原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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NOVELYst AutogeNerating dimensional space
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◆◇◆更新ニュース◇◆◇
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一.
ゲストがひとりで使える専用サイト
をリリースしました。
ゲスト専用非公開サイト自動作成
(使える文字は半角の英数字と_のみ、6〜15文字)
上の入力欄にIDを指定し、自分用のゲストルームを作成。
公開しない(リンクを張られない)限り、他人は入れません。
(Google等あらゆる検索から守られます)
ゲストルームは、1人1ルームまででお願いします。
(複数作る場合は、同一IDにしてください)
9タイトル、ゲスト制限あり(nov:15KB、画像:120KBまで)
1タイトルあれば、15KB制限でも、novを分けて、開始
ページを%pag 20とずらすことで、いくらでも書けます。
URLを、ID_10桁番号の形で作成後、ゲストルームへ入り
ます。そのURLは、メモ帳かお気に入り登録にのみ記し、
他から一切リンクを張らないでください。(1か所でも
リンクを張ると、検索ロボットに無数に侵入されて、
公開しているのと同じことになります)
一)
試用版 ゲストルーム
は、プロトタイプとして保存。
(以下、略)
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京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス
[星 銀河 or検索] ヒット 54 件です。
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屋根の上の少女
/TZ/IfSheDies/
屋根の上の少女
デービットバネットカレン、ジョンハンコック
プロローグ
夜の山の景色。
窓が閉まると、壁にも、星空。
惑星が回っている上に、胎児、蜘蛛、浮き雲、木馬。
赤ちゃん人形の顔、土人のお面。
水爆実験、窓。
そして、ナレーターのロッドサーリングの映像。
星空のバック。
「ミステリーゾーン」のタイトル。
2
1
1
朝。閑静な住宅街。
「パパ、急いで!」
キッチンで、キャシーが、フレンチトーストを作っていた。キャシー
は、今年から、小学校に通っていた。
「今、行くよ!」と、ポール。
「パパ、早く来て!」
「分かってる、行くってば!」
やっと、ポールがキッチンに出てきた。スーツを着ていた、
「なぜ、そんなに急いでいるんだ?」
「学校に遅刻する」キャシーは、できたてのトーストを、お皿に盛り付
けた。
「大丈夫さ。服装チェックして
|
黄の悪夢
/FB2/NightmareInYellow/
自由に。
2
1
1
今夜を選んだのは、今日が彼の40回目の誕生日で、夜中の8時46
分が、まさに彼が生まれた瞬間だったからだ。時刻まで詳しく知ってい
るのは、母が占星術にこっていて、生まれたときのことを、なんども聞
かされていたからだった。彼自身は、迷信深くはなかったが、40才で
新しい人生を、正確な時刻にはじめることは、彼のユーモアのセンスに
強く響いたのだった。
時間は、どんな場合でも、ただ、彼を通りすぎていった。不動産専門
の弁護士として、多くの金が、彼の手をただ通りすぎていった。しかし、
あるとき、彼は、その一部に手をつけた。1年前、確実に儲かる方法で、
2倍か3倍にする投資に使うために、5万ドルを借用した。しかし、う
まくゆかなかった。それで、その損失をうめるために、あれやこれやと、
ギャンブルに手を出して、さらに多くの金を借用した。
その額は、今
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レッドダイアモンド
/RD/RedDiamond/
「あいつは、こそこそしていた。友人がいるように見えなかった。あん
た、双子ふたご座?」女は、突然、訊きいた。
「いや、知らない」
女は、驚いてレッドを見た。「誕生日は?」
「9月16日。なぜ?」
「それは、乙女おとめ座。あんたは乙女」
「ハニー、それはちょっと違うんじゃないか?」
「いいんだ。わたしは山羊や ぎ座。ジェームズは、双子座。二重人格。あん
たには、いいオーラを感じる」
レッドは、自分のオーラが流れ出してないか、下を見た。出てはなか
った。
「星占いをしてあげられる。たったの20ドルで。あんたの過去、現在、
未来を話して」と、女。
586
585
「今日はやめておこう。ジェームズが借りていた室を見れるかな?」
「難しい。室はまだそうじしてない。見せるには、バンガローのオーナ
ーの許可がいる」
レッドは20ドル紙幣を出して、高く掲かかげた。
「星占いの前払いでは?」
女は紙幣を
|
オブライエンの孤独
/ST/DS9_2_4_2/
ソファーに座ったまま、聞いていた。
50
49
◇
オブライエンの室。
ステーション日誌の再生が、続いた。
「非武装地帯のいくつかで━━━」と、シスコの声。
「現在までに、存在が報告されていない生命体を発見」と、ダックス中
尉の声。「分類上は、原生動物門に属する━━━」
「行方不明になったのは」と、シスコの声。「ベイジョー7号星の3番
目の月付近で、捜索のため━━━」
「政府のお偉方なんて」と、キラ少佐の声。「結局、なんにも分かって、
いないのよ!到着する船を、すべて検査しろだなんて━━━」
「1700時の時点では」と、ドクターベシアの声。「なんの問題もな
く、正常に機能しているようだ。私の見るところでは━━━」
「カーデシアも、協定を破るつもりは、ないようだ」と、シスコの声。
オブライエンは、ソファーに横になって、聞いていた。
「アクセスが拒否されました」と、コンピュータ。
オブライエンは、起き上がった。
「拒否?」と、オブライエン。「どこへの、アクセスなんだ?」
「宇宙暦47569・4以降の日誌へのアクセスは、限定されています」
52
51
|
報復戦隊
/FB3/Fleet/
火星は地球の半分
まで人口増加が進み、独立戦争を始めた。金星が侵略者に攻撃されたと
き、地球戦隊と火星戦隊は月の近くで戦おうとしていた。
しかし戦争は、歴史上最短で終結した。地球と火星の連合戦隊は、戦
争をやめ、地球と金星の途中で侵略者を迎え撃った。こちらは数の上で
敵を圧倒し、侵略者を宇宙のかなたへと吹き飛ばし、完全に追い払った。
2
24時間以内に、地球の首都アルバカーキで、地球と火星は平和条約
を締結した。火星の独立を認め、太陽系で唯一住居可能となった2つの
星のあいだの恒久的な同盟を結んだ。侵略者の本拠地を見つけ、2度と
太陽系が侵略されないように破壊する報復戦隊も計画された。
地上と数千マイル上空の衛星の探査装置が、金星を救う時間はなかっ
たが、侵略者の侵入を探知していた。探査装置の記録から、侵略者がや
ってきた方角は判明したが、正確な距離までは分からなかった。
4
3
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SFミステリー (小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン) ライトノベル風
/
(画像提供:
ISFDB)
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ナスティ
/FB3/Nasty/
1
ついに、ビュレガードは、占いや魔法の本を思い出した。膨大な蔵書
の一部として、集めたり、読んだりするのを楽しんでいた。しかし、そ
れらを、まじめにとらえたことはなかった。今までは。今、彼に、なに
か、失うものがあっただろうか?
かびの生えた、悪のにおいのする、稀少本の1冊に、求めるものを発
見した。書かれているとおりに、5頂点の星型を描き、秘密のマークを
コピーして、ろうそくに火をともした。そして、呪文を大声で唱となえた。
1筋の閃光のあと、煙が舞った。そして、悪魔。悪魔を、あなたが好
きにはなれないことは保証するが、どんな姿か述べるのはやめておこう。
「きみの名前は?」と、ビュレガード。声を一定にしようとしたが、す
こし震えていた。
悪魔は、叫び声と口笛の中間のような声を出した。大きなバイオリン
を、のこぎりで弾いたときに出る倍音を伴っていた。
「そうだね、おまえには、発音することができないよ。おまえたちのゆ
るい言語では、翻訳すると、ナスティかな。ナスティって、呼んでくれ
たまえ!おまえのほしいものは、ふつうのものかい?」
「ふつうのものって?」と、ビュレガード。知りたがった。
「もちろん、願いさ」と、ナスティ。「よし、おまえに1つ叶かなえてやろ
4
3
う。しか
|
ファブクリップ
/FB5/FabClip/
隣りのものとは区別されるかたまりで、あいだには空間もある。
210
209
だが、そうじゃない。それは、そのあたりに漂う原子のただのあつま
りだし、原子は、そのあたりに漂う電荷と電子からできていて、星々の
あいだに空間があるように、互いのあいだに空間もある。それは、ほと
んどなにもないものの、大きなかたまりさ。ただそれだけ。空間が終わ
って、ビルが始まる場所に、明確な線などない。原子が、もっと離れば
なれになって、ちょっと少ないだけ。
それに、漂うだけでなく、原子は前後に振動もしている。ただの雑音
に聞こえるものは、ひどく離れた原子が、すこし激しく振動しているか
らさ。
さて、クラーク通りを歩く男がいたとしよう。彼は、ほかのなにもの
でもない。だたのダンスする原子のかたまりの一部さ。彼は、よろめい
ては、下や周りの原子や空間をかき混ぜているだけ」
アムは戻って、ベッドに座った。アムは言っ
|
ねずみ
/FB1/Mouse/
彼は、すこし、間をおいた。
「さて、その生命は、あの瞬間、ここにいた、誰かの肉体の中に飛び込
んだんだ。たぶん、宇宙船が着陸して、最初に、駆け寄った誰かにね。
それは、誰かの体の中に住んで、ブロードウェイのホテルや、ボウェリ
や、いろんなところの安宿に泊まったりして、人間のフリをしているん
だ。ありうるだろ、ビューティ?」
彼は、立ちあがり、また、歩きだした。
「そして、人間の心をコントロールする能力を持つと、それは、世界、
つまり、地球の再構築を開始した。火星か金星か、あるいは、どこかの
34
33
星の人々に安全なように。それは、数日間、調査して、分かったんだ。
この世界は、自滅する寸前にあることが。必要なのは、あとひと押しだ
けだと。それで、それは、そのひと押しを加えた」
彼は、ひと呼吸した。
「頭を内側から操作して、それは、誰かに、大統領を暗殺させて、捕つかま
らせた。それは、ロシ
|
アリーナ
/FB6/Arena/
やつはスクリーンから完全に消え、彼の偵察艇は、やつ
の背後を追尾し、ふたたびやつを見つけたとき、地面へ真っ逆さまに跳
10
9
び込んでいた。
地面?
それは、ある種の光学的な幻想を映し出す装置だった。そうに違いな
い。惑星は、どんなものであれ、今スクリーンに映し出されているよう
なものは、存在しなかった。たぶん、ありえなかった!海王星の近く3
0億マイルは、いかなる惑星もなかった。冥王星は、太陽の反対側で、
最も遠いところにあった。
船のレーダーによれば!惑星サイズのいかなる物体も、捉とらえてなかっ
た。小惑星サイズでさえ、まったくなかった。
それは、そこには存在しえなかった。どのようなものであれ、それは、
船が跳び込んだものであり、数百マイルに亙わたって、船の下に広がってい
た。
船がクラッシュしたのではないかという心配から、アウトサイダー船
のことを忘れていた。減速用のフロントロケットを噴ふかした。すると突
然の速度変化で、シートベルトに引っ張られて前面につんのめった。さ
らに緊急ターン用のロケットをいっぱいに噴ふかした。ロケットを静め、
下降させた。分かったことは、クラッシュは逃れて、ターンもできる、
船に異常はないということだった。そして突然、しばらく記憶を失った。
|
帰ってきたカーン
/ST/StarTrek2013/
おまえの存在を、
消すことになる。私を試せば、後悔するぞ」
カトウは、通信を切った。
「ミスターカトウ」と、マッコイ。「きみは、怒おこらせたらこわいんだね」
90
89
◇
貿易船は、クロノス星の山岳地帯の雲の上を、飛行した。
「ハリソンの座標到着まで、3分です、船長」と、スポック。「彼が降
伏する確率は低く、こちらを攻撃する確率は、91・6パーセントです」
「ありがたいね」と、カーク。
「でも、死ぬの、平気なんでしょ?」と、ウラ。
「失礼、ウラ中尉、よく聞こえなかったんだが」と、スポック。
「なにも、言ってません。聞いてくれるなら、よろこんで話すけど」
「その話題は、また、別の機会に話したい」
「本心は、まったく、話したくないでしょ?」
「ああ、今でないと、ダメかい?」と、カーク。
「失礼、船長、2秒ください」と、ウラ。
「分かった」と、カーク。
「スポック、火口の中で、わたし
|
ファーストコンタクト
/FB3/Contact/
しかし社会科学は発展し、
この5万年のあいだ、ひとつの犯罪もひとつの戦争も発生しなかった。
物理学を越えた科学、つまり心の科学が発展していた。これは、地球で
は、発見しかけたばかりだった。
火星は、多くのことを地球に教えられるだろう。犯罪や戦争をいかに
回避するかは、2つの単純なことだった。これから始めて、さらにテレ
パシーやテレキネシス、エンパシーへと━━━。
一方、地球からは、多くの価値あるもの、科学や技術を教えてもらう
ことを望んだ。それは、火星だけでは、進歩した心をもってしても発展
させるには遅すぎるものだったが、死にかけた火星の人々を復活させ、
もう一度人口を増やしていくことを可能にするものだった。地球にとっ
てもメリットこそあれ、デメリットはなかっただろう。
6
5
今夜は、水爆の閃光分析として、地球がファーストコンタクトする夜
だった。つぎのコンタクトは、有人ロケットによ
|
サアルバの国
/FB1/DeathOnTheMountain/
けっして変化しないのだ、と答えた。
夜に、彼は、星や谷の光を見た。谷の光は、消灯時刻になると消えた
が、星は、消えなかった。星は、あまりに遠くにあるので、消灯時刻の
ベルが聞こえなかったのだ。
明るい星があった。3日目の夜には、山の雪の積もった頂の いただきすぐ上ま
で降りてきたので、彼は山頂までのぼり、星に話しかけた。星は、答え
なかった。
彼は、星で時を数え、星の進行で3日ごとに時を数えた。3日が1週
間であった。谷の人々にとっては、7日が1週間であった。谷の人々は、
サアルバの国を夢で見たことはなかった。サアルバの国では、水が上へ
流れ、木の葉は、明るい青の炎で燃え、燃えても、燃え尽きることはな
く、3日が1週間であるという。
6
5
2
1年前に、彼は谷へおりて行った。彼は、人々と話し、時には、人々
の夢を見た。人々は、彼を預言者と呼んだが、小さい子供たちは、彼
|
ザ・オフィス
/FB5/TheOffice/
4月初めに、最後の重い雪が降った。同じ月の下旬に、最後の軽い雪
が降った。5月に入って、春がやって来た。5月末に、本格的な春にな
って、あたたかく、陽射しに溢あふれ、陽気になった。
ステラクロスターマンの20才の誕生日は、5月末の土曜だった。
誕生日に、特別なことはなにもなかった。ほとんどの者は、1年に1
度、誕生日があった。オフィスでは、唯一の例外は、ウィロービィ氏だ
った。2月29日に生まれたので、4年に1度しか誕生日が来なかった。
占星術を信じるなら、彼はどこか違っていると考えるかもしれない。た
ぶん、ウィロービィ氏に関しては、占星術的になにかあるだろう。オレ
は、このオフィスで、すでに11か月、働いていた。仲間の社員たちを
340
339
少し知るようになって、(上司については、それよりは少なく)、ウィ
ロービィ氏については、まったく違うなにかがあると、気づいていた。
彼を称賛し
|
緑の世界
/FB/SomethingGreen/
回復するだろう。
地球!緑の丘が連なる、地球!
マクガリーは、宇宙船の着陸地点めざして、走りだした。あまりに速
22
21
く走ろうとして、なんども、つまずいて、よろめきながら。近くまで来
て、宇宙船が、マクガリーのものと同じ、ひとり乗りであることがわか
った。しかし、ひとり乗りでも、緊急時には、ふたりを運べた。少なく
とも、地球へ戻る、ほかの交通手段のある、近くの惑星までは。
緑の丘、緑の原野、緑の谷。
マクガリーは、めったに走らなかったように、祈ることも、誓ったり
することも、めったにしなかった。なみだが、ほおを伝って、流れおち
た。
ドアの前まで来ると、マクガリーは、待った。ドアが開くと、宇宙パ
トロールの制服姿の、長身の若い青年が、降りてきた。
「いっしょに、連れて行ってくれるかい?」と、マクガリー。
「もちろん」と、宇宙パトロールの青年。静かに。「ここには、長く?」
「5年だよ!」マクガリーは、自分で大声を出していることに気づいた
が、やめられなかった。
「そう、たいへんだったね!」と、宇宙パトロールの青年。「オレは、
アーチャー中尉。エンジンが冷えて、離陸できるようになったら、すぐ
にでも、あんたを乗せてあげられる。とりあえず、アルデバラン第2惑
星のカートヘイジへ
|
ファイナルアンサー
/FB2/Answer/
アランフィールド
プロローグ
デュワーイブは、おごそかに、最後の接続を金で溶接した。12台の
亜空間中継カメラが、彼に向けられ、彼の動きはそのまま、12画面で
全宇宙に立体中継されていた。
デュワーイブは、まっすぐに立ったまま、デュワーレインにうなづく
と、スイッチのある場所まで移動した。そのスイッチが押されると、連
結が完了することになる。ただちにすべての、960億の惑星にある、
巨大コンピュータのすべてを、この1つのサイバネティックマシンに、
1つの人工知能に直結する。全銀河の全知識が、1つに統合されること
になる。
2
1
1
デュワーレインは、無数の聴衆にむかって、簡潔に話した。しばらく
の沈黙ののち、彼は、言った。
「スイッチをどうぞ、デュワーイブ」
デュワーイブは、スイッチを入れた。大きなハム音が響いて、960
億の惑星から情報が押し寄せてき
|
存在のわな
/FB4/Trap/
ほとんど動きのないまま、無限に曲がったカーテンにぶら下がっていた。
ストレンジャは今、動き出し、思考の焦点をシフトさせた。あいまい
10
9
な発散がやって来る恒星に向かって。彼が今、認識する、恒星の第3惑
星に向かって。
それに近づき、惑星を包むガス状のものの外側にいた。ここでふたた
び停止して、当惑しながら、この下にいるであろう驚くべきものを分析
し、理解しようとした。
彼の下にあるのは、何百万、いや、何十億という存在だった。このご
くちっぽけな小さな空間に、彼が通とおってきた空間における以上の数の存
在があった。しかも、この小さな存在は、それぞれが、物質の小さなか
たまりに閉じ込められていた。
◇
どんな宇宙の大変動が、どんな空間ワープで、このような不可能なも
のを作り出せるのだろう?無数の意識空間のひとつから、これらの存在
は、どんな未知の方法で、どんな理由によっ
|
八甲田 歩のスペースドライバー日誌
/RM/SpaceDriver/
タワー
「東京駅まで!」と、料亭のおかみさんふう女性。
「ここからだったら、新目白通りを抜けてゆくのが断然早いわよ!」
「いいわ、私が教えてあげる!そこの高戸橋を右に曲がって新目白通り
に入ってくれる?」
「高速道路に沿って、飯田橋を抜けて」
「皇居に出たら、お堀ぞいに行くと」
「ほら、東京タワーが一番よく見える場所に出るから」
「ここで左折すれば、正面が東京駅よ!」
「あら、今夜のタワーは、ずいぶんブルーなかんじだこと!」
2
1
想おもふ雲
「それって、なんなの?」と、女の子。
「どれ?これなら、安全の全の字よ」と、お母さん。
「金の字かと思った!」
「あら、金の字も忘れてしまったの?最近、覚えたばかりじゃない?」
「知ってるわよ!ただ、金の字をそう書く人もいるのかなって思ったの」
4
3
|
空想せよ
/FB1/Imagine/
空想せよ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
空想せよ。
さまざまな幽霊。神々。悪魔たち。
空想せよ。
いろいろな地獄や天国。空中に浮遊する都市や、海中に沈んだ都市。
ユニコーンやケンタウロス。魔女や魔法使い。精霊のジンやバンシー。
天使やハルピュイア。魔力や魔法。4大元素、守護神、悪霊。
空想するのは、かんたんだ。
何千年のあいだ、人類は、これらすべてを、空想してきた。
2
1
空想せよ。
宇宙船や未来を。
空想するのは、かんたんだ。
未来は、現実にやってくるし、宇宙船も登場する。
それでは、空想するのは、むずかしいものは、あるだろうか?
もちろん、ある。
空想せよ。
ひとつぶの物質を。
そのなかに、あなたがいて、目覚め、考え、
それゆえ、自分が存在することがわかり、
自分が入っている、
|
聖なる神殿の謎
/ST/DS9_1_1_1/
連邦の士官の酒もな!」
◇
「ステーション日誌、宇宙暦46390・1。エンタープライズは、小
48
47
型艇三隻をディープスペースナインによこし、次の任務地であるナポリ
ス星系へと出発する。一方、医療チームと科学チームのメンバーが到着。
その中には、私の古い友人も含まれている」と、シスコ中佐の日誌。
四人は、エアロックから出てきた。
「おふたりに、ステーションの中をご案内しますか?」と、キラ少佐。
「じゃぁ、ドクターベシアを案内してくれ。ダックス中尉には、すぐ、
仕事にかかってもらう」と、シスコ中佐。
「ダックス中尉!」と、ドクターベシアは言った。
「あの、よかったら、今夜いっしょに、食事でも。それか、一杯飲むだ
けでも」
「ええ、喜んで」と、ダックス中尉は言って、シスコ中佐と研究室へ向
かった。
「君には、ちょっと、若すぎるんじゃないか?」と、シスコ中佐。
「彼は、27、私は、
|
星雲を越えて
/ST/StarTrek2016/
ふたりの制服は、黄。
「つまり、助けは呼べない!だが、エンタープライズには、ほかの船に
はない強みがある。きみたちだ!」
巨大な岩石をスレスレに飛ぶ、エンタープライズ。
「そして、世界には、理解不能のものなどない。まだ、見つかっていな
いだけだ。通信は、以上!」
マッコイは、医療室で聞いていた。制服は、青。
「数値を見ると」と、チェコフ。「星雲の濃度は、減少してきました」
エンタープライズが、多くの岩石を抜けて飛ぶと、白の惑星が見えた。
「わたしの船が」と、異性人の女性船長。服は、ヨークタウンのブルー
系で、クラシカルな海軍将校の制服に着替えていた。「不時着した、ア
ルタミド星です」
惑星に近づくと、地平線上に、太陽が輝いていた。
「アルタミドに接近」と、スポック。パネルを操作していた。「Mクラ
スの惑星です。地殻ちかく活動は活発ですが、地表の生命活動に、影響はなし」
32
31
「接
|
小さな子羊よ
/FB/TheLittleLamb/
窓際を歩いたり、丘から
街の方角を見下ろしたが、彼女が歩く姿はなかった。
2
1
月明かりの夜で、明るく澄んでいた。街頭の明かりは点々と、丘の曲
線は、黄の大きい月に、青に黒を重ねて、続いていた。ここを描かくべき
気がしたが、月はだめだ。誰でも画えに月を入れたとたん、それは、こっ
けいで、こぎれいな画えになってしまう。ヴァンゴッホは星空の画えに月を
入れたが、これは、こぎれいどころか、驚嘆 きょうたんする画えだった。ただ、彼は
これを描かいたとき、正気ではなかった。正気な人間は、なかなか、ヴァ
ンゴッホのようには描かけない。
パレットを洗っていなかったので、もう少し、画えを続けようとした。
二日ふつか前にはじめた画えだった。緑をパレットで混ぜはじめたが、思う色が
作れなかった。やはり、昼間の光を待たなくてならないことを、痛感さ
せられた。夜は、自然の光がないところでも、下書きや仕上げはできる。
しかし、色を作るとなると、昼間の光を待たなくてはならない。汚れた
パレットを水洗いして、朝になったら、新しくやり直すことにした。刷は
毛けも洗った。9時に近く、まだ、彼女は帰ってなかった。
4
3
|
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
/FB2/Reconciliation/
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
夜の外は、静かで、星がまたたいていた。けれど、室内は、殺気だっ
ていた。男と女が、数フィート離れて立ち、お互いを憎しみに満ちた目
で、にらみつけていた。
男のこぶしは、固く握られ、いまにもパンチを繰り出しそうであった。
女の指は、広げられ、かぎつめのようにカーブさせていた。しかし、ふ
たりとも、腕は、脇から離さなかった。ふたりとも、良識ある市民であ
った。
2
1
1
「キライよ」と、女。声が低くなった。「アンタのすべてがキライよ」
「キサマの方こそ。キサマの贅沢のために、さんざんしぼり取られたあ
げく、こっちには、もう、キサマのエゴのために、バカなものを買わさ
れるカネさえ残ってないんだ」
「それは、ウソよ。アンタだって、それがウソだってわかってる
|
つくられた記憶
/ST/DS9_4_5_3/
リンバーカー
プロローグ
マイルズオブライエンは、狭い独房の砂地に幾何学的模様を描いてい
た。服は汚れてボロボロになり、髪も髭も伸び放題で灰色がかっていた。
収容所のアナウンスが響いた。
「全受刑者の汚染除去をおこないます。これから直ちに汚染除去を開始
します」
レーザービームの波動がやって来て、オブライエンは体をがたがた震
わせた。
独房の戸が開くと、ふたりの異星人が武器を手に立っていた。
2
1
「マイルズオブライエンだな。アグラッサ司法当局は、おまえの件を再
審議した。特に何か申したいことはあるか?」
オブライエンは黙っていた。
「よろしい。刑期は終了した。おまえは自由だ」
「自由?」と、オブライエン。
「スパイ行為に対しては、15サイクル以上の刑期が課されるが、おま
えは20サイクルを越えた。出る時が来たのだ」
「出る?でも、いまさらそんな。どこへ
|
白日夢
/FB7/Daymare/
狂った、目的のない夢。先祖返り?人々が、
42
41
互いに、相手の喉のどを掻かき切ることばかり考えていた時代、戦争と憎しみ
と覇は権を争っていた時代へ、逆もどり。
それは、太陽議会ミーティングが、居住可能なある惑星で、さらに別
の惑星で開かれる以前の話だった。ミーティングでは、裁定によって秩
序が作られ、のちにユニオンとなった。そして、今、戦争は過去の遺物
となった。太陽系の居住可能な場所、地球、金星、火星、それに、木星
の2つの衛星は、1つの政府の統制下にある。
しかし、古い血の日々に立ち返れば、人々は、昨夜の先祖返りの夢で
彼が感じたような感情を抱くに違いない。地球が恒星間飛行を発見し、
統一されると、火星━━━知力の優れた種族によって、すでに植民地化
されていた、唯一の他の惑星━━━を服従させた。それから、人類が足
跡を付けたどんな場所にも植民地を広げて行った。
それら植民地のあ
|
パペットショー
/FB2/PuppetShow/
今ごろは家にいるは
ずの、チェリーベルの全住民が、集まっていた。お店やガソリンスタン
ドは、見捨てられたように、無人だった。
軍曹は、テープレコーダーで録音をはじめた。「ただいま、テスト中
!」と、軍曹。巻き戻して、再生した。「ただいま、テスト中!」と、
スピーカー。再生音は、大きく、クリアだった。軍曹は、ふたたび、巻
き戻した。「録音の準備できました、大佐」
大佐は、背の高い、地球圏外ヒューマノイドを、見た。ヒューマノイ
ドは、うなづき、大佐は、軍曹に、うなづいた。録音のスタートボタン
が、押された。
「私の名前は、ガースです」と、杖男。ゆっくりと、クリアに。「私は、
あなた方の星図にない、星の惑星から来ました。その星が属する、9万
の星々からなる球状星団は、あなた方の星図にも載のっています。ここか
ら、銀河の中心の方向へ、ほんの、4千光年行ったところにあります。
ただし、私は、その惑星の代表ではなく、銀河連邦の全権大使として、
来ました。銀河連邦は、高度に文明化された星々による、互いのための
連邦です。私の使命は、あなた方を訪問し、あなた方が連邦に、喜んで
参加するかどうかの、返事をもらうことです。
自由に質問してください。ただし、質問のいくつかについては、好ま
24
23
|
あごひげ彩か
/FB3/Beard/
「それがなにか分か
るかい?」
マリアンヌは、振り返って夫を見た。「なぜか分からないけど、なに
かの機械かしら」
4
3
「そのとおり、マリアンヌ、無線機さ」と、ビリー。「ただし、ずっと
パワフルで高性能、恒星間通信もこなせる。それでいつも、ベヌースb
星と通信していたのさ。そう、オレは、そこから来た」
「でも分からないわ」
「分かる必要はないよ、ダーリン。話してあげるけど、オレは、ベヌー
スb星のスパイなのさ。いわば、調査員。地球を侵略するかどうか調査
している。
オレのあごひげはブルーだと言ったら、あるいは、クローセットに前
の妻の死体を見つけてたら、どうした?
マリアンヌ、きみはカラー音痴なのを知っている。父親はマリアンヌ
に、オレのあごひげは赤だって言ったろ?」
「そうよ、違うの?」
「ほんとうはね。父親はオレが外出するときに携帯染料で赤く染めた色
を見たのさ。しかし家にいると
|
発酵したインク
/FB5/FermentedInk/
発酵はっこうしたインク
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
もくじ
太ふとりすぎのふくろうに捧ささげる歌 ∨
間奏曲 かんそうきょく ∨
ギフト ∨
聞ききなれないセレナーデ ∨
モダンメロディ ∨
ラプソディ ∨
オーチュア ∨
ロマンス ∨
ミッドナイトソナタ ∨
ゆっくりと目覚め ざめる ∨
2
1
太りすぎのふくろうに捧げる歌
Ode to a Stuffed Owl
太りすぎの ふくろう The stuffed owl
遠ぼえも Does not howl、
うなりも しない Or yowl。
飛ぶとき When flies
目の光 Light on its eyes
またたきも It doesn’t blink
ウィンクも しない Or wink、
止まり木から Nor from its perch
ね
|
ボディスナッチャー
/SY/BodySnatcher/
ボディスナッチャー
原作:ジャックフィニー
W・D・リヒター、フィリップカウフマン
プロローグ
別の太陽系。大きなガス惑星をまわる、衛星。
ガス惑星の熱で、宇宙生命体が活動を始めた。胞子状の半透明の無数
の種子を、宇宙空間に散布した。種子は、宇宙空間を漂い、銀河を抜け
て、地球に漂って、地面に降り立った。
2
1
1
シスコのゴールデンブリッジの近くの公園。雨が降っていた。
植物の葉の上に着床した胞子は、放射状に葉根をのばして、小さなつ
ぼみを形成して、赤い可憐な花を咲かせた。
同じ木々の葉の上に、いくつも咲いた赤い花のひとつを、リサが手に
とった。
「お花が咲いてるわ」と、保育士の女性。子どもたちを、散歩させてい
た。リサを、振り返って見ていた。「きれいね」子どもたちも、花を摘
んだ。「そちらにも、あるわ」ブランコには、牧師が乗っ
|
感想
/CO/Comment/
SFカーニバル1953年
「プロットをどこから得るか」、ライターズヒント1953年3月
「F・ブラウンは言う」、『人間?』ジュディスメリル編1954年
序章「エンジェルとスペースシップ」1954年
手紙1963年11月17日付、『バークにまかせろ』の原稿について
「SFの定義」「ファンタジー&サイエンスフィクション」1963年
「それがすべて」ゴリアード836、1965年4月
手紙1964年6月22日付、ロジャーヴァディム監督の電話について
「火星での結婚」『火星での結婚生活』1986年に収録
26
25
パート3=シナリオ
「人類おもしろ話」、「最後の火星人」に基づく、ヒッチコック劇場1
959年5月24日放送、「ピックドパンクス」1991年に収録
「ミラー」、未発表短編「ミラー」に基づく、未発表シナリオ
「地球報告」1952年6月付、『終わり良ければ』1990年に収録
「女の2つの顔
|
探検隊
/FB3/Expedition/
宇宙船は25人の男と5人の女にすべきというもので、全
員が一夫一婦制を放棄するサインが必要だった」
「3番目は、探検隊は30人の男からなるべきというもので、男だけな
らより仕事に集中できるという考えによる。第2次火星探検隊は、その
1年後に予定されていて、今度はすべて女とすれば、男は1年くらいの
独身生活には耐えられるし、もともと宇宙訓練校は、男子校と女子校に
厳密に分けられていた」
1
「火星植民地計画の長官は、この問題をもっとも単純に解決した」
「なんです、アンブローズ君」と教授。
「先生、それはマクソン船長の火星探検隊でしょうか?」と、手を挙あげ
た生徒。「船長は、鉄腕マクソンと呼ばれています。なぜそう呼ばれて
るんですか?」
「そこはこれから述べます。火星探検隊のことは、低学年でも聞いてい
るはずですが、詳しくは聞いてないでしょう。あなたたちは、もう聞い
てもいい年齢になっています」
「火星植民地計画の長官は、2つの宇宙訓練校の卒業生から、男女に関
係なく、くじで決めると宣言して、論争に終止符を打った。男子校
|
さぁ愉快にやろう
/FB6/ComeAndGoMad/
いろいろあばき出す、大
手術だ。たぶん、たぶんだが、ある方法で、あるいは別の方法で、物事
は解決されるだろう。
窓の外、星々は、夜空に散らばる、明るいダイヤモンドだった。その
1つは、彼の運命の星?もしも、そうなら、彼はそれに従おう。もしも
それが導くのが、マッドハウスなら、それに従おう!彼の内では、深く
根ざした確信があって、これは偶然ではなく、ウソと偽って真実を語る
ように、頼まれたわけではないと、告げていた。
彼の星は、運命だった。
明るく輝く?いや、彼の夢から来る、そのフレーズは、そのことを言
っているのではない。助動詞のフレーズでなく、名詞だ。明るく輝く?
明るく輝くものって、なんだろう?
それと、赤と黒?チャーリーが挙げたもの、すべてを考えてみた。別
のものも。たとえば、チェッカーは、赤と黒だ。しかし、それは、捜し
80
79
ているものではなかった。
赤と黒。
そう、
|
オレとフラップジャックとマルスd星人
/FB4/Flapjack/
「自
然なことだが、あんたがたはオレたちの訪問の目的を知りたいだろう。
オレたちが直面している問題を解決するアドバイスをもらいたい。マル
24
23
スd星は死にかけている。水も、空気も、鉱物資源も、すべてが実際、
枯渇している。恒星間移動の技術があれば、銀河系の別の占領されてい
ない惑星を捜しただろう。しかし不運にも、それがない。オレたちの宇
宙船はせいぜい太陽系の別の惑星に行けるだけだ。恒星間移動を可能す
るような、まったく新しい技術を発見したい。オレたちはまだ、その糸
口さえ見つけてない。
太陽系では、あんたがたの惑星が━━━マルスd星を除けば━━━唯
一、マルスd星人が住める惑星だ。水星はあまりに暑く、金星は陸地が
なく、大気は有毒だ。木星の重力は、強すぎて押しつぶされる。木星の
月はすべて、あんたがたの月と同様、大気がない。木星より外側の惑星
は、どれも寒すぎて不可能だ。
それで
|
歩兵
/FB1/Sentry/
歩兵
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、ぬれて、泥だらけで、ひどくおなかがすいて、寒かった。しか
も、故郷の星から、5万光年も離れた星にいた。
奇妙な青い太陽が、かがやいていた。重力も、彼の星の2倍もあって、
動くのも、困難だった。
1万年のあいだ、戦況は、変わらなかった。空軍のパイロットたちは、
流線型の宇宙船に、ファンシーな武器が使えて、上機嫌だった。チップ
が地上にバラまかれると、歩兵めがけて、地面をはってきて、足という
足は、すべて、血で染められた。
2
1
このひどい惑星に、上陸するとは、彼は、まったく、聞かされていな
かった。惑星の地表は、エイリアンたちも、そこにいるがゆえに、神聖
なる戦場だった。そのエイリアンたちは、この銀河に存在する、われわ
れ以外の、唯一の知的生命体であった。冷酷で、みにくく、
|
失われた母星
/ST/StarTrek2009/
ドリルのレーザー噴射が弱まり、止まった。
◇
エンタープライズのブリッジ。
「妨害信号停止!」と、ウラ。「転送機能も回復しました」
「転送室の制御、再起動しました」と、チェコフ。
「チェコフ」と、スポック。「彼らがなにをしているか、重力センサー
で調べろ!」
「はい、スポック少佐、あ、船長でした、すいません」
◇
掘削船のブリッジ。
「ドリルは、破壊されましたが」と、兵士。「惑星の核に、届きました」
「赤色物質、投下!」と、ネロ。
赤色物質の容器の入った、降下装置が投下された。
降下装置が、プラットフォームを通過したのを、カークとカトウは気
110
109
づいた。
「カークより、エンタープライズ」と、カーク。「ドリルで掘っていた
穴に、今、なにかが投下された。応答せよ、エンタープライズ!」
地面の穴は、赤色物質投下のあと、大きくなっていった。
◇
エン
|
アンラッキー
/FB1/Unfortunately/
アランフィールド
ラルフNCー5は、監視スクリーンのアルクトゥルス第4惑星を見て、
安堵あんどのためいきをついた。コンピュータが、そう、教えてくれたのだ。
アルクトゥルス第4惑星は、ここでは、唯一の、人が住んでいる、居住
可能な惑星で、となりの太陽系まで、数光年離れていた。
彼は、食料を必要としていた。燃料や水は、じゅうぶんだったが、冥めい
王おう星の兵站へいたん部は、彼の偵察艇に物資を補充する際、食料を補充しわすれ
た。宇宙マニュアルによると、アルクトゥルス第4惑星の原住民は、友
好的だった。頼めば、なんでも与えてくれるという。
2
1
マニュアルには、この点について、詳細に記述されていた。自動操縦
で、着陸を指示すると、アルクトゥルス星人に関する記述を再読した。
「アルクトゥルス星人は」と、ラルフNCー5。マニュアルを、声に出
して読んだ。「ヒューマノ
|
“スペーステロリスト”ターナロス
/ST/DS9_1_1_2/
「どちらかを裏切ることになるわ」
「自分を裏切らない道を選ぶことです」
「とはいえ、ターナたち仲間を裏切ることはできない」
「仲間?彼らは、仲間ですか?」
「昔は、私もああだったわ」
「今はどうです?」
「協力、断ることもできるわ。無視すればいい」
「知ってますか?ドレニアン星のダチョウは、敵が来ると水に潜って姿
を隠す。それで、溺れ死ぬこともあります」
「ターナたちが、何をする気かわからないけど、やっぱり、隠れて、見
て見ぬふりをすることは、できないわ。ああ、本当の戦争の方が楽だっ
たような気がする」
「オドーから司令官」と、オドーは通信バッジに言った。
「なんだ?」と、シスコ中佐の声。
「今、この室にいる方からお話があるそうです」
◇
ドクターベシアは、ガラックの店へ入った。
56
55
「ドクター、遅いですよ、もう、20時57分です、さぁ、これを好き
なだけ、試着してくださ
|
恐怖のウイルス
/ST/DS9_1_2_1/
ウイルスのことを持ち出した途端に通話を切られまし
た」
キラは、シャトルの出発の準備をした。
58
57
「少佐、いったいどこへゆくつもりなのか?」と、シスコ大佐。
「ドクターサーマクレインと直接、話をつけに行ってきます」と、キラ。
「少佐、ステーションから出るのはよせ。ベイジョー星にウイルスを持
ち込むわけには」
「そんなこと百も承知していますよ、司令官、絶対、星に降りたりしま
せんから、行かせてください」
「だが」
「許可を願います、司令官、最後の手段です」と、オドー。
「ふう」と、シスコ大佐。
「少佐が戻ってくるまで、持ちこたえられればいいんですが」と、オド
ー。
シスコ大佐は、病室にいるジェイクを見舞った。
「ジェイク、具合はどうだ?顔を見て安心したよ。今はまだ、治療法は
見つからないが、安心していろ、かならず助けてやる。おまえを絶対死
なせたりしない。わかるな、おまえを絶対死なせたりしない」
シスコ大佐は、司令室に戻った。
「これを見てください。第5デッキポートに動きがあります、船が発進
しようとしているらしい」と、オドー。
「第5デッキポート、ジャヒールの船だ、彼を呼び出せ」と、シスコ大
佐。
60
59
|
まだ終わりじゃない
/FB3/NotYet/
1
4番目と7番目のダイアルの矢印が止まった。それは、キューブが空
間に停止して、目標物を捕らえたことを意味した。カーは、右の上肢を
伸ばしてスタビライザースイッチに触れた。それから、立ち上がり凝っ
た筋肉を伸ばした。
カーは顔を、キューブにいる自分と同じ生物の仲間に向けた。
「われわれは最初の目的地に着いた」と、カー。「スターZ5689だ。
ここには9つの惑星があるが、3番目の惑星だけハビタブルゾーンにあ
る。ここで、サンダーの奴隷にふさわしい生物がいればいいのだが」
ラル16Bは、旅の間まったく動かずに座っていたが、立ち上がり、
カーと同じように伸びをした。
「そう望むよ」と、ラル。「帰ったときに奴隷を連れ帰った功績に勲章
がもらえる。しかしそういう期待はしない方がいい。最初に立ち寄った
ところでうまくいったら、奇跡だ。おそらく千の太陽系は見て回ること
になるだろう」
「そうだな、千の太陽系を見て回ろう」と、カー。肩をすくめた。「今
の奴隷のルナックスは、絶滅寸前だ。奴隷が必要だ。奴隷がいなければ
鉱山は閉鎖され、われわれの種族は死に絶えてしまう」
カーは、コントロールパネルに戻り、スイッチに触れて、スクリーン
4
3
をオンにした。スクリーンには、下界の様子が映しだ
|
アンドロメダUの来訪者
/FB/AllGoodBems/
あ、今、きみの心に1つの
26
25
疑問が浮かんでるね。この知性の高い生物たちは、ユーモアのセンスを
持ちあわせているのか、と。その答えは、少し考えれば、すぐわかるよ。
きみのユーモアのセンスは、きみより、知性の低い生命体と比べれば、
ずっと進んでいることからね」
「ああ」と、エルモは認めた。「別の疑問もあるよ。アンドロメダとい
うのは、銀河であって、恒星ではない。それなのに、アンドロメダUと
いう惑星から来た、というのは、おかしいんじゃないか?どっから来た
んだい?」
「たしかに、ぼくたちは、アンドロメダにある、きみたちの知らない恒
星の惑星から来た。その恒星は、遠すぎて、きみたちの望遠鏡では見え
ない。それを、ぼくは、単に、きみたちになじみのある名前にして呼ん
だだけのことさ。きみたちの慣例に従って、恒星を銀河の名前にして、
そのあとに、第二惑星を意味する、Uをつけてね」
エルモスコットは、もやもやしていた疑問点がやっと晴れて、スッキ
リした気分になった。
「おらたちは、なにを待ってるんだい?」と、ウシ。
「なにも」と、ドーベルマン。「ファイブとぼくは、順番に、監視ガードにつ
くよ」
「早く出発して、修理を始めな」と、ガラガラヘビ。「例のトリックで、
30分で、きみらは1ヵ月、作
|
ケンタウロス
/FB1/HorseRace/
人
族が住んでいます。外側の惑星には、外見上は、地球の馬と似た民族が
住んでいます。ただし、彼らには、3対目の足があって、追加の2本の
手として使用できるため、かなり高い文明水準を達成しました。彼らの
正式名称は、地球人には発音しづらいので、単に、馬族と、呼ばれてい
ます。彼らは、この名称の由来が、馬であることを知っていますが、気
にしていません。それほど、神経質な性格ではないのです」
「そうですか」と、ロバーツ。ブランドも、うなづいた。
「どちらの惑星も、超光速ではないものの、宇宙飛行は可能な水準に達
しています。ふたつの惑星の間には━━━宇宙ガイドで、名前か座標で
調べれば、すぐ、わかるように━━━小惑星帯があります。太陽系にあ
るものと似ていますが、ずっと、大規模です。ふたつの惑星の公転軌道
の中間に、かつてあった、巨大惑星が崩壊した残骸ざんがいです。
ふたつの惑星には、鉱物資源がそれほど多くはありませんが、小惑星
4
3
|
ドーム
/FB7/TheDome/
説明し、謝罪し、戦争は回避された。まさにす
ぐに。アメリカ空軍はすでに出撃していたが、すべて呼び戻された」
ブラドンは、かすれた声で言った。「それで、戦争は?」
「もちろん、なかった。戦争は、今では過去の遺物さ。銀河ユニオンの
おかげで。宣戦布告する、国家どうしの政府さえ、もうなくなった。戦
争はありえない。オレたちの技術は、ユニオンのおかげで、途方もなく
進歩している。オレたちは、火星と金星を植民地にした。そこはすでに
居住不可能な星ではない。ユニオンがそこをオレたちに割り当ててくれ
て、多くが移住している。しかし、火星や金星は、ただの郊外さ。オレ
たちは別の恒星へ旅している。オレたちは、さらに━━━」彼は、ひと
息ついた。
ブラドンは、カウンターの端はしを、強くつかんでいた。彼は、すべて失
30
29
った。30年間ひとりで、今、彼は年寄りだった。彼は尋ねた。「さら
に、なんだね?」彼
|
囚人のピアノ
/TZ/TheConvictsPiano/
囚人のピアノ
パトリスメシーナ、ジェームスクロッカー
プロローグ
夜の山の景色。
窓が閉まると、壁にも、星空。
惑星が回っている上に、胎児、蜘蛛、浮き雲、木馬。
赤ちゃん人形の顔、土人のお面。
水爆実験、窓。
そして、ナレーターのロッドサーリングの映像。
星空のバック。「ミステリーゾーン」のタイトル。
2
1
1
刑務所の屋上。休憩時間。
リックは、目をつぶって、頭の中で、軽快なジャズピアノを演奏して
いた。台の上に置いた、両手の指が動いていた。不思議に思った、フレ
ッドが、横に座って、動く指を見ていた。
フットボールをしていたサムが、ボールを追って、ふたりにぶつかっ
てきた。サムは、追ってきたもうひとりに、タックルされた。
「ふざけるな!」と、サム。相手を突き飛ばしてから、ナイフを出した。
「来い!」
それを見て、リックが、サム
|
ナッシングシリウス
/FB2/NothingSirius/
そのころ、オレは、誰かと、つまらない話を
かわしたかった。2人の女性と、すべてルール通りのポリテク卒のパイ
ロットといっしょでは、宇宙を旅するのは、寂しすぎたからだ。
「惑星です。物体は、惑星サイズです。直径3千マイル、距離200万
マイル、コースは、見るところ、シリウスAの軌道上です」
「ジョニー」と、オレ。「オレたちは、ソラの軌道の内側にいるんだよ。
ソラは、シリウスTで、シリウスの第1惑星だから、その内側に、どん
な惑星があるって言うんだい?からかってるのかい?」
「表示板と、私の計算を調べてください、船長!」と、ジョニー。きり
6
5
っとした態度で。
オレは、あきらめて、操縦室へ入った。前面の表示板の中央に、ディ
スクがあって、そこは、オーケーだった。ジョニーの計算をチェックす
ることは、あとにした。オレの計算力は、スロットマシンのコインを計
算するところまでだった。それで、ジョ
|
幻の指揮官
/ST/VGR_6_1_4/
つき返されたパッドを眺めながら、医療室に戻ってきた。ドアがあ
くと、風船で飾られた食堂で、ヴォイジャーのみんなが、シャンパング
ラス片手に、出迎えた。
「みんなに紹介するわ」と、ジェインウェイ。「彼が、新指揮官、緊急
司令ホログラムよ」
ドクターは、眺めていたパッドが、いつの間にか、シャンパングラス
に変わっていることを、おかしいとは思ったが、セブンやベラナに祝福
されて、そんな懸念けねんは吹きとんだ。
◇
異星人の宇宙船。コンソールには、両腕に、セブンとベラナを伴うド
クターが映っていた。
「内部センサーにアクセスしたんだけどな」と、異星人のオペレータ。
24
23
別のオペレータに、自慢げに。「セキュリティの暗号を解けなかったん
だ。でも、もっと、いいものを見つけたよ。彼だ。なんと、ホログラム
のクルーだよ。この男の知覚サブルーチンに直接、接続したら、彼の体
験すべてを、モニ
|
ヴァヴェリ
/FB/TheWaveries/
しかし、聞いてわかるものは、非常にまれだった。ほとんどは、意味
をなさない、ソープオペラの混合体であった。広告であったり、音楽の
断片であったり。全く無差別で、数秒でも耐えられるものではなかった。
しかし、好奇心は、強い動機にもなる。数日間は、テレビが売れるブ
ームが続いた。
他にも、理由がよくわからない、分析不能なブームもあった。
1938年のウェルズウェルズの火星人騒動が再燃して、ショットガ
ンや護身用拳銃が、爆発的に売れた。
聖書が、天文学の本と同じ売れ行きをみせ、ホットケーキも同じよう
に売れた。
政府の1部門が、避雷針に、関心を寄せたため、電気店や建築会社に
は、すぐに設置してくれという注文が殺到した。
これも、理由が不明だが、アラバマ州モービルでは、釣り針に人々が
殺到し、数時間で、すべての釣具店やスポーツ用品店から、釣り針は姿
を消した。
公共図書館や書店では、占せん星術や火星に関する本に、人々が殺到した。
そう、火星だった。火星は、この時期は、太陽の向こう側にあって、す
べての新聞の論説が、地球と獅子 し し座の間には、いかなる惑星もないとい
う事実を、強調していたにもかかわらず。
奇妙な現象は、続いていた。インターネットのようなネットワークは、
40
39
|
夢、遥かなる地にて
/ST/DS9_6_4_1/
ロイ、まだか?」
「みんな、今日も待たせたな、企画のイメージ画は出来上がったよ」ク
リンゴン人のマートク、ここではロイは、書き上げたばかりの画集を見
せた。ロイは、葉巻をくわえてサンバイザーをかぶっていた。
「最初のは、私がタイトルを付けた、『私も連れて行って』だ。誰が書
く?」編集長のパブストが切り出した。
それは、宇宙服を来たふたりの異星人の前に少女がたたずんでいる絵
だった。
「ううん、どう、ジュリアス?」と、ケイシーが振り返って訊きくとジュ
リアスが答えた。
「僕たちでいいよ」
「ああ、そうだろうな、陳腐ちんぷな話が目に浮かぶよ、寂しがり屋の女の子
が宇宙人と友達になり、笑顔が戻る」と、ハーバート。
「ああん?」
「だから、本よりテレビが売れるんだよ、次は?」と、ハーバート。
「パブストの旦那のお気に入り、『アンドロス星のハネムーン』」ロイ
の次の絵は、アンドロス星の奇怪な姿の怪獣の前にグラマ―な女性の画え。
「すごく、ありきたり」と、ケイシー。
「ダマークラウト食いすぎて気持ちが悪くなった晩に書いたんだよ」
「理由がなんであろうと、ゴミみたいな絵には間違いない」と、ハーバ
22
21
ート。
「ありがとうよ」
「もらおう!」と、ハーバート。
「やっぱり、ゴミには親近感、感じる
|
カトゥーニスト
/FB4/Cartoonist/
気絶させるだけだ」
「あんたらは、ほんとうにそこにいるのか?」と、ビル。目をあけてか
ら、すばやく閉じた。「今まで、マリファナを触さわったこともない。精神
錯乱もない。たった2杯のブランディで突然こんなことになったことも
ない。バーで飲んだのも入れると、4杯だけれど」
「いっしょに来る準備は?」
「行くって、どこへ?」
「スヌークのところ」
「どこにある?」
「逆行システムK=14=320=GM、宇宙連続体1745=88J
HT=97608の第5惑星」
「ここから見たら、どこ?」
怪物は6本の腕の1つでジェスチャーした。「あんたの壁の裂け目を
通ればすぐ。準備は?」
「まだ。オレがもらえる賞はなに?そのカトゥーンのこと?それをどこ
で見た?」
「そう、そのカトゥーンが受賞した。オレたちは、あんたたちの世界や
文明にとても馴染 なじみがある。あんたたちの世界はオレたちの世界と平行
18
17
|
ファマドユニヴァース
/FB5/WhatMadUniverse/
実際的な文明
216
215
はなく、都市を持たず(家さえも)、所有の考えがなく、機械も武器も
なかった。
人口は少なく、流浪るろうの民たみだった。精神活動を別にすれば、動物と同じ
に、原始的に暮らした。金星での地球人の植民地化や侵略に問題はなく、
労働力が足りないときは、あらゆる手助けをしてくれた。金星に4つの
植民地を作り、100万弱の人々が暮らした。
しかし、火星は違っていた。
火星人は、植民地化されたくないという愚かな考えを持っていた。彼
らは、分かったことだが、オレたちと同レベルの文明を持っていた。し
かし、宇宙旅行を発見してなかった。それは、おそらく、服を着ること
はなく、ミシンもなかったからだった。
火星人は、地球からの最初の訪問者に、おごそかに、礼儀正しく、あ
いさつし、(火星人は、なに事にも、おごそかだった、また、ユーモア
のセンスはゼロだった)そして、家に帰って、そこに留まるよう言った。
2回目と3回目の訪問者は、殺された。
3つのチーム(最初のを除いて)が乗っていた宇宙船を拿捕だ ほしたが、
それらを使おうとしたり、機械をまねしようとはしなかった。火星を離
れる気はまったくなかった。事実、ウェルズが指摘するように、惑星間
戦争のあいだでさえ、火星を生きて離れ
|
暗黒の地球帝国
/ST/ENT_4_5_2/
ブリッジの船長席で。
「準備完了。非常用以外の、全パワーをまわします」
「遮蔽を開始しろ!」
タッカーは、遮蔽装置を起動した。機関室とブリッジの照明が、暗く
なった。
エンタープライズは、宇宙を航行しながら、船体が一瞬ゆがんでから、
消えた。
◇
ブリッジ。
「座標に接近中です」と、トゥポル。技術ブースで。「自動航行、解除
されました」
「外を、見てみよう!」と、フォレスト。
スクリーンには、輪をもつ、ガス巨星と、いくつかの、岩石衛星が映
った。
「右下の月を、拡大!」と、アーチャー。
ホシサトウが拡大画像を出すと、月の基地に停泊する、USSディフ
ァイアント NCC1764の機体が、スクリーンに映し出された。ま
64
63
わりに、小さなソリア船が、何隻も、飛んでいた。
◇
会議室。
「生命維持を含む、主要システムは、オフライン」と、トゥポル。スク
リーンを見
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地球人は出ていけ
/FB1/KeepOut/
お話
しする時が来ました」
それから、先生は、話してくれた。
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人類が火星に最初に降り立ったのは、2049年だった。火星は、知
的生命体の居住に適していなかった。植物は、広く繁殖し、わずかな種
類の、羽のない昆虫が生息していた。先生が、知的生命体の居住に適さ
ないと言ったのは、地球人の基準に照らしてだった。地球人は、火星で
は、プラスチック製のドームの中でしか、生存できなかった。外出時に
は、宇宙服が必要だった。夏の時期の昼間を除いて、気温は寒すぎた。
大気は、呼吸するには薄すぎ、日光に長く照らされると、大気が薄い分、
地球より紫外線が多く、死に至る危険があった。火星の植物は、地球人
には化学的に適さず、食料にできなかった。地球人の食料は、すべて地
球から運ぶか、水栽培用タンクで育てるしかなかった。
◇
50年間、地球人は、なんども、火星を植民地化しようとしたが、す
べての試みは失敗した。ぼくたちのために建設したこのドームだけが、
唯一の前哨基ぜんしょう地であった。もうひとつのプラスチック製のドームは、ず
っと小さく、1マイル離れた場所にあった。
人類は、太陽系では、地球以外の惑星に進出することは、できそうも
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ミットキーあらわる
/FB1/TheStarMouse/
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プルックスは、小惑星だった。ただ、地球の天文学者は、そう、呼ん
でなかった。単に、まだ、発見されてなかったからだ。小惑星人の名に、
1番近い発音で、それを、呼ぼう。そう、小惑星には、人がいた。
そう考えると、オッペルバーガーの、月へロケットを送る試みは、奇
妙な結果になった。月ではなく、プルックスへ。
しかし、小惑星が、酔っ払いを更正させることができるのだろうか?
チャールズウィスロウは、コネチカット州ブリッジポートに住む、ただ
の酔っ払いだったが、ある日、グローブ通りの近くで、1匹のねずみに、
ハートフォードへの道を訊きかれて、酒を、いっさい口にしなくなった。
そのねずみは、明るい赤のズボンをはいて、あざやかな黄の手袋をして
いた。
しかし、それは、オッペルバーガーがロケットを見失ってから、15
ヶ月後のことだった。話を、もとに、戻そう。
プルックスは、小惑星だった。地球の天文学者からは、夜空の害虫と
呼ばれる、軽蔑すべき天体のひとつだ。恒星や星雲を観察していると、
不規則な光跡で邪魔をしてくる、やっかいもの。暗夜の犬に、5千匹も
わいたノミ。
小惑星のほとんどは、ちっぽけな天体だ。最近、天文学者によって、
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眠れるステーション エムポックノール
/ST/DS9_5_6_4/
と、オドー。
「大喜びで助けてくれるだろうな、他に方法はないか?」と、シスコ大
佐。
「今は使われていないカーデシアのステーションから失敬してくるとい
う手があります」と、オブライエン。
「エムポックノールか?」
「ディーエスナインと同じ構造で、一年前に閉鎖されました。しかしプ
ラズママニフォールドシステムはまだ使えるかもしれません」
「付近でのドミニオンの活動はどうだ?」
「ここ数か月はありません。戦略的には価値のない星域ですから」
「しかし、ひとつ問題があります」と、オドー。
「カーデシア人が基地から撤退するときは、侵入者撃退対策として、わ
なを仕掛けていくのが普通なんです。そのわなを解除するには、カーデ
シア人でないと」
「では、カーデシア人を連れていけばいいわけだ」と、シスコ大佐。
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チーフオブライエンは、エアロックでガラックに訊きいた。
「司令官はなんて言って
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終わり良ければ
/FB1/HappyEnding/
厚いコートの男は、肩をすくめた。
船長は、かかとを踏み鳴らし、最敬礼して、言った。
「さらばじゃ、ナンバーワン」
「さらば」と、彼。あきあきしたように。
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ミスタースミスは、上空から見れば、まぶしいほどの白い砂浜の上の
黒い点だったが、救命艇が、青のなかへ、ついには、ベヌースb星の上
空のもやのなかに消えてゆくのを見ていた。その永遠のもやは、彼の失
敗やつらいひとり暮らしをあざ笑うために、いつも、そこにあった。
もつれた日々がゆっくり過ぎてゆき、ベヌースb星の太陽は、にぶく
輝き、マリギーは、夜明け前から、1日じゅう、日暮れまで鳴きさけび、
時には、林のなかから、サルのような、6本足のヒヒが現われて、彼に
向かって、キャッキャッとないた。雨がきて、そして、過ぎていった。
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夜には、遠くでドラムの音がした。軍隊の行進のようでもなく、野蛮
で残忍な響きもなく、ただの
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