDriver/
タワー
「東京駅まで!」と、料亭のおかみさんふう女性。
「ここからだったら、新目白通りを抜けてゆくのが断然早いわよ!」
「いいわ、私が教えてあげる!そこの高戸橋を右に曲がって新目白通り
に入ってくれる?」
「高速道路に沿って、飯田橋を抜けて」
「皇居に出たら、お堀ぞいに行くと」
「ほら、東京タワーが一番よく見える場所に出るから」
「ここで左折すれば、正面が東京駅よ!」
「あら、今夜のタワーは、ずいぶんブルーなかんじだこと!」
2
1
想おもふ雲
「それって、なんなの?」と、女の子。
「どれ?これなら、安全の全の字よ」と、お母さん。
「金の字かと思った!」
「あら、金の字も忘れてしまったの?最近、覚えたばかりじゃない?」
「知ってるわよ!ただ、金の字をそう書く人もいるのかなって思ったの」
4
3
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アンラッキー
/FB1/Unfortunately/
考えただけで、口に唾液だえきがあ
ふれてくる気がした。なにしろ、この2日間は、まったく、なにも食べ
ていなかったからだ。その前の5日間もわずかしか食べていなかった。
1週間前に、兵站へいたん部が食料を補充しなかったことに、初めて気づいたか
らだ。
ごはん、すばらしいごはんが、心の中に、いろいろと浮かんでは、消
えた。
偵察艇が着陸すると、アルクトゥルス星人は、10人あまり━━━た
しかに、彼らは、ヒューマノイドではなかった。12フィートの背丈で、
6本の腕、肌は、明るい赤紫あかむらさきだった━━━彼に近づいてきて、リーダー
4
3
がおじぎをして、紙と鉛筆を手渡した。
急に、彼は、自分がほしいものにやっと気づいた。紙に急いで書いて、
返した。それは、彼らの手から手へ、まわされた。
すると、いきなり、彼は、捕とらえられ、腕は切り落とされた。はりつ
け柱に縛られ、まわりには、
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イェフディの法則
/FB2/TheYehudiPrinciple/
「気流。それに、殴り倒されたよ、チャーリー。文字通りに。どうやっ
て、オレは自分にしたんだろう?注意したいのは、目的語の違いだ。殴
ってくれ!は、オレに対して。あとの、自分を撃っちまいな!は、相手
に対してだ。もしも、撃ってくれ!と言ってたら、どうなっていたかな」
オレはまた、心の背に引っ掛かるものを感じた。
チャーリーは、呆然ぼうぜんとしているように見えた。
「それは、科学的に作られたんだ、ハンク」と、チャーリー。「偶然で
きたのではない。ぼくに間違いがあったのだとしても、きみが考えてい
ることは、まったくのナンセンスだ」
42
41
エピローグ
同じことを、また考えようとした。別の角度から。
「たとえば」と、オレ。「きみの装置が、脳に影響する場を作ったとし
よう。しかし場の働きではなく、場の性質を勘違いしていたとしたら、
どうだろう。考えを投影することを可能にし
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ヴァンパイア
/FB/Blood/
さらなる未来へと向かった。
2
1
遥はるかな未来、ヴァンパイアという言葉さえ忘れ去られ、ふたりが安心
して、暮らし、子孫しそんをふやしていける未来へ━━━。
「お腹なかがへったわ、ヴェロン」と、ドリーナ。「ひどく空腹よ」
「オレもだ、愛するドリーナ。また、タイムマシンを止めてみよう」
ふたりは、すでに、4回、タイムマシンを止めていたが、いずれも、
あやうく殺されるところであった。ヴァンパイアは、決して忘れ去られ
ていなかった。
前回止めたのは、50万年前だった。人類に代わって犬が人類のよう
な文明を築いている社会であったが、まだ、ヴァンパイアは忘れ去られ
ていなかった。一度、ふたりは、犬社会の娼婦の血をむさぼったが、す
ぐに見つかって猟犬たちに追い立てられ、タイムマシンで、さらなる未
来へ逃れるしかなかった。
「止めてくれて、うれしいわ」と、ドリーナ。溜息ためいき
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ギーゼンスタック家
/FB1/TheGeezenstacks/
「サムには、オーブリーがいないときに、人形で遊ぶには大きくなりす
ぎたとか、人形に興味をもちすぎているから、お医者さんのアドバイス
で、とかなんとか言ったらいいんじゃないかな」
オーブリーは、あまり、乗り気ではなかった。最初のころほどは、ギ
ーゼンスタック家に夢中ではなかったが、どうして、人形とダンスレッ
スンの、両方できないのか、と訊きいた。
「両方は、時間的に無理だわ、ハニー。それに、貧しい子どもたちは、
いっしょに遊ぶお人形が、ひとつもないのよ。貧しい子どもたちが、か
わいそうでしょ?」
28
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オーブリーは、しぶしぶながら、うなづいた。けれど、ダンススクー
ルは、10日後からだったので、レッスンが始まるまでは、人形を持っ
ていたいと言いだした。言いきかせようとしたが、むだだった。
「それなら、だいじょうぶ、エディス」と、リチャード。「10日なら、
まったくだめより
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死の手紙
/FB3/DeadLetter/
ラバティは、引き金を6回引いた。
2
ラバティは、車に戻り、運転して帰る途中、橋の上から拳銃を捨て、
アパートに帰るとすぐ寝室へ行った。
よく眠っていたが、ドアベルで起こされた。バスローブを引っ掛けて、
玄関のドアをあけた。
彼の心臓は立ったまま止まり、そのままだった。
4
3
3
ラバティのドアベルを鳴らした男は、驚いてショックを受けたが、正
しいことをした。ラバティの体をアパートの中に運び、警察と救急車に
電話して待った。
救急隊員は、ラバティが死んでることを確認し、男は警部補に質問さ
れた。
「きみの名前は?」と、警部補。
「バブコック、ヘンリーバブコックです。ミスターラバティに、手紙を
手渡すよう頼まれてました。この手紙です」
警部補は、手紙を受け取り、一瞬ためらったがすぐにあけた。
「なぜ、ただの黒い紙なのかね?」と、警部補。
「分かりません
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星雲を越えて
/ST/StarTrek2016/
カークは、マッコイを見た。
「原始時代の医療器具だ!」と、マッコイ。
「ボーンズ!」と、カーク。マッコイを、手招きした。
「これが、プロトプレイザーだとしたら」と、マッコイ。「内出血が止
まるはずだ!そう望むよ!」
「みじめな心の薬は、希望のみ!」と、スポック。
「死の横で、シェイクスピアを引用してる」と、マッコイ。
◇
山岳地帯の敵の基地。
(つづく)
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127
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殺人レッスン
/FB4/Lesson/
デュークは、トニーにいろいろ学びたかったので、室にはいつもキャ
ンティを置いてあった。デュークは、野心のある若者ならかならず知っ
ておきたいことを、トニーから学んだ。こんなふうに。
「だれかをやるには、45口径オートマティックに限る。32口径では
だめだ。32口径だと、肩とか足に当たったら、撃ってないのと同じだ。
頭か心臓に当てなきゃならない。やがて死ぬにしても、しばらくは生き
ている。話ができるくらい長くね、ふん?しかし、45口径の弾丸た まなら、
どこに当たっても、バッドに殴られたみたいにすぐにぶったおれる。
銃をどこかに運ぶ場合は、32口径オートマティックの方がいい。軽
いし、コートがふくらむこともない」
学んだことは基本的なものばかりだったが、デュークはいろいろ堀り
下げて、いくつかの重要な点に気づいた。パラフィンテストをごまかす
方法とかだ。その方法を知らないなら、ま、知らないでいる方がいい。
ここでは、レッスンではなく、状況を話しているだけだ。
トニーは、あらゆる意味で、ガンマンだった。ナイフは弱いやつが使
うもので、げんこはゴリラが使うもので、トミーガンは相手もまともに
狙ねらえないガキの使うものだった。
「なぜタイプライターより45口径かというと、1発で仕留められるか
らだ。3秒ですむ。弾丸た まを食らわせ、ぐらつかせ、倒れる」
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7
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帰ってきたカーン
/ST/StarTrek2013/
カーンは、麻酔モードで撃たれても、まだ、立っていた。
スポックは、起き上がり、カーンを何度も殴った。
「スポック!」と、ウラ。「スポック、やめて!やめて!カークを助け
るために、彼が必要なの!」
スポックは、殴るのをやめた。
◇
カークの夢の中。
「どっちだ?」と、カーク。
「男の子よ」と、ミランダ。
「名前は、ジムがいい!」
「きみの父上は」と、パイク。「12分間、船長をつとめて、800人
264
263
を救った。きみの母上と、きみもだ。きみは、越えられるか?」
◇
エンタープライズの医療室。
カークは、目覚めた。
白のシーツに白の枕。白の寝巻き。
「ま、そんな」と、マッコイ。白の医療服で、センサーをかざした。
「メロドラマ的要素なんかないさ!ほとんど、死んでなかったんだから
な。負担が大きかったのは、輸血の方だ。2週間、意識がなかった」
「輸血って?
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武器
/FB2/TheWeapon/
そのとき、グラハムの額にひたい、汗が吹き出た。つとめて、平静をよそお
って、ハリーのベッドまで行った。
「ハリー、それを、見せてもらっていいかな?」
安全に、それを、ハリーから受け取って、中を調べて、ショックで、
手が震えた。
「精神的に未発達の子どもに」と、グラハム。心のなかで。「フル装填
の拳銃を与えるなんて、とんでもないことだ!」
(終わり)
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恐怖のウイルス
/ST/DS9_1_2_1/
と、オドー。
「ありがとう。星を横切ればいい。心臓が止まる前に」と、シスコ少佐。
「何ですって?」
「夢が、叶うんだ、本当の夢が」
「ああ、司令官」
「はあぁ」
◇
キラ少佐は、シャトルをステーションへ向かわせた。
「少佐、これは誘拐ですよ。すぐに帰してください。でないと、一生、
フラントボル刑務所に暮らすはめになりますよ」と、ドクターサーマク
レイン。
「結構よ。でも、今だけ助けてちょうだい。言語障害のウイルスがステ
ーションじゅうに広まっているの」と、キラ。
「しかし、なぜ私を」
「ウイルスを作るのを手伝ったんでしょ」
「いやぁ、私は何も手を貸していない。あれは、ディーコンエルグが作
ったんだ。私は、助手をしていただけだ。もう、ひと昔前のことですよ。
地下活動をしていたのも、半年だけで、すぐ捕まった。私には、何の責
68
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任もありません」
「責任があるなんて言ってな
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エコーバック
/FB3/Rebound/
4
スネルは、チャーター機で、ハドソン西の比較的、旅行者の少ない地
方へ行って、ホテルから━━━そこでは、お客はみんな出てゆくように
言っただけだが━━━ひとりで、考えたり、夢見たりするために、長い
ウォーキングを始めた。いい場所を見つけた。そこは、山に囲まれた谷
にある小高い丘で、景色が雄大であった。考える時間のほとんどをそこ
で過ごした。そこで、さらに、意欲が沸いてきた。やがて、動き出すで
あろう世界が見えてきて、幸福感がさらに高まった。
独裁者。彼が、自分に皇帝の冠をかんむり授けるだろう。世界の皇帝だ。だめ
なことがあるか?パワーを持つ人間に、はむかえるものがいるだろうか?
パワーが誰をも命令に服従させ、与えることも取り上げることも、さら
に━━━。
「死んじまいな!」
丘の上から、スネルは、叫んだ。声の届く範囲に誰がいようが、おか
まいなしに、気兼ねなく大声で━━━。
エピローグ
ハイキングをしていた若い男女が、つぎの日、スネルを見つけた。急いそ
10
9
いで村に戻ると、エコーヒルの頂上で、死体を見つけたと、報告した。
(終わり)
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ファブクリップ
/FB5/FabClip/
想像できなかった。それ以外のことも、想
像できなかった。おやじはその頃、どんな顔をしていたんだろう?
しかし、オレは、そのうち眠った。おやじの夢は見なかった。自分の
夢を見た。オレはマタドールで、スペインの闘牛場にいた。顔に黒いド
ーランをぬって、手には細長い剣を持っていた。夢は、混ざり合って、
さらに、混ざり合った。闘牛の牛は、本物の巨大な黒い牛だった。だが、
少し変わり、なにか、それは飲み屋のオーナーのカウフマンになった。
そいつはオレに向かって突進してきた、角つのは1ヤードもあって、先端
が針のように尖とがって、太陽を反射してギラギラ光ひかった。オレは、恐ろし
く、すごく、恐ろしく━━━。
◇
260
259
オレたちは、次の日の午後3時に飲み屋に戻った。アムの調べでは、
それがだいだい、カウフマンが店に出てくる時間だった。スリムくんは、
昼は休みで、2人では手が
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失われた文明3永遠の生命
/FB3/Discovery3/
失われた文明3永遠の生命
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
20世紀に発見されたが失われた大きな発見の3番目は、永遠の生命
の秘密だった。
これは、はっきりしないが、モスクワのイバノビッチスメタコフスキ
ーという化学者が1978年に発見した。スメタコフスキーは、どのよ
うにして発見し、どのようにしてそれを試す前に有効なことを知ったの
かについての記録を残さなかった。2つの理由から、彼がそれを身が凍こお
るほど怖おそれていたからだ。
2
1
1
スメタコフスキーは、それを世界に発表することを怖おそれていた。自分
の政府にさえ、一度報告すれば、秘密はすぐに鉄のカーテンを漏れて、
世界に混乱をもたらすだろう。USSRはうまく処理できるだろうが、
ほかの野蛮で不道徳な国では、永遠の生命の薬は、たちまち人口爆発を
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ねずみ
/FB1/Mouse/
詳細を、その前に確かめておこう。高度な提案
ができたとして、彼らは、どうやって、その生命体を見つけられるかな
?」
ビルは、うなった。
「ビューティ、それは、不可能だね。それは、人間とは、限らない。動
物か、別のなにかでありうる。おまえかも、しれないよ。彼は、おそら
く、心の仕組みが、彼と、もっとも近いものに、乗り移るだろう。もし
も、彼が、ネコ科に近ければ、おまえが、もっとも近くにいた、ネコだ
ったことになる」
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エピローグ
ビルは、座って、彼女を見た。
「ビューティ、思い出すと、変だな。宇宙船が、自分の動力を破壊して、
動かなくなった時、おまえは、飛び上がって、身をよじったね。それに、
ビューティ、おまえは、前より、2倍は眠るようになった。おまえの心
に、なにが」
ビルは、思い出した。
「そう、きのうも、食事で、おまえを起こしたのに、ぜんぜん、起きな
か
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3つの願い
/XF/JeSouhaite/
アンソンが置いてあった、死体安置室を調べた。
スカリーは、手で顔をおおっていた。
「ああ、もう、死んじゃいたい!」と、スカリー。「ああ、あんなに興
奮して、はしゃいじゃって、バカみたい!どうか、してたわ!なにが、
透明人間よ!」
「あれは、たしかに、本物だよ」と、モルダー。
「わたし、夢でも、見てたのかも。ああ、冷静になって、考えてみれば、
あんなうまい話、あるはずないのよね」
「死体が消えたのには、わけがある」
「わけがあるって、どんな?」
「これは、願いがかなった、結果だよ」
「願いが?誰の?」
「アンソンを、愛してるのは、誰だ?心から、愛してるのは?」
「弟のレスリー?」
◇
ストークス家。
アンソンは、叫ぶのをやめた。
レスリーは、女性を、責めるように見た。「こんなのありかよ?」
52
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「オレになにを、した?」と、アンソン。
「へ?」と、レスリー。「生き返
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そよぐ幻影
/OT/SoyoguGenei/
そよぐ幻影げんえい
大手おおて拓次たくじ
あなたは ひかりのなかに さうらうとしてよろめく花はな、
あなたは はてしなくくもりゆく こゑのなかの ひとつの魚うを、
こころを したたらし、
ことばを おぼろに けはひして、
あをく かろがろと ゆめをかさねる。
あなたは みづのうへにうかび ながれつつ
ゆふぐれの とほいしづけさをよぶ。
あなたは すがたのない うみのともしび、
あなたは たえまなく うまれでる 生涯しょうがいの花はなしべ、
あなたは みえ、
あなたは かくれ、
あなたは よろよろとして わたしの心のこころなかに 咲さきにほふ。
みづいろの あをいまぼろしの あゆみくるとき、
わたしは そこともなく ただよひ、
ふかぶかとして ゆめにおぼれる。
ふりしきるさざめきのやうに
わたしのこころは ながれ ながれて、
ほのぼのと 死しのくちびるのうへに たはむれる。
あなたは みちもなくゆきかふ むらむらとしたかげ、
かげは にほやかに もつれ、
かげは やさしく ふきみだれる。
(昭和八年六月二十九日)
2
1
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悪魔のジョーカー
/TZ/DealersChoice/
まきあげてくれたな!」と、ジミー。
「この金は、返すよ!」ニックは、10枚くらい溜まったお札を、前に
出した。
3人は、そろって、不満の声を出した。
「そういう問題じゃない!」と、トニー。
「ああ、そうさ」と、ピート。「ポーカーをやりたいんなら、ちゃんと、
名乗れよ!闇の王子です、とかなんとかさ」
「悪かった、心から謝る。金は、返すよ。必要だろうからね━━━」
3人は、謝罪に、少しホッとした。
「ひとりは、別だが━━━」
3人は、互いに、顔を見合わせた。
「そのひとり、とは?」と、ピート。
「察してくれ!」ニックは、言いにくそうな顔をした。
3人は、また、不満の声を出した。
「悪魔だからって、もったいぶるなよ!」と、ジミー。
「ピートのパーティで」と、トニー。「迷惑かけた、ジミーか?」
「あのときの女全員に、新しい靴を贈っている!」
トニーとジミーは、ピートを見た。
「オレが、怒鳴り散らしたせいで」と、ピート。「嫁は出ていったが、
だからって、殺すことはないだろ!厳しすぎるぞ!」
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「妥当なとこ、だな」と、トニー。
「黙れ!」
「なんだと?」
「落ち着いて!」と、
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アリスのルッグラン
/LC/AliceLooking/
だれの夢だったのか考えてみましょ!
これは、大事なことよ!そんなふうに右の前足をなめつづけるのは、や
めなさい!今朝け さ、ディナがきれいにしてくれたでしょ?夢は、わたしの
夢か、赤の王の夢だった。赤の王は、わたしの夢に登場したけど、わた
しも赤の王の夢に登場した。夢は、赤の王の夢だったのかしら?キティ
は、赤の王の妻だったのだから、知ってるんじゃない?キティ、どうか
この謎解なぞときを手伝って!右の前足は、待ってくれるわ!」
キティは、今度は、左の前足をなめ始めた。答えは、聞けなかった。
だれの夢だったのか?
読者は、どう思う?
284
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エピローグ
それは、リデル家の3人の姉妹と、初めてボート遊びに行った、夏の
日の思い出でもある。忘れもしない7月4日だった。そのとき初めて、
私はアリスに、彼女の冒険━━━ルッグランの話を始めたのだ。
ルッグラン
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