原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
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NOVELYst AutogeNerating dimensional space
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◆◇◆更新ニュース◇◆◇
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一.
ゲストがひとりで使える専用サイト
をリリースしました。
ゲスト専用非公開サイト自動作成
(使える文字は半角の英数字と_のみ、6〜15文字)
上の入力欄にIDを指定し、自分用のゲストルームを作成。
公開しない(リンクを張られない)限り、他人は入れません。
(Google等あらゆる検索から守られます)
ゲストルームは、1人1ルームまででお願いします。
(複数作る場合は、同一IDにしてください)
9タイトル、ゲスト制限あり(nov:15KB、画像:120KBまで)
1タイトルあれば、15KB制限でも、novを分けて、開始
ページを%pag 20とずらすことで、いくらでも書けます。
URLを、ID_10桁番号の形で作成後、ゲストルームへ入り
ます。そのURLは、メモ帳かお気に入り登録にのみ記し、
他から一切リンクを張らないでください。(1か所でも
リンクを張ると、検索ロボットに無数に侵入されて、
公開しているのと同じことになります)
一)
試用版 ゲストルーム
は、プロトタイプとして保存。
(以下、略)
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京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス
[月 夜 花 光 or検索] ヒット 97 件です。
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星雲を越えて
/ST/StarTrek2016/
待て!
これ、船だろ?」
「あなたの友達さがすの手伝うから」と、ジェイラ。「これ、直すの手
伝ってほしい。この星、出てゆくために!」
「これ、きみの船か?」
「いいえ、スコット」と、ジェイラ。「あなたの」
ジェイラは、ライトで船の紋章を照らした。そこには、こう書かれて
いた。
USSフランクリン NX326。
「驚いた!」と、スコット。
◇
墜落した円盤部。
異星人の女性船長を先頭に、カークとチェコフが来た。
夜の暗闇に、あちこちに燃えている火が残っていた。
「船長」と、チェコフ。「まだ、パワーが残ってますよ」
「よし、ブリッジから、クルーを捜そう!」と、カーク。
暗い谷を、敵兵が2人、緑に輝く銃をかざしながら、通っていった。
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3人は、円盤部の割れ目から入って、暗いブリッジに来た。
「スクリーンは、無傷です、船長」と、チェコフ。「こっちに、パワー
をまわして
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さぁ愉快にやろう
/FB6/ComeAndGoMad/
どのくらいの頻度ひんどで、戦況報告に
来てくれるのかい、チャーリー?」
56
55
「そう、それを忘れていた。面会に許された頻度ひんどは、週3回だけ。月、
水、金の午後だけ。明日は金曜なので、あんたが入院したら、会いに行
けるのは、月曜になる」
「分かった。あと1つだけ、聞きたい。オレがそこへ入院することがス
トーリーだと、キャンドラーからヒントとして聞いた?」
チャーリードアは、頭を、ゆっくり、振った。「言葉では、聞いてな
い。なんのこと?なにか、しゃべれない秘密でも?」
彼は、どうしようか迷いながら、チャーリーを見つめた。そして、急
に、ほんとうのことはしゃべれないと、感じた。彼には、どちらも分か
ってなかった。それは、彼をおろか者に見せるだろう。それは、キャン
ドラーがしゃべれない理由を言ったとき━━━とにかく、1つの理由で
はある━━━それほどバカらしくは聞こえなかったが、しかし、
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カトゥーニスト
/FB4/Cartoonist/
彼は、自分の作品を見下ろした。上出来だ
った。かなりいい。編集者たちは、おそらく、読者があまりに吐き気を
もよおしてこのような恐ろしい怪物を直視することができない、と考え
るだろう。だが、できる限り恐ろしく描かけなければ、ギャグは失敗に終
わる。
実際、もう少し恐ろしくできるだろう。やってみて、なんとかできそ
うだった。
このギャグからできる限りのものすべてを引き出したと確信するまで、
ラフスケッチを描かいた。手紙から見出したもの、ギャグが滑り出した数
ヶ月前までは、ベストな作品をマーケットに提供してきた、そのような
ものができるまで。ギャグが最後に売れたのは、2ヶ月以上前だった。
しかし、これは売れるだろう。編集者のロッドコリーは、ちょっと奇妙
なかんじの彼のカトゥーンを気に入っていた。
8
7
2
ビルカリガンは、6週間後に返事が来るまで、ロッドコリーにラフス
ケッチを出
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つくられた記憶
/ST/DS9_4_5_3/
「死体を見つけた鷹たかみたいな顔だからさ、はははは、わお、はお、はお、
わははあ」
「はははは、しかし、よくできるな」
「わははあ」
「いやあ、笑うほうさ。6年もここにいるのにさ」
「6年もこんなところに閉じ込められていて笑いでもしなけりゃ、どう
にかなっちまうよ。笑う方がいいだろ?」
収容所のアナウンスが響いた。
「全受刑者はこれから睡眠時間です、睡眠時間に起きて活動している受
刑者は罰せられます、照明は20秒後に暗くなります」
「おやすみ、マイルズ。夜中に笑いたくなったら遠慮なく笑ってくれ。
私は起きないから、ふふ、へへへへ」と、イーチャー。
「今から、睡眠時間に入ります」と、アナウンス。
「ううん、マイルズ」と、イーチャー。
24
23
2
クワークの店で、ウォーフ少佐とマイルズオブライエンは、ダーツを
やっていた。
「君の番だ」と、ウォーフ少佐。
「17をあとひとつ取る
|
ブラックジョーク
/FB4/Joke/
口笛を吹きたかったが、マスクをしていてできなかった。下宿屋の前
に立ち止まり、ドアへの階段を上がる前に周りを見回した。ドアの横の
釘に吊つるしてある『空室あり』の木の札を取って、クックッと笑った。そ
れを持って、ボタンを押すと、チャイムが聞こえた。
彼女の足音が聞こえるまで数秒、ドアのクリック音がした。ドアはあ
いた。彼は軽く頭を下げた。彼の声は、マスクでこもった声になった。
聞きづらかった。彼は言った。「空室があると?」
彼女は美しく、そう、1ヶ月前から町にいるが、前回見たときと同じ
くらい美しかった。彼女はためらいながら言った。「ええ、そう。しか
し今、友人を待っていて、準備が間に合わなくて」
彼は、ぎくしゃくとお辞儀をして、言った。「それなら、マダム、ま
たあとにする」
それから、マスクが落ちそうになって彼はアゴを前に突き出して支え、
額にひたい乗せて落ちないようにしたが、結局、ハットといっしょに脱ぬげたの
で、ハットとマスクを手で持ち上げた。
彼は、クックッと笑って、言いかけた━━━そう、ここで彼がなにを
言いかけたのかは重要でない。マリエリマーは、叫び声を上げた。そし
て、パープルシルクのしわくちゃのドレスの中にくず折れた。クリーム
色の肌とブロンドの髪がドアの内側に。
愕然がくぜんとして、大男はそれまで持っていた木の札を落とした。彼女を見
28
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ザ・ハウス
/FB1/TheHouse/
ザ・ハウス
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、家のポーチまで来ると、中に入るのを、すこしためらった。背
後の道や、道端みちばたにはえた緑の木々や、黄の平原、遠い丘、それに、明る
い陽射しも、これが、最後の、見おさめだった。それから、ドアをあけ、
中へ入った。背後で、ドアが閉まった。
うしろを振り返ると、あるのは、ただの壁で、ドアノブも鍵穴も、ド
アのへりさえなかった。へりがあったとしても、うまくまわりの壁に溶
け込んで、輪郭さえ見つけられなかった。
2
1
1
目の前にあるのは、くもの巣のように広がる広間だった。床には、ほ
こりが厚くつもり、その先には、細く曲がりくねった通路が、2匹の小
さな、へびか、あるいは、2匹の大きな、いも虫のように、続いていた。
暗く見えにくい通路で、右の方の最初のド
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青の悪夢
/FB3/NightmareInBlue/
アランフィールド
プロローグ
彼は、今まで見たことのないような輝く青の朝に目覚めた。ベッドの
脇の窓から、ほとんど信じられない青空が見えた。ジョージは、すぐに
ベッドからすべり出ると、完全に目覚め、休暇の1日目のほんの1分も
無駄にしたくなかった。しかし妻を起こさないように、静かに服を着た。
休暇のために1週間友人から借りたロッジに着いたのは、昨夜遅くで、
ウィルマは旅にとても疲れていて、すこしでも長く寝かせてあげたかっ
たのだ。靴も居間に行ってからはいた。
2
1
1
息子のトミーは、まだ5才だが、髪をくしゃくしゃにして、寝ていた
子ども室から出てきて、あくびをした。
「朝ごはんは、いるかい?」と、ジョージ。トミーはうなづいた。「服
を着てから、台所に来なさい」
ジョージは台所に行ったが、朝食を始める前に、外のドアを出て階段
の下で、まわりを見渡
|
ギーゼンスタック家
/FB1/TheGeezenstacks/
ディック、先週は、どこかへでかけようと考えたことは、なか
18
17
ったのかな?だれかを訪問するようなことを、だれかに話したりしなか
ったかい?」
「まったく、ありません。ピートとエイミーのことは、きのう手紙をも
らうまで、なんか月も考えてもいませんでした。1週間、滞在してほし
いそうです」
「たぶん、3日で帰ってくるよ」と、サム。
リチャードが、じっさいに、3日で戻ったとき、サムは、理由を説明
しなかった。サムが、リチャードがどのくらい滞在するかを知っていた
のは、ギーゼンスタックおじさんがなん日いなかったかを知っていたか
らだ、というのは、あまりにバカげた理由に思えたからだ。
サムウォルターズは、オーブリーを、なにげなく、監視するようにな
った。そして、不思議に感じていた。オーブリーは、もちろん、ギーゼ
ンスタック家で起こることがなんであれ、彼女自身が、そうさせている
ことだった。可
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致命的なミス
/FB3/FatalError/
小さなバールは、道具に
も武器にもなった。
注意深く、どんなつまらないことにも詳細にミスのないと確信できる
まで計画を練った。実行の夜と時間も慎重に決めた。
バールで窓はすぐにあいた。音もしなかった。ウォルターバクスター
は、居間にはいった。寝室のドアはあけっぱなしにして、そこから物音
はなかったので、さきにどろぼうのふりをすることにした。叔父お じが現金
を置いていた場所は分かっていたが、あえて捜しまわったようにした。
月明かりはじゅうぶんで、静かに手順通りに━━━。
2時間後には、ウォルターバクスターは、家に帰って、すぐに服をぬ
ぎ、ベッドに入った。警察は明日あ すまで犯罪に気づかないだろう。しかし
すぐに来たとしても準備はできていた。現金とバールは始末してあった。
数百ドルを捨てることは痛かったが、それがもっとも安全だった。5万
ドル相続することを考えたら、なんでもなかった。
4
3
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ユスタックウィバーの短い生涯3
/FB3/Weaver3/
新聞
の競馬や株価のページを持ち帰ればいい?これはいけそうだった。
4
3
2
ユスタックウィバーは、ロサンジェルスのダウンタウンでタクシーを
拾い、高級ホテルにチェックインした。もう夜遅かったので、待ち時間
をなくすため、翌日にジャンプしようと考えたが、あまりに疲れて眠い
ことに気づいた。ベッドへ行き、つぎの日のお昼までぐっすり眠った。
翌日のタクシーは、フリーウェイで渋滞に巻き込まれて、サンタアニ
タの第1レースに間に合わなかったが、レース結果のボードには間に合
ったので、勝った馬番を自分の予想新聞に書き込んだ。さらに5レース
見て、実際には賭けずに、結果だけメモした。最終レースはジャマしな
いことにした。
ユスタックウィバーは、スタンドを降りて裏の方へ行き、誰にも見ら
れない隔離されたような場所へ行った。タイムマシンのダイアルを2時
間前にセットしてボタンを押した。
な
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ドール
/XF/Chinga/
事件の情報を、入手したもんでね。ぜひ、きみに、報告してお
きたいと思ってさ」
「モルダー、わたし、休暇中よ。お天気はいいし、ニューイングランド
地方の新鮮な空気を満喫しようとしているんだから、ジャマしないで!」
「まさか、コンバーチブルじゃ?」
「なぜ?」
「あれは、ジコると、クビがふっとぶ確率がデカイ!」
「モルダー、もう切るわよ!ケータイ、オフにしておくわ。あとは、月
曜日に、オフィスで!」
「それから、運転中の通話も命取りだ。統計によると━━━もしもし?」
◇
スカリーは、スーパーマーケットの駐車場に入った。
別の車が、急にバックしてきて、スカリーは、車を止めた。その車の
女性は、子ども連れで、車を急発進させて出て行った。スーパーマーケ
ットの入り口を見ると、老人の男性が、目から血を流しながら出てきた。
スカリーは、黒いジャケットを着て、車から降りた。
「すいません、どうなさったの?」と、スカリー。
「い、医者を呼んで、もらえんかな?」と、老人。
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7
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ドーム
/FB7/TheDome/
彼はスイッチのところへ行って、それを見つめた。突然、彼はレバー
をつかんで引いた。ゆっくり振り返り、窓へ向かった。最初は、歩いて、
すぐに走り出した。グレーの壁は消えていた。そこに広がっていたのは、
全く信じられない光景だった。
4
そこは、彼の知っているクリーブランドではなく、新しい、美しい都
市だった。狭い通りだったものは、広々とした、ブルバードになってい
た。家やビルは、清潔で美しく、彼には奇妙に見える、建築スタイルだ
った。草も木々も、すべてがきれいに保たれていた。なにが起こったの
だろう?どのようにして、こうなったのだろう?核戦争のあと、人類が
こんなにすぐに復活するのは不可能だ。それとも、それまでの社会学は
すべて間違った、取るに足りないものだったのだろうか?
それに人々は、どこへ行った?それに答えるかのように、1台の車が
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23
通りかかった。車?彼が以前
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ユスタックウィバーの短い生涯2
/FB3/Weaver2/
ユスタックウィバーの短い生涯2
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。手持
ちは2ドルしかなく、やっている近くの競馬場までの飛行機代にもなら
なかった。
2
1
1
ユスタックウィバーは、倉庫係として働いていたスーパーマーケット
の金庫にねらいをつけた。金庫には、少なくとも千ドルはあり、タイム
ロックだった。タイムロックは、タイムマシンにとってはあひるのスー
|
ナイトゥアンディ
/SY/KAndDy/
40
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「ええ」
「事故のニュースを見たんだ」と、ロドニー。
「ニュース?事故って?」と、ジューン。
「とにかく、生きてるね!」
「生きてるわよ!」ジューンは、家に戻ろうとした。
「だね!よかった!だけど、ジューン、あの、オレ思ってたんだ!」
ロドニーは、勇気をもって言った。「きみが無事だったら、きみを食
事に誘おうって!」
「ふつうは」と、ジューン。「別れた相手とデートしないものよ!」
「デートじゃない」と、ロドニー。「防災の調査だ!」
「あとで、電話するから!」と、ジューン。家に戻って、ドアをしめた。
「なにも言うなですって?」階段を走ってのぼった。「どういうこと?」
◇
ジューンは、急いで、自分の青の4WDを走らせた。ウィチタから持
ち帰ったボストンバッグを、車の助手席に積んでいた。
「きょうは、いつもと同じ普通の日!そうよ!」
修理屋の前に、4WDを止めた。
「
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ナッシングシリウス
/FB2/NothingSirius/
ママが鼻を鳴らすのは、なにかを見たときで、オレはサムから目を離
し、ママを見て、それから、ママが見ているものを見た。オレは、鼻を
鳴らさずに、息をのんだ。
ひとりの女性が、テントの奥から歩いてきた。オレが、ひとりの女性
と言ったのは、ひとりという以外、適当な言葉を思いつかなかったから
だ。彼女は、聖セシリア、アーサー王の王妃グィネヴィア、それに、ジ
ャンヌダルクの融合体だった。彼女は、ニューメキシコで見る夕陽、火
星の赤道公園から見る冷たい銀の2つの月のようだった。彼女は、金星
の春の渓谷、バイオリンを弾くドルザルスクのようだった。彼女は、ほ
んとうに、なにかだった。
36
35
オレの横から、別のため息が聞こえた。それは、なじみのないものだ
った。なぜ、なじみがなかったか、すぐに、分かった。オレは、ジョン
レーンが、ため息をつくのを、今まで、聞いたことがなかった。見ない
ようにするの
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緑の悪夢
/FB3/NightmareInGreen/
緑の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は目覚めると、昨夜ベッドの中で考えた強い決意を思い起こした。
それは、ウィリアムがふたたび男に、強い男になるために曲げてはなら
ない決意だった。妻のデイジーに離婚してくれるよう断固として要求す
る。そうしなければ、すべてを失って2度と勇気を持てなくなるだろう。
6年間の結婚生活の最初から、離婚は不可避だった。
今が、そのターニングポイントだった。自分より、あらゆる点ですぐ
れた女性と結婚することは、耐えられないだけでなく、自分がだんだん
弱々しい生き物、希望を失ったねずみになっていってしまうのだ。
2
1
1
デイジーは、あらゆる点で、ウィリアムより優まさっていた。彼女は、ア
スリートだったので、ゴルフでもテニスでもあらゆるスポーツで、彼を
やすやすと打ち負かした。デイジーは、ウ
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存在のわな
/FB4/Trap/
アランフィールド
世界人名事典、2090年度版
ディックス、ジョン、2060年2月1日生、男、
ルイビル ケンタッキー州 USA、
父:ハーベイ、R(店員)、母:エリザベス(ベイリー)
学歴:ルイビルパブリックスクール、2066−2074
職歴:14才で家出、ボーリング店員、ホテルボーイ
拘置:6ヶ月、バーミンガム アラバマ州、2078
軍歴:US陸軍に志願、2079
二等兵で参戦:CN−US戦争(2079−2081)
2
1
パナミントの戦闘で行方不明:カリフォルニア州、2081
革命を指揮:2082
アメリカ大統領:8月5日、2082
北米独裁者:4月10日、2083
死去:23才、6月14日、2083
プロローグ
機銃陣地のコンクリート壁はまだ湿っていた。ジョニーディックスは
スリットから機銃の先を見ながら、壁にさわって
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暗黒の地球帝国
/ST/ENT_4_5_2/
火をふく大砲。
複葉機から発射される銃弾。煙を上げて、落下する戦闘機。
戦車とともに進軍する歩兵。上空に戦闘機。
勇壮な音楽のなか、整列して行軍する兵士たち。
地球にナイフのささった、地球帝国の紋章。
砲兵隊が、つぎつぎに、大砲を発射。炎を吐く火炎放射器。低空飛行
の戦闘機。
水爆実験、空母に着艦する戦闘機。魚雷発射の海中の潜水艦。魚雷命
中の別の潜水艦。進軍する戦車。ミサイルで撃墜された戦闘機。多量の
爆弾投下の爆撃機。
ロケットが発射。月で飛行士に掲げられた、地球帝国の国旗。
宇宙で分離される核弾頭。
エンタープライズが宇宙から、つぎつぎに敵の都市を爆撃し、放たれ
た爆弾で破壊されたビル群。何台ものエンタープライズが、多くの敵の
宇宙船を攻撃。
そして、宇宙に君臨する、地球にナイフのささった、地球帝国の紋章。
4
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1
「航星日誌、2155年1月13日」
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SFミステリー (小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン) ライトノベル風
/
(画像提供:
ISFDB)
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
◆◇◆更新ニュース◇◆◇
一.
ゲストがひとりで使える専用サイト
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聖なる神殿の謎
/ST/DS9_1_1_1/
特殊なワームホールです。見たところ、自然に発生したもの
とは、とても、思えないわ」と、ダックス中尉。
「だとしたら、人口的に作られたと?」と、ドクターベシア。
「発光体を作った何者かが、あのワームホールを作ったという可能性が
高いわね」
「カーデシアが動き始めました、デノリアスベルトへ向かっています」
と、オブライエン。
「オブライエン、このステーションをワームホールの入り口に移動でき
ないかしら?」と、キラ少佐。
「これは、宇宙船じゃないんですよ。反動推進エンジンを六基備えてい
るに過ぎない。1億6000万キロ進むには、2か月はかかる」
「明日までには、着きたいわ」
「へへ、そんなこと不可能ですよ」
「あのワームホールは、この宇宙域全体の未来を切り開くものよ。ベイ
ジョーとしては、領有権を確保したいわ。くやしいけれど、惑星連邦の
後押しがあれば、こちらの主張は、通りやすいでしょうね」
「ディフレクタジェネレータで、亜空間フィールドを拡大できないかし
ら。ローレベルのフィールドでステーション全体を包むのよ」と、ダッ
クス中尉。
「そうすれば、慣性質量が落ちる」
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「ステーション自体が軽くなれば、六基のエンジンでも、十分に移動で
きるわ」
「だが、失敗すれば、このステーションは、
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そよぐ幻影
/OT/SoyoguGenei/
そよぐ幻影げんえい
大手おおて拓次たくじ
あなたは ひかりのなかに さうらうとしてよろめく花はな、
あなたは はてしなくくもりゆく こゑのなかの ひとつの魚うを、
こころを したたらし、
ことばを おぼろに けはひして、
あをく かろがろと ゆめをかさねる。
あなたは みづのうへにうかび ながれつつ
ゆふぐれの とほいしづけさをよぶ。
あなたは すがたのない うみのともしび、
あなたは たえまなく うまれでる 生涯しょうがいの花はなしべ、
あなたは みえ、
あなたは かくれ、
あなたは よろよろとして わたしの心のこころなかに 咲さきにほふ。
みづいろの あをいまぼろしの あゆみくるとき、
わたしは そこともなく ただよひ、
ふかぶかとして ゆめにおぼれる。
ふりしきるさざめきのやうに
わたしのこころは ながれ ながれて、
ほのぼのと 死しのくちびるのうへに たはむれる。
あなたは みちもなくゆきかふ むらむらとしたかげ、
かげは にほやかに もつれ、
かげは やさしく ふきみだれる。
(昭和八年六月二十九日)
2
1
|
ナスティ
/FB3/Nasty/
1
ついに、ビュレガードは、占いや魔法の本を思い出した。膨大な蔵書
の一部として、集めたり、読んだりするのを楽しんでいた。しかし、そ
れらを、まじめにとらえたことはなかった。今までは。今、彼に、なに
か、失うものがあっただろうか?
かびの生えた、悪のにおいのする、稀少本の1冊に、求めるものを発
見した。書かれているとおりに、5頂点の星型を描き、秘密のマークを
コピーして、ろうそくに火をともした。そして、呪文を大声で唱となえた。
1筋の閃光のあと、煙が舞った。そして、悪魔。悪魔を、あなたが好
きにはなれないことは保証するが、どんな姿か述べるのはやめておこう。
「きみの名前は?」と、ビュレガード。声を一定にしようとしたが、す
こし震えていた。
悪魔は、叫び声と口笛の中間のような声を出した。大きなバイオリン
を、のこぎりで弾いたときに出る倍音を伴っていた。
「そうだね、おまえには、発音することができないよ。おまえたちのゆ
るい言語では、翻訳すると、ナスティかな。ナスティって、呼んでくれ
たまえ!おまえのほしいものは、ふつうのものかい?」
「ふつうのものって?」と、ビュレガード。知りたがった。
「もちろん、願いさ」と、ナスティ。「よし、おまえに1つ叶かなえてやろ
4
3
う。しか
|
ファブクリップ
/FB5/FabClip/
おふくろの
酒に対して、なにもできない。
ガーディは、目を見開いて、オレを見た。「エド、2日前に、ママの
洋服タンスにパイント瓶を見つけた。それを取り上げて、隠したけど、
ママはぜんぜん気づかなかった。そんなことお覚えてないのよ」
「流しにあけてしまえばいい」と、オレ。
「ママはまた買うわ。1ドル49セントで買える。そしてもっと買う」
「もっと買う」と、オレ。「だから?」
「エド、わたしも飲むようになる」
「どうかしてる!まだ14なのに!」
「15よ、来月で。15だけど、デートでよく飲む。酔ったことはない。
聞いてるの、エド?」
「望遠鏡で見たわけでないけど」と、オレ。「どうかしてる!」
「パパだって、よく飲んでた」
「おやじのことは、別にしよう」と、オレ。「もう、行ってしまったん
188
187
だから。おまえが飲むこととどう関係する?家の伝統だから飲むのか?
あるいは、別の理由で?」
「話
|
幻の指揮官
/ST/VGR_6_1_4/
「でも、限界も知らなきゃね」
「私のプログラムは、無限に広がります。限界は無いんです」
「かもね。でも、あなたの最優先事項は、医療室じゃないの?」
「コンピュータプログラムですから、複数の作業を同時にこなせるんで
す」
「だけど、あなたの、この提案は、━━━なんて、タイトルだった?」
「ECH、緊急司令ホログラムです」
「アイデアとしては、おもしろいけど、私が指揮不能に陥 おちいった時のため
の、艦長のバックアップなんてね。でも、プログラムの改良に、何か月
もかかるわ」
「いつか、クルーの生死がかかわる時がきます」
「残念だけど、答えは、ノー。でも、正式な回答として言うけど、この
提案は考慮に値すると、艦隊に報告するつもりよ。アルファ宇宙域に戻
ったら、かならずね」
「ありがとうございます」と、ドクターは、自分が提出したパッドを受
け取った。
22
21
「どういたしまして」と、ジェインウェ
|
眠れるステーション エムポックノール
/ST/DS9_5_6_4/
マニフォールドシステムのス
ペアがないかどうか訊きいてみるのはどうです?」と、オドー。
「大喜びで助けてくれるだろうな、他に方法はないか?」と、シスコ大
佐。
「今は使われていないカーデシアのステーションから失敬してくるとい
う手があります」と、オブライエン。
「エムポックノールか?」
「ディーエスナインと同じ構造で、一年前に閉鎖されました。しかしプ
ラズママニフォールドシステムはまだ使えるかもしれません」
「付近でのドミニオンの活動はどうだ?」
「ここ数か月はありません。戦略的には価値のない星域ですから」
「しかし、ひとつ問題があります」と、オドー。
「カーデシア人が基地から撤退するときは、侵入者撃退対策として、わ
なを仕掛けていくのが普通なんです。そのわなを解除するには、カーデ
シア人でないと」
「では、カーデシア人を連れていけばいいわけだ」と、シスコ大佐。
8
7
◇
チー
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ふくろぅ3兄弟
/FB3/Owl/
1
昼間はお母さんが見張っていたので、できなかった。しかしある日、
少しのあいだお母さんが巣を留守にした。
「やってみよう!」と、長男。次男に。
「なにをためらってるのさ!」と、末っ子。
3兄弟は、うろから、明るい日射しのなかへ出た。ふくろぅの夜用の
目は、まぶしくてほとんど見えなかった。
長男は、となりの木の枝にすわって、明るい日射しに目をまばたきし
た。
そのとき、木の下から「バン!」という音がして、弾丸が長男の尾の
羽を貫通した。
「ホォォォォォ!」と、長男。ハンターがまた撃つまえに、家に逃げ帰
った。
次男は、地面に降りた。まばたきを2回してから、まわりを見渡すと、
やぶの向こうから大きな赤ぎつねが来るのが見えた。
「ガゥゥゥゥゥ」と、赤ぎつね。次男にとびかかった。
「ホォォォォォ!」と、次男。すんでのところでにかわして、木のうろ
に逃げ帰った。
4
3
2
|
パペットショー
/FB2/PuppetShow/
パペットショー
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
8月の泡立つような暑い日の午後、ホラーは、チェリーベルにやって
きた。
8月は、言うまでもなく、アリゾナ州、チェリーベルでは、連日、焼
けつくように暑かった。国道89号線で、だいたい、トゥーソンの南4
0マイル、メキシコ国境の北30マイルにあった。
2
1
1
国道の両側には、両方向の旅行者めあてに、ガソリンスタンドや、食
料品店、ビールとワイン専門の居酒屋や、国境まで待てない人たちのた
めに、派手な色彩の肩掛けのセラーペや、編革サンダルのヒュアラーチ
を売る店や、ハンバーガーショップ、それに、数十軒のメキシコ系アメ
リカ人の住む家があった。メキシコ系アメリカ人たちは、南の国境の町
のノガーレスで働いていて、なぜか、チェリーベルに住んで、時にはT
型フォードで、通
|
発酵したインク
/FB5/FermentedInk/
発酵はっこうしたインク
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
もくじ
太ふとりすぎのふくろうに捧ささげる歌 ∨
間奏曲 かんそうきょく ∨
ギフト ∨
聞ききなれないセレナーデ ∨
モダンメロディ ∨
ラプソディ ∨
オーチュア ∨
ロマンス ∨
ミッドナイトソナタ ∨
ゆっくりと目覚め ざめる ∨
2
1
太りすぎのふくろうに捧げる歌
Ode to a Stuffed Owl
太りすぎの ふくろう The stuffed owl
遠ぼえも Does not howl、
うなりも しない Or yowl。
飛ぶとき When flies
目の光 Light on its eyes
またたきも It doesn’t blink
ウィンクも しない Or wink、
止まり木から Nor from its perch
ね
|
暗闇の間奏曲
/FB4/Interlude/
ベンランド保安官は、おごそかな目をして言った。「オーケー、ボー
イ。イライラするのも当然だ。あんたの言ってることが本当なら、なに
も問題ない。なにも心配するな!すべてうまくゆくよ」
「3時間前、保安官」アレンビィは言った。「町に来るのが遅れて、起
こしてしまって悪かった。姉がヒステリーを起こして、落ち着かせてい
て、おんぼろ車のエンジンがなかなか掛からないで」
「オレを起こしたことは気にするな。保安官の仕事は24時間だ。遅く
ならなくても、たまたま今夜は早めに寝床に入ったんだ。さぁ、なにが
あったのかもう少し詳しく話してくれ!
2
1
名前はルイアレンビィと言ったな。アレンビィはこのあたりでは有名
だ。クーパービル一帯でレストランをやっていた、ランスアレンビィの
親戚か?オレはランスと同級生だった━━━ところで、その未来からや
って来たというやつだが」
1
|
ヴァヴェリ
/FB/TheWaveries/
ブラントロックから、フェッセンデンが放送したんだ。今から、数分も
しないうちに、フェッセンデンのCQ━CQが聞こえてくるよ、飲み物
を賭かけてもいい!」
「オーケー、しかし、最初のジ━ジ━ジ━は、なんだい?」と、ジョー
ジ。
マルベニーは、ニヤリとした。「マルコーニだよ。当時、放送された、
もっとも強力な電波は、だれが、いつ、なにを発信したものだと思う?」
「マルコーニなの?122年前?ジ━ジ━ジ━?」と、メイジー。
「その当時の最高出力。1901年12月12日、最初の大西洋横断信
号さ。ポルドゥーにあるマルコーニの無線基地から、200フィートの
アンテナで、Sの連続信号、ジ━ジ━ジ━、を送信して、マルコーニ自
身は、ふたりの助手とともに、ニューファンドランド島セントジョーン
24
23
ズで、凧たこで吊つり上げた、高さ400フィートのアンテナで待ち受け、つ
いに、信号を受信したんだ。これ
|
天使は淋しい道を行く
/TS/LonelyRoad/
トラックは、また、蒸気をあげながら、走りだした。
26
25
3
トラックは、牧場にとまっていた。
リチャードは、牧場主の若い女性と納屋から出てきた。
「狩猟のシーズンは」と、女性。「来月からだから、まだ、なにも仕事
がないんですよ。すいません」
「いや、おじゃましました」と、リチャード。
「ほかにもあるんですが、でも、どこも閉まっています。山越えなら、
国道にいらしゃれば、いろいろ、お店もいろいろあったのにねぇ」
「ええ、そうでしょうね」リチャードは、トラックに戻った。
「長くかからないと、いいけど」と、シスター。
「仕事はないんです。この先も、どうやら、なさそうですよ」
「でてきますとも」
干草を積んだ、大型トラックが、牧場に入ってきて止まった。男性が
降りてきて、前輪のタイヤを蹴っ飛ばした。
「あの方は、助けがほしいのではないかしら?」と、シスター。
「冗談じゃない、
|
バーニングマン
/TZ/TheBurningMan/
プロローグ
オープンカーが、未舗装の道を、ほこりを上げて、走っていた。
「おばさん、体が燃えそうだ!」と、助手席の少年。運転している、ロ
ーリーに。
「もうすぐ、湖に飛び込めるわ、アンドレ!」と、ローリー。薄ピンク
のドレスに、薄ピンクの帽子を、スカーフでくくっていた。
「この気温の高さは、異常だ!38度くらい?」
「もっと、よ!ここ十数年では、もっとも暑い7月みたい」
2
1
1
そのとき、顔が埃だほこりらけの、ダニーが立ち上がった。ダニーは、57
になったばかりだった。服は、茶柄のネクタイに薄茶のスーツだったが、
やはり、埃だほこりらけだった。
「見てよ!」と、アンドレ。
ダニーは、道の真ん中に出てきて、両手をあげていた。ローリーは、
車を止めた。
「止まるとは、驚いたね」と、ダニー。
「それは、こっちのせりふよ!」と、ローリー。「どちらへ?
|
フィッシュストーリー
/FB3/FishStory/
フィッシュストーリー
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ロバートパルマーは、ケープコッドとマイアミのあいだの海岸で真夜ま よ
中なかすぎに、人魚にんぎょのロレーヌに出会った。ロバートは友人の家に滞在して
いたのだが、ベッドに入っても眠気を感じずに、明るい月明かりの砂浜
をひとりで散策していた。海岸のカーブに沿って歩いてゆくと、ロレー
ヌがいた。砂浜に埋まった丸太に座って、美しい長い黒髪をとかしてい
た。
ロバートは人魚が存在しないことは知っていたが、ロレーヌはそこに
いた。ロバートは歩いて近づくと、せきばらいをした。
2
1
1
ロレーヌは驚いたようすで、髪をうしろに跳ねあげた。そのとき隠れ
ていた彼女の顔と肩があらわになり、その美しさは、ロバートの想像を
はるかに越えていた。
ロレーヌは驚いて、ディープブルーの目を大きく
|
イェフディの法則
/FB2/TheYehudiPrinciple/
と、チャーリー。「今、考えてるんだ」
オレは、黙った。チャーリーは、考え始めた。
コーヒーができたときまでには、自分が言ってることのバカらしさに
気づいた。
コーヒーを出した。チャーリーは、ずっと、薬の容器のようなものを
あけて、なかを調べていた。スイッチを作動させる小さな振り子や多く
のワイヤが見えた。
「分からないな。どこも壊れてない」と、チャーリー。
「たぶん、電池じゃないか?」と、オレ。
懐中電灯を出してきて、単3乾電池をテストした。電球は明るく光っ
40
39
た。
「分からないな」と、チャーリー。
「それじゃ、はじめから考えよう、チャーリー」と、オレ。「それは、
動いていた。いろんなドリンク類を出してくれた。2杯のカクテルを作
ってくれた。それは、いわば━━━」
「そこを考えていたとこだ」と、チャーリー。「きみが、殴ってくれ!
と言って、ドリンクを取ろうと、かがんだら、なに
|
殺人レッスン
/FB4/Lesson/
ふつうは。
時として、少年たちは、巧みな才能でニックネームをつける。体がにお
っていたわけではない。少年として、両親に週1回はフロへ入るようし
つけられていたからだ。大人としては、いきな服装で、なにか油ぎった
かんじにこざっぱりしていた。実際に油ぎっていたわけではないから、
これは偏見だろう。ヘアオイルは使っていた。
そろそろ話を先に進めよう。スティンキーエバンズに戻って、レッス
ンその1から。その時、スティンキーは14才で、ギャングの仲間だっ
た。土曜の夜はいつも、10セントストアを襲ってポケットをいっぱい
にして店を出てくるようなギャングだった。ほとんどの連中はうまくや
っていて、つかまることはめったになかった。
ハリーキャランは、ギャングの親玉だった。ハリーは、ほかの少年た
ちよりすこし年上で、コネがあった。かみそりの刃やレコードプレーヤ
ーの針やらの20ドルの価値はありそうな雑多な寄せ集めを、ハリーの
4
3
|
白の悪夢
/FB3/NightmareInWhite/
白の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、突然目覚めた。完全に目覚めていて、眠るつもりもなかったの
に、なぜ眠ってしまったのかと訝りいぶかながら、すぐに腕時計の蛍光文字板
を見た。文字板がなければ真っ暗闇の中で、明るく光っていた。11時
数分過ぎだった。彼はホッとした。ほんの少し、うたた寝しただけだっ
た。このソファに横になってから、まだ30分もたっていなかった。妻
がおやすみを言いに来るには、まだ早い。彼の姉が、完全に眠り、寝息
をたてるまで待ってからだ。
2
1
1
それは、バカらしい話だった。ふたりは、3週間前に結婚したばかり
で、ハネムーンの帰りだった。ふたりが別々に寝るのは、これが初めて
だった━━━すべては、彼の姉のデボラが、帰り道の途中にある自分の
アパートに泊まってゆくよう、バカらしい提案をしたから
|
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
/FB2/Reconciliation/
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
夜の外は、静かで、星がまたたいていた。けれど、室内は、殺気だっ
ていた。男と女が、数フィート離れて立ち、お互いを憎しみに満ちた目
で、にらみつけていた。
男のこぶしは、固く握られ、いまにもパンチを繰り出しそうであった。
女の指は、広げられ、かぎつめのようにカーブさせていた。しかし、ふ
たりとも、腕は、脇から離さなかった。ふたりとも、良識ある市民であ
った。
2
1
1
「キライよ」と、女。声が低くなった。「アンタのすべてがキライよ」
「キサマの方こそ。キサマの贅沢のために、さんざんしぼり取られたあ
げく、こっちには、もう、キサマのエゴのために、バカなものを買わさ
れるカネさえ残ってないんだ」
「それは、ウソよ。アンタだって、それがウソだってわかってる
|
ミットキーあらわる
/FB1/TheStarMouse/
超スピード!上空の大気
を越えて、対流圏も成層圏も越えると、まだ分からないこともある。そ
14
13
こには、空気抵抗はないと、考えられている。たぶんね。ロケットは小
さいから、空気抵抗は、無視できる」
ミットキーは、少しも、気にしなかった。アルミ合金で覆おおわれた、シ
リンダーの中で、ミットキーは、太って、幸せだった。
「今日が、その日だよ、ミットキー。きみに、ウソは言わない。保証と
かはないけど、これから、危険な旅に行くんだ、親愛なる友よ。
チャンスは、フィフティフィフティくらいかな、ミットキー。月か爆
発でなく、月に爆発、あるいは、たぶん、安全に地球に戻れるよ。ミッ
トキー、分かるよね?月は、緑のチーズでできてないんだ。そう見えて
も、きみは、チーズを食べるために、月に住むことはできないんだ。月
には、大気がないから、住めないし、ひげがあっても、だめなんだ。
それなのに、なぜ、わしがきみを送るのかって?それは、ロケットが、
超スピードを出せないかもしれないからさ。それができなくも、別の実
験がある。ロケットが、もしも、月に行けなくても、地球に戻って来れ
るか?その場合、ある道具が、宇宙空間で知られてることより、多くの
情報をもたらしてくれるんだ。きみがもたらす情報は、きみがちゃんと
生存しているかどうかもそうだし、ショック吸収器具や翼がつばさ、地球のよ
うな大気でも、十分役立つかどうかということも。分かるかい?
あとで、ロケットを、大気のある火星へ送ったときに、ショック吸収
器具や翼につばさ必要なサイズを、計算するためのデータを、もたらしてくれ
|
ねずみ
/FB1/Mouse/
エレベーターに戻った。
「外は、騒がしいですね」と、エレベーターボーイ。「パレードかなに
かですか?」
「なにか、宇宙船のようなものが」と、ビル。「セントラルパークに着
陸したんだ。火星か、どこかから。そのうち、歓迎のスピーチを、聞け
るよ」
「なんですって?それは、なにを?」
「なにも」
エレベーターボーイは、ニヤリとした。「おもしろいですね、ミスタ
ーヒラー。ネコは、どうしてます?」
「元気だよ」と、ビル。「きみのは?」
「ご機嫌ななめですね。昨夜帰ったときに、ベルトの下、数インチに、
本を投げつけられましたよ。私が、夜、数ドル使ったことを、責められ
ましてね。あなたのワイフは、最高ですよ」
「そう思うよ」と、ビル。
窓に戻ってみると、すごい数の群集だった。セントラルパークウエス
トは、どの方向も、半ブロックづつの人々のかたまりができていて、公
園全体が、どの通りも、人々に埋め尽くされていた。唯一の隙間は、宇
宙船の周りの円だけで、今や、半径20フィートに広がって、それを維
持する警官は、3人よりずっと多くなった。
10
9
ビルヒラーは、シャムネコを窓枠の端はしに、やさしく移し、座った。
「ビューティ、ここは、特等席だ。あそこへ降りてゆくより、ずっとよ
く見える」
下の警
|
夢、遥かなる地にて
/ST/DS9_6_4_1/
誰か、いいアイデアはないか
?」と、パブスト。
それは、宇宙に浮かぶ巨大な神殿のような宇宙ステーションの絵だっ
た。ひと目見るなり、抗 あらがいがたいものを感じたベニ―は言った。
「私が考えます」
「よおし、それじゃ、次の仕事だ。読者が手紙で作家がどんな顔か知り
たいと言ってきている」
「物書きの顔だって返事したら?貧乏だけど、とっても魅力的、うふふ
ふ」と、ケイシー。
「それが、社主しゃしゅのストーンさんのアイデアで、おまえさんたちの写真を
来月号に載のせるんだよ」
「そんなこと、ほんとうに?」と、アルバート。
「するのか?ああ、するんだよ。ケイ、その日は寝坊していいぞ」
「そうよね、ケイシーハンターが女だって知られちゃ困るものね」
24
23
「私も寝坊すべきですか?」と、ベニ―。
「悪く思うなよ、読者はベニーラッセルは白人だと思っている。そう思
わせておいてやろうや」
「ああ、そうだな
|
ファマドユニヴァース
/FB5/WhatMadUniverse/
それが見えるはずだ。
◇
道路を半分横切ると、まだ、視界の外だったが、左の上りの向こうか
ら、近づいて来る車の音が聞こえた。この距離から聞こえるのは、とて
も騒々しい車だった。道路を渡り切って振り返ると、車が見えた。その
車の運転手の服装からして、農家の服装だった。それは好都合で、うま
く説得すれば、ボーデン氏のところまで乗せてくれるだろう。少なくと
も、その方向に行くなら。
車は、旧式のモデルTだった。たまたま、彼は知っていた。大学時代
にヒッチハイクをした経験から、車に乗せてくれる可能性は、運転手の
年令と車の古さに比例することを知っていた。
この車の古さは、疑いもなかった。登り坂に苦労して、ぷすぷすと音
を立てた。
ケイスは、近づくまで待って、道路に出て、手を振った。フォードは
速度を落とし、彼の前で停まった。
40
39
車の男は、前かがみになって、ケイス側の窓を
|
ジバゴ
/SY/Zhivago/
と、パーシャ。ビラにあるデモのことだった。
「それは、ムリ。試験勉強しなきゃ。わたし、奨学金がほしいのよ」と
言って、ラーラは、建物へ入って行った。
◇
ユーリは、家に戻ると、すぐに、2階へ上がった。
「ただいま、叔母さん」ユーリは、叔母にあいさつした。
「手紙が来ているわ」と、叔母。「パリから」
「へぇ」と、ユーリ。「きれいな字だ」
「来月、戻ってくるんですって」
「トーニャが!待ち遠しいな!」ユーリは、手紙をもって自分の室へ行
った。
◇
ラーラの母の洋装店。ラーラの母が、お客の女性のドレスの着付けを
手伝っていた。
「顔が広い方かたなんですよ」と、ラーラの母。
「それに、とても、かっぷくがいいし」と、お客の女性。
26
25
そこへ、ラーラが帰ってきた。
「ただいま」と、ラーラ。「マダム」と、お客の女性に一礼した。女性
は、「ラーラ」と答えた。
「勉強は、そこで
|
いつもふたりで
/SY/TwoForTheRoad/
飢え死にするわ」
「自制心を、鍛きたえろ!」
バスルームで、ジョアンナは、お経を唱えた。
「わたしは、おなかがへってない。あなたは、おなかがへってない。わ
れわれは、おなかがへってない」
服に着替えた、マークが見に来た。
「わたしは、空腹!あなたは、満腹!」
「妊娠中は、食べすぎに注意しないとね」
「まだ、2か月よ!村に、お店があるはずよ」
「おなか、すき過ぎらしいな。じゃ、薬局で、なにかを」
「ハンバーガー!」
「そういう名前のピル?」
「ラージサイズのハンバーガーピル!ホテルの人には、見られないで!」
紙包みを持って、村道を歩く、マークを、白のベンツが追い抜いた。
◇
白のベンツが、畑の道を走った。
「食事は?」と、マーク。グレーのスーツで、運転していた。
「食事って?」と、ジョアンナ。オレンジのシャツに、サングラス。
86
85
「なつかしの、サンジェストじゃ、なぜ、だ
|
感想
/CO/Comment/
ろうそくに火をつけ、静かに死を待つ。しかし時間が過
ぎて、死が迫ってくると、まだ死ぬ準備ができていないことに気づく。
まだ死ねないと考えるが、その瞬間は目の前に迫り、やつは、恐怖を覚
える。絶望しながら、室を出ようとする。だが、もちろん、死からは逃
れられない。それが悪夢の結末だ。
ラリーホーム Seattle
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◇アランフィールド 2018年7月24日◇
フレドリックブラウンは、オレが思うに、彼の魔法のようなショート
ストーリーで、時として最後のセンテンスに秘密を明かす。最後のワー
ドにさえ。「ザ・ハウス」においては、最後のセンテンスは以下だ。
ろうそくの残りが、あと1センチになるまで、9時間もかからなかっ
た。暗闇が、室の片隅から集まりはじめ、近くまではいよってきた。彼
は、悲鳴をあげて、ドアをたたき、両手が原料のままの血のにじんだパ
ルプになるまで、つめでひっかいた。
14
13
|
囚人のピアノ
/TZ/TheConvictsPiano/
囚人のピアノ
パトリスメシーナ、ジェームスクロッカー
プロローグ
夜の山の景色。
窓が閉まると、壁にも、星空。
惑星が回っている上に、胎児、蜘蛛、浮き雲、木馬。
赤ちゃん人形の顔、土人のお面。
水爆実験、窓。
そして、ナレーターのロッドサーリングの映像。
星空のバック。「ミステリーゾーン」のタイトル。
2
1
1
刑務所の屋上。休憩時間。
リックは、目をつぶって、頭の中で、軽快なジャズピアノを演奏して
いた。台の上に置いた、両手の指が動いていた。不思議に思った、フレ
ッドが、横に座って、動く指を見ていた。
フットボールをしていたサムが、ボールを追って、ふたりにぶつかっ
てきた。サムは、追ってきたもうひとりに、タックルされた。
「ふざけるな!」と、サム。相手を突き飛ばしてから、ナイフを出した。
「来い!」
それを見て、リックが、サム
|
オーマイガー
/FB2/Jaycee/
ドクターグラハムが、ノックもなしに室に入っ
てきた。顔は、まっ白で、目は、大きく見開かれ、同僚を見つめて、言
った。
「ぼくが正しかった」
「正しいって、なにが?」
6
5
「ジョンのことだよ。だれにも言ってなかったんだが━━━。昨夜のパ
ーティーで、お酒を切らしたとき、ジョンがなにをしたと思う?」
ドクターラルストンは、まゆをひそめた。
「水をワインに変えたのかい?」
「ジンに変えたんだ。みんな、マティーニを飲んでいたんでね。さっき
も、ジョンは、サーフボードなしで、サーフィンに行くというので、た
ずねると、想像力さえあれば、そんなものは、必要ないというんだ」
「なんて、ことだ」と、ドクターラルストン。顔を手でおおった。
かつて、人類史上、1度だけ、処女懐胎があった。今、5000万の
処女懐胎で生まれた少年たちが、元気に育っていた。
10年後に、新たな5000万のジェーシーが現われる
|
アンドロメダUの来訪者
/FB/AllGoodBems/
「数日あれば、十分だ。新しい宇宙船を、ぼくたちは、数時間で作れる。
これは、きみたちにとっては、ビックリすることだろうけど、ぼくたち
は、遅い次元で作業できるからね」
「ああ、そうか」と、エルモ。
「どういう意味なの?」と、ドロシー。
「遅い次元さ」と、エルモ。「前に、オレが書いたストーリーで使った
アイデアだよ。時間比率の異なる次元へ行って作業すれば、そこでの1
か月は、帰ってくれば、こちらの次元では、出発してから数分か数時間
しかたっていないのさ」
「あなたがそれを発明したの?エルモ、すごいじゃない!」
エルモは、ドーベルマンに向かって言った。「それが、おまえらの要
求のすべてかい?宇宙船が完成するまで、おまえらを、ここにいさせて
あげて、このことを誰にも話さない」
「そのとおり!」と、ドーベルマン。うれしそうだった。「不必要な不
便は、強しいないよ。ただし、きみたちは、監視される。ファイブか、ぼ
くによって」
「ファイブ?どこにいるんだい?」
「ビックリしないでほしいけど、ファイブは、イスの下にいるよ。さっ
き、ドアの穴から入ってきたんだ。ファイブ、こちらは、エルモスコッ
24
23
トとドロシースコット。彼女のことをトゥーツと呼ばないように!」
イスの下には、ガラガラヘビが
|
SFミステリー ライトノベル風
/CO/cmt/
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SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
試用版 ゲストルーム
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
presented by bilyzkid
◆◇◆◇◆◇
1.自分のオリジナル作品を、非公開URLにて、掲載可能です。
表示は
|
アリスのアンダラン
/LC/AliceUnderGround/
私が知る限りもっとも乾かわいたものです!ご静聴くせいちょうださい!
38
37
ウィリアム王は、ローマ教皇の信任を得て、すぐにイギリス国民に王
として認められ、後に略奪と侵略の限りを尽くしました。メルシアとノ
ーサンブリアの伯爵であったエドウィンとモカーは━━━」
「ゲェー!」と、ロリー。ふるえながら。
「なんですか?」と、ネズミ。顔をしかめながらも礼儀正しく。「なに
か言いました?」
「いいえ、私じゃありません!」と、ロリー。あわてて。
「そうですか」と、ネズミ。「先を続けます。メルシアとノーサンブリ
アの伯爵であったエドウィンとモカーは、ウィリアム王を認め、また、
カンタベリーの愛国的な大司教のスティガンドでさえ、エドガーアスリ
ングとともに、ウィリアム王に拝観し王冠を奉納ほうのうするのが懸命と考えま
した━━━。なんですか?」ネズミは、話し始めたアリスを見た。
「濡ぬれたままだわ!」
|
ファーストコンタクト
/FB3/Contact/
このファーストコンタクトを待ち望んでいた。
今度のロケットは無人だが、地球人にとってファーストコンタクトにな
る。われわれのテレパスチームは、何世紀にもわたって、地球人の思考
を受信してきた。しかしこれは、火星と地球のあいだの物理的接触とし
ては、最初のものだ」
キーは、低いイスに座った。「たしかに。私は最近の報告は読んでま
せんが、なぜ地球人は、水爆の弾頭を使うのでしょう?この惑星には、
だれも住んでいないと思っているのでしょうか?」
「地球人は、月の望遠鏡で閃光を観察して、彼らの言葉では、分光法分
析をおこなって、ここの大気や地表についての彼らの今の考え━━━そ
の大半は間違った考えだが、それを深めようとしている。それは、いわ
ば、水爆の閃光分析といったものかな、キー。地球人がここに来れば、
多少の反対意見があることを知ることになろう。そうすれば━━━」
4
3
2
火星は
|
地球人は出ていけ
/FB1/KeepOut/
地球人は出ていけ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ダプティンというのが、略称だ。最初は、アダプティンと呼ばれてい
たのが、ダプティンと、略されて呼ばれるようになった。それは、ぼく
たちを、適応させてくれるのだ。
10才の時に、みんなに説明された。彼らは、ぼくたちが10才にな
らなければ、理解できないと思っていたようだが、みんなは、すでに、
多くを知っていた。火星に着陸すると、すぐに、話してくれた。
「きみたちの故郷だよ、生徒諸君」と、主任の先生。ぼくたちのために
建設してくれた、プラスチック製のドームに入ってから、講義が始まっ
た。この夜の、特別講義は、とても重要なもので、全員、出席するよう
に言われていた。
その夜、先生は、ぼくたちに、なぜなのかやなんのためにも含めた、
すべてを、話してくれた。先生は、ぼくたちの前に立っていた。もちろ
ん、寒さを遮断する宇宙服を着て、ヘルメットをかぶっていた。ドーム
2
1
の気温は、ぼくたちにとって、適温だったが、先生にとっては、すでに、
凍るように寒く、空気も、すでに、先生にとっては、呼吸するには薄す
ぎた。先生の声は、ヘルメットの無線を通じて、ぼくたちに届いた。
|
白日夢
/FB7/Daymare/
なぜ、その順番?と、カクアは、不思議に思った。そのため、カクア
が現場に着いたのは、一番最後になった。
そのことは、あとにするとして、もっと大きな疑問があった。ブラガ
ーが、銃声を聞いたこと。もしも、それが、そうでない限り、あまり意
味はなかった。それも、バカげていて、ありえない。ウィレムディーム
が撃たれたのなら、医業チームが、検視のために、頭蓋骨を切断するは
ずがない。
「ブラガー、銃声って、どういうこと?」と、カクア。「旧式の大砲の
ような?」
「そう」と、ブラガー。「死体を見た?心臓の真上に穴、銃弾が貫通し
10
9
た跡あとだと思う。あんな穴を見たことない。カリストに、あんな銃がある
とは知らなかった。ブラスターよりずっと前に、違法になっている!」
カクアは、ゆっくり、うなづいた。「ほかの証拠となる傷を、見なか
った?」
彼は、がんこに言い張った。「いいえ、ない。ほかに
|
お手伝いさんはジーナデービス2
/FD/FD3_3_1/
聞いてくれました」と、アレックス。「1年生から、めぼし
いのをピックアップして、パーティで入会テストするのよ」
「なんで、アルファクラブなんか入りたいの?」と、マロリー。「お金
6
5
持ちのキザな連中の集まりじゃない?名誉にお金に夜遊び、それしか頭
にないんだから!」
「それが、いいんじゃない!」と、アレックス。
「アレックス」と、カレン。「なにか作りましょうか?」
「あ、ごめんね」と、アレックス。「忙しくて、言うの、忘れてたけど、
今日も変わらず、すごくきれいだよ!」
「ありがと」と、カレン。
「毎日、言ってるよね?きのうは、言ったっけ?」
「ええ、聞いたわ」
「アレックス」と、スティーブン。食べ終わった皿を流しに運びながら。
「エクスタシーのあいだ悪いんだが、もう出掛けるぞ、いっしょに車で
行きたかったなら、急いでくれ!」
「あ」と、アレックス。「あと、2・3分待って、スージーが、8時
|
終わり良ければ
/FB1/HappyEnding/
巨大都市はすべて灰と化
した。あらゆる努力にもかかわらず、彼の強力な秘密兵器による抵抗も
12
11
むなしく、彼の軍隊の最後の決戦のあと、生き残りは、わずかに20名
か40名だった。彼の軍隊内の将軍でさえ、敵に内通したものがいて、
月の連隊の裏切りが、決定的な敗北をもたらした。
彼は、部下とともに、ふたたび決戦にのぞむこともできただろう。し
かし、大敗北のあとでは、彼の生きているあいだは、無駄だった。独裁
者の最後だった。
銀河系からうらまれ、そのことをのろった。
そのことは、がまんができるし、ひとりにされたことも耐えられた。
ひとりになることは、予想してもいた。ひとりだが、まだ、彼はナンバ
ーワンだった。もしも、他人がいたら、彼の地位がみじめなくらいに落
ちぶれてしまったことを、思い知らされただろう。ひとりでいるから、
彼のプライドは守られて、自尊心は傷つけられることはなかった。
|
死の手紙
/FB3/DeadLetter/
手紙を
手渡すよう頼まれてました。この手紙です」
警部補は、手紙を受け取り、一瞬ためらったがすぐにあけた。
「なぜ、ただの黒い紙なのかね?」と、警部補。
「分かりません、警部補」と、バブコック。「私のボスのコングレスマ
ンクインから、すいぶん前に手紙を渡されました。そして、もしもコン
グレスマンクインになにか普通でないことが起こったら、すぐに手紙を
ラバティに手渡すように言われました。それで、ラジオの知らせを聞い
て━━━」
「ああ、知ってる。クインは昨夜遅くに殺された。きみはクインの下で、
どんな仕事をしていたのかね?」
6
5
エピローグ
「それは、極秘ですが、今となっては、極秘でもないでしょうね。私は、
ボスの代わりに、重要でないスピーチやボスが出たくない会合に出てい
ました。そうです、警部補。私は、ボスの影武者です」
(終わり)
|
失われた文明1透明人間
/FB3/Discovery1/
なにかの条件下では、ある状況が━━━あまりはっきりしなかった。
プレーターは、服をぬぎ、完全に透明になった。そして歩いて、いと
も容易に、武装した宦官かんがんをすぎて、ハーレムに入った。50人あまりの
美女たちが、フロに入ったり全身に香油や香水をていねいに塗って、美
を保つために昼間の時間を使うのを眺めながら、楽しい午後を過ごした。
ひとり、コーカサスの女性がとりわけ気になった。
「だれもが考えることだろうが」と、プレーターは考えた。「夜までい
たとしても、あすの午後まで透明でいられるので、まったく安全だ。そ
れなら、明るいうちに、彼女の寝室を確認しておいて、電気が消えたら、
室にすべりこもう。彼女はサルタンが来たと思って、喜んで迎えてくれ
るはずだ」
6
5
3
プレーターは、彼女の入った室を覚えておいた。武装した宦官かんがんが、カ
ーテンドアにそれぞれ1名づついて、寝室を
|
人形の家で
/TZ/Miniature/
「やっぱりね。じゃあ、経験させてあげる」
「どうやって?」
「ハリエットを紹介するわ。同僚の女性で、すごくいい子よ。きっと気
に入る」
「マイラ」チャーリーは、まったく、気がすすまなかった。
「お願い。わたしのためだと思って、一度だけ会ってみて!会ってくれ
たら、二度と口出ししない」
「分かった」
「彼女の住所よ」マイラは、紙に書かれた住所を、テーブルに置いた。
「電話しなくていい。直接、迎えに行って!夜8時に」
◇
夜の公園。チャーリーは、ハリエットと腕を組んで歩いていた。
「チャーリー」と、ハリエット。「なにを考えているの?」
「別になにも」と、チャーリー。ふたりは、ベンチに座った。
「口数が少ないのね。危険な男って、かんじ。静かな男は、信用できな
い」
「信用していいよ!」
40
39
「信用させたいの?」
「ぼくは、ただ」
「もっと、リラックスして!後ろにもたれて、力を抜
|
チャンスふたたび
/FB3/SecondChance/
チャンスふたたび
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ジェイとオレは、シカゴのニューコミスキー球場の内野スタンドにい
た。1959年のワールドシリーズ10月9日の試合のリプレイが、そ
ろそろ始まろうとしていた。
オリジナルゲームは、ちょうど500年前で、ロサンジェルスドジャ
ーズが9対3で勝利し、4勝してシリーズを制し、ワールドチャンピオ
ンとなった。オリジナルゲームと可能な限りまったく同じ条件でゲーム
は始まるが、結果が違ってくることはありうる。
2
1
1
シカゴホワイトソックスの選手たちがフィールドに出てきて、内野で
ボールをまわし始めた。先発ピッチャーのウィンは、マウンドでボール
を受けとると、ウォームアップピッチングを始めた。クルツェフスキー
がファースト、フォックスがセカンド、グッドマンがサード、そして、
アパ
|
報復戦隊
/FB3/Fleet/
地球へ向かった。
2
1
1
こんどは状況が違った。地球では迎撃体制が整っていた。もちろん侵
略者が太陽系に到着した数分のうちに準備したのではなく、そのとき地
球は、2820年、火星植民地と戦闘状態にあった。火星は地球の半分
まで人口増加が進み、独立戦争を始めた。金星が侵略者に攻撃されたと
き、地球戦隊と火星戦隊は月の近くで戦おうとしていた。
しかし戦争は、歴史上最短で終結した。地球と火星の連合戦隊は、戦
争をやめ、地球と金星の途中で侵略者を迎え撃った。こちらは数の上で
敵を圧倒し、侵略者を宇宙のかなたへと吹き飛ばし、完全に追い払った。
2
24時間以内に、地球の首都アルバカーキで、地球と火星は平和条約
を締結した。火星の独立を認め、太陽系で唯一住居可能となった2つの
星のあいだの恒久的な同盟を結んだ。侵略者の本拠地を見つけ、2度と
太陽系が侵略されないように破壊する報復戦隊も計画された。
地上と数千マイル上空の衛星の探査装置が、金星を救う時間はなかっ
たが、侵略者の侵入を探知していた。探査装置の記録から、侵略者がや
ってきた方角は判明したが、正確な距離までは分からなかった。
4
3
|
帰ってきたカーン
/ST/StarTrek2013/
「おまえなら、やれる」
「ジム、待て!」と、マッコイ。「カトウにポーカーさせて、なんの切
り札もないのに、ハッタリをかませというのか?あいつは、いいやつだ
が、船長は、ムリだ」
「2時間くらいできる!もう、たとえ話は、やめろ!命令だ!」
カークも、ブリッジを出た。
「ミスターカトウ」と、カーク。通信で。「キノルミア人の船を、用意
させろ!」
カトウは、船長席に座った。運転席には、すぐに、交代仕官が座った。
「カトウ船長代理より、シャトルベイ2番。先月、マッド事件の際、押
収した貿易船の、出発準備をしてくれ!カーク船長が、そちらへ向かう」
86
85
◇
エンタープライズのシャトルベイ2番。
私服に着替えた、カーク、スポック、ウラが、貿易船に、やってきた。
「出発できます、船長」と、2名の機関部仕官。ひとりは、カップケー
キ。
「中尉、制服を脱げ。キノルミアの武器商人になる、
|
探検隊
/FB3/Expedition/
6
5
エピローグ
「マクソン船長が、鉄腕マクソンと呼ばれる理由は、つぎの事実による
のでしょう。第2次火星探検隊は、予定では1年後であったが、実際に
はかなり早く、たったの9ヶ月と2日で到着した」
「これで、アンブローズ君、あなたの質問の答えになったでしょうか?」
(終わり)
8
7
|
“スペーステロリスト”ターナロス
/ST/DS9_1_1_2/
「君もコーマにいたのか?」と、シスコ中佐。
「テロ組織にいた人間が、政府の仕事なんかしていると思いますか?」
12
11
「コーマの連中は、カーデシア人だけでなく、邪魔なベイジョー人まで、
みさかいなく殺している。確か、先月の政府高官の暗殺にも、犯行声明
を出していたはずだ」
「でも、ターナは別です」
「コーマの一員か?」
「ええ、でも」
「かばう気なら、任務からはずれてもらう!どっちつかずの気で任務に
あたられるのはごめんだ。彼がコーマのテロリストなら、このステーシ
ョンを隠れ蓑にして、破壊活動を続けるおそれがある」
「私は、ベイジョーの利益を優先します。どっちつかずの気じゃないわ。
今のベイジョーには、ターナロスのような強い意志を持った人間が必要
なんです」
「カーデシアを倒せればテロも許すというのか?」
「我々が強力な独立国家をもう一度築きづくためには、コーマのようなテロ
リストグルー
|
ケンタウロス
/FB1/HorseRace/
ケンタウロス
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
ガーンロバーツは、秘密エージェントKー1356として知られる人
物だが、今は、銀河連邦の主任安全局員として、ひとり乗り宇宙船で、
眠りについていた。宇宙船は、地球を出発して、206光年離れた場所
をめざして、時速14光年で、自動航行中であった。ベルがなって、コ
ンピュータに、起こされた。すぐに、スクリーンにむかい、スイッチを
入れると、連邦の所長特別補佐のダウネンブランドの顔が映った。
「Kー1356、さっそく、仕事です」と、スクリーンのブランド。
「今、通過中の星雲にある、ノヴァという恒星をご存知ですか?」
2
1
「ええ」と、ロバーツ。すぐに、返答した。この距離での通信は、今の
ような、超光速通信では、かなりの電力ロスにつながるので、できるだ
け、早く、会話を切り上げたかった。
「では、その惑
|
グレーの悪夢
/FB3/NightmareInGray/
プロローグ
彼は、すばらしい気分で目覚めた。明るい春の日射しが暖かく降りそ
そいでいた。30分くらいうたた寝していたようだ。暖かい太陽の影は、
寝ているあいだにわずかに角度を変えた。公園のベンチで座ったまま、
わずかに頭が下がり、前のめりになっていた。
公園は、夏よりやさしい春の緑であふれていた。その日は、重要な日
で、彼は若く、恋に落ちていた。すばらしい恋。目がくらむ恋。幸せに
なれたのは、昨夜のことで、土曜の夜だった。
2
1
彼は、スーザンに結婚を申し込み、スーザンはそれを受け入れたよう
に見えた。スーザンは、イエスと言う代わりにこう言ったのだ。
「そうね、返事をする前に、あした、うちに来て、家族に会ってほしい
の。うちの家族みんなを愛してほしいし、わたしと同じように、うちの
家族みんなもあなたを愛すると思うわ」
これがオーケーでなくてなんだろう?
|
ブルーモンスター
/FB5/brmon/
ブルーモンスター
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼の生涯にスペクトルがあるとすれば、彼の生涯がほとんど怪奇その
ものだったように、それはまさしく、怪奇だった。光のスペクトルが、
赤外線から紫外線に亙わたるように、それは、絶望の夜の思考である、ウル
トラブラックから、神が山の上から見おろすように、彼が他人の心、思
考や知識を見おろす、ハイテンションの目覚めや輝きである、インフラ
ホワイトに亙わたっていた。しかしその間には、なにかがあって、ブラック
とホワイトの間に、グレーがあるように、単純に接することを拒む、赤
の帯域があった。赤は、激しい怒いかりだった。彼の意識が、赤の帯域に差
し掛かると、殺人鬼となり、非常に危険だった。彼はすでに、まったく
2
1
面識のない、ふたりの男とひとりの女を殺していて、捕とららえられ
|
赤の悪夢
/FB1/NightmareInRed/
赤の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、なにによって起こされたのか、わからないまま、目が覚めた。
最初のゆれのあと、1分で、2回目のゆれが来た。ベッドが少しゆれ、
タンスの上の小物が、ガタガタと、音をたてた。3回目のゆれを、横に
なったまま、待っていたが、来なかった。その時までは、来なかった。
ほとんど目が覚めてしまっていて、もう、眠ることができなかった。
時計の夜光盤を見ると、まだ、真夜中の3時であった。ベッドから出て、
パジャマのまま、窓のところまで歩いた。暗い空に、点滅する光が見え
た。夜の音が聞こえた。どこかで、ベル。
2
1
しかし、なぜ、この時間にベルなんか?災害を知らせるベルなのか?
ここの軽いゆれが、どこか近くで、大きな地震につながったのだろうか?
あるいは、これから、ほんとうの地震が来る、とい
|
歩兵
/FB1/Sentry/
歩兵
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、ぬれて、泥だらけで、ひどくおなかがすいて、寒かった。しか
も、故郷の星から、5万光年も離れた星にいた。
奇妙な青い太陽が、かがやいていた。重力も、彼の星の2倍もあって、
動くのも、困難だった。
1万年のあいだ、戦況は、変わらなかった。空軍のパイロットたちは、
流線型の宇宙船に、ファンシーな武器が使えて、上機嫌だった。チップ
が地上にバラまかれると、歩兵めがけて、地面をはってきて、足という
足は、すべて、血で染められた。
2
1
このひどい惑星に、上陸するとは、彼は、まったく、聞かされていな
かった。惑星の地表は、エイリアンたちも、そこにいるがゆえに、神聖
なる戦場だった。そのエイリアンたちは、この銀河に存在する、われわ
れ以外の、唯一の知的生命体であった。冷酷で、みにくく、
|
エコーバック
/FB3/Rebound/
中央に寄った目が、実際よりさもしく見
せていた。唯一救われる点は、臆病だおくびょうったことで、それで、彼は、暴力
犯罪に関わることは一切なかった。
2
1
1
ある夜、スネルは、食堂の電話ブースで、競馬のノミ屋と、その日の
午後のレースで電話で賭けた当たり馬券が、3連単か3連複かで、言い
争いをしていた。ついにあきらめて、スネルは、言い放った。
「死んじまいな!」
そして、受話器をたたきつけた。
そのことを、スネルはそのまま忘れていたが、つぎの日、そのノミ屋
が、電話しながら死んだことを聞かされた。ちょうど、スネルと話して
いた時刻に。
このことは、ラリースネルに考える材料を与えた。スネルは、無学で
はなく、魔力について知っていた。実際、前に魔力を試してみたことが
あった。まったく効果はなかったが。なにが変わったのだろう?試して
みる価値はあった。注意深く、20
|
3つの願い
/XF/JeSouhaite/
よろしく」と、ギルモア。
モルダーは、スカリーに説明した。「ギルモアさんは、わざわざ、ミ
8
7
ズーリ州からいらしてくれたんだ。ぼくらを頼って」
「今の私の状況を」と、ギルモア。「理解できるのは、あなた方しかい
な━━━いない」
「無理しないで!」と、モルダー。スカリーに書類をみせた。「これが、
ギルモアさんの状況だ」
スカリーは、口がなくなった写真を見た。
「1ヶ月ほど前に、突然、そうなった」と、モルダー。
「アンソンストークス」と、ギルモア。「あいつの仕業だ。どうやった
かは、分からん。彼に、間違いない!」
「アンソンストークスは、貸し倉庫会社の、元従業員だよ」と、モルダ
ー。「ギルモアさんが経営している━━━日頃から、問題が多かったら
しい」
「私に向かって、黙れ、と。それで━━━」
「ああ、それで、ギルモアさんは、その直後に、災難に見舞われた。そ
の後、警察が、アンソンストークスに同行を求めたところ、彼は、それ
を、拒否したそうなんだ」
「あの男ときたら、証拠はあるのか、などと」
「まぁ、たしかに、証拠はないですよね?」と、モルダー。
「新しい口を作るために、いったい、いくらかかったと思います?ああ、
正義は、どこへ行ったんです?」
10
|
天使が死ぬ時
/TS/TheHabit/
管理人の室へ、ご案内してください。シ
スターアンジェリカは、こちらの職員のひとりで、わたくしの下で働い
てもらっていますの。テラスを通って、お連れしてください。人目にた
たないようにね」
「どうぞ、こちらへ」と、シスターアンジェリカ。
「では、のちほど━━━」と、リチャード。シスターアンジェリカのあ
とに、続いた。
「あとで、うかがいます。そのときに、その、手当ても━━━」
テラスに出ると、シスターアンジェリカが言った。
「管理人のハークネスさんは、4か月いらしたんですが、生徒のひとり
と、問題を起こして、やめられましたの。とくに、これといって、つら
い仕事では、ありませんが、やはり、献身的な愛情がございませんとね。
シスターベロニカも、大変ですの」
◇
シスターベロニカは、廊下にいたビッキーとマリーに声をかけた。
16
15
「おはよう、ビッキー。おはいんなさい!マリー、あなた
|
黄の悪夢
/FB2/NightmareInYellow/
時間は、どんな場合でも、ただ、彼を通りすぎていった。不動産専門
の弁護士として、多くの金が、彼の手をただ通りすぎていった。しかし、
あるとき、彼は、その一部に手をつけた。1年前、確実に儲かる方法で、
2倍か3倍にする投資に使うために、5万ドルを借用した。しかし、う
まくゆかなかった。それで、その損失をうめるために、あれやこれやと、
ギャンブルに手を出して、さらに多くの金を借用した。
その額は、今では、30万ドルをこえていた。あと2・3か月しか不
足分を隠しとおせなかった。その間に、不足分を返せる見込みもなかっ
た。
それで、疑惑をもたれないように、注意深く、不動産を売りはらいな
がら、現金の額を増やしていった。今日の午後には、残りの人生を送る
のにじゅうぶんな、100万ドルをこえる逃走資金が手にはいる。
4
3
彼のことは、だれにも気づかれていなかった。じゅうぶん計画して、
逃走経
|
ハンスカーベルのリング
/FB3/HansCarvel/
ハンスカーベルは、若い妻に疑いを持ち始
めた。妻を深く愛してはいても、妻は元気がよすぎて活発すぎるのでは
ないかという気がした。彼が与えられるものが、もちろんお金は十分あ
ったが、お金以外で与えられるものが、彼女を満足させるには十分では
なかったかもしれなかった。かもしれない?はっきり言おう。十分では
なかったのだ。不自然にならないように、ハンスカーベルは、調査を依
頼して、妻が浮気をしていることを知った。ハンスカーベルは、心が動
揺して苦しみ、夜眠るたびに悪夢に悩まされた。
2
その悪夢のひとつに、ある夜、デビルが現われた。ハンスカーベルは、
悩みを打ちあけて申し出た。
「なにか妻の貞操ていそうを保証してくれるものがあったら、ここにあるお金で
譲ゆずってほしいのだが!」
「もちろん、いいとも!」と、デビル。「魔法のリングをあげよう。目
覚めたら、リングがあるよ。そのリングをはめている限り、きみの奥さ
んがきみに隠れて浮気をすることは不可能だ」
4
3
|
屋根の上の少女
/TZ/IfSheDies/
屋根の上の少女
デービットバネットカレン、ジョンハンコック
プロローグ
夜の山の景色。
窓が閉まると、壁にも、星空。
惑星が回っている上に、胎児、蜘蛛、浮き雲、木馬。
赤ちゃん人形の顔、土人のお面。
水爆実験、窓。
そして、ナレーターのロッドサーリングの映像。
星空のバック。
「ミステリーゾーン」のタイトル。
2
1
1
朝。閑静な住宅街。
「パパ、急いで!」
キッチンで、キャシーが、フレンチトーストを作っていた。キャシー
は、今年から、小学校に通っていた。
「今、行くよ!」と、ポール。
「パパ、早く来て!」
「分かってる、行くってば!」
やっと、ポールがキッチンに出てきた。スーツを着ていた、
「なぜ、そんなに急いでいるんだ?」
「学校に遅刻する」キャシーは、できたてのトーストを、お皿に盛り付
けた。
「大丈夫さ。服装チェックして
|
アリスのビックリラン
/LC/AliceWonder/
また現われても驚
かなかった。
「そうだろうと思った」
「なぜ、赤ん坊のことを知ってるの?」と、アリス。
「いや、なんとなく」
「もしかしたら」と、アリス。自分に。「チェシェネコは、森のニュー
スキャスターなのかも?」
チェシェネコは、また、姿を消した。
アリスは、しばらく、チェシェネコが姿を現すのを待っていた。しか
し、姿を現さないので、3月ウサギの道へ歩きだした。
「帽子屋には前に会ったわ!」と、アリス。「3月ウサギは、会ってみ
たい!今は5月だから、それほどわめいたりはしない。少なくとも、3
114
113
月の時よりはおとなしいはず!」
アリスが見上げると、木の上に、また、チェシェネコが、姿を現した。
「さっき、ブタと言った?フタと言った?」と、チェシェネコ。
「ブタよ!」と、アリス。「それより、チェシェさんは姿を消すのも現
わすのも、突然すぎて、目がまわる!」
「分かった!」と、
|
アリスのルッグラン
/LC/AliceLooking/
ディ。すぐに詩を、声に出して読み始めた。
「長い詩なら」と、アリス。思い切って、さえぎった。「その前に、道
を教えて!」
テュデュルディは、やさしくほほえんで、最初から、詩を、声に出し
て読み始めた。
「陽がさんさんと 海の上で輝く 強いエネルギーで
力の限り 大波はゆったりと ギラギラと
しかし これはおかしい 今は真夜中
月は輝く 怒おこりながら なぜなら
昼が過ぎて 陽が出てくるのは おかしい
『なんて無礼ぶれいなの!』と 月『楽しみを奪うばわないで!』
海は濡れに濡れ 砂浜は かわきにかわき
雲は見えなかった 空に 雲はなかったから
鳥も飛んでなかった 空に 鳥はいなかったから
90
89
セイウチと大工 ならんで 砂浜を歩いていた
ふたりは なにかを嘆なげいた 大量の砂
『砂浜をぜんぶ』と ふたり 『なくしてしまえばいい!』
『7人のメ
|
武器
/FB2/TheWeapon/
2
1
1
グラハムは、このようなときに、もっとも創造的で、すばらしい仕事
をした。昼間の雑用から解放されて、自宅の薄暗い室に、ひとりすわり
ながら。しかし、今夜は、彼の心は乱れて、建設的な方向に進まなかっ
た。考えていたのは、隣の室にいる、精神的に未発達の息子のことだっ
た。おもに感じていたのは、愛情であって、数年前に、息子のことを初
めて聞かされた時に感じたような、怒りでは、なかった。少年は、幸せ
だった。それで、じゅうぶんではないか?子どもが、いつまでも子ども
で、親元を去ることのない子どもを、どれだけ多くの人が持てるという
のだろうか?たしかに、そう考えるのは、理にかなったことだ。間違っ
た理屈かもしれないが。そのとき、玄関のベルが鳴った。
グラハムは、立ち上がり、玄関へ行く前に、ほとんど暗くなった室の
電気をつけた。思考を中断された、イラ
|
おばばのバースデイ
/FB3/GrannysBirthday/
1
スミスともうひとりを除いた全員が、ハルペリン家でハルペリンの姓せい
だった。おばばには、3人の息子と娘がひとりいて、みんな集まってい
た。3人の息子はみんな結婚していて、妻たちもいた。おばばも合わせ
て、8人のハルペリン家がいた。さらに、4人の孫がいて、そのうちの
ひとりには妻がいたので、合計13人のハルペリン家がいた。スミスと、
もうひとりの非ハルペリン家の男のクロスを入れると、15人のおとな
がいた。もっと早い時間には、3人のハルペリン家のひ孫がいたが、夜
になって、それぞれの年齢に応じた時間にベッドへ行かされた。
スミスは、みんなが好きだった。お酒が自由にくみかわされ、スミス
の好みよりは、パーティは少々、だんだん大声でにぎやかななものにな
った。全員が酔っていた。おばばさえ、玉座には見えないイスに座り、
今夜3杯目のシェリーのグラスを手にしていた。
「おばばは、小柄だがとてもやさしく活発な老婦人だ」と、スミスは思
った。「たしかに女家長だ。ビロードの手袋と鉄の棒で家族を支配して
いる」スミスはたとえ話を混乱するほど、酔っていた。
スミスは、おばばの息子のビルハルペリンに招待されていた。スミス
は、ビルの弁護士であり友人だった。もうひとりの非ハルペリン家のジ
ーンクロスは、ハルペリン家の孫の世代の誰かの友人に見えた。
4
3
|
ノヴァリアン試用版
/novelyan/guestroom/
(画像提供:
ISFDB)
SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 2.40 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
ゲストルーム
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
サンプルあり(
1
2
3
4
) presented by bilyzkid
◆◇◆更新ニュース◇◆◇
一.
ゲストがひとりで使える専用サイト
をリリースしました。
ノヴァリアン NOVELYAN 2.40 試用版
ご使用方法
小説コマンドの説明
画像コマンドの説明
詩的コマンドの説明
FAQ
|
アンラッキー
/FB1/Unfortunately/
アンラッキー
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
ラルフNCー5は、監視スクリーンのアルクトゥルス第4惑星を見て、
安堵あんどのためいきをついた。コンピュータが、そう、教えてくれたのだ。
アルクトゥルス第4惑星は、ここでは、唯一の、人が住んでいる、居住
可能な惑星で、となりの太陽系まで、数光年離れていた。
彼は、食料を必要としていた。燃料や水は、じゅうぶんだったが、冥めい
王おう星の兵站へいたん部は、彼の偵察艇に物資を補充する際、食料を補充しわすれ
た。宇宙マニュアルによると、アルクトゥルス第4惑星の原住民は、友
好的だった。頼めば、なんでも与えてくれるという。
2
1
マニュアルには、この点について、詳細に記述されていた。自動操縦
で、着陸を指示すると、アルクトゥルス星人に関する記述を再読した。
「アルクトゥルス星人は」と、ラルフNCー5。
|
ティラノサウルス
/FB1/Runaround/
ティラノサウルス
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
長い日々のあいだ、彼は、空腹の森をぬけ、低い木や砂の、空腹の平
原を横切り、のっそりとさまよった。大きな水に流れこんでいる、静寂
の流れのわきに沿って、さらに、さまよった。いつも、空腹だった。
ずっと、長いあいだ、空腹だった。
たまに、食べられそうなものがいたが、いつも小さかった。ひづめの
あるやつだったり、足指が3つだったりした。みんな、とても小さかっ
た。そんなやつらの1匹では、彼のものすごい食欲のほんの1片しか満
たしてくれなかった。
2
1
それに、小さいやつらは、とてもすばしっこく走った。やつらを見つ
けて、大きな口からよだれをたらしながら地面をゆらして突進してゆく
と、やつらは、木々のあいだを毛皮のいなづまのように、さっと、どこ
かへ行ってしま
|
ハーフベア
/FB3/Bear/
そのまま吸っても違いが分かり
もしないのだ。
ジョナサンクインビーは、たしかに心配ごとを抱えていた。
2
1
1
始まりは、最後に動物園を訪れた夜だった。「最後に」は2つの意味
でそうだった。1つは、クインビーが1マイル以内には近づかないとい
うことであり、もう1つは、妻も近づかないということだった。彼女は
落ちて、そう、穴の中へ━━━。
その夜、起こったことを分かってもらうためには、すこし説明が必要
だ。クインビーは、若い頃から熱心に魔術━━━手品のようなものでな
く、本物の魔術を学んでいた。不運にも、魔術はクインビー自身には効
かなかった。どんなにがんばっても、ほかの人にも効かなかった。
ひとつの魔術を除いて。それは、人間をクインビーの好きな動物に変
えるもので、同じ魔術を逆に唱えれば、ふたたび人間に戻せた。もしも
悪意のある人間なら、この魔術を犯罪に使うと
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小さな子羊よ
/FB/TheLittleLamb/
少し落ち着かなくなった。窓際を歩いたり、丘から
街の方角を見下ろしたが、彼女が歩く姿はなかった。
2
1
月明かりの夜で、明るく澄んでいた。街頭の明かりは点々と、丘の曲
線は、黄の大きい月に、青に黒を重ねて、続いていた。ここを描かくべき
気がしたが、月はだめだ。誰でも画えに月を入れたとたん、それは、こっ
けいで、こぎれいな画えになってしまう。ヴァンゴッホは星空の画えに月を
入れたが、これは、こぎれいどころか、驚嘆 きょうたんする画えだった。ただ、彼は
これを描かいたとき、正気ではなかった。正気な人間は、なかなか、ヴァ
ンゴッホのようには描かけない。
パレットを洗っていなかったので、もう少し、画えを続けようとした。
二日ふつか前にはじめた画えだった。緑をパレットで混ぜはじめたが、思う色が
作れなかった。やはり、昼間の光を待たなくてならないことを、痛感さ
せられた
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恐怖のウイルス
/ST/DS9_1_2_1/
ふたりとも側頭葉からこれが見つかりました」
「ウイルスか?」
「このウイルスは、神経細胞の連結部分に潜み、情報伝達を攪乱かくらんするの
です。たとえば、これを見ると、目から脳へ映像が送られ、トリコーダ
という言葉と結びつきます。このウイルスは、そこを邪魔するのです」
「つまり、トリコーダを見ても、口からは別の言葉が出るのか。窓とか」
「その通りです」
「ドクター、また、患者が出ました」と、看護婦。
「夜が流れだした」と、ひとりの患者。
「月が瞳を閉じ、トンネルの向こうから太陽が来たんです」と、別の患
者。
26
25
「ドクター、今からステーションを緊急隔離体制に置こう」と、シスコ
大佐。
「わかりました」
◇
オドーは、クワークの店に立ち寄った。
「クワーク、いったいこれはどういうことになっているんだ?」と、オ
ドー。
「なんか変かい?」と、クワーク。
「客が戻ってきたみたい
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八甲田 歩のスペースドライバー日誌
/RM/SpaceDriver/
タワー
「東京駅まで!」と、料亭のおかみさんふう女性。
「ここからだったら、新目白通りを抜けてゆくのが断然早いわよ!」
「いいわ、私が教えてあげる!そこの高戸橋を右に曲がって新目白通り
に入ってくれる?」
「高速道路に沿って、飯田橋を抜けて」
「皇居に出たら、お堀ぞいに行くと」
「ほら、東京タワーが一番よく見える場所に出るから」
「ここで左折すれば、正面が東京駅よ!」
「あら、今夜のタワーは、ずいぶんブルーなかんじだこと!」
2
1
想おもふ雲
「それって、なんなの?」と、女の子。
「どれ?これなら、安全の全の字よ」と、お母さん。
「金の字かと思った!」
「あら、金の字も忘れてしまったの?最近、覚えたばかりじゃない?」
「知ってるわよ!ただ、金の字をそう書く人もいるのかなって思ったの」
4
3
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アリーナ
/FB6/Arena/
有限のエリア。まわりの状況が分かってきた。有限だが、
天井は見えなかった。
手で砂をつかんで、指の間から砂を下へこぼした。それは、彼の裸の
足の上に落ちていった。裸?
彼は、完全な裸だった。体からは、ぐったりするような暑さから、汗
がしたたり落ちていて、砂にまみれているところは青になっていた。そ
れ以外の体の部分は、白だった。
つまり、と彼は考えた。この砂は本当に青なのだ。もしも、青の光で
青だったら、オレ自身も青になるはずだ。しかし、オレは白だ。つまり、
砂は青だった。青の砂。どこにも青の砂などなかった。オレがいるここ
のような場所は、どこにもなかった。
汗が目を伝わって落ちた。暑かった。地獄よりも暑かった。地獄は、
祖先の人々のいる場所は赤で、青ではなかった。
しかし、この場所は、地獄ではなかった。どこなんだ?惑星の中では、
水星がこのくらい暑いが、ここは水星じゃない。水星は、ここから40
0万マイル先だ。ここから?
4
3
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失われた母星
/ST/StarTrek2009/
「心拍停止」と表示された。
「敵は、また、魚雷を発射しました!」
「回避行動!」と、カーク。「ブラボシックス!攻撃せよ!」
ケルヴィンは、フェーザー砲で応戦したが、ブリッジにも被弾した。
「7名死亡しました!」
「一般命令13を発令する!」と、カーク。「総員退避だ!」
「了解!」
「全デッキ!こちら船長だ!」と、カーク。「ただちに、船を捨てて、
総員退避!各自、指定のシャトルに乗れ!繰り返す」
ブリッジの仕官は、全員、席を立った。
医務室。臨月の女性を車イスに乗せて、看護婦が退避を始めた。
「ジョージの声よ、どういうこと?」と、車イスの女性。
「シャトルで、お産よ!行って!」と、看護婦。
「船体が破損!早く、逃げろ!立たせろ!」機関部から、退避する乗員。
何人かは、爆発で吹き飛ばされた。
「ジョージ!」と、車イスの女性。無線で。
「無事か、よかった」と、カーク。「医療シャトル37号を、スタンバ
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|
ミットキーふたたび
/FB1/MitkeyRidesAgain/
ほとんど、ミットキーは、「教授!」と呼びそうになった。
しかし、ねずみとしての自覚が、彼を黙らせて、聞いていた。
今や、それは、坂道を下る、雪だるまのように、ミットキーの記憶は、
膨らんでいった。教授が話すと同時に、言葉と意味が押し寄せてきた。
間違った形のジグザグの記憶が降ってきて、ひとつづつ、意味のある
絵に収まっていった。
「さて、ねずみ用の個室に、流体のショック吸収器具、これで、ねずみ
は、安全に軟着陸できる。それに、この超短波送信機が、月の大気中で、
彼が生きているかどうかを、教えてくれる━━━」
「大気」という教授の声には、侮辱の響きが含まれていた。「月には、
大気がないと言っていたバカどもめが!たしかに、分光器では、そうだ
が━━━」
教授の声に含まれる、ちょっとした痛みは、ミットキーの小さな心に、
広がりつつある痛みとは、まったく、別のものだった。
ミットキーは、今や、ふたたび、ミットキーであった。記憶は、その
ままでは、すこし混乱して、バラバラであった。マーストラリアの夢や
ら、ほかのすべても。
帰ってきて、ミニートを、最初に見て、電気の通った、金属ホイール
を踏んだ一歩が、彼の夢のすべてを終わらせた。わな。そう、わながあ
ったのだ。
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教授は、
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緑の世界
/FB/SomethingGreen/
緑でおおわれた世界があるんだ。
これから、そこへ、いっしょに、行くんだよ。もうすぐね!オレは、そ
の世界から来たのさ。そこは、宇宙でもっとも、うつくしいところだよ、
ドロシー。きっと、きみも、好きになるさ」
マクガリーは、ふりかえって、茶の平原に茶の茂み、上空には、青紫
の空に、赤く輝く太陽を見渡した。たえず、赤く輝く太陽、クルーガー
は、この惑星では、けっして沈まず、昼が終わることはなかった。惑星
の同じ片側を、つねに、太陽に向けているからだ。地球の月が、つねに、
表側を地球に向けているのと同じだ。
昼もなく、夜もなかった。影の境界線を越えて、氷つくような寒さで、
生命を維持できない、夜の側に行かない限り。季節もなかった。気候は
一定で、気温も変わらず、風もなく、嵐もなかった。
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「たとえ、住みにくい星であったとしても」と、マクガリーは、考えた。
何千回目か、いや、何百万回目に。
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オブライエンの孤独
/ST/DS9_2_4_2/
さて、とにかく、妙なかんじがしたんだ。でも、
あの時点でも、分からなかった。みんなの考え方は、まるで、ぼくに内
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緒で、こっそり、パーティを計画しているような、そんな、かんじだっ
た。でも、ぼくの誕生日は、9月で、ほかにお祝いをするようなことは、
なにも、思いあたらなかった」
オブライエンは、ブリッジを通り抜けようとした。
キラ少佐と、ダックス中尉、ドクターベシアがいた。
「ああ、やっと、現われたぞ!」と、ドクターベシア。近づいてきた。
「ずっと、きみを、待ってたんだ!」
「なにか、ご用ですか?」と、オブライエン。
「きょうは、言い訳は、聞かないぞ!」
「言い訳ですって?」
「1時間以内に、医務室に来い!」
「なぜ、です?」
「定期健診だよ。ずっと、のびのびになっているぞ!」
「でも、きょうは、無理ですよ!」
「なにが、無理なんだ?司令官にも、許可をいただいてあるんだ」
「司令官
|
オレとフラップジャックとマルスd星人
/FB4/Flapjack/
やつがパンケ
ーキを盗んでしまう時間を節約するため、赤どうがらし入りの激辛パン
ケーキを作った。やつはひいひい鳴いたと思うじゃろ?フラップジャッ
クは違った。やつはパンケーキを盗んだことがうれしくて、それがどん
な味がするかなんて気にも留とめなかった。
フラップジャックには注意しろ!フラップジャックには。そろそろ、
マルスd星人の話をするところまで来たようだ。いい頃合だ。
2
朝が来た。もう少し正確に、それは確か、8月6日か、たぶん8月7
日だった。砂漠にいると、ときどき日付が分からなくなる。
とにかく、オレはフラップジャックがいななくのを聞いて、目をさま
した。威厳もなにもないような鳴き方だった。なにかが起こったと感じ
た。オレがテントから頭を出すまで、フラップジャックはその鳴き声を
続けた。目の前に見えたのは、バルーンだった。最初、そう見えた。火
を吹くバルーン。火はその下からものすごい勢いで出ていた。数分後に
大爆発しそうだった。
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ボディスナッチャー
/SY/BodySnatcher/
「グレックスかな?」
「なに?」
「2種類の花から受粉してできる、まったく、別種の花。聞いて!」リ
サは、図鑑を読み上げた。「エピロビック。語源は、ギリシャ語で、豆
のサヤの上。多くは、危険な雑草」
「危険?」
「花壇ではね。根付くのが、早いの」リサは、コップに入れた花を、見
せた。「急速繁茂は、戦後の欧州の廃墟でも見られた。荒地でも、繁る
種類が多い━━━」
「週末、ベイルへ行かないか?」
「行けたらね」
「ジェフリー!読書中よ━━━ご機嫌ね!」
「今夜は、決勝戦があるからね」
「ジェフリー!」
「なに?」
「今、読書中よ」
「分かった。ヘッドホンをするよ!」
「下へ行くわ!」
6
5
◇
マシューベネルは、営業中のレストランの裏口をノックした。
「誰だ?」と、レストランのオーナー。
「衛生局だ」と、マシュー。
マシューは、厨房へ入った。
「ベネルさん、ようこそ」と、オーナ
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アボミっぽい
/FB3/Abominable/
1
シャウンシー卿は、女性の目利きでもあった。ここでひとりで挑戦す
る理由がそれで、危険な登山というだけでなく、危険な救出でもあった。
もしも、ローラガブラルディが、まだ、生きていれば、アボミっぽいス
ノーマンにつかまったのだ。
シャウンシー卿は、ローラガブラルディ本人に、直接会ったことはな
かった。彼女のことを知ったのは、1ヶ月にもならない前で、彼女が主
演する映画を見たのだ。その映画で、彼女は突然、地球上でもっとも美
しい女性、イタリアが生んだ最も美しい映画スターとして伝説になった。
シャウンシー卿が理解できないのは、イタリアが彼女を生み出したこと
だった。彼女は、世界中の女性の目利きの心に残る、完成された女性美
として、バルドーやロロブリジッダ、エクバーグに、とって代わった。
シャウンシー卿も、女性の目利きのトップとして、そうだった。映画で
彼女を見た瞬間、彼女本人に会わなければならないことを、たとえ死ん
でも、そうしなければならないことを知った。
しかし、その時まで、ローラガブラルディは失踪しっそうしたままだった。最
初の映画の休暇で訪れたインドで、登山家のパーティに参加して、オブ
リモフ山の登山をすることになった。パーティのほかの全員は戻ったが、
ローラは、戻らなかった。パーティのひとりの話では、手をのばせば届
4
3
|
サアルバの国
/FB1/DeathOnTheMountain/
さかさになっても、人々が落ちないのか、
と。人々は、彼に、きょうがそうなのは、きのうがそうだったからで、
きのうがそうだったのは、おとといもそうだったからで、そんなふうに、
4
3
物事は、けっして変化しないのだ、と答えた。
夜に、彼は、星や谷の光を見た。谷の光は、消灯時刻になると消えた
が、星は、消えなかった。星は、あまりに遠くにあるので、消灯時刻の
ベルが聞こえなかったのだ。
明るい星があった。3日目の夜には、山の雪の積もった頂の いただきすぐ上ま
で降りてきたので、彼は山頂までのぼり、星に話しかけた。星は、答え
なかった。
彼は、星で時を数え、星の進行で3日ごとに時を数えた。3日が1週
間であった。谷の人々にとっては、7日が1週間であった。谷の人々は、
サアルバの国を夢で見たことはなかった。サアルバの国では、水が上へ
流れ、木の葉は、明るい青の炎で燃え、燃えても、燃え尽きることは
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レッドダイアモンド
/RD/RedDiamond/
レッドは考えた。クリーブラ
ンドでの張り込みのあいだ、ふたりでゆっくり過ごしていたことを思い
294
293
出した。しかし、彼女のしぐさからでは、そこまで分からないだろう。
どこにいたにせよ、年月は、彼女によいことしかもたらさなかった。
レッドは、彼女が2・3才しか若くないことを知っていたが、とても3
0過ぎには、見えなかった。薄化粧しかしてないことが、驚きだった。
「ジェーンデュ?」と、レッド。彼女が食事を運んできたときに、笑顔
で言った。軽めのソースのヒラメステーキに、ガーリックパン、それに、
千切りのサヤエンドウ。
「ほんとうの名前よ!」と、ジェーン。
よく気がつくところが、気に入っていた。
「分かってる」と、レッド。ウィンクした。「このあと会って、共通の
友人について話すっていうのはどうだい?」
ジェーンはためらっっていたが、恋人に言うかのように、イエスと言
った。「あと1時間で
|
ザ・オフィス
/FB5/TheOffice/
最後の1年を過ごせた。室は、友人の家に下宿
させてもらった」
「今でもそこに?」
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77
「いいえ、ノースサイドに引越した。卒業したときダウンタウンに自分
の室を借りて、そこで仕事を捜し始めた。レースストリートにある」
「高校の成績は?」
「かなり上位」と、オレ。「4年間の平均は、91点」
「大学に行く予定は?」
それは、オレが夏休みに、アルバイト先を捜したことに通じる。9月
に辞やめてる。幸いなことに(ほかでもなく)オレは正直に答えた。オレ
は言った。「その可能性はない。カネが底をついた。あと1年も、もた
ない。シンシナティ大学の夜間スクールなら、来年の秋に通うかもしれ
ない」
「よく分かった。聞いていいかな?フレッド、将来の夢は?どのような
職業を、究極的に目指したいんだね?」
「そう」と、オレ。少しためらった。そのとき、オレは決心した。結局、
本当のことを話すしかないと。そうすれば、傷つくより、良いことの方
が多いだろう。オレは作家になりたいと、彼に話したら、生活のために
書くことは、かなり時間がかかると思うだろう。それは確かだ。ストー
リーを売って生活するまで、すでに、2年掛かっている(オレは15で
作家を目指した)一方、彼は思うだろう、雑務係としてどんな仕事を任
されるか
|
まだ終わりじゃない
/FB3/NotYet/
奴隷がいなければ
鉱山は閉鎖され、われわれの種族は死に絶えてしまう」
カーは、コントロールパネルに戻り、スイッチに触れて、スクリーン
4
3
をオンにした。スクリーンには、下界の様子が映しだされた。
「キューブは、第3惑星の夜の側にいる。下界は雲の層だ。ここからマ
ニュアルに切り替える」
カーは、パネルを操作した。
「ラル、スクリーンを見てくれ!」と、カー。「光の列が規則的に並ん
でいる!都市だ!この惑星には生物がいる!」
2
ラルは、別のコントロールパネルの攻撃用ボードに移って、ダイアル
に触れた。
「脅威になるものはない」と、ラル。「都市をおおうフォースフィール
ドの痕跡こんせきもない。ここの種族の科学レベルは低そうだ。都市は、攻撃す
れば1発で吹き飛ばせる」
「そうだな」と、カー。「しかし破壊は今回の目的ではない。標本がい
る。もしも標本がレベル以上なら、艦隊を呼んで、
|
悪魔のジョーカー
/TZ/DealersChoice/
悪魔のジョーカー
ドナルドトッド、ウェスクラーベン
プロローグ
夜。ピートの居間。
男たちが、テーブルを囲んで、和気あいあいと、トランプゲームに興
じていた。
「友達とのポーカー」と、ナレーター。「という、ささやかな楽しみが、
究極の賭けになるときもあります。テーブルの上のワイルドカードが、
ゲームの鍵を握る、ミステリーゾーン」
2
1
1
コールがかかって、ジミーが自分の手を見せた。
「キングまでの、ストレート!お前は?」
「6とジャックのフルハウス!」と、ニック。手を見せた。
それを、見て、一同そろって、ため息をついた。
「また、フルハウスか!」と、ピート。「ニックだっけ?」
「そう、ニック」と、ニック。
「誰の代わり?」
「なに?」
「代理だろ?」
「ああ、いとこのノーマン」
「病気になったか?」
「だから、家にいる」
「じゃあ、
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