原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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NOVELYst AutogeNerating dimensional space
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試用版 ゲストルーム
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◆◇◆更新ニュース◇◆◇
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一.
試用版 ゲストルーム
をリリースしました。
二.
サイト 内 検索
をリリースしました。
三.
郵便番号検索
をリリースしました。
四.
世界の国旗
をリリースしました。
五.
和暦⇔西暦・早見表
で、令和を新年号としました。
六.
広告ページを
としました。
(
ページ:ネットゲーム・健康広告あり
ページ、その他:広告なし)
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左
中央:初出年月・初放映日・初出雑誌・他
右

七.
宝くじMission
に、ビンゴ5(N8)を追加しました。
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京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス
[月 夜 花 光 or検索] ヒット 82 件です。
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恐怖のウイルス
/ST/DS9_1_2_1/
これを見ると、目から脳へ映像が送られ、トリコーダ
という言葉と結びつきます。このウイルスは、そこを邪魔するのです」
「つまり、トリコーダを見ても、口からは別の言葉が出るのか。窓とか」
「その通りです」
「ドクター、また、患者が出ました」と、看護婦。
「夜が流れだした」と、ひとりの患者。
「月が瞳を閉じ、トンネルの向こうから太陽が来たんです」と、別の患
者。
26
25
「ドクター、今からステーションを緊急隔離体制に置こう」と、シスコ
大佐。
「わかりました」
◇
オドーは、クワークの店に立ち寄った。
「クワーク、いったいこれはどういうことになっているんだ?」と、オ
ドー。
「なんか変かい?」と、クワーク。
「客が戻ってきたみたいじゃないか」
「へへ」
「しかし、おかしいな、追って通達があるまで、どの店も営業を中止さ
れたはずだ」と、オドー。
「必要不可欠な事業については、
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すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
/FB2/Reconciliation/
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
夜の外は、静かで、星がまたたいていた。けれど、室内は、殺気だっ
ていた。男と女が、数フィート離れて立ち、お互いを憎しみに満ちた目
で、にらみつけていた。
男のこぶしは、固く握られ、いまにもパンチを繰り出しそうであった。
女の指は、広げられ、かぎつめのようにカーブさせていた。しかし、ふ
たりとも、腕は、脇から離さなかった。ふたりとも、良識ある市民であ
った。
2
1
1
「キライよ」と、女。声が低くなった。「アンタのすべてがキライよ」
「キサマの方こそ。キサマの贅沢のために、さんざんしぼり取られたあ
げく、こっちには、もう、キサマのエゴのために、バカなものを買わさ
れるカネさえ残ってないんだ」
「それは、ウソよ。アンタだって、それがウソだってわかって
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フィッシュストーリー
/FB3/FishStory/
プロローグ
ロバートパルマーは、ケープコッドとマイアミのあいだの海岸で真夜ま よ
中なかすぎに、人魚にんぎょのロレーヌに出会った。ロバートは友人の家に滞在して
いたのだが、ベッドに入っても眠気を感じずに、明るい月明かりの砂浜
をひとりで散策していた。海岸のカーブに沿って歩いてゆくと、ロレー
ヌがいた。砂浜に埋まった丸太に座って、美しい長い黒髪をとかしてい
た。
ロバートは人魚が存在しないことは知っていたが、ロレーヌはそこに
いた。ロバートは歩いて近づくと、せきばらいをした。
2
1
1
ロレーヌは驚いたようすで、髪をうしろに跳ねあげた。そのとき隠れ
ていた彼女の顔と肩があらわになり、その美しさは、ロバートの想像を
はるかに越えていた。
ロレーヌは驚いて、ディープブルーの目を大きくあけた。
「あなたは、おとこ?」と、ロレーヌ。
「ああ」と、ロバート。
|
ねずみ
/FB1/Mouse/
脳のサイズや、その渦巻構造からして、
まったく、同じです」
「きみは、それが、考えうる限り、宇宙船を作ったのではないと?」
「そうではない方に、100万、賭けます、大統領」
宇宙船が着陸したのは、昼下がりであったが、ビルヒラーが家路につ
いたのは、真夜中近くであった。通りを渡って帰ったのではなく、ニュ
ーヨーク大のウィンスロー博士の研究室から、歩いて帰ったのだ。研究
室では、解剖と顕微鏡による調査をした。
ビルは、ぼーっとしながら、帰った。シャムネコに食事を用意しなか
ったことに、罪悪感を覚えた。それで、最後の1ブロックは、急ぎ足で
歩いた。
「ミャオー、ミャオー、ミャオー」と、ビューティ。責めるように。
ビルは、急いで、アイスボックスからレバーを出して、食べさせた。
「ごめんよ、ビューティ」と、ビル。「もうひとつ、あやまりたいのは、
あのねずみは、持って来れなかったんだ。頼んでもだめだろうから、頼
26
25
|
ヴァヴェリ
/FB/TheWaveries/
と、ジョージ。「キミには、その運動が、必要だ
ったんだ!余分な脂肪を、少しは、とりのぞいてくれるさ!」
「サンキュー」と、ハンク。シェイカーを傾けてグラスに注ぐと、氷が
楽しげに鳴った。
ジョージベイリーは、時間をかけてカクテルを飲んでから、店をあと
にした。
外は、4月の雷雨で、ひさしの下で雨宿りして、タクシーを待つこと
にした。老人が、同じように、雨宿りしていた。
「ひどい天気ですね」と、ジョージ。
老人は、ニヤリとして、ジョージに、訊きいた。「気がついたかね?」
「なににですか?」
「ちょっと、見ていたまえ、ミスター。ほんの少しで、わかるよ!」
老人は、立ち去った。空からのタクシーは、来なかった。ジョージは、そ
こに立っていた。そのことに気づくまで、しばらくかかった。気づいた
時、アゴが落ちるほどビックリしたが、すぐにアゴを閉じて、居酒屋に
かけこんだ。電話ブースに入ると、ピートマルベニーに電話した。
ピートにつながるまで、3回番号をかけまちがえた。
「はい」と、ピート。
「ジョージベイリーだよ、ピート。天気に気がついたかい?」
「ああ、さっきね。稲光いなびかりが光らないね。こんな雷雨なら、ありそうなも
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眠れるステーション エムポックノール
/ST/DS9_5_6_4/
と、オブライエン。
「エムポックノールか?」
「ディーエスナインと同じ構造で、一年前に閉鎖されました。しかしプ
ラズママニフォールドシステムはまだ使えるかもしれません」
「付近でのドミニオンの活動はどうだ?」
「ここ数か月はありません。戦略的には価値のない星域ですから」
「しかし、ひとつ問題があります」と、オドー。
「カーデシア人が基地から撤退するときは、侵入者撃退対策として、わ
なを仕掛けていくのが普通なんです。そのわなを解除するには、カーデ
シア人でないと」
「では、カーデシア人を連れていけばいいわけだ」と、シスコ大佐。
8
7
◇
チーフオブライエンは、エアロックでガラックに訊きいた。
「司令官はなんて言って、きみを説得したんだ?」
「志願したとは思わない?」と、ガラック。
「へへ、脅されたんだろ」と、オブライエン。
「違いますよ、ワイロをつかまされたんです。私の
|
星雲を越えて
/ST/StarTrek2016/
スコット」と、ジェイラ。「あなたの」
ジェイラは、ライトで船の紋章を照らした。そこには、こう書かれて
いた。
USSフランクリン NX326。
「驚いた!」と、スコット。
◇
墜落した円盤部。
異星人の女性船長を先頭に、カークとチェコフが来た。
夜の暗闇に、あちこちに燃えている火が残っていた。
「船長」と、チェコフ。「まだ、パワーが残ってますよ」
「よし、ブリッジから、クルーを捜そう!」と、カーク。
暗い谷を、敵兵が2人、緑に輝く銃をかざしながら、通っていった。
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3人は、円盤部の割れ目から入って、暗いブリッジに来た。
「スクリーンは、無傷です、船長」と、チェコフ。「こっちに、パワー
をまわしてみます」
「手早く、やれ!」と、カーク。「ここで動きがあれば、やつらに気づ
かれる」
キーっという機械音がした。いくつかの画面が点灯した。
「あー」と、チェコ
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そよぐ幻影
/OT/SoyoguGenei/
そよぐ幻影げんえい
大手おおて拓次たくじ
あなたは ひかりのなかに さうらうとしてよろめく花はな、
あなたは はてしなくくもりゆく こゑのなかの ひとつの魚うを、
こころを したたらし、
ことばを おぼろに けはひして、
あをく かろがろと ゆめをかさねる。
あなたは みづのうへにうかび ながれつつ
ゆふぐれの とほいしづけさをよぶ。
あなたは すがたのない うみのともしび、
あなたは たえまなく うまれでる 生涯しょうがいの花はなしべ、
あなたは みえ、
あなたは かくれ、
あなたは よろよろとして わたしの心のこころなかに 咲さきにほふ。
みづいろの あをいまぼろしの あゆみくるとき、
わたしは そこともなく ただよひ、
ふかぶかとして ゆめにおぼれる。
ふりしきるさざめきのやうに
わたしのこころは ながれ ながれて、
ほのぼのと 死しのくちびるのうへに たはむれる。
あなたは みちもなくゆきかふ むらむらとしたかげ、
かげは にほやかに もつれ、
かげは やさしく ふきみだれる。
(昭和八年六月二十九日)
2
1
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天使が死ぬ時
/TS/TheHabit/
「どうぞ、こちらへ」と、シスターアンジェリカ。
「では、のちほど━━━」と、リチャード。シスターアンジェリカのあ
とに、続いた。
「あとで、うかがいます。そのときに、その、手当ても━━━」
テラスに出ると、シスターアンジェリカが言った。
「管理人のハークネスさんは、4か月いらしたんですが、生徒のひとり
と、問題を起こして、やめられましたの。とくに、これといって、つら
い仕事では、ありませんが、やはり、献身的な愛情がございませんとね。
シスターベロニカも、大変ですの」
◇
シスターベロニカは、廊下にいたビッキーとマリーに声をかけた。
16
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「おはよう、ビッキー。おはいんなさい!マリー、あなたは、お授業で
すよ!」
「さ、身体検査しなくていいの?」と、ビッキー。室へ入った。
マリーは、廊下の窓のカーテン越しに、中庭を歩く、リチャードとシ
スターアンジェリカの姿を目で
|
天使は淋しい道を行く
/TS/LonelyRoad/
忘れていた信仰の光が、また、
ともったような気がしていた。ところが、それが、意気地なしの、口か
らのでまかせだったとはね」
「わたくし、意気地なしじゃありません。努力はしました。わたくし、
41になりますの。41年の人生、残るのは、にがい思い出ばかり。神
の教えを説きながら、この長い年月のあいだ、わたくしは、とうとう、
それを、人々に伝えることができなかったのです。わたくしには、修道
女になる資格はなかったのです。もっと、つらい、仕事をしている方も
56
55
いるのに」
「どうしても、あなたは、夢の世界から出られないんですね?」
「夢の世界?」
「信仰の世界だって、実際的な面があるのですよ。ところが、あなたは、
奇跡を求めてるんです、違いますか?1匹の魚、1きれのパンで、何千
も養うような奇跡をね。雷鳴や稲妻とともに、現われる奇跡がないから、
いっさいが、むなしかったっていうんで
|
青の悪夢
/FB3/NightmareInBlue/
ベッドの
脇の窓から、ほとんど信じられない青空が見えた。ジョージは、すぐに
ベッドからすべり出ると、完全に目覚め、休暇の1日目のほんの1分も
無駄にしたくなかった。しかし妻を起こさないように、静かに服を着た。
休暇のために1週間友人から借りたロッジに着いたのは、昨夜遅くで、
ウィルマは旅にとても疲れていて、すこしでも長く寝かせてあげたかっ
たのだ。靴も居間に行ってからはいた。
2
1
1
息子のトミーは、まだ5才だが、髪をくしゃくしゃにして、寝ていた
子ども室から出てきて、あくびをした。
「朝ごはんは、いるかい?」と、ジョージ。トミーはうなづいた。「服
を着てから、台所に来なさい」
ジョージは台所に行ったが、朝食を始める前に、外のドアを出て階段
の下で、まわりを見渡した。昨夜着いたときは暗かったので、このあた
りがガイドブック通りなのか分からなかった。そこ
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“スペーステロリスト”ターナロス
/ST/DS9_1_1_2/
12
11
「コーマの連中は、カーデシア人だけでなく、邪魔なベイジョー人まで、
みさかいなく殺している。確か、先月の政府高官の暗殺にも、犯行声明
を出していたはずだ」
「でも、ターナは別です」
「コーマの一員か?」
「ええ、でも」
「かばう気なら、任務からはずれてもらう!どっちつかずの気で任務に
あたられるのはごめんだ。彼がコーマのテロリストなら、このステーシ
ョンを隠れ蓑にして、破壊活動を続けるおそれがある」
「私は、ベイジョーの利益を優先します。どっちつかずの気じゃないわ。
今のベイジョーには、ターナロスのような強い意志を持った人間が必要
なんです」
「カーデシアを倒せればテロも許すというのか?」
「我々が強力な独立国家をもう一度築きづくためには、コーマのようなテロ
リストグループは、いわば、必要悪です。はっきり言えば、ターナは我
々にとって、希望の光なんです、見殺しになんかで
|
暗黒の地球帝国
/ST/ENT_4_5_2/
そして、宇宙に君臨する、地球にナイフのささった、地球帝国の紋章。
4
3
1
「航星日誌、2155年1月13日」と、エンタープライズ船長。「コ
リアンステーションを発たち、急襲部隊との合流ポイントを目指す」
エンタープライズは、宇宙を航行していた。
「リード少佐とドクターが、最新プロジュクトのお披露目ひ ろ めをするそうだ」
◇
医療室。
拷問ブースの中で、豚の鼻をした、異星人が、悲鳴を上げ、苦痛に顔
をゆがめていた。
「このブースは、従来の拷問ブースより、はるかに、効果的です」と、
リード少佐。
「いかなる人種の、神経中枢も、刺激できる」と、ドクター。「シナプ
スをスキャンし、その都度つ ど、対応します」
「これが、画期かっき的だそうです」と、副長。
「昔でいうところの」と、船長。「ムチ打ちと同じだ!」
「ムチとは、違うから、画期かっき的だといっているので
|
暗闇の家
/FB1/TheHouse/
暗闇の家
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、家のポーチまで来ると、中に入るのを、すこしためらった。背
後の道や、道端みちばたにはえた緑の木々や、黄の平原、遠い丘、それに、明る
い陽射しも、これが、最後の、見おさめだった。それから、ドアをあけ、
中へ入った。背後で、ドアが閉まった。
うしろを振り返ると、あるのは、ただの壁で、ドアノブも鍵穴も、ド
アのへりさえなかった。へりがあったとしても、うまくまわりの壁に溶
け込んで、輪郭さえ見つけられなかった。
2
1
1
目の前にあるのは、くもの巣のように広がる広間だった。床には、ほ
こりが厚くつもり、その先には、細く曲がりくねった通路が、2匹の小
さな、へびか、あるいは、2匹の大きな、いも虫のように、続いていた。
暗く見えにくい通路で、右の方の最初のドアに近
|
ハーフベア
/FB3/Bear/
1
始まりは、最後に動物園を訪れた夜だった。「最後に」は2つの意味
でそうだった。1つは、クインビーが1マイル以内には近づかないとい
うことであり、もう1つは、妻も近づかないということだった。彼女は
落ちて、そう、穴の中へ━━━。
その夜、起こったことを分かってもらうためには、すこし説明が必要
だ。クインビーは、若い頃から熱心に魔術━━━手品のようなものでな
く、本物の魔術を学んでいた。不運にも、魔術はクインビー自身には効
かなかった。どんなにがんばっても、ほかの人にも効かなかった。
ひとつの魔術を除いて。それは、人間をクインビーの好きな動物に変
えるもので、同じ魔術を逆に唱えれば、ふたたび人間に戻せた。もしも
悪意のある人間なら、この魔術を犯罪に使うところだが、クインビーは
まったくそうでなかった。何回か練習で使ったあとは、好奇心から自分
から言ってきた者に使用しただけで、2度と使用することはなかった。
ジョナサンクインビーは、10年前30才のとき、ジェシーと恋に落
ちて結婚した。クインビーは、ジェシーの好奇心を満たすため、1度だ
け魔術を使った。魔術の話をしたとき、ジェシーは疑って証明を迫った
ので、ジェシーをシンプルにシャムネコに変えた。クインビーは2度と
魔術を使わないことを約束させられ、今までそれを固く守ってきた。
4
3
2
動物園を訪れた夜の
|
ケンタウロス
/FB1/HorseRace/
2
1
「ええ」と、ロバーツ。すぐに、返答した。この距離での通信は、今の
ような、超光速通信では、かなりの電力ロスにつながるので、できるだ
け、早く、会話を切り上げたかった。
「では、その惑星については?」
「そこに行ったことはありません。知ってるのは、2つの居住可能な惑
星があるということだけです」
「そのとおりです。内側の惑星には、われわれとさほど変わらない、人
族が住んでいます。外側の惑星には、外見上は、地球の馬と似た民族が
住んでいます。ただし、彼らには、3対目の足があって、追加の2本の
手として使用できるため、かなり高い文明水準を達成しました。彼らの
正式名称は、地球人には発音しづらいので、単に、馬族と、呼ばれてい
ます。彼らは、この名称の由来が、馬であることを知っていますが、気
にしていません。それほど、神経質な性格ではないのです」
「そうですか」と、ロバ
|
終わり良ければ
/FB1/HappyEnding/
ある日、コンラッドが官邸にやって来て、白い顔をして、敬礼
26
25
も忘れて、こう言った日のことを思い出させた。
「デンバーが突破されました、ナンバーワン!トロントやモンテレーも
危険です。他の都市においても」コンラッドの声は、うわずっていた。
「マルスd星人と月の反逆者たちは、アルゼンチンに侵攻しました。ニ
ューペトログラード近郊にも上陸してます。敗北です。すべて敗北です
!」
「ナンバーワン、おーい!」と、声。「ナンバーワン、おーい!」
声は、だんだん、大きく高くなり、ほかの音より、ずっと激しくなっ
た。自分の声の記憶が、なん重にも、積み重なって、まるで、自分の演
説を聞かされているようだった。
子どもたちの賛美する声。「ナンバーワン、ナンバーワン━━━」そ
の先を、思い出せなかった。美しい言葉だったことしか覚えていなかっ
た。それは、ニューロサンゼルスにある公立小学校の会合でのことだっ
た。今、ここで、そのことを思い出すのは、じつに、奇妙なことだった。
自分の声のトーンの上げ下げや、子どもたちの目の輝き。思い出したの
は、子どもたちだけだった。その子どもたちは、彼にとっては、死につ
つあるものだったが、みんなにとって必要なのは、しっかりしたリーダ
ーに従うことだと、かたく信じていた。
「すべて敗北だった!」
突然、巨大なジェット機が、急降下してきた。彼は、白い月光
|
報復戦隊
/FB3/Fleet/
1
こんどは状況が違った。地球では迎撃体制が整っていた。もちろん侵
略者が太陽系に到着した数分のうちに準備したのではなく、そのとき地
球は、2820年、火星植民地と戦闘状態にあった。火星は地球の半分
まで人口増加が進み、独立戦争を始めた。金星が侵略者に攻撃されたと
き、地球戦隊と火星戦隊は月の近くで戦おうとしていた。
しかし戦争は、歴史上最短で終結した。地球と火星の連合戦隊は、戦
争をやめ、地球と金星の途中で侵略者を迎え撃った。こちらは数の上で
敵を圧倒し、侵略者を宇宙のかなたへと吹き飛ばし、完全に追い払った。
2
24時間以内に、地球の首都アルバカーキで、地球と火星は平和条約
を締結した。火星の独立を認め、太陽系で唯一住居可能となった2つの
星のあいだの恒久的な同盟を結んだ。侵略者の本拠地を見つけ、2度と
太陽系が侵略されないように破壊する報復戦隊も計画された。
地上と数千マイル上空の衛星の探査装置が、金星を救う時間はなかっ
たが、侵略者の侵入を探知していた。探査装置の記録から、侵略者がや
ってきた方角は判明したが、正確な距離までは分からなかった。
4
3
|
緑の悪夢
/FB3/NightmareInGreen/
緑の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は目覚めると、昨夜ベッドの中で考えた強い決意を思い起こした。
それは、ウィリアムがふたたび男に、強い男になるために曲げてはなら
ない決意だった。妻のデイジーに離婚してくれるよう断固として要求す
る。そうしなければ、すべてを失って2度と勇気を持てなくなるだろう。
6年間の結婚生活の最初から、離婚は不可避だった。
今が、そのターニングポイントだった。自分より、あらゆる点ですぐ
れた女性と結婚することは、耐えられないだけでなく、自分がだんだん
弱々しい生き物、希望を失ったねずみになっていってしまうのだ。
2
1
1
デイジーは、あらゆる点で、ウィリアムより優まさっていた。彼女は、ア
スリートだったので、ゴルフでもテニスでもあらゆるスポーツで、彼を
やすやすと打ち負かした。デイジーは
|
イェフディの法則
/FB2/TheYehudiPrinciple/
チャーリーは、ずっと、薬の容器のようなものを
あけて、なかを調べていた。スイッチを作動させる小さな振り子や多く
のワイヤが見えた。
「分からないな。どこも壊れてない」と、チャーリー。
「たぶん、電池じゃないか?」と、オレ。
懐中電灯を出してきて、単3乾電池をテストした。電球は明るく光っ
40
39
た。
「分からないな」と、チャーリー。
「それじゃ、はじめから考えよう、チャーリー」と、オレ。「それは、
動いていた。いろんなドリンク類を出してくれた。2杯のカクテルを作
ってくれた。それは、いわば━━━」
「そこを考えていたとこだ」と、チャーリー。「きみが、殴ってくれ!
と言って、ドリンクを取ろうと、かがんだら、なにが起こった?」
「気流。それに、殴り倒されたよ、チャーリー。文字通りに。どうやっ
て、オレは自分にしたんだろう?注意したいのは、目的語の違いだ。殴
ってくれ!は、オレに対し
|
ギーゼンスタック家
/FB1/TheGeezenstacks/
なか
18
17
ったのかな?だれかを訪問するようなことを、だれかに話したりしなか
ったかい?」
「まったく、ありません。ピートとエイミーのことは、きのう手紙をも
らうまで、なんか月も考えてもいませんでした。1週間、滞在してほし
いそうです」
「たぶん、3日で帰ってくるよ」と、サム。
リチャードが、じっさいに、3日で戻ったとき、サムは、理由を説明
しなかった。サムが、リチャードがどのくらい滞在するかを知っていた
のは、ギーゼンスタックおじさんがなん日いなかったかを知っていたか
らだ、というのは、あまりにバカげた理由に思えたからだ。
サムウォルターズは、オーブリーを、なにげなく、監視するようにな
った。そして、不思議に感じていた。オーブリーは、もちろん、ギーゼ
ンスタック家で起こることがなんであれ、彼女自身が、そうさせている
ことだった。可能性として、オーブリーに、超自然的能力があって、ウ
ォルターズ夫妻やリチャードに起こるできごとを予知して、無意識に、
そうさせていることはないだろうか?
サムウォルターズは、もちろん、予知能力を信じていなかった。オー
ブリーに、予知能力がある
|
歩兵
/FB1/Sentry/
歩兵
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、ぬれて、泥だらけで、ひどくおなかがすいて、寒かった。しか
も、故郷の星から、5万光年も離れた星にいた。
奇妙な青い太陽が、かがやいていた。重力も、彼の星の2倍もあって、
動くのも、困難だった。
1万年のあいだ、戦況は、変わらなかった。空軍のパイロットたちは、
流線型の宇宙船に、ファンシーな武器が使えて、上機嫌だった。チップ
が地上にバラまかれると、歩兵めがけて、地面をはってきて、足という
足は、すべて、血で染められた。
2
1
このひどい惑星に、上陸するとは、彼は、まったく、聞かされていな
かった。惑星の地表は、エイリアンたちも、そこにいるがゆえに、神聖
なる戦場だった。そのエイリアンたちは、この銀河に存在する、われわ
れ以外の、唯一の知的生命体であった。冷酷で、みにくく、考
|
SFミステリー ライトノベル風
/CO/cmt/
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2.出版
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ナイトゥアンディ
/SY/KAndDy/
と、フィッツ。「すぐ
46
45
すむから、乗ってくれ!」
ジューンは、黒のセダンの後ろの席で、写真を見せられていた。
「昨夜ゆうべ、ロイと同じ便に乗ったね?」と、フィッツ。「墜落した便だ!」
「どちらの方かた?」と、ジューン。
「FBIだ」と、フィッツ。「ミラー氏をご存知か?」
「いいえ、知りません!」と、ジューン。
フィッツは、モニターのボタンを押した。空港でジューンがロイにぶ
つかっていた。
「ああ、その、ゲートを通る前に、ちょっとしゃべったわ。でも」
「なるほど。飛行機に乗ってからは、どうかな?また、しゃべった?」
「いいえ。わたし、しゃべってません。お酒をもらって、眠っちゃって!
この人、だれ?」
「1週間前まで」と、フィッツ。「ロイミラーは、世界1信頼できる優
秀な捜査官だった」
「なにがあったの?」と、ジューン。
「それを教えることは、できないんだ、ヘーブンスさん」
|
ボディスナッチャー
/SY/BodySnatcher/
「いい香りだ」と、ジャック。花を手にもって、かいでいた。
「話を聞いて!」と、ナンシー。
「聞いているよ」
「あれは、幻覚じゃない。あなたに変わりかけていたのよ!あの体は」
「その花は、どこで?」と、リサ。
「花びんの中に」と、ジャック。
「あの中?ジェフリーも、これを、きのうの夜に」
86
85
「だから?」
「客のジアンニも持ってた」と、ナンシー。
「だから、なに?」
「捨てて!」と、リサ。
「サヤがある」
「図鑑にも出ていない花なの!」と、リサ。ナンシーに。
「ジャック、捨てて!」と、ナンシー。
「ピンクの花だ」と、ジャック。
「有毒かも!」と、リサ。
ジャックは、やっと、花を置いた。
「あちこちにあるわ。寄生植物よ。どこから、来たの?」
「宇宙から?」と、ナンシー。
「まさか!」と、ジャック。
「なぜ?」
「宇宙からなんて」
「どうして?」
「スペースフラワーなんかない!」
「
|
悪魔のジョーカー
/TZ/DealersChoice/
悪魔のジョーカー
ドナルドトッド、ウェスクラーベン
プロローグ
夜。ピートの居間。
男たちが、テーブルを囲んで、和気あいあいと、トランプゲームに興
じていた。
「友達とのポーカー」と、ナレーター。「という、ささやかな楽しみが、
究極の賭けになるときもあります。テーブルの上のワイルドカードが、
ゲームの鍵を握る、ミステリーゾーン」
2
1
1
コールがかかって、ジミーが自分の手を見せた。
「キングまでの、ストレート!お前は?」
「6とジャックのフルハウス!」と、ニック。手を見せた。
それを、見て、一同そろって、ため息をついた。
「また、フルハウスか!」と、ピート。「ニックだっけ?」
「そう、ニック」と、ニック。
「誰の代わり?」
「なに?」
「代理だろ?」
「ああ、いとこのノーマン」
「病気になったか?」
「だから、家にいる」
「じゃあ、始
|
いつもふたりで
/SY/TwoForTheRoad/
鍛きたえろ!」
バスルームで、ジョアンナは、お経を唱えた。
「わたしは、おなかがへってない。あなたは、おなかがへってない。わ
れわれは、おなかがへってない」
服に着替えた、マークが見に来た。
「わたしは、空腹!あなたは、満腹!」
「妊娠中は、食べすぎに注意しないとね」
「まだ、2か月よ!村に、お店があるはずよ」
「おなか、すき過ぎらしいな。じゃ、薬局で、なにかを」
「ハンバーガー!」
「そういう名前のピル?」
「ラージサイズのハンバーガーピル!ホテルの人には、見られないで!」
紙包みを持って、村道を歩く、マークを、白のベンツが追い抜いた。
◇
白のベンツが、畑の道を走った。
「食事は?」と、マーク。グレーのスーツで、運転していた。
「食事って?」と、ジョアンナ。オレンジのシャツに、サングラス。
86
85
「なつかしの、サンジェストじゃ、なぜ、だめなんだ?」
「ドレス
|
探検隊
/FB3/Expedition/
エピローグ
「マクソン船長が、鉄腕マクソンと呼ばれる理由は、つぎの事実による
のでしょう。第2次火星探検隊は、予定では1年後であったが、実際に
はかなり早く、たったの9ヶ月と2日で到着した」
「これで、アンブローズ君、あなたの質問の答えになったでしょうか?」
(終わり)
8
7
|
ミットキーあらわる
/FB1/TheStarMouse/
きみは、チーズを食べるために、月に住むことはできないんだ。月
には、大気がないから、住めないし、ひげがあっても、だめなんだ。
それなのに、なぜ、わしがきみを送るのかって?それは、ロケットが、
超スピードを出せないかもしれないからさ。それができなくも、別の実
験がある。ロケットが、もしも、月に行けなくても、地球に戻って来れ
るか?その場合、ある道具が、宇宙空間で知られてることより、多くの
情報をもたらしてくれるんだ。きみがもたらす情報は、きみがちゃんと
生存しているかどうかもそうだし、ショック吸収器具や翼がつばさ、地球のよ
うな大気でも、十分役立つかどうかということも。分かるかい?
あとで、ロケットを、大気のある火星へ送ったときに、ショック吸収
器具や翼につばさ必要なサイズを、計算するためのデータを、もたらしてくれ
16
15
るんだ。いずれにせよ、ミットキー、きみが戻れなかっ
|
地球人は出ていけ
/FB1/KeepOut/
地球人は出ていけ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ダプティンというのが、略称だ。最初は、アダプティンと呼ばれてい
たのが、ダプティンと、略されて呼ばれるようになった。それは、ぼく
たちを、適応させてくれるのだ。
10才の時に、みんなに説明された。彼らは、ぼくたちが10才にな
らなければ、理解できないと思っていたようだが、みんなは、すでに、
多くを知っていた。火星に着陸すると、すぐに、話してくれた。
「きみたちの故郷だよ、生徒諸君」と、主任の先生。ぼくたちのために
建設してくれた、プラスチック製のドームに入ってから、講義が始まっ
た。この夜の、特別講義は、とても重要なもので、全員、出席するよう
に言われていた。
その夜、先生は、ぼくたちに、なぜなのかやなんのためにも含めた、
すべてを、話してくれた。先生は、ぼくたちの前に立っていた。もちろ
ん、寒さを遮断する宇宙服を着て、ヘルメットをかぶっていた。ドーム
2
1
の気温は、ぼくたちにとって、適温だったが、先生にとっては、すでに、
凍るように寒く、空気も、すでに、先
|
アンラッキー
/FB1/Unfortunately/
ラルフNCー5は、監視スクリーンのアルクトゥルス第4惑星を見て、
安堵あんどのためいきをついた。コンピュータが、そう、教えてくれたのだ。
アルクトゥルス第4惑星は、ここでは、唯一の、人が住んでいる、居住
可能な惑星で、となりの太陽系まで、数光年離れていた。
彼は、食料を必要としていた。燃料や水は、じゅうぶんだったが、冥めい
王おう星の兵站へいたん部は、彼の偵察艇に物資を補充する際、食料を補充しわすれ
た。宇宙マニュアルによると、アルクトゥルス第4惑星の原住民は、友
好的だった。頼めば、なんでも与えてくれるという。
2
1
マニュアルには、この点について、詳細に記述されていた。自動操縦
で、着陸を指示すると、アルクトゥルス星人に関する記述を再読した。
「アルクトゥルス星人は」と、ラルフNCー5。マニュアルを、声に出
して読んだ。「ヒューマノイドではないが、
|
グレーの悪夢
/FB3/NightmareInGray/
寝ているあいだにわずかに角度を変えた。公園のベンチで座ったまま、
わずかに頭が下がり、前のめりになっていた。
公園は、夏よりやさしい春の緑であふれていた。その日は、重要な日
で、彼は若く、恋に落ちていた。すばらしい恋。目がくらむ恋。幸せに
なれたのは、昨夜のことで、土曜の夜だった。
2
1
彼は、スーザンに結婚を申し込み、スーザンはそれを受け入れたよう
に見えた。スーザンは、イエスと言う代わりにこう言ったのだ。
「そうね、返事をする前に、あした、うちに来て、家族に会ってほしい
の。うちの家族みんなを愛してほしいし、わたしと同じように、うちの
家族みんなもあなたを愛すると思うわ」
これがオーケーでなくてなんだろう?ふたりはあきらかに恋に落ちて
いた。それで、彼は、スーザンの家族に会いに来たのだ。
1
スーザンは、やわらかい茶髪に、キュートな小さいほと
|
囚人のピアノ
/TZ/TheConvictsPiano/
楽譜を開いて、ピアノに座った。
「1899年に発行か━━━」
初めての曲だった。右手だけで、出だしを弾いた。左手は、包帯をし
ていたが、なんとか弾けた。3・4小節で、軽快なリズムが出てきた。
夢中になって弾いてるうちに、いつのまにか、赤の楽団の制服を着て、
夜の公園の野外ステージでピアノを弾いていることに気づいた。
周りには、トランペットやホルンのブラスバンドが一緒に演奏してい
た。公園は、感謝祭のお祝いで、テーブルクロスが敷かれ、帽子をかぶ
って着飾った男女が、散策していた。
10
9
セーラー服を着た女性が、花火を持って、楽団に近づいてきた。リッ
クは、花火を受けとろうとして、手をのばした。
ピアノから離れた瞬間に、元の礼拝所に戻っていた。リックは、あわ
てて、立ち上がって、ピアノから離れた。
2
休憩時間の屋上。
「よお、リック!」と、サム。フットボー
|
パペットショー
/FB2/PuppetShow/
パペットショー
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
8月の泡立つような暑い日の午後、ホラーは、チェリーベルにやって
きた。
8月は、言うまでもなく、アリゾナ州、チェリーベルでは、連日、焼
けつくように暑かった。国道89号線で、だいたい、トゥーソンの南4
0マイル、メキシコ国境の北30マイルにあった。
2
1
1
国道の両側には、両方向の旅行者めあてに、ガソリンスタンドや、食
料品店、ビールとワイン専門の居酒屋や、国境まで待てない人たちのた
めに、派手な色彩の肩掛けのセラーペや、編革サンダルのヒュアラーチ
を売る店や、ハンバーガーショップ、それに、数十軒のメキシコ系アメ
リカ人の住む家があった。メキシコ系アメリカ人たちは、南の国境の町
のノガーレスで働いていて、なぜか、チェリーベルに住んで、時にはT
型フォードで、
|
ミットキーふたたび
/FB1/MitkeyRidesAgain/
「そして、それが、大気について、わしが正しかったかどうかを、教え
てくれるじゃろう。ホイットニー、ロケットが月に着いたとき、個室の
ドアが開いて、空気が遮断される。月に大気がない限り、きみは、5分
かそれ以下しか、生きられない」
「もしも、きみが、バルサ材を5分以上かじり続けていたら、月には大
気があることになるから、天文学者や分光器は、間違っていたことにな
る。スペクトルからライプニッツ曲線を引く際に、大間違いを犯してる
ことになる。そうだろ?」
受信機のスピーカーの振動版に、チーズをかじる音、チャップチョッ
プチョップ。そう、マイクロフォンの音は、美しく響いた。
「それじゃ、今から、ロケットに、送信機をセットしよう!」
20
19
4
昼が来て、夜が来た。そして、また、昼が来て、夜が来た。
人間は、ロケットを作り、うしろの壁の中では、ねずみが働いていた。
なにか小さ
|
アリスのアンダラン
/LC/AliceUnderGround/
「待って!」と言いながら、ウ
22
21
サギの後を追った。
◇
「きょうは、すべてがおかしいわ!」と、アリス。自分に。「きのうは、
すべてがふつうだったのに!夜に変わったのかしら?落ちついて考えて
みましょ!朝起きたときは、わたしは同じだったか?ちょっと違ってた
気がする。違ってたとしたら、この世界にいるわたしはなんなの?むず
かしいパズルだわ!」
アリスは、自分と同じ年齢の子どもたちと比較してみた。
「わたしは、ガートルードではないことは確かだわ。ガートルードは長
い巻き毛だけど、わたしはぜんぜん巻き毛じゃない━━━わたしは、フ
ローレンスではないことも確かだわ。わたしはいろんなことを知ってる
けど、フローレンスはほとんどなにも知らない。それに、フローレンス
はフローレンスだし、わたしはわたしよ。むずかしいパズルだわ!知っ
てたものが、ちゃんと分かるかテストしてみましょ!4×5は12、4
×6は13、4×7は14、あら、なんてことでしょう!このままでは
20になかなかならないわ!掛け算表は、証明にならない。地理がいい
わ。ロンドンはフランスの首都、ローマはヨークシャー
|
3つの願い
/XF/JeSouhaite/
カネ製造機だ!」と、レスリー。
「いいぞ、けどな、カネより、もっといいものがあるはずだ。なんだろ
うな。たとえば」
「それじゃ、願いごとの回数を、無限に」と、レスリー。
「それだよ!へへ!」
「願いは、3回よ。それだけ」と、女性。
「どうすりゃいいんだ!」
「だったら、こういうのは、どう?月並みでは、あるけど」
「なになになに?」
女性は、両手を広げて、レスリーにかざした。
「なになに?」と、レスリー。
「なんだよ!言えよ!」と、アンソン。
「もう、いいわ、忘れて!」女性は、言いたいことが、伝わらないので、
あきらめた。
「これだ!」と、アンソン。「これだよ!これっきゃない!いいか、聞
いて腰ぬかすなよ!オレの、最後の願いは、いつでも、好きなときに、
透明人間に、なれること」
「冗談でしょ?」と、女性。
「いや、これこそ、完璧だよ!だって、そうだろ?透明人間になれば、
26
25
な
|
屋根の上の少女
/TZ/IfSheDies/
と、医師。検査用紙を見ながら。
8
7
「さっき、動きました」と、ポール。
「無意識の反射です。回復の兆候が、見られない。昨夜も、危なかった」
「望みは、ありますよね?希望は、持っていいんですよね?」
医師は、答えなかった。
「お願いです、助けてください。妻のソフィーを、去年、亡くしたばか
りなのに」
「分かっています」
「ぼくには、あの子しかいない。あの子が死んだら、いったい、どうす
れば」
「最善を尽くします。睡眠導入剤を飲んで、ゆっくり休んでください」
「娘が、呼んでいる気がする。きっと、心の中で、ぼくを呼んでるんだ」
キャシーは、まったく、動かなかった。
「帰ってください。何かあれば、連絡します。よく、休んで」
「帰っても、休めるわけない」
◇
病院を出て、通りにとめた車に乗ろうとして、ドアをあけた。そのと
き、病院のとなりの大きな屋根の上に、少女が白の長い服
|
聖なる神殿の謎
/ST/DS9_1_1_1/
デノリアスベルトへ向かっています」
と、オブライエン。
「オブライエン、このステーションをワームホールの入り口に移動でき
ないかしら?」と、キラ少佐。
「これは、宇宙船じゃないんですよ。反動推進エンジンを六基備えてい
るに過ぎない。1億6000万キロ進むには、2か月はかかる」
「明日までには、着きたいわ」
「へへ、そんなこと不可能ですよ」
「あのワームホールは、この宇宙域全体の未来を切り開くものよ。ベイ
ジョーとしては、領有権を確保したいわ。くやしいけれど、惑星連邦の
後押しがあれば、こちらの主張は、通りやすいでしょうね」
「ディフレクタジェネレータで、亜空間フィールドを拡大できないかし
ら。ローレベルのフィールドでステーション全体を包むのよ」と、ダッ
クス中尉。
「そうすれば、慣性質量が落ちる」
82
81
「ステーション自体が軽くなれば、六基のエンジンでも、十分に移動で
きるわ」
|
ふくろぅ3兄弟
/FB3/Owl/
1
昼間はお母さんが見張っていたので、できなかった。しかしある日、
少しのあいだお母さんが巣を留守にした。
「やってみよう!」と、長男。次男に。
「なにをためらってるのさ!」と、末っ子。
3兄弟は、うろから、明るい日射しのなかへ出た。ふくろぅの夜用の
目は、まぶしくてほとんど見えなかった。
長男は、となりの木の枝にすわって、明るい日射しに目をまばたきし
た。
そのとき、木の下から「バン!」という音がして、弾丸が長男の尾の
羽を貫通した。
「ホォォォォォ!」と、長男。ハンターがまた撃つまえに、家に逃げ帰
った。
次男は、地面に降りた。まばたきを2回してから、まわりを見渡すと、
やぶの向こうから大きな赤ぎつねが来るのが見えた。
「ガゥゥゥゥゥ」と、赤ぎつね。次男にとびかかった。
「ホォォォォォ!」と、次男。すんでのところでにかわして、木のうろ
に逃げ帰った。
4
3
|
おばばのバースデイ
/FB3/GrannysBirthday/
みんな集まってい
た。3人の息子はみんな結婚していて、妻たちもいた。おばばも合わせ
て、8人のハルペリン家がいた。さらに、4人の孫がいて、そのうちの
ひとりには妻がいたので、合計13人のハルペリン家がいた。スミスと、
もうひとりの非ハルペリン家の男のクロスを入れると、15人のおとな
がいた。もっと早い時間には、3人のハルペリン家のひ孫がいたが、夜
になって、それぞれの年齢に応じた時間にベッドへ行かされた。
スミスは、みんなが好きだった。お酒が自由にくみかわされ、スミス
の好みよりは、パーティは少々、だんだん大声でにぎやかななものにな
った。全員が酔っていた。おばばさえ、玉座には見えないイスに座り、
今夜3杯目のシェリーのグラスを手にしていた。
「おばばは、小柄だがとてもやさしく活発な老婦人だ」と、スミスは思
った。「たしかに女家長だ。ビロードの手袋と鉄の棒で家族を支配して
いる」スミスはたとえ話を混乱するほど、酔っていた。
スミスは、おばばの息子のビルハルペリンに招待されていた。スミス
は、ビルの弁護士であり友人だった。もうひとりの非ハルペリン家のジ
ーンクロスは、ハルペリン家の孫の世代の誰かの友人に見えた。
4
3
|
オーマイガー
/FB2/Jaycee/
言
った。
「ぼくが正しかった」
「正しいって、なにが?」
6
5
「ジョンのことだよ。だれにも言ってなかったんだが━━━。昨夜のパ
ーティーで、お酒を切らしたとき、ジョンがなにをしたと思う?」
ドクターラルストンは、まゆをひそめた。
「水をワインに変えたのかい?」
「ジンに変えたんだ。みんな、マティーニを飲んでいたんでね。さっき
も、ジョンは、サーフボードなしで、サーフィンに行くというので、た
ずねると、想像力さえあれば、そんなものは、必要ないというんだ」
「なんて、ことだ」と、ドクターラルストン。顔を手でおおった。
かつて、人類史上、1度だけ、処女懐胎があった。今、5000万の
処女懐胎で生まれた少年たちが、元気に育っていた。
10年後に、新たな5000万のジェーシーが現われることだろう。
「なんてジーザス、ことだクライスツ」と、ドクターラルストン。なみだ声になった。
「
|
小さな子羊よ
/FB/TheLittleLamb/
2
1
月明かりの夜で、明るく澄んでいた。街頭の明かりは点々と、丘の曲
線は、黄の大きい月に、青に黒を重ねて、続いていた。ここを描かくべき
気がしたが、月はだめだ。誰でも画えに月を入れたとたん、それは、こっ
けいで、こぎれいな画えになってしまう。ヴァンゴッホは星空の画えに月を
入れたが、これは、こぎれいどころか、驚嘆 きょうたんする画えだった。ただ、彼は
これを描かいたとき、正気ではなかった。正気な人間は、なかなか、ヴァ
ンゴッホのようには描かけない。
パレットを洗っていなかったので、もう少し、画えを続けようとした。
二日ふつか前にはじめた画えだった。緑をパレットで混ぜはじめたが、思う色が
作れなかった。やはり、昼間の光を待たなくてならないことを、痛感さ
せられた。夜は、自然の光がないところでも、下書きや仕上げはできる。
しかし、色を作るとなると、昼間の光を待たなくてはならない。汚れた
パレットを水洗いして、朝になったら、新しくやり直すことにした。刷は
毛けも洗った。9時に近く、まだ、彼女は帰ってなかった。
4
3
|
黄の悪夢
/FB2/NightmareInYellow/
1年前、確実に儲かる方法で、
2倍か3倍にする投資に使うために、5万ドルを借用した。しかし、う
まくゆかなかった。それで、その損失をうめるために、あれやこれやと、
ギャンブルに手を出して、さらに多くの金を借用した。
その額は、今では、30万ドルをこえていた。あと2・3か月しか不
足分を隠しとおせなかった。その間に、不足分を返せる見込みもなかっ
た。
それで、疑惑をもたれないように、注意深く、不動産を売りはらいな
がら、現金の額を増やしていった。今日の午後には、残りの人生を送る
のにじゅうぶんな、100万ドルをこえる逃走資金が手にはいる。
4
3
彼のことは、だれにも気づかれていなかった。じゅうぶん計画して、
逃走経路や、目的地、新しい身分証やらを、ことこまかに準備した。き
わめて簡単な作業だったが、なんか月もかけた。
2
妻を殺すことにしたのは、どちらかといえば、
|
ファブクリップ
/FB5/FabClip/
働く意味が変わる。でも、いいスタートが
切れる。ぜひ、戻ってきてくれ!」
「ええ」と、オレ。「戻ります」
「おやじさんのロッカーに物が残っている。送ることもできるし、ある
いは、取りに来るかい?」
「取りに行きます」と、オレ。「清算分もあるし、3日以内に行きます。
父の分も。月曜から水曜の間に行きます」
「事務所に、準備しておくように言っておく」と、ジェイク。
葬式が終わって、棺にひつぎ土をかけたあと、アムは、いっしょに家に来た。
オレたちは、輪になって座っていた。話すことは、多くはなかった。
アムがトランプをしようと言って、アムとおふくろと、オレがしばらく
遊んでいた。ラミーだった。
アムが帰るとき、オレもいっしょに廊下に出た。アムは言った。
「今夜は、ゆっくり休め!じゅうぶん休んでから、行動開始だ。明日の
午後、ホテルに来てくれ」
「オーケー」と、オレ。「今夜じゅうに、やっておかなければならない
176
175
|
死の手紙
/FB3/DeadLetter/
警部補」と、バブコック。「私のボスのコングレスマ
ンクインから、すいぶん前に手紙を渡されました。そして、もしもコン
グレスマンクインになにか普通でないことが起こったら、すぐに手紙を
ラバティに手渡すように言われました。それで、ラジオの知らせを聞い
て━━━」
「ああ、知ってる。クインは昨夜遅くに殺された。きみはクインの下で、
どんな仕事をしていたのかね?」
6
5
エピローグ
「それは、極秘ですが、今となっては、極秘でもないでしょうね。私は、
ボスの代わりに、重要でないスピーチやボスが出たくない会合に出てい
ました。そうです、警部補。私は、ボスの影武者です」
(終わり)
8
7
|
アボミっぽい
/FB3/Abominable/
1
シャウンシー卿は、女性の目利きでもあった。ここでひとりで挑戦す
る理由がそれで、危険な登山というだけでなく、危険な救出でもあった。
もしも、ローラガブラルディが、まだ、生きていれば、アボミっぽいス
ノーマンにつかまったのだ。
シャウンシー卿は、ローラガブラルディ本人に、直接会ったことはな
かった。彼女のことを知ったのは、1ヶ月にもならない前で、彼女が主
演する映画を見たのだ。その映画で、彼女は突然、地球上でもっとも美
しい女性、イタリアが生んだ最も美しい映画スターとして伝説になった。
シャウンシー卿が理解できないのは、イタリアが彼女を生み出したこと
だった。彼女は、世界中の女性の目利きの心に残る、完成された女性美
として、バルドーやロロブリジッダ、エクバーグに、とって代わった。
シャウンシー卿も、女性の目利きのトップとして、そうだった。映画で
彼女を見た瞬間、彼女本人に会わなければならないことを、たとえ死ん
でも、そうしなければならないことを知った。
しかし、その時まで、ローラガブラルディは失踪しっそうしたままだった。最
初の映画の休暇で訪れたインドで、登山家のパーティに参加して、オブ
リモフ山の登山をすることになった。パーティのほかの全員は戻ったが、
ローラは、戻らなかった。パーティのひとりの話では、手をのばせば届
4
3
くか届かないようなところで、彼女は
|
帰ってきたカーン
/ST/StarTrek2013/
「待って!」と、ウォレス。「わたしが、父と話をしない限り、船の全
員が殺されます」
「ウラ中尉、つなげ!」
ウラは、無線機器をたたいた。
「提督」と、ウォレス。「わたし、キャロルです」
◇
エンタープライズに、いくつもの直撃弾。近くに、月。遠くに、地球。
ヴェンジェラスの攻撃が、止まった。
◇
エンタープライズのブリッジ。カークの前に、ウォレス。
160
159
スクリーンに、マーカス。
「おまえは、その船でなにをしている?」と、マーカス。
「話を、聞いてました」と、ウォレス。「自分の犯した間違いを、ただ
そうとしているのよね?でも、お父さん、わたし、信じませんから。育
ててくれた父が、無実のクルーの、大勢乗った船を、撃墜できるなんて。
もし、わたしが間違っていれば、わたしごと撃墜してください」
「いいや、そんなことは、しない」
ウォレスの、転送シーケンス
|
アンドロメダⅡの来訪者
/FB/AllGoodBems/
十分だ。新しい宇宙船を、ぼくたちは、数時間で作れる。
これは、きみたちにとっては、ビックリすることだろうけど、ぼくたち
は、遅い次元で作業できるからね」
「ああ、そうか」と、エルモ。
「どういう意味なの?」と、ドロシー。
「遅い次元さ」と、エルモ。「前に、オレが書いたストーリーで使った
アイデアだよ。時間比率の異なる次元へ行って作業すれば、そこでの1
か月は、帰ってくれば、こちらの次元では、出発してから数分か数時間
しかたっていないのさ」
「あなたがそれを発明したの?エルモ、すごいじゃない!」
エルモは、ドーベルマンに向かって言った。「それが、おまえらの要
求のすべてかい?宇宙船が完成するまで、おまえらを、ここにいさせて
あげて、このことを誰にも話さない」
「そのとおり!」と、ドーベルマン。うれしそうだった。「不必要な不
便は、強しいないよ。ただし、きみたちは、監視される。ファイブか、ぼ
くによって」
「ファイブ?どこにいるんだい?」
「ビックリしないでほしいけど、ファイブは、イスの下にいるよ。さっ
き、ドアの穴から入ってきたんだ。ファイブ、こちらは、エルモスコッ
24
23
ト
|
人形の家で
/TZ/Miniature/
男が寝室に入ったのを見て、チャーリーは、近くにあ
った像で、ガラスケースを割った。すぐに、警備員が、駆けつけた。警
備員は、チャーリーが持っていた像を預かった。
「男が、彼女を」
「なんですって?」
「昨夜、キスを断られたのに、また、やって来た」
「そうですか」警備員は、チャーリーの腕をとって、静かに出口に誘導
した。
「男は、止めようとしたメイドを殴って、彼女を襲った。男は、彼女を
抱えて、寝室へ。なんとかしなきゃと思って」
「そうでしょうとも。分かりますよ」
「止めようとした。止めるために━━━」
ガラスケースを割られた人形の家は、なにごともなく、アイリーンは、
ピアノの前に座っていた。
◇
チャーリーは、ワードローブを着て、ソファにいた。精神科医は、自
分のタバコに火をつけた。
「あなたは、確かに」と、精神科医。自分のイスに腰掛けた。「その光
46
45
景を見たの
|
まだ終わりじゃない
/FB3/NotYet/
スイッチに触れて、スクリーン
4
3
をオンにした。スクリーンには、下界の様子が映しだされた。
「キューブは、第3惑星の夜の側にいる。下界は雲の層だ。ここからマ
ニュアルに切り替える」
カーは、パネルを操作した。
「ラル、スクリーンを見てくれ!」と、カー。「光の列が規則的に並ん
でいる!都市だ!この惑星には生物がいる!」
2
ラルは、別のコントロールパネルの攻撃用ボードに移って、ダイアル
に触れた。
「脅威になるものはない」と、ラル。「都市をおおうフォースフィール
ドの痕跡こんせきもない。ここの種族の科学レベルは低そうだ。都市は、攻撃す
れば1発で吹き飛ばせる」
「そうだな」と、カー。「しかし破壊は今回の目的ではない。標本がい
る。もしも標本がレベル以上なら、艦隊を呼んで、数千の奴隷を必要な
だけ確保したら、都市だけでなく惑星ごと破壊すればよい。そうしてお
|
殺人レッスン
/FB4/Lesson/
準備を━━━ボロもうけの列車を乗
っ取る準備ををすませた。
8
デュークエバンズは、うまくやり遂げるかもしれない。失敗しないよ
うに、拳銃で。ニックは撃たれて死んだようにみせた方がいい理由があ
った。
デュークエバンズは、ある日、車を盗んで、カバーをかけて夜遅くま
で隠した。ニックが自宅に帰ると、電話をかけた。デュークは、自宅に
いるニックが見える場所にいた。ニックを監視してなにが起こっている
か見ることが重要だった。ニックは今までは、手下を自宅に来させない
ようにしていたが、あるいは━━━。
28
27
とにかく、詳細はどうでもよかった。ニックは服を着て、2ブロック
歩くために出てくる。近いので、車をガレージから出すことはしないだ
ろう。そして、ニックは、そこの角を曲がることになるだろう。
デュークは、車を電気を消して停めていた。ちょうどいいタイミング
でエンジンをか
|
アリスのルッグラン
/LC/AliceLooking/
笑ってしまった。「そんなこと考えてたら、泣く
ひまないわ!」
「それが、ねらいよ!」と、白の女王。「だれも2つのことを、同時に
考えられない。あなた、お名前は?今、いくつなの?」
「アリスです。7才半。ちょうど」
「『ちょうど』はなくても、信じます。わたしのことを言うと、あと、
5ヶ月と1日で、101才です」
122
121
「信じられません!」と、アリス。
「どうして?」と、白の女王。残念そうに。「もう一度、考えなさい。
深く息をしてから、目を閉じて!」
「ムリだわ!」と、アリス。笑いながら。「不可能なことは、信じられ
ません!」
「もっと練習が必要なようね!」と、白の女王。「わたしがアリスくら
いの頃は、毎日30分は練習したわ。朝食の前に、いつも6つの不可能
なことを信じたわ!あら、ショールがまた、はずれそう!」
ブローチがはずれ、ショールは風に乗って、小さな小川の向こうに飛
ん
|
ユスタックウィバーの短い生涯2
/FB3/Weaver2/
ユスタックウィバーの短い生涯2
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。手持
ちは2ドルしかなく、やっている近くの競馬場までの飛行機代にもなら
なかった。
2
1
1
ユスタックウィバーは、倉庫係として働いていたスーパーマーケット
の金庫にねらいをつけた。金庫には、少なくとも千ドルはあり、タイム
ロックだった。タイムロックは、タイムマシンにとってはあひるのスー
プ
|
失われた文明1透明人間
/FB3/Discovery1/
ハーレムに入った。50人あまりの
美女たちが、フロに入ったり全身に香油や香水をていねいに塗って、美
を保つために昼間の時間を使うのを眺めながら、楽しい午後を過ごした。
ひとり、コーカサスの女性がとりわけ気になった。
「だれもが考えることだろうが」と、プレーターは考えた。「夜までい
たとしても、あすの午後まで透明でいられるので、まったく安全だ。そ
れなら、明るいうちに、彼女の寝室を確認しておいて、電気が消えたら、
室にすべりこもう。彼女はサルタンが来たと思って、喜んで迎えてくれ
るはずだ」
6
5
3
プレーターは、彼女の入った室を覚えておいた。武装した宦官かんがんが、カ
ーテンドアにそれぞれ1名づついて、寝室を守っていた。彼は、女性が
完全に眠ったと思われるまで待ってから、宦官かんがんがホールの方を向いて、
カーテンドアの動きに気づかない瞬間をねらってすべりこんだ。ホー
|
エコーバック
/FB3/Rebound/
それで、彼は、暴力
犯罪に関わることは一切なかった。
2
1
1
ある夜、スネルは、食堂の電話ブースで、競馬のノミ屋と、その日の
午後のレースで電話で賭けた当たり馬券が、3連単か3連複かで、言い
争いをしていた。ついにあきらめて、スネルは、言い放った。
「死んじまいな!」
そして、受話器をたたきつけた。
そのことを、スネルはそのまま忘れていたが、つぎの日、そのノミ屋
が、電話しながら死んだことを聞かされた。ちょうど、スネルと話して
いた時刻に。
このことは、ラリースネルに考える材料を与えた。スネルは、無学で
はなく、魔力について知っていた。実際、前に魔力を試してみたことが
あった。まったく効果はなかったが。なにが変わったのだろう?試して
みる価値はあった。注意深く、20人のリストを作った。いろいろな理
由で、スネルが憎んでるやつらだ。そして、順番にひとりづ
|
致命的なミス
/FB3/FatalError/
バールで窓はすぐにあいた。音もしなかった。ウォルターバクスター
は、居間にはいった。寝室のドアはあけっぱなしにして、そこから物音
はなかったので、さきにどろぼうのふりをすることにした。叔父お じが現金
を置いていた場所は分かっていたが、あえて捜しまわったようにした。
月明かりはじゅうぶんで、静かに手順通りに━━━。
2時間後には、ウォルターバクスターは、家に帰って、すぐに服をぬ
ぎ、ベッドに入った。警察は明日あ すまで犯罪に気づかないだろう。しかし
すぐに来たとしても準備はできていた。現金とバールは始末してあった。
数百ドルを捨てることは痛かったが、それがもっとも安全だった。5万
ドル相続することを考えたら、なんでもなかった。
4
3
2
ドアをノックする音がした。もう?ウォルターバクスターは、自分を
落ち着かせて、玄関に行ってドアをあけた。保安官と助手が入ってき
|
ユスタックウィバーの短い生涯3
/FB3/Weaver3/
4
3
2
ユスタックウィバーは、ロサンジェルスのダウンタウンでタクシーを
拾い、高級ホテルにチェックインした。もう夜遅かったので、待ち時間
をなくすため、翌日にジャンプしようと考えたが、あまりに疲れて眠い
ことに気づいた。ベッドへ行き、つぎの日のお昼までぐっすり眠った。
翌日のタクシーは、フリーウェイで渋滞に巻き込まれて、サンタアニ
タの第1レースに間に合わなかったが、レース結果のボードには間に合
ったので、勝った馬番を自分の予想新聞に書き込んだ。さらに5レース
見て、実際には賭けずに、結果だけメモした。最終レースはジャマしな
いことにした。
ユスタックウィバーは、スタンドを降りて裏の方へ行き、誰にも見ら
れない隔離されたような場所へ行った。タイムマシンのダイアルを2時
間前にセットしてボタンを押した。
なにも起こらなかった。もう1回やったが、同じだった。背後で声。
「マシンは、動かないよ!不活性フィールドでおおってある!」
ユスタックウィバーは、振り返った。ふたりの背の高いスレンダーな
若者が立っていた。ひとりはブロンドで、もうひとりは黒髪だった。ふ
たり
|
ファーストコンタクト
/FB3/Contact/
しかしこれは、火星と地球のあいだの物理的接触とし
ては、最初のものだ」
キーは、低いイスに座った。「たしかに。私は最近の報告は読んでま
せんが、なぜ地球人は、水爆の弾頭を使うのでしょう?この惑星には、
だれも住んでいないと思っているのでしょうか?」
「地球人は、月の望遠鏡で閃光を観察して、彼らの言葉では、分光法分
析をおこなって、ここの大気や地表についての彼らの今の考え━━━そ
の大半は間違った考えだが、それを深めようとしている。それは、いわ
ば、水爆の閃光分析といったものかな、キー。地球人がここに来れば、
多少の反対意見があることを知ることになろう。そうすれば━━━」
4
3
2
火星は、長いあいだ地求人が来るのを待っていた。火星に残されたも
のは、人口900人だけの小さな村だけだった。火星の文明は、地球よ
り古かったが、死にかけていた。1つの村と900人の人間、そ
|
ティラノサウルス
/FB1/Runaround/
ティラノサウルス
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
長い日々のあいだ、彼は、空腹の森をぬけ、低い木や砂の、空腹の平
原を横切り、のっそりとさまよった。大きな水に流れこんでいる、静寂
の流れのわきに沿って、さらに、さまよった。いつも、空腹だった。
ずっと、長いあいだ、空腹だった。
たまに、食べられそうなものがいたが、いつも小さかった。ひづめの
あるやつだったり、足指が3つだったりした。みんな、とても小さかっ
た。そんなやつらの1匹では、彼のものすごい食欲のほんの1片しか満
たしてくれなかった。
2
1
それに、小さいやつらは、とてもすばしっこく走った。やつらを見つ
けて、大きな口からよだれをたらしながら地面をゆらして突進してゆく
と、やつらは、木々のあいだを毛皮のいなづまのように、さっと、どこ
かへ行ってしまっ
|
夢、遥かなる地にて
/ST/DS9_6_4_1/
40
39
「それは、やめた、主人公は、私たち黒人だ」と、ベニー。
「へっへへ、じゃ、おれたちが月へ行くっていうのかい?」
「ああ、来月号を見てくれよ」
「へっへへ、おれたちが月にねえ、へ、それもいいかもな、でも、まず
は、現金を稼がないとな」
◇
編集部では、ベニーが昨夜書き上げたタイプ原稿をみんなでまわし読
みしていた。
「あっははは、お腹に虫が入っちゃうんだ、うふ、やあだ、気持ち悪い。
おもしろいけど、気持ち悪いわよね」赤いドレス姿のジャッシアダック
ス中尉、ここではダーリーンは、チューインガムをくちゃくちゃいわせ
ながら大声を出した。
「ええ、ところで、君は、そのお、なんというか質問させてもらうと、
君は、その、いったい」と、アルバート。
「パブストさんの新しい秘書の、ダーリーンカウスキー。これ書いたの
誰?」
「私だ」と、ベニー。
「あなた?」と、ダーリーン。
|
チャンスふたたび
/FB3/SecondChance/
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ジェイとオレは、シカゴのニューコミスキー球場の内野スタンドにい
た。1959年のワールドシリーズ10月9日の試合のリプレイが、そ
ろそろ始まろうとしていた。
オリジナルゲームは、ちょうど500年前で、ロサンジェルスドジャ
ーズが9対3で勝利し、4勝してシリーズを制し、ワールドチャンピオ
ンとなった。オリジナルゲームと可能な限りまったく同じ条件でゲーム
は始まるが、結果が違ってくることはありうる。
2
1
1
シカゴホワイトソックスの選手たちがフィールドに出てきて、内野で
ボールをまわし始めた。先発ピッチャーのウィンは、マウンドでボール
を受けとると、ウォームアップピッチングを始めた。クルツェフスキー
がファースト、フォックスがセカンド、グッドマンがサード、そして、
アパリシオがショート
|
ノヴァリアン試用版
/novelyan/guestroom/
あなたは、すでに、ノヴァリスト!
サンプルあり(
1
2
3
) presented by bilyzkid
◆◇◆◇◆◇
or
and
(全角のみです)
京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
ノヴァリアン NOVELYAN 1.20 試用版
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novファ
|
緑の世界
/FB/SomethingGreen/
きっと、きみも、好きになるさ」
マクガリーは、ふりかえって、茶の平原に茶の茂み、上空には、青紫
の空に、赤く輝く太陽を見渡した。たえず、赤く輝く太陽、クルーガー
は、この惑星では、けっして沈まず、昼が終わることはなかった。惑星
の同じ片側を、つねに、太陽に向けているからだ。地球の月が、つねに、
表側を地球に向けているのと同じだ。
昼もなく、夜もなかった。影の境界線を越えて、氷つくような寒さで、
生命を維持できない、夜の側に行かない限り。季節もなかった。気候は
一定で、気温も変わらず、風もなく、嵐もなかった。
8
7
「たとえ、住みにくい星であったとしても」と、マクガリーは、考えた。
何千回目か、いや、何百万回目に。「地球のような、緑があったらなぁ
━━━たまに、ソラーガンの閃光で見れる以外の、緑の世界があったら
なぁ━━━」
ここには、呼吸できる大気があり、気温も、影の境界
|
アリスのビックリラン
/LC/AliceWonder/
◇
沈黙を破ったのは帽子屋だった。
「今月には、どんな日がある?」と、帽子屋。アリスに。
帽子屋は、ポケットから時計を取り出して、振ったり耳に当てたりし
た。
「4日!」と、アリス。少し考えてから。
「2日違う!」と、帽子屋。ため息をついた。そして、3月ウサギを怒おこ
ったように見た。「バターは合わないって言ったはずだよ!」
「いいバターだった!」と、3月ウサギ。楽しそうに。
「パン粉も入れなきゃだめ!」と、帽子屋。「パン用のナイフは使わな
い!」
3月ウサギは、自分の腕時計を、憂うつそうに見た。腕時計を自分の
122
121
紅茶につけてから、また、見た。
「いいバターだった!」と、3月ウサギ。繰り返した。
アリスは、3月ウサギの時計を肩越しに見ていた。
「おもしろい時計!」と、アリス。「今日の日付はあるけど、時刻はな
い!」
「それが?」と、帽子屋。「きみの時計は、今
|
サアルバの国
/FB1/DeathOnTheMountain/
けっして変化しないのだ、と答えた。
夜に、彼は、星や谷の光を見た。谷の光は、消灯時刻になると消えた
が、星は、消えなかった。星は、あまりに遠くにあるので、消灯時刻の
ベルが聞こえなかったのだ。
明るい星があった。3日目の夜には、山の雪の積もった頂の いただきすぐ上ま
で降りてきたので、彼は山頂までのぼり、星に話しかけた。星は、答え
なかった。
彼は、星で時を数え、星の進行で3日ごとに時を数えた。3日が1週
間であった。谷の人々にとっては、7日が1週間であった。谷の人々は、
サアルバの国を夢で見たことはなかった。サアルバの国では、水が上へ
流れ、木の葉は、明るい青の炎で燃え、燃えても、燃え尽きることはな
く、3日が1週間であるという。
6
5
2
1年前に、彼は谷へおりて行った。彼は、人々と話し、時には、人々
の夢を見た。人々は、彼を預言者と呼んだが、小さい子供た
|
オブライエンの孤独
/ST/DS9_2_4_2/
◇
オブライエンの室。
ステーション日誌の再生が、続いた。
「非武装地帯のいくつかで━━━」と、シスコの声。
「現在までに、存在が報告されていない生命体を発見」と、ダックス中
尉の声。「分類上は、原生動物門に属する━━━」
「行方不明になったのは」と、シスコの声。「ベイジョー7号星の3番
目の月付近で、捜索のため━━━」
「政府のお偉方なんて」と、キラ少佐の声。「結局、なんにも分かって、
いないのよ!到着する船を、すべて検査しろだなんて━━━」
「1700時の時点では」と、ドクターベシアの声。「なんの問題もな
く、正常に機能しているようだ。私の見るところでは━━━」
「カーデシアも、協定を破るつもりは、ないようだ」と、シスコの声。
オブライエンは、ソファーに横になって、聞いていた。
「アクセスが拒否されました」と、コンピュータ。
オブライエンは、起き上がった。
「拒否?」と、オブライエン。「どこへの、アクセスなんだ?」
「宇宙暦47569・4以降の日誌へのアクセスは、限定されています」
52
51
「オレが戻った日だ━━━アクセスの限定範囲は?」
「レベル1の、セキュ
|
ハンスカーベルのリング
/FB3/HansCarvel/
お金以外で与えられるものが、彼女を満足させるには十分では
なかったかもしれなかった。かもしれない?はっきり言おう。十分では
なかったのだ。不自然にならないように、ハンスカーベルは、調査を依
頼して、妻が浮気をしていることを知った。ハンスカーベルは、心が動
揺して苦しみ、夜眠るたびに悪夢に悩まされた。
2
その悪夢のひとつに、ある夜、デビルが現われた。ハンスカーベルは、
悩みを打ちあけて申し出た。
「なにか妻の貞操ていそうを保証してくれるものがあったら、ここにあるお金で
譲ゆずってほしいのだが!」
「もちろん、いいとも!」と、デビル。「魔法のリングをあげよう。目
覚めたら、リングがあるよ。そのリングをはめている限り、きみの奥さ
んがきみに隠れて浮気をすることは不可能だ」
4
3
デビルは、消えた。
ハンスカーベルは、目覚めた。
そしてリングをはめていることに気づいた
|
赤の悪夢
/FB1/NightmareInRed/
赤の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、なにによって起こされたのか、わからないまま、目が覚めた。
最初のゆれのあと、1分で、2回目のゆれが来た。ベッドが少しゆれ、
タンスの上の小物が、ガタガタと、音をたてた。3回目のゆれを、横に
なったまま、待っていたが、来なかった。その時までは、来なかった。
ほとんど目が覚めてしまっていて、もう、眠ることができなかった。
時計の夜光盤を見ると、まだ、真夜中の3時であった。ベッドから出て、
パジャマのまま、窓のところまで歩いた。暗い空に、点滅する光が見え
た。夜の音が聞こえた。どこかで、ベル。
2
1
しかし、なぜ、この時間にベルなんか?災害を知らせるベルなのか?
ここの軽いゆれが、どこか近くで、大きな地震につながったのだろうか?
あるいは、これから、ほんとうの地震が来る、という
|
SFミステリー (小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン) ライトノベル風
/
(画像提供:
ISFDB)
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
presented by bilyzkid
SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
試用版 ゲストルーム
◆◇◆更新ニュース◇◆◇
一.
試用版 ゲストルーム
をリリースしました。
二.
サイト 内 検索
をリリースしました。
三.
郵便番号検索
をリリースしました。
四.
世界の国旗
をリリースしました。
五.
和暦⇔西暦・早見表
で、令和を新年号としました。
六.
広告ページを
としました。
(
ページ:ネットゲーム・健康広告あり
ページ、その他:広告なし)
◇◆Alt-P (印刷ページ)Enterで、広告なしに移れます◇◆
左
中央:初出年月
|
ナッシングシリウス
/FB2/NothingSirius/
テントの奥から歩いてきた。オレが、ひとりの女性
と言ったのは、ひとりという以外、適当な言葉を思いつかなかったから
だ。彼女は、聖セシリア、アーサー王の王妃グィネヴィア、それに、ジ
ャンヌダルクの融合体だった。彼女は、ニューメキシコで見る夕陽、火
星の赤道公園から見る冷たい銀の2つの月のようだった。彼女は、金星
の春の渓谷、バイオリンを弾くドルザルスクのようだった。彼女は、ほ
んとうに、なにかだった。
36
35
オレの横から、別のため息が聞こえた。それは、なじみのないものだ
った。なぜ、なじみがなかったか、すぐに、分かった。オレは、ジョン
レーンが、ため息をつくのを、今まで、聞いたことがなかった。見ない
ようにするのは難しく、横目でチラリと彼の顔を見た。
「ああ、かわいそうなエレン」と、オレは考えた。そのかわいそうな青
年は、疑いもなく、去っていった。
ちょうどその時、たぶん、
|
つくられた記憶
/ST/DS9_4_5_3/
「6年もこんなところに閉じ込められていて笑いでもしなけりゃ、どう
にかなっちまうよ。笑う方がいいだろ?」
収容所のアナウンスが響いた。
「全受刑者はこれから睡眠時間です、睡眠時間に起きて活動している受
刑者は罰せられます、照明は20秒後に暗くなります」
「おやすみ、マイルズ。夜中に笑いたくなったら遠慮なく笑ってくれ。
私は起きないから、ふふ、へへへへ」と、イーチャー。
「今から、睡眠時間に入ります」と、アナウンス。
「ううん、マイルズ」と、イーチャー。
24
23
2
クワークの店で、ウォーフ少佐とマイルズオブライエンは、ダーツを
やっていた。
「君の番だ」と、ウォーフ少佐。
「17をあとひとつ取るのか?」と、オブライエン。
「いやあ、どうだったかな?」
「忘れちまったよ」
「じゃあ、やり直そうか?」と、ウォーフ少佐。
「いやあ、いいよ、無理してつきあってくれなくても、僕
|
幻の指揮官
/ST/VGR_6_1_4/
複数の作業を同時にこなせるんで
す」
「だけど、あなたの、この提案は、━━━なんて、タイトルだった?」
「ECH、緊急司令ホログラムです」
「アイデアとしては、おもしろいけど、私が指揮不能に陥 おちいった時のため
の、艦長のバックアップなんてね。でも、プログラムの改良に、何か月
もかかるわ」
「いつか、クルーの生死がかかわる時がきます」
「残念だけど、答えは、ノー。でも、正式な回答として言うけど、この
提案は考慮に値すると、艦隊に報告するつもりよ。アルファ宇宙域に戻
ったら、かならずね」
「ありがとうございます」と、ドクターは、自分が提出したパッドを受
け取った。
22
21
「どういたしまして」と、ジェインウェイ。退席するドクターを見送っ
た。
◇
ドクターは、自分の要望が、通らなかったことに、がっかりした様子
で、つき返されたパッドを眺めながら、医療室に戻ってきた。ドア
|
白の悪夢
/FB3/NightmareInWhite/
プロローグ
彼は、突然目覚めた。完全に目覚めていて、眠るつもりもなかったの
に、なぜ眠ってしまったのかと訝りいぶかながら、すぐに腕時計の蛍光文字板
を見た。文字板がなければ真っ暗闇の中で、明るく光っていた。11時
数分過ぎだった。彼はホッとした。ほんの少し、うたた寝しただけだっ
た。このソファに横になってから、まだ30分もたっていなかった。妻
がおやすみを言いに来るには、まだ早い。彼の姉が、完全に眠り、寝息
をたてるまで待ってからだ。
2
1
1
それは、バカらしい話だった。ふたりは、3週間前に結婚したばかり
で、ハネムーンの帰りだった。ふたりが別々に寝るのは、これが初めて
だった━━━すべては、彼の姉のデボラが、帰り道の途中にある自分の
アパートに泊まってゆくよう、バカらしい提案をしたからだ。あと4時
間のドライブで帰れるのに、デボラは譲らず、主
|
ナスティ
/FB3/Nasty/
読んだりするのを楽しんでいた。しかし、そ
れらを、まじめにとらえたことはなかった。今までは。今、彼に、なに
か、失うものがあっただろうか?
かびの生えた、悪のにおいのする、稀少本の1冊に、求めるものを発
見した。書かれているとおりに、5頂点の星型を描き、秘密のマークを
コピーして、ろうそくに火をともした。そして、呪文を大声で唱となえた。
1筋の閃光のあと、煙が舞った。そして、悪魔。悪魔を、あなたが好
きにはなれないことは保証するが、どんな姿か述べるのはやめておこう。
「きみの名前は?」と、ビュレガード。声を一定にしようとしたが、す
こし震えていた。
悪魔は、叫び声と口笛の中間のような声を出した。大きなバイオリン
を、のこぎりで弾いたときに出る倍音を伴っていた。
「そうだね、おまえには、発音することができないよ。おまえたちのゆ
るい言語では、翻訳すると、ナスティかな。ナスティって、呼んでくれ
たまえ!おまえのほしいものは、ふつうのものかい?」
「ふつうのものって?」と、ビュレガード。知りたがった。
「もちろん、願いさ」と、ナスティ。「よし、おまえに1つ叶かなえてやろ
4
3
|
失われた母星
/ST/StarTrek2009/
きみの、ファイルを見た。能力テス
トの結果は、抜群なのに、なんだ、天才的知能をもった問題児で、終わ
りたいのか?」
「それもいいな」
「おい、父をなくし、ふつうの生活で落ち着けるのか?もっと、違う道
があると、思わないか?特別な道が。宇宙艦隊に、志願しろ!」
「志願?今月は、入隊者が減って、困ってるんですか?」
「もし、父上の半分でも才能があれば、艦隊で活躍できる。4年で、仕
官昇進。8年で、船長になれる。惑星連邦の意義と重要性は、わかるだ
ろ?平和主義の、人道主義の艦隊では」
「もう、終わり?」
36
35
「終わりだ」
パイクは、立ち上がった。
「新兵用シャトルが、あす、8時、リバーサイド造船所を出る」
カークは、グラスを上げて、乾杯のしぐさをした。
「父上は、12分間、船長をつとめて、800人を救った。きみの母上
と、きみもだ。きみは、越えられるか?」
パイクが店を出てい
|
レッドダイアモンド
/RD/RedDiamond/
ここでウェイトレス
をしている」
「ジェーンデュですか?彼女なら、やめました。お客さまもお帰りくだ
さい」
「帰る気になればな。彼女はどこへ?どのくらい前?」レッドは聞きた
がった。
「警察を呼びますよ」
「今夜、オレに警察を呼ぶと言ったのは、あんたでふたり目だ。最初の
やつの相棒は、1ヶ月もすれば、ベルビュー病院から出てこれる」
支配人は、レッドの細めた目に偏執的なぎらつきを感じた。
382
381
教えてあげることにして、フランス語の発音はやめた。
「ジェーンデュは、数時間前にやめた。女優になるために、この町を出
ると言っていた。カリフォルニアでコマーシャルをとるとか」
レッドは、ボディブローを食らった気がした。
◇
レッドは歩き出した。グウェンは、数歩あとからついて行った。
「ジェーンってだれ?フィフィは?」と、グウェン。ほんとうは聞きた
くなかったのだが、嫉妬心
|
ジバゴ
/SY/Zhivago/
「こちらは、仕事に追われる毎日です」と、トーニャ。ユーリから来た
112
111
手紙を、父に読んで聞かせていた。「なかなか手紙が書けませんが、許
してください」
「いつの日付だ?」と、父。
「7月20 はつか日」
「8週間前か」
「ようやく、戦争も終結して、患者も減り、時間もできました。詩を書
く時間も持てると思います。書き方を忘れていなければね」
トーニャは、笑って、父に言った。「はは、覚えているわよ」
「ラーラも、まだ、こちらにいます」と、トーニャ。手紙の続きを読ん
で聞かせた。
「彼女は、すばらしい人です。医学には説明できない力で、患者を癒いやす
ことができる。間違った手当てをしても、不思議と、それが患者に効く
━━━叔父さんは元気?葉巻は、まだ、手に入りますか?」
「なかなかね」と、父。
「サーシャは、しゃべるようになった?叔母さんは、元気?」
トーニャは、父を見て行った。
「手紙に書いたのに━━━そして、愛するトーニャ。きみは元気?」
「アンナが死んだことを、まだ、知らんのか」と、父。「知ったところ
で、変わらんが━━━」
そのとき、遠くで、砲撃の音が聞こえた。
|
八甲田 歩のスペースドライバー日誌
/RM/SpaceDriver/
「いいわ、私が教えてあげる!そこの高戸橋を右に曲がって新目白通り
に入ってくれる?」
「高速道路に沿って、飯田橋を抜けて」
「皇居に出たら、お堀ぞいに行くと」
「ほら、東京タワーが一番よく見える場所に出るから」
「ここで左折すれば、正面が東京駅よ!」
「あら、今夜のタワーは、ずいぶんブルーなかんじだこと!」
2
1
想おもふ雲
「それって、なんなの?」と、女の子。
「どれ?これなら、安全の全の字よ」と、お母さん。
「金の字かと思った!」
「あら、金の字も忘れてしまったの?最近、覚えたばかりじゃない?」
「知ってるわよ!ただ、金の字をそう書く人もいるのかなって思ったの」
4
3
銀座
「シンカワの住友ビルの第2の方」と、ビジネススーツの女性と男性。
「すいません、シンカ
|
バーニングマン
/TZ/TheBurningMan/
体が燃えそうだ!」と、助手席の少年。運転している、ロ
ーリーに。
「もうすぐ、湖に飛び込めるわ、アンドレ!」と、ローリー。薄ピンク
のドレスに、薄ピンクの帽子を、スカーフでくくっていた。
「この気温の高さは、異常だ!38度くらい?」
「もっと、よ!ここ十数年では、もっとも暑い7月みたい」
2
1
1
そのとき、顔が埃だほこりらけの、ダニーが立ち上がった。ダニーは、57
になったばかりだった。服は、茶柄のネクタイに薄茶のスーツだったが、
やはり、埃だほこりらけだった。
「見てよ!」と、アンドレ。
ダニーは、道の真ん中に出てきて、両手をあげていた。ローリーは、
車を止めた。
「止まるとは、驚いたね」と、ダニー。
「それは、こっちのせりふよ!」と、ローリー。「どちらへ?」
「どこでもいい!」そう言って、ダニーは断りもなしに、後部座席に乗
り込んだ。「さぁ、行くんだ
|
ドール
/XF/Chinga/
わたし、休暇中よ。お天気はいいし、ニューイングランド
地方の新鮮な空気を満喫しようとしているんだから、ジャマしないで!」
「まさか、コンバーチブルじゃ?」
「なぜ?」
「あれは、ジコると、クビがふっとぶ確率がデカイ!」
「モルダー、もう切るわよ!ケータイ、オフにしておくわ。あとは、月
曜日に、オフィスで!」
「それから、運転中の通話も命取りだ。統計によると━━━もしもし?」
◇
スカリーは、スーパーマーケットの駐車場に入った。
別の車が、急にバックしてきて、スカリーは、車を止めた。その車の
女性は、子ども連れで、車を急発進させて出て行った。スーパーマーケ
ットの入り口を見ると、老人の男性が、目から血を流しながら出てきた。
スカリーは、黒いジャケットを着て、車から降りた。
「すいません、どうなさったの?」と、スカリー。
「い、医者を呼んで、もらえんかな?」と、老人。
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武器
/FB2/TheWeapon/
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グラハムは、このようなときに、もっとも創造的で、すばらしい仕事
をした。昼間の雑用から解放されて、自宅の薄暗い室に、ひとりすわり
ながら。しかし、今夜は、彼の心は乱れて、建設的な方向に進まなかっ
た。考えていたのは、隣の室にいる、精神的に未発達の息子のことだっ
た。おもに感じていたのは、愛情であって、数年前に、息子のことを初
めて聞かされた時に感じたような、怒りでは、なかった。少年は、幸せ
だった。それで、じゅうぶんではないか?子どもが、いつまでも子ども
で、親元を去ることのない子どもを、どれだけ多くの人が持てるという
のだろうか?たしかに、そう考えるのは、理にかなったことだ。間違っ
た理屈かもしれないが。そのとき、玄関のベルが鳴った。
グラハムは、立ち上がり、玄関へ行く前に、ほとんど暗くなった室の
電気をつけた。思考を中断された、イラつきはなかった。今夜ばかりは、
中断されたことを、むしろ歓迎した。
玄関のドアをあけた。
「グラハム博士ですか?」と、見知らぬ男性。「私は、ニーマンドです。
少し、お邪魔してもいいですか?」
男は、背が低くく、特徴的
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