原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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NOVELYst AutogeNerating dimensional space
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◆◇◆更新ニュース◇◆◇
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一.
ゲストがひとりで使える専用サイト
をリリースしました。
ゲスト専用非公開サイト自動作成
(使える文字は半角の英数字と_のみ、6〜15文字)
上の入力欄にIDを指定し、自分用のゲストルームを作成。
公開しない(リンクを張られない)限り、他人は入れません。
(Google等あらゆる検索から守られます)
ゲストルームは、1人1ルームまででお願いします。
(複数作る場合は、同一IDにしてください)
9タイトル、ゲスト制限あり(nov:15KB、画像:120KBまで)
1タイトルあれば、15KB制限でも、novを分けて、開始
ページを%pag 20とずらすことで、いくらでも書けます。
URLを、ID_10桁番号の形で作成後、ゲストルームへ入り
ます。そのURLは、メモ帳かお気に入り登録にのみ記し、
他から一切リンクを張らないでください。(1か所でも
リンクを張ると、検索ロボットに無数に侵入されて、
公開しているのと同じことになります)
一)
試用版 ゲストルーム
は、プロトタイプとして保存。
(以下、略)
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京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス
[月 夜 花 光 or検索] ヒット 96 件です。
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アリスのルッグラン
/LC/AliceLooking/
アリスのルッグラン
原作:ルイスキャロル
アランフィールド
プロローグ
1つ確かなことは、いたずらは、白の子ネコでなく、黒の子ネコによ
るものだということだった。というのは、白の子ネコは、15分のあい
だ、ディナに(じゅうぶん過ぎるくらいに)顔をきれいにしてもらって
いたからだ。白の子ネコに、いたずらができる、自由な前足はなかった。
ディナが、子ネコの顔をきれいにするやり方は、こうだった。左の前
足で子ネコの耳を押さえ、右の前足で子ネコの顔全体をこする。子ネコ
の鼻から始めると、今の場合がそうだったが、うまくゆかずに、手こず
ってしまった。白の子ネコは、おとなしく座って、のどをゴロゴロ鳴ら
そうとしていたが、状況が悪いことを感じていた。
2
1
一方、黒の子ネコは、午後の早い時間に、きれいにしてもらっていた
ので、アリスとじゃれて遊んで
|
チャンスふたたび
/FB3/SecondChance/
チャンスふたたび
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ジェイとオレは、シカゴのニューコミスキー球場の内野スタンドにい
た。1959年のワールドシリーズ10月9日の試合のリプレイが、そ
ろそろ始まろうとしていた。
オリジナルゲームは、ちょうど500年前で、ロサンジェルスドジャ
ーズが9対3で勝利し、4勝してシリーズを制し、ワールドチャンピオ
ンとなった。オリジナルゲームと可能な限りまったく同じ条件でゲーム
は始まるが、結果が違ってくることはありうる。
2
1
1
シカゴホワイトソックスの選手たちがフィールドに出てきて、内野で
ボールをまわし始めた。先発ピッチャーのウィンは、マウンドでボール
を受けとると、ウォームアップピッチングを始めた。クルツェフスキー
がファースト、フォックスがセカンド、グッドマンがサード、そして、
アパ
|
屋根の上の少女
/TZ/IfSheDies/
「それなら、教会の立場は、明白です。迷信的なことを信じるのは、望
ましくありません。あったわ!」
シスターは、戸棚の奥から、クマの人形を取り出した。
「トビーです!あの子は、これを抱きしめて、寝ていました。こんなボ
ロボロになるほど、かわいがってたんです」
「それを、ぼくに!」
シスターは、人形を抱きしめた。
「あの子の、形見よ!大事に、取っておいた」
「変に、思うかもしれないが、譲ってほしい!サラと約束したんです」
「なんですって?」
「きのうの夜、サラに会いました。屋根の上の少女は、サラだったんで
す。信じられないでしょうが、神が、サラの魂を召していなかったら?
いつの日か、役目を果たせるよう、サラをこの世に残しているとしたら?
その時まで。今━━━」
シスターは、おそるおそる、人形をさし出した。
22
21
エピローグ
病院の集中治療室。ポールは、装置をはずして、意識
|
アリスのビックリラン
/LC/AliceWonder/
すっかり忘
134
133
れて。
「糖蜜とうみつ!」と、ヤマネ。今度はすぐに。
「カップを洗わなくちゃならない!」と、帽子屋。「みんな1か所に集
めて!」
帽子屋は、席を立ったので、ヤマネがその席についた。3月ウサギは、
ヤマネの席に移り、アリスは、気が進まなかったが、3月ウサギのいた
席についた。
帽子屋は、この席替せきがえで、唯一、得とくをした。アリスは、最悪だった。
3月ウサギは、ミルクポッドを倒して、皿にミルクが溜まっていたから
だ。
アリスは、ヤマネの邪魔をしたくなかったので、注意深く、訊きいた。
「糖蜜とうみつの絵を、どこからかいたのか、理解できない!」
「水の井戸の外からなら」と、帽子屋。「水の絵をかくことができる。
同じように、糖蜜とうみつの井戸の外からなら、糖蜜とうみつの絵をかける!だろ?」
「でも、3人の姉妹は、井戸の中にいたのよ!」と、アリス。ヤマネに。
「もちろん、そうだよ!井戸の中」
「ますます分からなくなった!」と、アリス。自分に。「ヤマネさんに
は、物語を続けてもらいたいけど!」
「3人の姉妹は、絵をならっていた」と、ヤマネ。あくびをして、目を
こすった。すごく眠そうだった。「いろいろなものもかいていた。Mで
136
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緑の悪夢
/FB3/NightmareInGreen/
緑の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は目覚めると、昨夜ベッドの中で考えた強い決意を思い起こした。
それは、ウィリアムがふたたび男に、強い男になるために曲げてはなら
ない決意だった。妻のデイジーに離婚してくれるよう断固として要求す
る。そうしなければ、すべてを失って2度と勇気を持てなくなるだろう。
6年間の結婚生活の最初から、離婚は不可避だった。
今が、そのターニングポイントだった。自分より、あらゆる点ですぐ
れた女性と結婚することは、耐えられないだけでなく、自分がだんだん
弱々しい生き物、希望を失ったねずみになっていってしまうのだ。
2
1
1
デイジーは、あらゆる点で、ウィリアムより優まさっていた。彼女は、ア
スリートだったので、ゴルフでもテニスでもあらゆるスポーツで、彼を
やすやすと打ち負かした。デイジーは、ウ
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死の手紙
/FB3/DeadLetter/
手紙を
手渡すよう頼まれてました。この手紙です」
警部補は、手紙を受け取り、一瞬ためらったがすぐにあけた。
「なぜ、ただの黒い紙なのかね?」と、警部補。
「分かりません、警部補」と、バブコック。「私のボスのコングレスマ
ンクインから、すいぶん前に手紙を渡されました。そして、もしもコン
グレスマンクインになにか普通でないことが起こったら、すぐに手紙を
ラバティに手渡すように言われました。それで、ラジオの知らせを聞い
て━━━」
「ああ、知ってる。クインは昨夜遅くに殺された。きみはクインの下で、
どんな仕事をしていたのかね?」
6
5
エピローグ
「それは、極秘ですが、今となっては、極秘でもないでしょうね。私は、
ボスの代わりに、重要でないスピーチやボスが出たくない会合に出てい
ました。そうです、警部補。私は、ボスの影武者です」
(終わり)
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ザ・オフィス
/FB5/TheOffice/
かなり知的で、そ
して、いつも楽しそうにしていた。彼は、ほかを捜す理由が見つからな
330
329
かった。それは、強引な求愛でも、特別にロマンチックなものでもなか
ったが、ふたりは、いっしょにやって行けそうに見えた。出会ってから
3か月もしないうちに、彼はプロポーズして、受け入れられた。遅らせ
たり、長い婚約にする理由はなにもなく、それから1か月で結婚した。
(セルマは、遅らせたくなかった。彼女は、学校の教師で、教えるのが
嫌いで、早く夫を見つけたかった。一方、エドワードは、40で、見た
目も美男子ではなかったが、人前に出せるし誰からも尊敬され、大量の
取引がないとしても、収益を上げている企業の共同経営者でもあった。
彼は、堅かった。つまり、彼女が26で捜そうとしていた、夢以上の夫
だった。なぜ、彼の気が変わる前に、彼を取り逃がさなかったのか?)
ふたりの結婚は、完全に満足の行くものではなか
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帰ってきたカーン
/ST/StarTrek2013/
と、スポック。通信仕官の席で。「現在の位置から、ニュ
ーバルカンへ、通信は可能か?」
「やってみます」と、ウラ。
「ありがとう」スポックは、船長席についた。「ミスターカトウ、相手
の船の状態は?」
「向こうのシステムは、まだ」と、カトウ。「起動していません。今、
こちらの姿勢を、調整中」カトウは、コンソールに触れて、コースを描
いた。
エンタープライズのスラスターが噴射して、角度がわずかに変わった。
遠くに、月をバックに、ヴェンジェラス。
◇
ヴェンジェラスの通路。
スコットは、走って、角を曲がると、コンソールパネルの前に。
◇
エンタープライズのゴミ排出口。
宇宙降下用スーツに着替えたカークとカーンは、はしごを降りて、排
178
177
出口の前に。
ふたりとも、すでに、ヘルメット姿だった。
上部のドアが閉まった。
「チャーリー、そっちの調子は?」と、カーク
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緑の世界
/FB/SomethingGreen/
「ドロシー」と、マクガリー。「これは━━━」言葉にならなかった。
宇宙船は、着陸態勢にはいった。マクガリーは、自分の姿を振り返っ
て見て、みすぼらしく、遭難者のような服装で、突然、恥ずかしくなっ
た。ホルスターやナイフなどをつり下げた、ベルト以外は、ほとんど、
はだかだった。汚れていて、自分では、におわなかったけれど、たぶん、
におっていただろう。それに、汚れたからだは、やせて、やつれて、ふ
けて見えた。これは、もちろん、栄養が不足していたからで、数か月、
まともな食事、地球の食事をとれば、回復するだろう。
地球!緑の丘が連なる、地球!
マクガリーは、宇宙船の着陸地点めざして、走りだした。あまりに速
22
21
く走ろうとして、なんども、つまずいて、よろめきながら。近くまで来
て、宇宙船が、マクガリーのものと同じ、ひとり乗りであることがわか
った。しかし、ひとり乗りでも、緊急時には、ふ
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SFミステリー (小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン) ライトノベル風
/
(画像提供:
ISFDB)
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NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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一.
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小さな子羊よ
/FB/TheLittleLamb/
頭のなかに描かくのだ。外にいることは、なにも、
有利なことはない。丘を描かいているあいだ、丘を見ている必要はない。
丘は、すでに、見てあるからだ。
丘を見あげると、家の電気はついていた。電気はつけて出たのだから、
ラムが家にいることにはならない。丘をのぼる道は、すこし曲がりくね
っていて、重い足どりで進んだが、それまで、あまりに速く歩きすぎて、
息が切れた。立ちどまって後ろをふりかえると、そこには、あの構図が
あった。大きな丸い月は、さっきより、すこし高くなって、すこし明る
く輝いていた。近くの丘を黒く照らして、遠くの丘は、さらに、黒々と
照らしていた。こいつは、描かけると思った。黒の上に灰色、灰色の上に
黒だ。それに、モノクロでない、黄の光だ。ハンスのところの光のよう
28
27
に。ハンスの黄色い髪のような、黄の光。背が高く、北欧ゲルマンタイ
プでハンサム。魅力的な曲線を描く顔。たしかに
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パペットショー
/FB2/PuppetShow/
パペットショー
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
8月の泡立つような暑い日の午後、ホラーは、チェリーベルにやって
きた。
8月は、言うまでもなく、アリゾナ州、チェリーベルでは、連日、焼
けつくように暑かった。国道89号線で、だいたい、トゥーソンの南4
0マイル、メキシコ国境の北30マイルにあった。
2
1
1
国道の両側には、両方向の旅行者めあてに、ガソリンスタンドや、食
料品店、ビールとワイン専門の居酒屋や、国境まで待てない人たちのた
めに、派手な色彩の肩掛けのセラーペや、編革サンダルのヒュアラーチ
を売る店や、ハンバーガーショップ、それに、数十軒のメキシコ系アメ
リカ人の住む家があった。メキシコ系アメリカ人たちは、南の国境の町
のノガーレスで働いていて、なぜか、チェリーベルに住んで、時にはT
型フォードで、通
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レッドダイアモンド
/RD/RedDiamond/
「あんたはオレにダウ平均株価を調べてくれと言うつもり?」
「待ってくれ!考えをまとめさせてくれ!」
「時間がない」
「1ヶ月ほど前、オレは会社をやっていけないことが分かった。田中産
業という日本の企業が会社を乗っ取る計画を知った。オレはその会社の
社長に会って、取引を持ちかけた。手を引いてくれれば、絵画を提供す
ると。社長は興味を示した」
マンフレッドは顔の皮膚を引っ張った。長身の体をほとんど2つに折
った。
「絵画に保険を掛ける時間はあると思っていた。2ヶ月待ってから盗難
を手配するはずだった。しかし、絵画は消えていた。合意はダメになっ
た。絵画を失い、会社も失うかもしれない」
「あんたは前に、絵画がある場所は知らないと言った」
572
571
「盗難のあと、田中に会った。彼は絵画を盗んでないと言っていた。ラ
ンダールが双方をだまそうとしたのではないかと思う。誰が絵画を持っ
ているのか分か
|
致命的なミス
/FB3/FatalError/
小さなバールは、道具に
も武器にもなった。
注意深く、どんなつまらないことにも詳細にミスのないと確信できる
まで計画を練った。実行の夜と時間も慎重に決めた。
バールで窓はすぐにあいた。音もしなかった。ウォルターバクスター
は、居間にはいった。寝室のドアはあけっぱなしにして、そこから物音
はなかったので、さきにどろぼうのふりをすることにした。叔父お じが現金
を置いていた場所は分かっていたが、あえて捜しまわったようにした。
月明かりはじゅうぶんで、静かに手順通りに━━━。
2時間後には、ウォルターバクスターは、家に帰って、すぐに服をぬ
ぎ、ベッドに入った。警察は明日あ すまで犯罪に気づかないだろう。しかし
すぐに来たとしても準備はできていた。現金とバールは始末してあった。
数百ドルを捨てることは痛かったが、それがもっとも安全だった。5万
ドル相続することを考えたら、なんでもなかった。
4
3
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ナイトゥアンディ
/SY/KAndDy/
40
39
「ええ」
「事故のニュースを見たんだ」と、ロドニー。
「ニュース?事故って?」と、ジューン。
「とにかく、生きてるね!」
「生きてるわよ!」ジューンは、家に戻ろうとした。
「だね!よかった!だけど、ジューン、あの、オレ思ってたんだ!」
ロドニーは、勇気をもって言った。「きみが無事だったら、きみを食
事に誘おうって!」
「ふつうは」と、ジューン。「別れた相手とデートしないものよ!」
「デートじゃない」と、ロドニー。「防災の調査だ!」
「あとで、電話するから!」と、ジューン。家に戻って、ドアをしめた。
「なにも言うなですって?」階段を走ってのぼった。「どういうこと?」
◇
ジューンは、急いで、自分の青の4WDを走らせた。ウィチタから持
ち帰ったボストンバッグを、車の助手席に積んでいた。
「きょうは、いつもと同じ普通の日!そうよ!」
修理屋の前に、4WDを止めた。
「
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天使が死ぬ時
/TS/TheHabit/
先生には、隠せませんでしたね」
「医者に診みせましたか?」
「ええ、なんども」
「病名は?」
「パラサリタノ、アストロサイト━━━つまり、やさしく言えば、脳腫
瘍なのでしょ?」
「それで、どんな処置を?」
「まぁ、ここまで進行してしまったら、いったい、なにができるでしょ
う。医学書どおりの経過をたどっていますわ」
「シスター!」
「誰でも、いつかは、死にます。その時期を、前もって知っているのは、
いいことですわ。わたくしの場合、3月みつきと言われてから、だいぶたって
います。残念なことに、時間のないこと。するべきことは、それこそ、
山ほどあるのですが━━━さ、タールトンへ行きましょう。あなたには、
テーラー神父から、上着を借りてきます」
「しかし、非常線が━━━」
「先生、主が守ってくださいますよ!トランクに入ってゆくのです」
◇
50
49
シスターベロニカは、車庫で、車のトラン
|
オーマイガー
/FB2/Jaycee/
ドクターグラハムが、ノックもなしに室に入っ
てきた。顔は、まっ白で、目は、大きく見開かれ、同僚を見つめて、言
った。
「ぼくが正しかった」
「正しいって、なにが?」
6
5
「ジョンのことだよ。だれにも言ってなかったんだが━━━。昨夜のパ
ーティーで、お酒を切らしたとき、ジョンがなにをしたと思う?」
ドクターラルストンは、まゆをひそめた。
「水をワインに変えたのかい?」
「ジンに変えたんだ。みんな、マティーニを飲んでいたんでね。さっき
も、ジョンは、サーフボードなしで、サーフィンに行くというので、た
ずねると、想像力さえあれば、そんなものは、必要ないというんだ」
「なんて、ことだ」と、ドクターラルストン。顔を手でおおった。
かつて、人類史上、1度だけ、処女懐胎があった。今、5000万の
処女懐胎で生まれた少年たちが、元気に育っていた。
10年後に、新たな5000万のジェーシーが現われる
|
天使は淋しい道を行く
/TS/LonelyRoad/
見知らぬ人も、神がお寄こしになったのです
よ」
シスターは、寺院の入り口へ歩きだした。一度、振り返ってから、中
へ入った。
それを見て、リチャードは、また、ひとりで歩き出した。
「ふたりの逃亡者のひとりは」と、ナレーター。「安息の場所を得た。
残るひとりは、また、あてどのない、さすらいの旅を続ける。だが、も
う、おそろしいほどの孤独感にさいなまれることは、なくなるだろう。
たとえ、道がいかに遠く、険けわしかろうと━━━」
寺院の空高く、満月が輝いていた。
(第一_二十三話 終わり)
126
125
|
眠れるステーション エムポックノール
/ST/DS9_5_6_4/
マニフォールドシステムのス
ペアがないかどうか訊きいてみるのはどうです?」と、オドー。
「大喜びで助けてくれるだろうな、他に方法はないか?」と、シスコ大
佐。
「今は使われていないカーデシアのステーションから失敬してくるとい
う手があります」と、オブライエン。
「エムポックノールか?」
「ディーエスナインと同じ構造で、一年前に閉鎖されました。しかしプ
ラズママニフォールドシステムはまだ使えるかもしれません」
「付近でのドミニオンの活動はどうだ?」
「ここ数か月はありません。戦略的には価値のない星域ですから」
「しかし、ひとつ問題があります」と、オドー。
「カーデシア人が基地から撤退するときは、侵入者撃退対策として、わ
なを仕掛けていくのが普通なんです。そのわなを解除するには、カーデ
シア人でないと」
「では、カーデシア人を連れていけばいいわけだ」と、シスコ大佐。
8
7
◇
チー
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3つの願い
/XF/JeSouhaite/
「それが?」
「彼について、調べてみた。名前は、ヘンリーフランケン。一夜にして、
大金持ちとは、彼のことだよ。77年には3万6千ドルしかなかった資
34
33
産が、翌78年には、3千万ドルになってる。プラス、この男の死に方
というのが、なんとも興味深いんだよな、これが」
「というと?」
「慢性的表皮反転症」
「反転症って、まさか?」
「あたり!」と、モルダー。「78年4月4日、彼は、ゲートウェイ記
念病院に運びこまれた。表皮反転症のため、彼の姿は、ホラーそのもの、
恐怖だったそうだ」
「でも、それが、今度のことと、どう関係があるの?」
「ふたつを結びつけるのは、この女だ」モルダーは、オープンカーの助
手席の女の、拡大コピーを見せた。「彼女に関する記録は、いっさい、
見つからなかったんだが、すべては、この謎の女のしわざだよ」
「そう、で、方法は?」と、スカリー。
「うう、分からない。でも、とにかく、彼女と話そう」
モルダーは、室を出ようとした。
「ええ、わたしは、ここに、残るわ」と、スカリー。「このままの状態
で、遺体を放置するのは、まずいと思うの。だって、貴重な証拠だもの」
「わかった」と、モルダー。ドアをあけて、出ていった。
スカリーは、ひとりになると、うれしそうな笑顔を浮かべ
|
白の悪夢
/FB3/NightmareInWhite/
2
たしかに、彼女は、今ドアを暗闇の中ですばやくあけ、すぐに閉めた。
ドアのかすかなカチッという音だけ聞こえた。つぎに、やわらかいサラ
サラした音、ナイトガウンかネグリジェが落ちる音がした。そして、ソ
ファの彼の毛布の中に入ってきた。
「ハニー」と、彼。
「しっ!」と、彼女。
しかし、これ以上の言葉が必要だろうか?
エピローグ
長いようで短い時が流れ、ドアがふたたびあいた。
ぎらぎら輝く光が射し込んで、白のホラーに、凍ったように立ったま
ま叫び声を上げようとしている、妻のシルエットを浮かび上がらせた。
(終わり)
6
5
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まだ終わりじゃない
/FB3/NotYet/
ミルウォーキースター新聞の編集室は、ローカルページの校正に追わ
れていた。校正係長のジェンキンスは、最後から2番目の欄の記事をど
うするかで迷っていた。
「ピート」と、ジェンキンス。「8番目の欄にもう1つ記事が入るよ!
36文字分くらいだ。入りそうなのが2つある。どっちにする?」
校正担当のピートは、長年の慣れで組版を逆に見てもさっと見ただけ
で、内容が分かった。
「大会の記事と動物園の記事ですか?大会のにしましょう!動物園の園
長が、サル島から昨夜サルが2匹いなくなったと考えている、という記
事を読んで、だれかの注意を引くと思います?」
(終わり)
12
11
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ケンタウロス
/FB1/HorseRace/
惑星を離れたらすぐに、超光速通信で、私
に、結果を報告してください」と、ブランド。スクリーンは、消えた。
6
5
ガーンロバーツは、コンピュータに命令して、自動航行システムの行
き先を変更すると、中断された睡眠をつづけるために、寝台へ戻ってい
った。
◇
1週間後、ガーンロバーツは、任務を完了し、ノヴァ太陽系から10
光年離れると、銀河連邦の所長特別補佐に超光速通信を送った。数分後、
ダウネンブランドの顔が、スクリーンに映った。
「Kー1356です。ノヴァ調査の結果です」と、ガーンロバーツ。
「馬族の人口統計を調べますと、彼らの数は、200万ちょっとでした。
一方、彼らの小惑星の所有数は、400万前後でした。このことから、
あきらかに、人族が正しく、馬族は、協定違反をしていると思われます。
それにしても、なぜ、馬族の数の、2倍もの小惑星の所有権を主張し
たのでしょう?
彼らには、たしかに、3対目の足があって、手として使用されていま
した。見かけは、馬というよりは、ギリシャ神話のケンタウロスのよう
な半人半馬で、地球人の氏名と同様、人の名前と馬の名前のふたつがあ
って、どういう意味かはわかりませんが、人格も別だということです」
8
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ティラノサウルス
/FB1/Runaround/
ティラノサウルス
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
長い日々のあいだ、彼は、空腹の森をぬけ、低い木や砂の、空腹の平
原を横切り、のっそりとさまよった。大きな水に流れこんでいる、静寂
の流れのわきに沿って、さらに、さまよった。いつも、空腹だった。
ずっと、長いあいだ、空腹だった。
たまに、食べられそうなものがいたが、いつも小さかった。ひづめの
あるやつだったり、足指が3つだったりした。みんな、とても小さかっ
た。そんなやつらの1匹では、彼のものすごい食欲のほんの1片しか満
たしてくれなかった。
2
1
それに、小さいやつらは、とてもすばしっこく走った。やつらを見つ
けて、大きな口からよだれをたらしながら地面をゆらして突進してゆく
と、やつらは、木々のあいだを毛皮のいなづまのように、さっと、どこ
かへ行ってしま
|
フィッシュストーリー
/FB3/FishStory/
フィッシュストーリー
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ロバートパルマーは、ケープコッドとマイアミのあいだの海岸で真夜ま よ
中なかすぎに、人魚にんぎょのロレーヌに出会った。ロバートは友人の家に滞在して
いたのだが、ベッドに入っても眠気を感じずに、明るい月明かりの砂浜
をひとりで散策していた。海岸のカーブに沿って歩いてゆくと、ロレー
ヌがいた。砂浜に埋まった丸太に座って、美しい長い黒髪をとかしてい
た。
ロバートは人魚が存在しないことは知っていたが、ロレーヌはそこに
いた。ロバートは歩いて近づくと、せきばらいをした。
2
1
1
ロレーヌは驚いたようすで、髪をうしろに跳ねあげた。そのとき隠れ
ていた彼女の顔と肩があらわになり、その美しさは、ロバートの想像を
はるかに越えていた。
ロレーヌは驚いて、ディープブルーの目を大きく
|
おばばのバースデイ
/FB3/GrannysBirthday/
合計13人のハルペリン家がいた。スミスと、
もうひとりの非ハルペリン家の男のクロスを入れると、15人のおとな
がいた。もっと早い時間には、3人のハルペリン家のひ孫がいたが、夜
になって、それぞれの年齢に応じた時間にベッドへ行かされた。
スミスは、みんなが好きだった。お酒が自由にくみかわされ、スミス
の好みよりは、パーティは少々、だんだん大声でにぎやかななものにな
った。全員が酔っていた。おばばさえ、玉座には見えないイスに座り、
今夜3杯目のシェリーのグラスを手にしていた。
「おばばは、小柄だがとてもやさしく活発な老婦人だ」と、スミスは思
った。「たしかに女家長だ。ビロードの手袋と鉄の棒で家族を支配して
いる」スミスはたとえ話を混乱するほど、酔っていた。
スミスは、おばばの息子のビルハルペリンに招待されていた。スミス
は、ビルの弁護士であり友人だった。もうひとりの非ハルペリン家のジ
ーンクロスは、ハルペリン家の孫の世代の誰かの友人に見えた。
4
3
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星雲を越えて
/ST/StarTrek2016/
待て!
これ、船だろ?」
「あなたの友達さがすの手伝うから」と、ジェイラ。「これ、直すの手
伝ってほしい。この星、出てゆくために!」
「これ、きみの船か?」
「いいえ、スコット」と、ジェイラ。「あなたの」
ジェイラは、ライトで船の紋章を照らした。そこには、こう書かれて
いた。
USSフランクリン NX326。
「驚いた!」と、スコット。
◇
墜落した円盤部。
異星人の女性船長を先頭に、カークとチェコフが来た。
夜の暗闇に、あちこちに燃えている火が残っていた。
「船長」と、チェコフ。「まだ、パワーが残ってますよ」
「よし、ブリッジから、クルーを捜そう!」と、カーク。
暗い谷を、敵兵が2人、緑に輝く銃をかざしながら、通っていった。
88
87
3人は、円盤部の割れ目から入って、暗いブリッジに来た。
「スクリーンは、無傷です、船長」と、チェコフ。「こっちに、パワー
をまわして
|
“スペーステロリスト”ターナロス
/ST/DS9_1_1_2/
「君もコーマにいたのか?」と、シスコ中佐。
「テロ組織にいた人間が、政府の仕事なんかしていると思いますか?」
12
11
「コーマの連中は、カーデシア人だけでなく、邪魔なベイジョー人まで、
みさかいなく殺している。確か、先月の政府高官の暗殺にも、犯行声明
を出していたはずだ」
「でも、ターナは別です」
「コーマの一員か?」
「ええ、でも」
「かばう気なら、任務からはずれてもらう!どっちつかずの気で任務に
あたられるのはごめんだ。彼がコーマのテロリストなら、このステーシ
ョンを隠れ蓑にして、破壊活動を続けるおそれがある」
「私は、ベイジョーの利益を優先します。どっちつかずの気じゃないわ。
今のベイジョーには、ターナロスのような強い意志を持った人間が必要
なんです」
「カーデシアを倒せればテロも許すというのか?」
「我々が強力な独立国家をもう一度築きづくためには、コーマのようなテロ
リストグルー
|
暗黒の地球帝国
/ST/ENT_4_5_2/
遮蔽装置を起動した。機関室とブリッジの照明が、暗く
なった。
エンタープライズは、宇宙を航行しながら、船体が一瞬ゆがんでから、
消えた。
◇
ブリッジ。
「座標に接近中です」と、トゥポル。技術ブースで。「自動航行、解除
されました」
「外を、見てみよう!」と、フォレスト。
スクリーンには、輪をもつ、ガス巨星と、いくつかの、岩石衛星が映
った。
「右下の月を、拡大!」と、アーチャー。
ホシサトウが拡大画像を出すと、月の基地に停泊する、USSディフ
ァイアント NCC1764の機体が、スクリーンに映し出された。ま
64
63
わりに、小さなソリア船が、何隻も、飛んでいた。
◇
会議室。
「生命維持を含む、主要システムは、オフライン」と、トゥポル。スク
リーンを見ながら、報告した。「生体反応は、13名。すべて、異星人
です。うち、1名は、爬虫類。ここのセクションに、集中
|
報復戦隊
/FB3/Fleet/
地球へ向かった。
2
1
1
こんどは状況が違った。地球では迎撃体制が整っていた。もちろん侵
略者が太陽系に到着した数分のうちに準備したのではなく、そのとき地
球は、2820年、火星植民地と戦闘状態にあった。火星は地球の半分
まで人口増加が進み、独立戦争を始めた。金星が侵略者に攻撃されたと
き、地球戦隊と火星戦隊は月の近くで戦おうとしていた。
しかし戦争は、歴史上最短で終結した。地球と火星の連合戦隊は、戦
争をやめ、地球と金星の途中で侵略者を迎え撃った。こちらは数の上で
敵を圧倒し、侵略者を宇宙のかなたへと吹き飛ばし、完全に追い払った。
2
24時間以内に、地球の首都アルバカーキで、地球と火星は平和条約
を締結した。火星の独立を認め、太陽系で唯一住居可能となった2つの
星のあいだの恒久的な同盟を結んだ。侵略者の本拠地を見つけ、2度と
太陽系が侵略されないように破壊する報復戦隊も計画された。
地上と数千マイル上空の衛星の探査装置が、金星を救う時間はなかっ
たが、侵略者の侵入を探知していた。探査装置の記録から、侵略者がや
ってきた方角は判明したが、正確な距離までは分からなかった。
4
3
|
ナスティ
/FB3/Nasty/
ナスティ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ウォルタービュレガードは、この50年間というもの、情熱的にして、
完成された好きものであった。今、65才の年になって、好きもの協会
の会員資格をなくすかもしれない危機を迎えた。なくす危機?いや、正
直に言おう、彼はなくしたのだ。この3年間、彼は、医者から医者、偽
医者から偽医者、妙薬から妙薬へと渡り歩いた。すべては、まったく、
なんの効果もなかった。
2
1
1
ついに、ビュレガードは、占いや魔法の本を思い出した。膨大な蔵書
の一部として、集めたり、読んだりするのを楽しんでいた。しかし、そ
れらを、まじめにとらえたことはなかった。今までは。今、彼に、なに
か、失うものがあっただろうか?
かびの生えた、悪のにおいのする、稀少本の1冊に、求めるものを発
見
|
感想
/CO/Comment/
ロジャーヴァディム監督の電話について
「火星での結婚」『火星での結婚生活』1986年に収録
26
25
¶パート3=シナリオ§
「人類おもしろ話」、「最後の火星人」に基づく、ヒッチコック劇場1
959年5月24日放送、「ピックドパンクス」1991年に収録
「ミラー」、未発表短編「ミラー」に基づく、未発表シナリオ
「地球報告」1952年6月付、『終わり良ければ』1990年に収録
「女の2つの顔」、『終わり良ければ』1990年に収録
¶パート4=ノベル§ エド&アム◇ ◆SF
1947年 ファブクリップ ◇
1948年 デッドリンガー ◇
1948年 殺しは愉快
1949年 ファマドユニヴァース ◆
1949年 血だらけの真夜中 ◇
1949年 悲鳴をあげるミミ
1950年 友人のあいさつ ◇
1950年 キャンドルがやって来る
28
27
|
探検隊
/FB3/Expedition/
6
5
エピローグ
「マクソン船長が、鉄腕マクソンと呼ばれる理由は、つぎの事実による
のでしょう。第2次火星探検隊は、予定では1年後であったが、実際に
はかなり早く、たったの9ヶ月と2日で到着した」
「これで、アンブローズ君、あなたの質問の答えになったでしょうか?」
(終わり)
8
7
|
カトゥーニスト
/FB4/Cartoonist/
と考え
るだろう。だが、できる限り恐ろしく描かけなければ、ギャグは失敗に終
わる。
実際、もう少し恐ろしくできるだろう。やってみて、なんとかできそ
うだった。
このギャグからできる限りのものすべてを引き出したと確信するまで、
ラフスケッチを描かいた。手紙から見出したもの、ギャグが滑り出した数
ヶ月前までは、ベストな作品をマーケットに提供してきた、そのような
ものができるまで。ギャグが最後に売れたのは、2ヶ月以上前だった。
しかし、これは売れるだろう。編集者のロッドコリーは、ちょっと奇妙
なかんじの彼のカトゥーンを気に入っていた。
8
7
2
ビルカリガンは、6週間後に返事が来るまで、ロッドコリーにラフス
ケッチを出したことをほとんど忘れていた。
その手紙をあけた。ラフスケッチが入っていて、横に大きく赤字で
「オーケー、仕上げて!」と、なぶり書き、下に「R・C・」とイニシ
ャ
|
ハンスカーベルのリング
/FB3/HansCarvel/
彼が与えられるものが、もちろんお金は十分あ
ったが、お金以外で与えられるものが、彼女を満足させるには十分では
なかったかもしれなかった。かもしれない?はっきり言おう。十分では
なかったのだ。不自然にならないように、ハンスカーベルは、調査を依
頼して、妻が浮気をしていることを知った。ハンスカーベルは、心が動
揺して苦しみ、夜眠るたびに悪夢に悩まされた。
2
その悪夢のひとつに、ある夜、デビルが現われた。ハンスカーベルは、
悩みを打ちあけて申し出た。
「なにか妻の貞操ていそうを保証してくれるものがあったら、ここにあるお金で
譲ゆずってほしいのだが!」
「もちろん、いいとも!」と、デビル。「魔法のリングをあげよう。目
覚めたら、リングがあるよ。そのリングをはめている限り、きみの奥さ
んがきみに隠れて浮気をすることは不可能だ」
4
3
デビルは、消えた。
ハンスカーベルは、目覚めた。
|
そよぐ幻影
/OT/SoyoguGenei/
そよぐ幻影げんえい
大手おおて拓次たくじ
あなたは ひかりのなかに さうらうとしてよろめく花はな、
あなたは はてしなくくもりゆく こゑのなかの ひとつの魚うを、
こころを したたらし、
ことばを おぼろに けはひして、
あをく かろがろと ゆめをかさねる。
あなたは みづのうへにうかび ながれつつ
ゆふぐれの とほいしづけさをよぶ。
あなたは すがたのない うみのともしび、
あなたは たえまなく うまれでる 生涯しょうがいの花はなしべ、
あなたは みえ、
あなたは かくれ、
あなたは よろよろとして わたしの心のこころなかに 咲さきにほふ。
みづいろの あをいまぼろしの あゆみくるとき、
わたしは そこともなく ただよひ、
ふかぶかとして ゆめにおぼれる。
ふりしきるさざめきのやうに
わたしのこころは ながれ ながれて、
ほのぼのと 死しのくちびるのうへに たはむれる。
あなたは みちもなくゆきかふ むらむらとしたかげ、
かげは にほやかに もつれ、
かげは やさしく ふきみだれる。
(昭和八年六月二十九日)
2
1
|
グレーの悪夢
/FB3/NightmareInGray/
彼は、スーザンの家族に会いに来たのだ。
1
スーザンは、やわらかい茶髪に、キュートな小さいほとんどパグのよ
うな鼻に、かすかなやさしいそばかすに大きなやさしい茶の目をしてい
た。
彼女は、彼が今まで生きてきたなかでもっともすばらしい存在だった。
これは、誰にでも起こりうることだ。
そう、今はお昼過ぎで、スーザンが指定した時刻だった。ベンチから
立ち上がり、うたた寝ですこし筋肉が凝ったので、大きく伸びをした。
それから、昨夜スーザンが教えてくれた家へ向かって歩き始めた。すこ
4
3
し早く着いたので時間潰つぶしをしていた公園から、数ブロック先だった。
春の日、明るい日射しのなかの短い散歩。
玄関の階段をのぼり、ドアをノックした。ドアがひらいた。一瞬、ス
ーザンかと思ったが、応対に出てきた娘は、スーザンに似ていただけだ
った。スーザンが言っていた、1才年上の姉のドロシーだろう。
|
ドーム
/FB7/TheDome/
彼はスイッチのところへ行って、それを見つめた。突然、彼はレバー
をつかんで引いた。ゆっくり振り返り、窓へ向かった。最初は、歩いて、
すぐに走り出した。グレーの壁は消えていた。そこに広がっていたのは、
全く信じられない光景だった。
4
そこは、彼の知っているクリーブランドではなく、新しい、美しい都
市だった。狭い通りだったものは、広々とした、ブルバードになってい
た。家やビルは、清潔で美しく、彼には奇妙に見える、建築スタイルだ
った。草も木々も、すべてがきれいに保たれていた。なにが起こったの
だろう?どのようにして、こうなったのだろう?核戦争のあと、人類が
こんなにすぐに復活するのは不可能だ。それとも、それまでの社会学は
すべて間違った、取るに足りないものだったのだろうか?
それに人々は、どこへ行った?それに答えるかのように、1台の車が
24
23
通りかかった。車?彼が以前
|
白日夢
/FB7/Daymare/
なぜなら、オレが見たと
き、それは割れてなかった。そして、弾痕こんを付けた。それから」
「ロッド、もうやめて!」と、娘。「言いたくないなら、もういい!」
ロッドはニヤリとした。「怒おこらないで!どう、父さんは元気?」
「とても!今、彼は寝ている。明らかに、とても元気になって、来週、
大学に戻れそう。ロッド、あなた疲れているように見える。いつまでに、
フォームを書けばいいの?」
「事件後24時間」
「それなら、問題ない、今すぐ、ここへ来て!旧式のフォームなんて、
明日の朝、やればいい!」
彼女は笑い掛け、彼は折れた。
「分かった、ジェーン」と、彼。「途中、事件のあったパトロール区域
で、報告を受けてから」
だが、報告は、彼が待ち望んでいたものだったが、パッとしなかった。
非常線は完璧だったが、有益な情報は、なにも得られなかった。ブラガ
ーが到着する前に、だれも、ディームショップから出て来た人物も、そ
30
29
|
バーニングマン
/TZ/TheBurningMan/
プロローグ
オープンカーが、未舗装の道を、ほこりを上げて、走っていた。
「おばさん、体が燃えそうだ!」と、助手席の少年。運転している、ロ
ーリーに。
「もうすぐ、湖に飛び込めるわ、アンドレ!」と、ローリー。薄ピンク
のドレスに、薄ピンクの帽子を、スカーフでくくっていた。
「この気温の高さは、異常だ!38度くらい?」
「もっと、よ!ここ十数年では、もっとも暑い7月みたい」
2
1
1
そのとき、顔が埃だほこりらけの、ダニーが立ち上がった。ダニーは、57
になったばかりだった。服は、茶柄のネクタイに薄茶のスーツだったが、
やはり、埃だほこりらけだった。
「見てよ!」と、アンドレ。
ダニーは、道の真ん中に出てきて、両手をあげていた。ローリーは、
車を止めた。
「止まるとは、驚いたね」と、ダニー。
「それは、こっちのせりふよ!」と、ローリー。「どちらへ?
|
夢、遥かなる地にて
/ST/DS9_6_4_1/
と、アルバート。
「彼にも、教えたら?」と、ダーリーン。
「ほら」と、ハーバート。
「ああ、たいしたことじゃない」
「たいしたことよ、ノーム出版に小説が売れたんだから、すごいわ」と、
ケイシー。
「小説?アルバート、おめでとう」と、ベニー。
「ありがとう」
「ロボットか?」
「他にない」
「ええー、へへへへへへ」全員で笑い声を上げた。
その時、印刷所からパブストが戻ってきた。
「やっと、来たか」と、ジュリアス。
「パブスト、今月号は?」と、ハーバート。
「今月号はない」パブストはぴしゃりと言った。
74
73
「発売中止だ。ストーンさんが全部、廃棄処分にした」
「そんなバカな」と、ベニー。
「社主だからな、何だってできるんだよ、彼いわく、今月号は、いつも
の高い水準を満たしていない、ということだ」
「でも、いったい、どういう意味なんです」と、ベニー。
「気に入らないってことさ」パブストは言っ
|
地球人は出ていけ
/FB1/KeepOut/
地球人は出ていけ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ダプティンというのが、略称だ。最初は、アダプティンと呼ばれてい
たのが、ダプティンと、略されて呼ばれるようになった。それは、ぼく
たちを、適応させてくれるのだ。
10才の時に、みんなに説明された。彼らは、ぼくたちが10才にな
らなければ、理解できないと思っていたようだが、みんなは、すでに、
多くを知っていた。火星に着陸すると、すぐに、話してくれた。
「きみたちの故郷だよ、生徒諸君」と、主任の先生。ぼくたちのために
建設してくれた、プラスチック製のドームに入ってから、講義が始まっ
た。この夜の、特別講義は、とても重要なもので、全員、出席するよう
に言われていた。
その夜、先生は、ぼくたちに、なぜなのかやなんのためにも含めた、
すべてを、話してくれた。先生は、ぼくたちの前に立っていた。もちろ
ん、寒さを遮断する宇宙服を着て、ヘルメットをかぶっていた。ドーム
2
1
の気温は、ぼくたちにとって、適温だったが、先生にとっては、すでに、
凍るように寒く、空気も、すでに、先生にとっては、呼吸するには薄す
ぎた。先生の声は、ヘルメットの無線を通じて、ぼくたちに届いた。
|
ミットキーふたたび
/FB1/MitkeyRidesAgain/
軌道に乗って、あとは、月へ向
かって、落ちつつ、落ちてゆくだけだということだった。
「しかし、なにが、どうして?」
ミットキーは、思い出した。送信機があって、ロケットの音を、教授
の超短波受信機に、送信していることを。彼は、絶望的になりながら、
呼びかけた。
「教授!オッペルバーガー教授!助けて!こちらは━━━」
別の音がして、ミットキーは、黙った。
口笛のような音、高いキーキー音、ロケットが大気中を、突き抜けて
るかのような音だった。
月?月に関しては、教授が正しく、天文学者たちが間違ってたのか?
あるいは、ロケットが、地球に戻ったのか?
ともかく、翼は、機能し始め、ロケットは、加速でなく、減速しつつ
あった。
60
59
突然、引っ張られて、ミットキーの呼吸を圧迫した。パラシュートの
翼がひらきつつあった。もしも、それらが━━━。
クラッシュ!
ふたたび、ミットキーの目の前
|
ファマドユニヴァース
/FB5/WhatMadUniverse/
キューブの巻き上げ数を増やせば、飛行距離を増やせるので、月や他
の惑星に行くのにさえ、大きなマシンは必要なかった。
恒星間旅行も、とんでもない怪物ではなかった。特に、物体は、何度
か中継点で、ジャンプできて、そこですることは、パイロットがボタン
を押すことだけなので、時間も掛からなかった。
さらに、時間はゼロ時間なので、軌道を計算する必要はなかった。単
純に、目標にねらいを定め、距離パラメータを調整し、ボタンを押せば、
そこにいて、惑星から安全な距離の宇宙空間に物質化され、あとは、降
下と着陸の準備をするだけだった。
もちろん、月が最初のターゲットだった。
着陸方法の検討に、数年要した。気体力学は、まだよく知られてなか
った━━━ライトという名のふたりの兄弟が、キティホークNCで数年
前に、空気より重いマシンを浮かせることに成功したが━━━同じ年に、
実際、ヤーレイ教授が最初のミシンを失った。そしてなにより、月には
空気があるとは、思われてなかった。
しかし、着陸の問題が解決され、1910年、月に最初の人間が着陸
して、安全に、戻って来た。
居住可能な惑星には、すべて、翌年までに到達した。
◇
206
205
つぎの章は、惑星間戦争だった。しかし、ケイスは、それ以上
|
悪魔のジョーカー
/TZ/DealersChoice/
悪魔のジョーカー
ドナルドトッド、ウェスクラーベン
プロローグ
夜。ピートの居間。
男たちが、テーブルを囲んで、和気あいあいと、トランプゲームに興
じていた。
「友達とのポーカー」と、ナレーター。「という、ささやかな楽しみが、
究極の賭けになるときもあります。テーブルの上のワイルドカードが、
ゲームの鍵を握る、ミステリーゾーン」
2
1
1
コールがかかって、ジミーが自分の手を見せた。
「キングまでの、ストレート!お前は?」
「6とジャックのフルハウス!」と、ニック。手を見せた。
それを、見て、一同そろって、ため息をついた。
「また、フルハウスか!」と、ピート。「ニックだっけ?」
「そう、ニック」と、ニック。
「誰の代わり?」
「なに?」
「代理だろ?」
「ああ、いとこのノーマン」
「病気になったか?」
「だから、家にいる」
「じゃあ、
|
青の悪夢
/FB3/NightmareInBlue/
2
1
1
息子のトミーは、まだ5才だが、髪をくしゃくしゃにして、寝ていた
子ども室から出てきて、あくびをした。
「朝ごはんは、いるかい?」と、ジョージ。トミーはうなづいた。「服
を着てから、台所に来なさい」
ジョージは台所に行ったが、朝食を始める前に、外のドアを出て階段
の下で、まわりを見渡した。昨夜着いたときは暗かったので、このあた
りがガイドブック通りなのか分からなかった。そこは、原生林でおおわ
れ、今まで見たどの写真より美しかった。話では、1番近い隣りのロッ
ジまで1マイルもあって、かなり大きな湖のみずうみ反対側だそうだ。湖は、そ
こからでは木が邪魔して見えなかった。しかし、台所のドアのここから
始まっている小径こみちが、ほぼ1/4マイル先の湖まで続いていた。友人の
話では、湖は泳ぐのもいいし、つりにもいいそうだ。泳ぎに、ジョージ
は関心がなかった。水がこわくはなかったが、好きではなかったので、
泳ぎも習わなかった。しかしウィルマは泳ぎがうまく、トミーもそうだ
った。ウィルマはトミーを、水泳チームの万年レギュラーと呼んでいた。
4
3
|
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
/FB2/Reconciliation/
エピローグ
目もくらむ閃光と焼けるような熱気。
ふたりには、わかった。見えなくなった目で、互いの腕をとりあい、
残された数秒のあいだ、互いを絶望的に固く抱きしめた。最後の瞬間が、
今、重要なことのすべてだった。
「あいしてるよ」
「ジョン、ジョン、わたしの━━━」
衝撃がやってきた。
静かな夜は、昼と化し、巨大な赤の花がさらに、巨大化して、空をお
おいつつあった。
直径30マイルのすい星の衝突は、水爆の1千億倍のエネルギーで地ち
殻かくを溶かし、マグマの津波つなみは、高さ100マイルで30分後に地球の反
対側までくると、互いにぶつかりあって、波打った。
「チャップン、チャップン」
「チャップン」
(終わり)
6
5
|
失われた母星
/ST/StarTrek2009/
高速船のラボにある、直径1・5メートルの赤色物質の前
に来た。
184
183
「声紋と顔面認識システム作動!」と、コンピュータ。「お帰りなさい。
スポック大使」
「へぇ、へんなかんじ!」と、カーク。
「コンピュータ、製造者と、年月日は?」
「宇宙暦2387、バルカン科学アカデミーで製作」
スポックは、それを、聞いて、カークに詰め寄った。
「重要な情報を、私に、隠していたんだな?」
「きみは、こいつを、飛ばせるよな?」と、カーク。
「飛ばしたことが、あるようだが?」
「頼むぜ!」カークは、出て行こうとした。
「ジム!」と、スポック。「計画が成功する確率は、4・3パーセント
以下だ」
「うまく、いく!」
「もし、私が戻らなかった場合、ウラ中尉に」
「スポック、うまく、いく!」カークは、出て行った。
スポックは、イスに座ると、自動的に、回転して、所定位置についた。
「おもしろい!」と、スポック。
|
人形の家で
/TZ/Miniature/
走った。
「マイラ!どうする気?」と、母。
「落ち着いて!」と、バディ。
「マイラ!」と、母。
「静かに!」と、マイラ。次に、電話に向かって。「博物館の番号を、
お願いします━━━ありがとう」
「完治したのよ。博物館に行くはずない」と、母。
「黙ってて!」と、マイラ。聞いた番号を、ダイヤルした。「もしもし、
今夜は、開館してますか?どうも━━━博物館には、いないわ。火曜以
外は、5時に閉館すると。今日は、水曜だわ」
エピローグ
夜、博物館の展示室。
ミイラの棺が、ゆっくりと開いて、中から、チャーリーが出てきた。
スーツのネクタイを直してから、笑顔を浮かべて、人形の家まで行くと、
家の電気をつけた。
アイリーンは、ピアノを弾いていた。
「連中は」と、チャーリー。アイリーンに、話しかけた。「きみが、幻
覚だと、ぼくに、信じこませようとした。だから、ぼくは、幻覚だと、
64
63
認
|
存在のわな
/FB4/Trap/
しかし、ま
だ死んでもなかった。ふたたびよじれ、這はって動き始めた。
戦闘機はふたたび旋回して戻ってきた。突き出た機銃から放たれた無
数の弾丸で、破壊のうねを耕していった。そこを、ヒザから上だけで這は
うなにかが横切った。死にかけた指は、発作的に地面につかみかかり離
した。
ジョニーディックスは死んだ。しかし死の瞬間に髪の毛ほどの正確さ
で同時に、なにかが起こった。ずたずたに切り裂かれた彼の体は、生き
ていた。これは、23才で死ぬ前の8ヶ月間北米独裁者だったジョンデ
ィックスに関する項目を書いた、世界人名事典の編纂へんさん者たちも知らなか
った、物語の一部である。
8
7
1
名前のない存在、それをストレンジャと呼ぼう、空間移動中にある空
間で停止した。彼は、今まで見たことのないものを認識した。
彼は空間を移動してきた。ここのではない。別のだ。そう、ここは、
物質の空間。しかし
|
ボディスナッチャー
/SY/BodySnatcher/
「5錠飲め!」
ふたりは、飲んだ。
電話が、また、鳴って、鳴り止まなかった。
「バレたわ」と、リサ。
廊下の電気がついて、誰かがやってきた。ふたりは、身構えた。
「ジャックよ!」と、リサ。駆け寄ろうとした。
「だめだ!」マシューが、止めた。
「きのうの夜、寝ていれば、楽だったのに!」と、ジャック。
ギブナーもいて、みんなで、マシューとリサを、取り押さえようとし
た。
「やめろ!」と、マシュー。
「いや、マシュー、助けて」と、リサ。
「手を放せ!デビット、エリザベスは、見逃がしてくれ!話を聞け!逃
がしてくれ!」マシューは、ふたりの男に、両腕を押さえられた。
「お願い、よそへ行くから、ジェフリー!」リサは、ジェフリーに押さ
えられた。
「よそへ行くことは、ない」と、ジェフリー。「なにもかも、同じなん
だ」
「どうなるの?」と、リサ。
118
117
「生まれ変わるんだ。悩みも苦労もなくな
|
オブライエンの孤独
/ST/DS9_2_4_2/
カップを手に、パロット席に戻った。
「現在の速度ですと、7分4秒です」
「じゃ、ワープから出たら、すぐ、追いつかれるのか?となると、どこ
で追いつかれるかが、問題っていうわけだ。コンピュータ!パラダ星系
で、最大の惑星は、なんだ?」
「パラダ4です」
「コースを、パラダ4に向けて修正せよ!」
「了解!」
「パラダ4に、月は、いくつある?」
「7つです」
「ラッキー7か!座標を出してくれ!」
「パラダ星系に、到着します!」
「通常エンジンへ!」
シャトルは、月のひとつへ、向かった。
「追手のメコンは?」
「メコンは、ワープアウト後、こちらと同じに、コースを修正しました」
「狙い通りだ━━━メコンとの差は、どのくらいだ?」
「現在の速度ですと、メコンとこちらとの差は、2分1秒あります」
「速度を落とし、30秒後に追いつかれるように、修正してみてくれ!」
「エンジンを、0・4ポイント、絞しぼります」
80
79
|
ドール
/XF/Chinga/
魔術とかじゃなくて、科学的なことかもしれないよ」
「科学的って、どういうこと?」と、スカリー。
「つまり、病気さ。ヒョレアって呼ばれている」
「舞踏ぶとう病ね」
「ああ、聖ビトゥスの踊りだ。舞踏ぶとう病の中でも、流行性で、集団で発症
し、激しいけいれんを起こして、踊りだすんだよ」
「でも、18世紀を最後に、歴史から消えた病気よ」
モルダーは、冷蔵庫をあけて、牛乳を飲もうとしたが、賞味期限が1
か月前だったので、そのまま、飲まずに、牛乳パックに戻した。
「きみ、最近の、ダンス教室の実態を、知らないな」
「モルダー」
「うん?」
「助かったわ」スカリーは、電話を切って、警部に返した。
「相棒かい?」と。警部。
「ええ」
「立ち入ったことを、きいて悪いが、なにか、参考になるようなことで
も?」
「いいえ」
「そうか」
軽快な音楽が鳴った。バディが、レコードをかけてしまったのだ。バ
46
45
デ
|
終わり良ければ
/FB1/HappyEnding/
「すべて敗北だった!」
突然、巨大なジェット機が、急降下してきた。彼は、白い月光の砂浜
28
27
では、自分がいかに目立つ存在かに気づいた。やつらは、自分を見つけ
たにちがいない。
走るにつれ、エンジン音も大きくなった。今や恐怖にかられて、ジャ
ングルに逃げ込むと、巨大な木々の影に隠れながら走った。
つまづいて、倒れ、起き上がると、ふたたび走った。そして、今、ほ
のかな月光の中で、頭上の木々の枝を通して、なにかが見えた。夜の中
で、かき混ぜられたもの、いろいろな声。夜の中の声、夜の声。ささや
き声や、苦痛にあえぐ叫び。そう、苦痛だった。今、拷問ごうもんにかけられて
いる人々の声が、木々のあいだの、ヒザまでおい茂った、夜露よつゆにぬれた
草のあいだを、追いかけてきた。
夜は、ぞっとするほど、雑音に満ちていた。赤の雑音、肌にじかに感
ぜられるほどの騒音、それらを、見たり、聞いたりするのと同じように、
感じることができた。しばらくして、息が切れ、心臓の鼓動が荒くなり、
鼓動の音は、まるで、夜のドラムのようだった。
もはや、走ることができなくなった。倒れないように、1本の木につ
かまり、腕はふるえ、顔は、まるで、ほえる荒々しさが、そのまま刻印
されたかのようだった。風はなかった。し
|
いつもふたりで
/SY/TwoForTheRoad/
ここよ!」
デービットは、手を上げた。
「キャロライン、お昼は、ジャニーンとナニーとね!楽しいわよ!その
あとで、泳ぎなさい」
ジョアンナは、マークに、どういうこと?というしぐさをした。
「デービット」と、フランソワーズ。「悪い人ね、きのう、待っていた
のよ」
「ごめん」と、デービット。
「ほんと、ひどいわ。知ってる顔、ばかりよね?ニックとミシェルに」
パラモス夫妻は、デッキチェアのまま、手を上げた。
「マークとモーリスに」ふたりは、うなづいた。
「伯爵夫妻」シャンパングラスを上げた。
「ジョアンナは?」
デービットは、しゃがんで、「ハロー」と、言った。
「ジョアンナウォレス、弟のデービットよ」フランソワーズは、紹介し
164
163
た。
「お元気?」と、デービット。
「ハロー」と、ジョアンナ。サングラスをしていた。
「彼女は、疲れて、頭痛、以外は、元気です。どうも」と、マーク。
|
ユスタックウィバーの短い生涯2
/FB3/Weaver2/
ユスタックウィバーの短い生涯2
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。手持
ちは2ドルしかなく、やっている近くの競馬場までの飛行機代にもなら
なかった。
2
1
1
ユスタックウィバーは、倉庫係として働いていたスーパーマーケット
の金庫にねらいをつけた。金庫には、少なくとも千ドルはあり、タイム
ロックだった。タイムロックは、タイムマシンにとってはあひるのスー
|
囚人のピアノ
/TZ/TheConvictsPiano/
24
23
エピローグ
リックは、ミッキーシャナシーのクラブで、グレーのスーツに黒のネ
クタイで、サムワントゥウォッチオーバーミーを、軽快に、弾いていた。
クラブは、大賑わいで、人が大勢いた。ミッキーは、すぐに、ピアノ
を聞きつけて、やってきた。
「ジミーは?」と、ミッキー。右頬に、ナイフの切リ傷があった。
「ジミーって?」と、リック。
「今夜、呼んだはずの、ピアニストだよ!」
「ああ━━━病気で休んだので、組合ユニオンがオレをよこした」
「組合ユニオンが?」ミッキーは、指を鳴らして、手下を呼んだ。
「ショーティ、あす、クラブに来るよう、ジミーに伝えろ!」
「分かりました、シャナシーさま」と、ショーティ。
リックは、名前を聞いて、ミッキーを見た。
「ミッキーシャナシー?」
「ベーブルースに見えるか?
お前は、オレの家で、ピアノを弾いているんだ!」
ミッキーの腕をくぐって、エレンが現われた。シャンパングラスを持
って、紙巻タバコをパイプで、吸っていた。
「あなた、ジミーより、うまいわね」と、エレン。「それに、ずっと、
26
25
い
|
お手伝いさんはジーナデービス2
/FD/FD3_3_1/
聞いてくれました」と、アレックス。「1年生から、めぼし
いのをピックアップして、パーティで入会テストするのよ」
「なんで、アルファクラブなんか入りたいの?」と、マロリー。「お金
6
5
持ちのキザな連中の集まりじゃない?名誉にお金に夜遊び、それしか頭
にないんだから!」
「それが、いいんじゃない!」と、アレックス。
「アレックス」と、カレン。「なにか作りましょうか?」
「あ、ごめんね」と、アレックス。「忙しくて、言うの、忘れてたけど、
今日も変わらず、すごくきれいだよ!」
「ありがと」と、カレン。
「毎日、言ってるよね?きのうは、言ったっけ?」
「ええ、聞いたわ」
「アレックス」と、スティーブン。食べ終わった皿を流しに運びながら。
「エクスタシーのあいだ悪いんだが、もう出掛けるぞ、いっしょに車で
行きたかったなら、急いでくれ!」
「あ」と、アレックス。「あと、2・3分待って、スージーが、8時
|
ヴァヴェリ
/FB/TheWaveries/
明かりと
なるものを、どうひいてくるかについての、講習を受けた。
74
73
2つめのサブ委員会は、人的労働再編部局だった。名前からわかるよ
うに、一時的に失業した、何百万の人々を、多くの分野で、急激に増え
た、それほど専門的でない、手作業労働需要に割りふることを手助けし
た。
2023年5月には、3500万人の失業者がいたが、10月には、
1500万人に、2024年5月には、500万人に減少した。202
5年には、失業者は、ほぼゼロになって、競争的需要が、賃金をおし上
げ始めた。
3つめのサブ委員会は、もっとも困難な事柄を扱う部局だった。それ
は、工場再編部局と呼ばれた。この部局の目的は、電気的に稼動してい
た機械工場を、ここでは、たいていは、同じように電気的に稼動する機
械を生産していた場合が多いのだが、それらを、非電気的だが重要な製
品を、電気を使用しないで生産する工場に変換することであった。
初期のころは、数少ない、工場用の蒸気エンジンが、24時間稼動を
続けた。最初に生産したものは、いろいろなサイズの工場用の蒸気エン
ジンで稼動する、旋盤、スタンプ盤、かんな盤、フライス盤であった。
これらは、さらに、より多くの蒸気エンジンの生産に使われた。蒸気エ
ンジンの数は、多くの馬
|
幻の指揮官
/ST/VGR_6_1_4/
「でも、限界も知らなきゃね」
「私のプログラムは、無限に広がります。限界は無いんです」
「かもね。でも、あなたの最優先事項は、医療室じゃないの?」
「コンピュータプログラムですから、複数の作業を同時にこなせるんで
す」
「だけど、あなたの、この提案は、━━━なんて、タイトルだった?」
「ECH、緊急司令ホログラムです」
「アイデアとしては、おもしろいけど、私が指揮不能に陥 おちいった時のため
の、艦長のバックアップなんてね。でも、プログラムの改良に、何か月
もかかるわ」
「いつか、クルーの生死がかかわる時がきます」
「残念だけど、答えは、ノー。でも、正式な回答として言うけど、この
提案は考慮に値すると、艦隊に報告するつもりよ。アルファ宇宙域に戻
ったら、かならずね」
「ありがとうございます」と、ドクターは、自分が提出したパッドを受
け取った。
22
21
「どういたしまして」と、ジェインウェ
|
ふくろぅ3兄弟
/FB3/Owl/
3
末っ子は、木のうろに帰った。
「今、ワイルドキャットとハンターと赤ぎつねを殺したよ!」と、末っ
子。兄たちに、誇らしげに。
「夢でも見たんだよ!」と、長男。
「たしかに夢だな!」と、次男。
「じゃ、夜になったら見せてあげるよ!」と、末っ子。
◇
ワイルドキャットとハンターは、気絶しただけだった。ワイルドキャ
ットはしばらくして起き上がると、逃げていった。ハンターは、目覚め
ると、銃が偶然しとめた赤ぎつねを見つけて、家に持ち帰った。
◇
夜がきて、3兄弟は、木の外へ出た。
末っ子は、ワイルドキャットとハンターと赤ぎつねを捜し回ったが見
つからなかった。
8
7
エピローグ
「ホォォォォォ!」と、末っ子。「兄ちゃんたちが正しいね。ぼくは夢
を見てたんだ!」
3兄弟は、日が照っている間は外へ出ないほうが安全だと、意見が一
致した。お母さんは正しかった。
|
恐怖のウイルス
/ST/DS9_1_2_1/
ふたりとも側頭葉からこれが見つかりました」
「ウイルスか?」
「このウイルスは、神経細胞の連結部分に潜み、情報伝達を攪乱かくらんするの
です。たとえば、これを見ると、目から脳へ映像が送られ、トリコーダ
という言葉と結びつきます。このウイルスは、そこを邪魔するのです」
「つまり、トリコーダを見ても、口からは別の言葉が出るのか。窓とか」
「その通りです」
「ドクター、また、患者が出ました」と、看護婦。
「夜が流れだした」と、ひとりの患者。
「月が瞳を閉じ、トンネルの向こうから太陽が来たんです」と、別の患
者。
26
25
「ドクター、今からステーションを緊急隔離体制に置こう」と、シスコ
大佐。
「わかりました」
◇
オドーは、クワークの店に立ち寄った。
「クワーク、いったいこれはどういうことになっているんだ?」と、オ
ドー。
「なんか変かい?」と、クワーク。
「客が戻ってきたみたい
|
ファーストコンタクト
/FB3/Contact/
火星の方から計画を急ぐようには伝えられな
かった。もしも伝えられたら、地球の科学者は、火星の大気や地表成分
について事実が分かって、今回の閃光分析を必要としなかっただろう。
今夜、ダルロー村長と、助手であり友人のキーは、座ってその時を待
った。ふたりは、未来のためにメントール酒で乾杯してから、建物の屋
上に行った。そして、ロケットが着陸する北を見た。
薄い大気の向こうに星が輝いていた。
エピローグ
地球の月の第1観測所。
ログエベレットは、天体望遠鏡を見ながら歓声を上げた。
「やったぜ、ウィリー!これで古い惑星、火星の成分表が分かる!」
ログエベレットには、確信があった。コンピュータの分析結果を見る
までもなかった。ログエベレットとウィリーサンガーは、重々しく握手
をかわした。歴史的瞬間だった。
8
7
「ログ」と、ウィリーサンガー。「ロケットがだれも殺してないといい
け
|
ブラックジョーク
/FB4/Joke/
口笛を吹きたかったが、マスクをしていてできなかった。下宿屋の前
に立ち止まり、ドアへの階段を上がる前に周りを見回した。ドアの横の
釘に吊つるしてある『空室あり』の木の札を取って、クックッと笑った。そ
れを持って、ボタンを押すと、チャイムが聞こえた。
彼女の足音が聞こえるまで数秒、ドアのクリック音がした。ドアはあ
いた。彼は軽く頭を下げた。彼の声は、マスクでこもった声になった。
聞きづらかった。彼は言った。「空室があると?」
彼女は美しく、そう、1ヶ月前から町にいるが、前回見たときと同じ
くらい美しかった。彼女はためらいながら言った。「ええ、そう。しか
し今、友人を待っていて、準備が間に合わなくて」
彼は、ぎくしゃくとお辞儀をして、言った。「それなら、マダム、ま
たあとにする」
それから、マスクが落ちそうになって彼はアゴを前に突き出して支え、
額にひたい乗せて落ちないようにしたが、結局、ハットといっしょに脱ぬげたの
で、ハットとマスクを手で持ち上げた。
彼は、クックッと笑って、言いかけた━━━そう、ここで彼がなにを
言いかけたのかは重要でない。マリエリマーは、叫び声を上げた。そし
て、パープルシルクのしわくちゃのドレスの中にくず折れた。クリーム
色の肌とブロンドの髪がドアの内側に。
愕然がくぜんとして、大男はそれまで持っていた木の札を落とした。彼女を見
28
27
|
さぁ愉快にやろう
/FB6/ComeAndGoMad/
「できるが、うまくない」
「そう、もうすぐ食事だ。知りたいことがあったら、なんでも訊きいてく
104
103
れ!」
「ここからどうやって出る?いや、待ってくれ、これは冗談なんかでな
く、まじめに、どんな手続きが必要?」
「1ヶ月に1度、あんたは、やつらとの面会に呼ばれる。いくつか質問
されて、退院か留院か決められる。時には、針で刺されることもある。
あんたのダウンフォーは?」
「ダウンフォー?なんのこと?」
「精神薄弱、躁うつ病、認知症、退行期うつ病━━━」
「それなら、パラノイアだと思う」
「よくないね。やつらに針で刺される!」ベルが、どこかで鳴った。
「ディナーだ!」ゲームをしていた、もうひとりが言った。「自殺しよ
うとしたことは?誰かを殺した?」
「いや」
「なら、あんたはAテーブルで食事できる、ナイフフォーク付きで」
遊戯室のドアがあいた。ドアは外側にあき、立っていた守衛が言った。
|
暗闇の間奏曲
/FB4/Interlude/
ジャンは自分の時代
の話をして、ふたつの時点間について、知っていることをすべて話した。
長い戦争が続いたことや、人類が科学、医学、人間関係の分野で、多く
の進歩を遂げたこと。そしてふたりは彼に、今の制度の仕組みや、彼が
ユニークだと思う生活様式について話した。
ルイは初め、この突然の姉の結婚を、あまり歓迎してなかった。しか
し、だんだんとジャンに温かみを覚え始めた。それを知らされるまでは。
エピローグ
保安官は言った。「その夜まで彼が言ってなかったことがあった?」
「ええ」
「姉は彼がそう言うのを聞いた?それをあんたに伝えた?」
「伝えたかも。姉は今、気が動転していて、さっきも言ったように、ヒ
ステリーのように。叫びながら農場を走り出て行こうとした。姉は、彼
がそう言うのを聞いた、保安官。彼がしっかり姉を抱きしめてれば、姉
は走り出さなかっただろうに」
「あんたの言うことを疑ってるわけじゃないが、ボーイ、そのことにつ
26
25
|
殺人レッスン
/FB4/Lesson/
「黙れ!北へ向かえ!」と、トニー。銃で押した。
「トニー、分け前ならたっぶりある━━━」
スイードは、後ろに乗り込んで、拳銃の台尻でデュークの後頭部を殴
った。
30
29
エピローグ
夜明けまでは時間があった。地獄のではなく、スプリングフィールド
の。小さな赤の悪魔が、ボスのところに走りこんできた。うれしそうに
くっくっと笑いながら、矢尻状のしっぽを大喜びで振っていた。
「ただいま卒業しましたぜ、ボス!」と、小悪魔。笑い声で。「やつは、
最終レッスンを終えました。これで、殺人については完璧です。湾に着
くまで気絶してますが、足にセメントのおもりをつけられてます。ふた
りにからかわれるまで、命乞いするでしょうね。そのうちあきらめて、
殺人については完全に分かるでしょう。これで、完璧です!」
「よくやった!やつはここに来るのか?」
「ええ」と、小悪魔。「もうすぐ連れてきます。すぐに
|
赤の悪夢
/FB1/NightmareInRed/
赤の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、なにによって起こされたのか、わからないまま、目が覚めた。
最初のゆれのあと、1分で、2回目のゆれが来た。ベッドが少しゆれ、
タンスの上の小物が、ガタガタと、音をたてた。3回目のゆれを、横に
なったまま、待っていたが、来なかった。その時までは、来なかった。
ほとんど目が覚めてしまっていて、もう、眠ることができなかった。
時計の夜光盤を見ると、まだ、真夜中の3時であった。ベッドから出て、
パジャマのまま、窓のところまで歩いた。暗い空に、点滅する光が見え
た。夜の音が聞こえた。どこかで、ベル。
2
1
しかし、なぜ、この時間にベルなんか?災害を知らせるベルなのか?
ここの軽いゆれが、どこか近くで、大きな地震につながったのだろうか?
あるいは、これから、ほんとうの地震が来る、とい
|
エコーバック
/FB3/Rebound/
中央に寄った目が、実際よりさもしく見
せていた。唯一救われる点は、臆病だおくびょうったことで、それで、彼は、暴力
犯罪に関わることは一切なかった。
2
1
1
ある夜、スネルは、食堂の電話ブースで、競馬のノミ屋と、その日の
午後のレースで電話で賭けた当たり馬券が、3連単か3連複かで、言い
争いをしていた。ついにあきらめて、スネルは、言い放った。
「死んじまいな!」
そして、受話器をたたきつけた。
そのことを、スネルはそのまま忘れていたが、つぎの日、そのノミ屋
が、電話しながら死んだことを聞かされた。ちょうど、スネルと話して
いた時刻に。
このことは、ラリースネルに考える材料を与えた。スネルは、無学で
はなく、魔力について知っていた。実際、前に魔力を試してみたことが
あった。まったく効果はなかったが。なにが変わったのだろう?試して
みる価値はあった。注意深く、20
|
アンラッキー
/FB1/Unfortunately/
アンラッキー
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
ラルフNCー5は、監視スクリーンのアルクトゥルス第4惑星を見て、
安堵あんどのためいきをついた。コンピュータが、そう、教えてくれたのだ。
アルクトゥルス第4惑星は、ここでは、唯一の、人が住んでいる、居住
可能な惑星で、となりの太陽系まで、数光年離れていた。
彼は、食料を必要としていた。燃料や水は、じゅうぶんだったが、冥めい
王おう星の兵站へいたん部は、彼の偵察艇に物資を補充する際、食料を補充しわすれ
た。宇宙マニュアルによると、アルクトゥルス第4惑星の原住民は、友
好的だった。頼めば、なんでも与えてくれるという。
2
1
マニュアルには、この点について、詳細に記述されていた。自動操縦
で、着陸を指示すると、アルクトゥルス星人に関する記述を再読した。
「アルクトゥルス星人は」と、ラルフNCー5。
|
ファブクリップ
/FB5/FabClip/
アムは、ラバーボールをもういくつか、ぺちゃんこにした。
アムは言った。「中に入ったら、ドアの内側にもたれて、なにも言う
な!」
「どこの中?」
「カウフマンの室。やつは結婚してない。オークの少し北、ラサラ通り
のアパートに住んでいる。歩いて家に帰る。オレは一度行って、アパー
トのレイアウトを調べた。オレたちは、かなり長い間、やつをからかっ
た。事態が深刻になるまえに、今夜、やつを解放してやろう」
「オーケー」と、オレ。「いつ始める?」
「やつは月曜の夜は、かなり早く店を閉める。1時を過ぎたら、いつで
も。オレたちは、すぐに出なければ。真夜中過ぎの今」
◇
オレたちはお代わりを飲んでから、店を出た。ワッカー街まで行って、
おやじのスーツケースをそこに置いた。それから、クラーク通りを北へ
オークまで行き、ラサラ通りへ出た。
324
323
アムは、ラサラ通りの西側、角かどの北に、
|
アリーナ
/FB6/Arena/
喉のどの渇かわきがいえるわけではなかった。依然として、
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喉のどは渇かわいていた。
なぜ、だめなんだ?存在は、この悪夢のような場所に、彼のパワーを
使って、ユーモアのセンスを持ち込もうとしたのだろう。しゃべるトカ
ゲ、オレ自身の言語で返事してくれる、トカゲとしゃべれるなら、ナイ
スタッチだ。
彼は、トカゲにニヤリと笑い掛けて、言った。「カモ〜ン」しかし、
トカゲは後ろ向きになって逃げ出し、ブッシュからブッシュへ、見えな
くなるまで、大急ぎで走り去った。
7
彼は、バリアを通り抜けなければならなかった。しかし、できなかっ
た。飛び越えることもできなかった。しかし、下から潜くぐり抜けることも、
できないのか?そう考えると、掘ほることで、水を見つけられるかもしれ
ないことに気づいた。
今、かなり痛みを感じながら、カーソンは、びっこを引いてバリアま
で行った。そして、一
|
黄の悪夢
/FB2/NightmareInYellow/
100万ドルをこえる逃走資金が手にはいる。
4
3
彼のことは、だれにも気づかれていなかった。じゅうぶん計画して、
逃走経路や、目的地、新しい身分証やらを、ことこまかに準備した。き
わめて簡単な作業だったが、なんか月もかけた。
2
妻を殺すことにしたのは、どちらかといえば、後から考えたことだっ
た。動機は、単純だった。妻を憎んでいたからだ。ただ、それは、彼が
決して捕まりたくないということ、もしも逮捕されることになれば、自
殺することを選ぶだろう、つまり、失敗すれば死ぬのだから、自分の死
んだあとに、生きてる妻を残すのだったら、むしろ、死んだ妻を残した
ところで、失うものはなにもない、ということに思いいたったからだっ
た。
妻が、きのう、1日前にくれた誕生日プレゼントが、あまりにピッタ
リだったのには、おもわず笑ってしまった。それは、新しいスーツケー
スだった。妻は、さらに、
|
ミットキーあらわる
/FB1/TheStarMouse/
不明だ」
しかし、なにかは、あった。小惑星だった。
30
29
4
プルックスは、小惑星だった。ただ、地球の天文学者は、そう、呼ん
でなかった。単に、まだ、発見されてなかったからだ。小惑星人の名に、
1番近い発音で、それを、呼ぼう。そう、小惑星には、人がいた。
そう考えると、オッペルバーガーの、月へロケットを送る試みは、奇
妙な結果になった。月ではなく、プルックスへ。
しかし、小惑星が、酔っ払いを更正させることができるのだろうか?
チャールズウィスロウは、コネチカット州ブリッジポートに住む、ただ
の酔っ払いだったが、ある日、グローブ通りの近くで、1匹のねずみに、
ハートフォードへの道を訊きかれて、酒を、いっさい口にしなくなった。
そのねずみは、明るい赤のズボンをはいて、あざやかな黄の手袋をして
いた。
しかし、それは、オッペルバーガーがロケットを見失ってから、15
ヶ月後のことだった。話を、もとに、戻そう。
プルックスは、小惑星だった。地球の天文学者からは、夜空の害虫と
呼ばれる、軽蔑すべき天体のひとつだ。恒星や星雲を観察していると、
不規則な光跡で邪魔をしてくる、やっかいもの。暗夜の犬に、5千匹も
わいたノミ。
小惑星のほとんどは、ちっぽけな天体だ。最近、天文
|
ナッシングシリウス
/FB2/NothingSirius/
ママが鼻を鳴らすのは、なにかを見たときで、オレはサムから目を離
し、ママを見て、それから、ママが見ているものを見た。オレは、鼻を
鳴らさずに、息をのんだ。
ひとりの女性が、テントの奥から歩いてきた。オレが、ひとりの女性
と言ったのは、ひとりという以外、適当な言葉を思いつかなかったから
だ。彼女は、聖セシリア、アーサー王の王妃グィネヴィア、それに、ジ
ャンヌダルクの融合体だった。彼女は、ニューメキシコで見る夕陽、火
星の赤道公園から見る冷たい銀の2つの月のようだった。彼女は、金星
の春の渓谷、バイオリンを弾くドルザルスクのようだった。彼女は、ほ
んとうに、なにかだった。
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35
オレの横から、別のため息が聞こえた。それは、なじみのないものだ
った。なぜ、なじみがなかったか、すぐに、分かった。オレは、ジョン
レーンが、ため息をつくのを、今まで、聞いたことがなかった。見ない
ようにするの
|
つくられた記憶
/ST/DS9_4_5_3/
「死体を見つけた鷹たかみたいな顔だからさ、はははは、わお、はお、はお、
わははあ」
「はははは、しかし、よくできるな」
「わははあ」
「いやあ、笑うほうさ。6年もここにいるのにさ」
「6年もこんなところに閉じ込められていて笑いでもしなけりゃ、どう
にかなっちまうよ。笑う方がいいだろ?」
収容所のアナウンスが響いた。
「全受刑者はこれから睡眠時間です、睡眠時間に起きて活動している受
刑者は罰せられます、照明は20秒後に暗くなります」
「おやすみ、マイルズ。夜中に笑いたくなったら遠慮なく笑ってくれ。
私は起きないから、ふふ、へへへへ」と、イーチャー。
「今から、睡眠時間に入ります」と、アナウンス。
「ううん、マイルズ」と、イーチャー。
24
23
2
クワークの店で、ウォーフ少佐とマイルズオブライエンは、ダーツを
やっていた。
「君の番だ」と、ウォーフ少佐。
「17をあとひとつ取る
|
イェフディの法則
/FB2/TheYehudiPrinciple/
と、チャーリー。「今、考えてるんだ」
オレは、黙った。チャーリーは、考え始めた。
コーヒーができたときまでには、自分が言ってることのバカらしさに
気づいた。
コーヒーを出した。チャーリーは、ずっと、薬の容器のようなものを
あけて、なかを調べていた。スイッチを作動させる小さな振り子や多く
のワイヤが見えた。
「分からないな。どこも壊れてない」と、チャーリー。
「たぶん、電池じゃないか?」と、オレ。
懐中電灯を出してきて、単3乾電池をテストした。電球は明るく光っ
40
39
た。
「分からないな」と、チャーリー。
「それじゃ、はじめから考えよう、チャーリー」と、オレ。「それは、
動いていた。いろんなドリンク類を出してくれた。2杯のカクテルを作
ってくれた。それは、いわば━━━」
「そこを考えていたとこだ」と、チャーリー。「きみが、殴ってくれ!
と言って、ドリンクを取ろうと、かがんだら、なに
|
ギーゼンスタック家
/FB1/TheGeezenstacks/
ディック、先週は、どこかへでかけようと考えたことは、なか
18
17
ったのかな?だれかを訪問するようなことを、だれかに話したりしなか
ったかい?」
「まったく、ありません。ピートとエイミーのことは、きのう手紙をも
らうまで、なんか月も考えてもいませんでした。1週間、滞在してほし
いそうです」
「たぶん、3日で帰ってくるよ」と、サム。
リチャードが、じっさいに、3日で戻ったとき、サムは、理由を説明
しなかった。サムが、リチャードがどのくらい滞在するかを知っていた
のは、ギーゼンスタックおじさんがなん日いなかったかを知っていたか
らだ、というのは、あまりにバカげた理由に思えたからだ。
サムウォルターズは、オーブリーを、なにげなく、監視するようにな
った。そして、不思議に感じていた。オーブリーは、もちろん、ギーゼ
ンスタック家で起こることがなんであれ、彼女自身が、そうさせている
ことだった。可
|
失われた文明1透明人間
/FB3/Discovery1/
3
プレーターは、彼女の入った室を覚えておいた。武装した宦官かんがんが、カ
ーテンドアにそれぞれ1名づついて、寝室を守っていた。彼は、女性が
完全に眠ったと思われるまで待ってから、宦官かんがんがホールの方を向いて、
カーテンドアの動きに気づかない瞬間をねらってすべりこんだ。ホール
も薄暗かったが、室内は真っ暗闇だった。手さぐりで慎重に進み、寝床
を見つけた。静かに眠っている女性に触れた。彼女は悲鳴をあげた。
(サルタンは、夜にハーレムを訪れず、ひとりあるいは数名の妻たちを、
自分の住まいに呼び寄せるだけであることを、彼は知らなかった)
エピローグ
すぐに、宦官かんがんが入ってきて、彼をつかまえた。
「そうか、これだったんだ」と、プレーター。死ぬまぎわに考えた。
「これが、透明人間の弱点だったんだ。完全な暗闇では、なんの役にも
たたなかったんだ!」
最後に聞いたのは、片刃刀かたはとうのヒュッという音だった。
(終わり)
8
7
|
アリスのアンダラン
/LC/AliceUnderGround/
私が知る限りもっとも乾かわいたものです!ご静聴くせいちょうださい!
38
37
ウィリアム王は、ローマ教皇の信任を得て、すぐにイギリス国民に王
として認められ、後に略奪と侵略の限りを尽くしました。メルシアとノ
ーサンブリアの伯爵であったエドウィンとモカーは━━━」
「ゲェー!」と、ロリー。ふるえながら。
「なんですか?」と、ネズミ。顔をしかめながらも礼儀正しく。「なに
か言いました?」
「いいえ、私じゃありません!」と、ロリー。あわてて。
「そうですか」と、ネズミ。「先を続けます。メルシアとノーサンブリ
アの伯爵であったエドウィンとモカーは、ウィリアム王を認め、また、
カンタベリーの愛国的な大司教のスティガンドでさえ、エドガーアスリ
ングとともに、ウィリアム王に拝観し王冠を奉納ほうのうするのが懸命と考えま
した━━━。なんですか?」ネズミは、話し始めたアリスを見た。
「濡ぬれたままだわ!」と、アリス。「ちっとも乾かわかしてくれないわ!」
「この場合」と、ドードー。立ち上がりながら、重々おもおもしく。「会合は、
より積極的な修正をただちに採択するために、延期すべきだ!」
「英語を話してください!」と、アヒル。「私には、そのような長いワ
ードの意味は、半分も分かりません!普通に話してください!」アヒル
は、があがあ鳴くのが楽しそうに笑った。ほかの鳥たちも、いっしょに、
くすくす笑った。
「私が言いたかったのは」と、ドードー。自己弁護するように。「この
40
39
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聖なる神殿の謎
/ST/DS9_1_1_1/
特殊なワームホールです。見たところ、自然に発生したもの
とは、とても、思えないわ」と、ダックス中尉。
「だとしたら、人口的に作られたと?」と、ドクターベシア。
「発光体を作った何者かが、あのワームホールを作ったという可能性が
高いわね」
「カーデシアが動き始めました、デノリアスベルトへ向かっています」
と、オブライエン。
「オブライエン、このステーションをワームホールの入り口に移動でき
ないかしら?」と、キラ少佐。
「これは、宇宙船じゃないんですよ。反動推進エンジンを六基備えてい
るに過ぎない。1億6000万キロ進むには、2か月はかかる」
「明日までには、着きたいわ」
「へへ、そんなこと不可能ですよ」
「あのワームホールは、この宇宙域全体の未来を切り開くものよ。ベイ
ジョーとしては、領有権を確保したいわ。くやしいけれど、惑星連邦の
後押しがあれば、こちらの主張は、通りやすいでしょうね」
「ディフレクタジェネレータで、亜空間フィールドを拡大できないかし
ら。ローレベルのフィールドでステーション全体を包むのよ」と、ダッ
クス中尉。
「そうすれば、慣性質量が落ちる」
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81
「ステーション自体が軽くなれば、六基のエンジンでも、十分に移動で
きるわ」
「だが、失敗すれば、このステーションは、
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ユスタックウィバーの短い生涯3
/FB3/Weaver3/
新聞
の競馬や株価のページを持ち帰ればいい?これはいけそうだった。
4
3
2
ユスタックウィバーは、ロサンジェルスのダウンタウンでタクシーを
拾い、高級ホテルにチェックインした。もう夜遅かったので、待ち時間
をなくすため、翌日にジャンプしようと考えたが、あまりに疲れて眠い
ことに気づいた。ベッドへ行き、つぎの日のお昼までぐっすり眠った。
翌日のタクシーは、フリーウェイで渋滞に巻き込まれて、サンタアニ
タの第1レースに間に合わなかったが、レース結果のボードには間に合
ったので、勝った馬番を自分の予想新聞に書き込んだ。さらに5レース
見て、実際には賭けずに、結果だけメモした。最終レースはジャマしな
いことにした。
ユスタックウィバーは、スタンドを降りて裏の方へ行き、誰にも見ら
れない隔離されたような場所へ行った。タイムマシンのダイアルを2時
間前にセットしてボタンを押した。
な
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SFミステリー ライトノベル風
/CO/cmt/
Top
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
試用版 ゲストルーム
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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サアルバの国
/FB1/DeathOnTheMountain/
谷まで戻って行った。暗闇が
訪れ、年下の女性は、ろうそくに火をつけた。暗闇がこわい気がした。
彼は、彼女を観察したが、彼女には、彼が見えなかった。彼女の髪は、
彼が見たところ、夜のような黒で、目は大きく、きらきらしていた。し
かし、足首は、太かった。
彼女は、着ているものをぬいで、寝床に横になった。眠りながら、彼
女は、何気なく手ではらいのけると、毛布が床に落ちた。キャンドルは、
まだ、テーブルの上で燃えていた。
キャンドルの炎の光が、彼女の胸のあいだの、白いくぼみにある、小
さな黒の十字架を照らした。炎は、上下に、揺れた。
彼は、消灯時刻のベルを聞いて、山頂へ行く時間であることに気づい
た。3日目の夜だったからだ。
山から、嵐が降りてきた。風は、小屋のまわりで叫ぶように、吹き荒
れたが、女性は、目覚めなかった。
彼は、嵐のなかへ出て行った。風は、かつてないほど、冷酷だった。
恐ろしい手が、彼の心臓を、わしづかみにした。だが、あの星は、待っ
ていた。
寒さが、さらに厳しくなり、夜の黒が深まった。雪の毛布は、彼が倒
れた地点をおおいながら、山の上を漂っていた。
朝、女性は、解けた雪の上にある、赤いサンダルを見つけて、谷に持
12
11
ち帰った。
「奇妙な夢を見たわ」と、年
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アボミっぽい
/FB3/Abominable/
1
シャウンシー卿は、女性の目利きでもあった。ここでひとりで挑戦す
る理由がそれで、危険な登山というだけでなく、危険な救出でもあった。
もしも、ローラガブラルディが、まだ、生きていれば、アボミっぽいス
ノーマンにつかまったのだ。
シャウンシー卿は、ローラガブラルディ本人に、直接会ったことはな
かった。彼女のことを知ったのは、1ヶ月にもならない前で、彼女が主
演する映画を見たのだ。その映画で、彼女は突然、地球上でもっとも美
しい女性、イタリアが生んだ最も美しい映画スターとして伝説になった。
シャウンシー卿が理解できないのは、イタリアが彼女を生み出したこと
だった。彼女は、世界中の女性の目利きの心に残る、完成された女性美
として、バルドーやロロブリジッダ、エクバーグに、とって代わった。
シャウンシー卿も、女性の目利きのトップとして、そうだった。映画で
彼女を見た瞬間、彼女本人に会わなければならないことを、たとえ死ん
でも、そうしなければならないことを知った。
しかし、その時まで、ローラガブラルディは失踪しっそうしたままだった。最
初の映画の休暇で訪れたインドで、登山家のパーティに参加して、オブ
リモフ山の登山をすることになった。パーティのほかの全員は戻ったが、
ローラは、戻らなかった。パーティのひとりの話では、手をのばせば届
4
3
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ジバゴ
/SY/Zhivago/
自由なのは、オレひとりだ!」と、強制労働の男。鎖をガ
チャガチャいわせた。「あとの連中は、みんな、家畜だ!」
トーニャは、強制労働の男を、哀あわれそうに、見ていた。
◇
汽車は、赤旗をはためかせて、雪に覆おおわれた、森の中を走った。貨車
の人々は、簡易ベッドにつけたものも、ストーブの周りに雑魚寝してい
るものも、みな、目を閉じて、眠っていた。ひとり、隣りの強制労働の
男だけ、目をギラギラさせていた。ユーリは、目がさめると、貨車の小
窓をあけてみた。汽車は、広い川の鉄橋を渡っていた。広大な川の雪原
が、広がっていた。雲におおわれた空に、大きな月が顔を出していた。
ユーリは、ずっと見ていたかったが、隣りの男性の足で、小窓を閉めら
れてしまった。
汽車は、どこまでも続く、雪原を走った。
強制労働の男と管理人は、シャベルで、汚れたワラをかきあつめ、貨
車の外に捨てるために、扉をとびらあけた。出入口は、氷で閉ざされていたが、
シャベルで氷を割ると、雪原が、広がった。汚れたワラを捨ててしまう
と、今度は、ユーリが、消毒液を床にまいた。
汽車は、雪原に降り積もった、多量の雪を蹴散らせて走った。
150
149
貨車の中では、踊りの上手な女性が、民族舞踊を披露して、全員で、
手拍子を
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ねずみ
/FB1/Mouse/
ビューティ」と、ビル。「もうひとつ、あやまりたいのは、
あのねずみは、持って来れなかったんだ。頼んでもだめだろうから、頼
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まなかった。それにおそらく、あのねずみは、食べても、消化不良を起
こすだけだろうしね」
その夜は、ビルは、興奮して、眠れなかった。朝は、早くから、朝刊
が待ち遠しく、新聞を手にすると、新しい発見や進展がなかったか、調
べた。
なにもなかった。新聞には、彼がすでに知っていることより、少ない
ことしか書かれてなかった。しかし、すでに、大きなことは起こってい
て、新聞に、大きく扱われることになった。
4
ビルヒラーは、つぎの3日間のほとんどは、ニューヨーク大の研究室
で、ウィンスロー博士を手伝っていた。さまざまなテストや実験をおこ
なって、新しい発見が出てこなくなるまで、続けた。そのあと、政府が、
研究を引き継いで、彼は、自由の身となった。
そのつぎの
|
ザ・ハウス
/FB1/TheHouse/
ザ・ハウス
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、家のポーチまで来ると、中に入るのを、すこしためらった。背
後の道や、道端みちばたにはえた緑の木々や、黄の平原、遠い丘、それに、明る
い陽射しも、これが、最後の、見おさめだった。それから、ドアをあけ、
中へ入った。背後で、ドアが閉まった。
うしろを振り返ると、あるのは、ただの壁で、ドアノブも鍵穴も、ド
アのへりさえなかった。へりがあったとしても、うまくまわりの壁に溶
け込んで、輪郭さえ見つけられなかった。
2
1
1
目の前にあるのは、くもの巣のように広がる広間だった。床には、ほ
こりが厚くつもり、その先には、細く曲がりくねった通路が、2匹の小
さな、へびか、あるいは、2匹の大きな、いも虫のように、続いていた。
暗く見えにくい通路で、右の方の最初のド
|
歩兵
/FB1/Sentry/
歩兵
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、ぬれて、泥だらけで、ひどくおなかがすいて、寒かった。しか
も、故郷の星から、5万光年も離れた星にいた。
奇妙な青い太陽が、かがやいていた。重力も、彼の星の2倍もあって、
動くのも、困難だった。
1万年のあいだ、戦況は、変わらなかった。空軍のパイロットたちは、
流線型の宇宙船に、ファンシーな武器が使えて、上機嫌だった。チップ
が地上にバラまかれると、歩兵めがけて、地面をはってきて、足という
足は、すべて、血で染められた。
2
1
このひどい惑星に、上陸するとは、彼は、まったく、聞かされていな
かった。惑星の地表は、エイリアンたちも、そこにいるがゆえに、神聖
なる戦場だった。そのエイリアンたちは、この銀河に存在する、われわ
れ以外の、唯一の知的生命体であった。冷酷で、みにくく
|
ブルーモンスター
/FB5/brmon/
ブルーモンスター
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼の生涯にスペクトルがあるとすれば、彼の生涯がほとんど怪奇その
ものだったように、それはまさしく、怪奇だった。光のスペクトルが、
赤外線から紫外線に亙わたるように、それは、絶望の夜の思考である、ウル
トラブラックから、神が山の上から見おろすように、彼が他人の心、思
考や知識を見おろす、ハイテンションの目覚めや輝きである、インフラ
ホワイトに亙わたっていた。しかしその間には、なにかがあって、ブラック
とホワイトの間に、グレーがあるように、単純に接することを拒む、赤
の帯域があった。赤は、激しい怒いかりだった。彼の意識が、赤の帯域に差
し掛かると、殺人鬼となり、非常に危険だった。彼はすでに、まったく
2
1
面識のない、ふたりの男とひとりの女を殺していて、捕とららえられ
|
武器
/FB2/TheWeapon/
数年前に、息子のことを初
めて聞かされた時に感じたような、怒りでは、なかった。少年は、幸せ
だった。それで、じゅうぶんではないか?子どもが、いつまでも子ども
で、親元を去ることのない子どもを、どれだけ多くの人が持てるという
のだろうか?たしかに、そう考えるのは、理にかなったことだ。間違っ
た理屈かもしれないが。そのとき、玄関のベルが鳴った。
グラハムは、立ち上がり、玄関へ行く前に、ほとんど暗くなった室の
電気をつけた。思考を中断された、イラつきはなかった。今夜ばかりは、
中断されたことを、むしろ歓迎した。
玄関のドアをあけた。
「グラハム博士ですか?」と、見知らぬ男性。「私は、ニーマンドです。
少し、お邪魔してもいいですか?」
男は、背が低くく、特徴的なところもなく、見たところ、まったく無
害そうだった。たぶん、どこかの記者か、保険の勧誘かなにかだろう。
4
3
しかし、彼がなにもの
|
ハーフベア
/FB3/Bear/
ハーフベア
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
もしも病院の待合室で、行ったり来たりしながらタバコに━━━たい
ていは間違えてフィルターの先に火をつけて、なにかを待っている父親
を見たら、その仕草からどんなに心配か分かるだろう。
しかしそれが心配だと思うなら、今、出産室の外のローカでうろうろ
している、ジョナサンクインビーをひと目見てほしい。クインビーは、
タバコのフィルターの先に火をつけて、そのまま吸っても違いが分かり
もしないのだ。
ジョナサンクインビーは、たしかに心配ごとを抱えていた。
2
1
1
始まりは、最後に動物園を訪れた夜だった。「最後に」は2つの意味
でそうだった。1つは、クインビーが1マイル以内には近づかないとい
うことであり、もう1つは、妻も近づかないということだった。彼女は
落ちて
|
アンドロメダUの来訪者
/FB/AllGoodBems/
単に、きみたちになじみのある名前にして呼ん
だだけのことさ。きみたちの慣例に従って、恒星を銀河の名前にして、
そのあとに、第二惑星を意味する、Uをつけてね」
エルモスコットは、もやもやしていた疑問点がやっと晴れて、スッキ
リした気分になった。
「おらたちは、なにを待ってるんだい?」と、ウシ。
「なにも」と、ドーベルマン。「ファイブとぼくは、順番に、監視ガードにつ
くよ」
「早く出発して、修理を始めな」と、ガラガラヘビ。「例のトリックで、
30分で、きみらは1ヵ月、作業できるよ」
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27
ドーベルマンは、うなずいた。立ち上がって、ドアノブをしっぽで上
げて、鼻でドアを開けた。リスとニワトリ、ウシがつづいた。
「また、会おうや、ベービー」と、ウシ。
「すぐに、もどるッス」と、リス。
「コッコー」と、ニワトリ。
3
2時間近くたってから、その時、監視ガードについていたドーベルマ
|
ノヴァリアン試用版
/novelyan/guestroom/
(画像提供:
ISFDB)
SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
ゲストルーム
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
サンプルあり(
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) presented by bilyzkid
◆◇◆更新ニュース◇◆◇
一.
ゲストがひとりで使える専用サイト
をリリースしました。
ノヴァリアン NOVELYAN 2.40 試用版
ご使用方法
小説コマンドの説明
画像コマンドの説明
詩的コマンドの説明
FAQ
|
オレとフラップジャックとマルスd星人
/FB4/Flapjack/
水も、空気も、鉱物資源も、すべてが実際、
枯渇している。恒星間移動の技術があれば、銀河系の別の占領されてい
ない惑星を捜しただろう。しかし不運にも、それがない。オレたちの宇
宙船はせいぜい太陽系の別の惑星に行けるだけだ。恒星間移動を可能す
るような、まったく新しい技術を発見したい。オレたちはまだ、その糸
口さえ見つけてない。
太陽系では、あんたがたの惑星が━━━マルスd星を除けば━━━唯
一、マルスd星人が住める惑星だ。水星はあまりに暑く、金星は陸地が
なく、大気は有毒だ。木星の重力は、強すぎて押しつぶされる。木星の
月はすべて、あんたがたの月と同様、大気がない。木星より外側の惑星
は、どれも寒すぎて不可能だ。
それでオレたちは、必要性に迫られた。生き延びたいなら、地球に移
住するという必要性に。もし許されるなら、平和的に。武力を使わざる
を得ないなら、強制的に。オレたちは、地球の全人類を数日で破壊でき
る兵器を持っている」
「ちょっと待ってくれ!」と、オレ。「もしもそんなことができると少
しでも考えているんなら━━━」
オレに懐中電灯を向けていた生き物が、ねらいを下げてオレのひざに
向けた。そして、オレがスピーカー装置を操っあやつているやつの方へ歩き出
した瞬間、ボタンを押した。オレのひざは突然、ぐにゃぐにゃのゴムの
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八甲田 歩のスペースドライバー日誌
/RM/SpaceDriver/
1万8千円を越えていた。
「そこそこ、そこのバーの前で停めて!」
「さぁ、まだまだ飲むぞぉ!」
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久が原一丁目
「この前、ぞっとする話ってのをテレビでやっててさ」深夜乗ってきた
ふたりの若い男性。
「タクシーの運ちゃんが仕事終えて営業所に戻ろうと」
「深夜の誰もいない住宅地で信号待ちしていると」
「髪の長い女性が、いつの間にか、うしろに乗っていて」
「駅までっていうので、近くの駅まで行くと」
◇ ◇ ◇
「もっと、ずっと、遠くの駅よ!この道、まっすぐ行って!」と、髪の
長い女性。
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女性の言うとおりタクシーを走らせていると、道も定かでない、街燈も
まばらな真っ暗な場所に来た。
「まだ、先ですか?」
「そうよ、まだ先よ
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