原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
presented by bilyzkid
|
SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
|
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
|
試用版 ゲストルーム
|
◆◇◆更新ニュース◇◆◇
|
一.
試用版 ゲストルーム
をリリースしました。
二.
サイト 内 検索
をリリースしました。
三.
郵便番号検索
をリリースしました。
四.
世界の国旗
をリリースしました。
五.
和暦⇔西暦・早見表
で、令和を新年号としました。
六.
広告ページを
としました。
(
ページ:ネットゲーム・健康広告あり
ページ、その他:広告なし)
◇◆Alt-P (印刷ページ)Enterで、広告なしに移れます◇◆
左
中央:初出年月・初放映日・初出雑誌・他
右

七.
宝くじMission
に、ビンゴ5(N8)を追加しました。
|
|
京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス
[��� ��� ������ ��������� ��������� ���������(������)������ ��������������� ��������� or検索] ヒット 106 件です。
|
3つの願い
/XF/JeSouhaite/
思わない?」と、スカリー。
「かなりね」と、モルダー。
◇
カーテン越しに、モルダーとスカリーが近づいてくるのが見えた。
「まずい!」と、アンソン。「レスリー!」
弟のレスリーが、室の中を、電動の車イスに乗ってきた。「なに?ど
うしたの?」
「国税庁の連中だ!」と、アンソン。「間違いない!おまえが、おっぱ
らえ!」
スカリーは、ドアをノックした。
レスリーは、ドアをあけて、しばらくしてから、車イスをバックさせ
て、現われた。
「どうも」と、スカリー。「こちら、アンソンストークスさんの、お宅
かしら?」
14
13
「今、留守だ」と、レスリー。
「いつごろ戻るか、ご存知?」
レスリーは、首を振った。
「わたしたち、FBIの、モルダーとスカリーと、いうんだけど」スカ
リーは、身分証を見せた。
「その船は」と、レスリー。「うちのじゃない。頼まれて、預かってい
るだけだ。ほ
|
ドール
/XF/Chinga/
思えないこと?」
「メリッサの男友達だよ」
「メリッサの男友達?」
「ああ、そう。死んだデイブが、そうなんだ━━━」
それを、聞いて、スカリーは、不思議そうな顔をした。
◇
メリッサの家。電話が鳴って、メリッサが出た。ポリーが好きな、軽
快なレコードがかかっていた。
「もしもし」
「いやぁ、バディだ」警察署から、電話している警部補。
「ああ、ハーイ」
「だいじょうぶかい?」
「ええ、どうして?」
ポリーが、人形を抱えて、座っていた。
「誰なの、ママ?」
「スーパーにいたろ?メリッサ、分かっているんだ」と、バディ。電話
を聞かれないように、警察署の裏の室へ移った。
「なんのことだか、さっぱりだわ、バディ」と、メリッサ。
18
17
「切ってよ、ママ」と、ポリー。
「メリッサ、音楽を小さくしてくれ!」と、バディ。
メリッサは、電話を持って、子ども室から出て、裏庭で話した。
|
探検隊
/FB3/Expedition/
今度はすべて女とすれば、男は1年くらいの
独身生活には耐えられるし、もともと宇宙訓練校は、男子校と女子校に
厳密に分けられていた」
1
「火星植民地計画の長官は、この問題をもっとも単純に解決した」
「なんです、アンブローズ君」と教授。
「先生、それはマクソン船長の火星探検隊でしょうか?」と、手を挙あげ
た生徒。「船長は、鉄腕マクソンと呼ばれています。なぜそう呼ばれて
るんですか?」
「そこはこれから述べます。火星探検隊のことは、低学年でも聞いてい
るはずですが、詳しくは聞いてないでしょう。あなたたちは、もう聞い
てもいい年齢になっています」
「火星植民地計画の長官は、2つの宇宙訓練校の卒業生から、男女に関
係なく、くじで決めると宣言して、論争に終止符を打った。男子校の卒
4
3
業生は500人で女子校の卒業生は100人であったから、長官は、2
5人の男と5人の女の構成比
|
フェルマーの予想
/RM/Fermat/
三百年前に証明されたんでは?」と、ジ
ェイク。「たしか、ダックス大尉が別証明にチャレンジしてるって」
「そのようね。証明自体は、中学生では難しすぎるし、私も理解できま
せん。今日のテキストは、やはり三百年前頃に書かれた未発表のもので、
Googolという検索サイトのキャッシングに残されていたものです」
「キャッシングって、ラチナムに換金するってことですか?」と、ノー
グ。
「そういうことではないでしょうね。なんらかのデータベースというこ
とらしいです」
4
3
「パッドに入っているテキストの最初の図形は?」と、ケイコ先生。
「はーい、ピタゴラスの定理です」と、ジェイク。
「そうです、直角三角形の斜辺の二乗が、他の辺の二乗の和に等しいと
いうものですね。次に書かれているのが」
6
5
|
アリスのビックリラン
/LC/AliceWonder/
きれいな礼服を着て、左手に白の手袋、右手に小
さな花束を持っていた。
アリスは、白のウサギがそばを通るときになにかを聞こうとしたが、
気分が沈んでいたので、低いおどおどした声になった。
「あの~、よろしかったら、教えて」
ウサギは声のするホールの天井を見上げてから、花束と白の手袋を落
として、暗闇のなかへ猛ダッシュで走っていった。
アリスは、花束と白の手袋を拾った。花束はいいにおいがして、アリ
スはずっと花束のにおいをかぎながら、「待って!」と言いながら、ウ
サギの後を追った。
22
21
◇
「きょうは、すべてがおかしいわ!」と、アリス。自分に。「きのうは、
すべてがふつうだったのに!夜に変わったのかしら?落ちついて考えて
みましょ!朝起きたときは、わたしは同じだったか?ちょっと違ってた
気がする。違ってたとしたら、この世界にいるわたしはなんなの?むず
かしいパズ
|
ナッシングシリウス
/FB2/NothingSirius/
オレは、咳払いをして、ママとエレンを見た。ふたりは、異論なさそ
うだったので、指示を出した。
「ジョニー、コースを変更してくれ!まだ、人の手が触れていない、新
しい惑星を、発見することが夢だったんだ。酸素マスクが必要だとして
も、そこへ、着陸しよう!」
「はい、船長」と、ジョニー。敬礼した。だが、彼の目には、すこし同
意しがたいものがあった。それが多少あったにせよ、どうということは
なかった。なにが、前人未到の地へかきたてるのだろうか?テントやス
ロットマシンは、冒険家の正しい装備では、なかったかもしれない。
しかし、完璧なパイロットは、けっして、船長の命令に、疑問を持つ
ことはない。
ジョニーは、操縦席に座り、パネルを操作した。オレたちは、邪魔し
ないよう、操縦室を出た。
「ママ」と、オレ。「オレは、恥ずべきアホだ」
「そうじゃなかったとしても、そうなるわね」と、ママ。
オレは、ニヤリとして、エレンを見た。
しかし、エレンは、オレを見てなかった。エレンは、ふたたび、夢見
るような表情を浮かべていた。操縦室へ連れてって、ジョニーに1突き
して、気づかせてやりたかった。
「エレン、聞いてくれ、ジョニーは、今━━━」と、オレは言いかけた
10
9
が、すぐ黙った。顔の片方が燃えるように感じて、ママが、こっちを見
ていることが分かったからだ。オレは、カードを手にして、着陸す
|
緑の悪夢
/FB3/NightmareInGreen/
緑の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は目覚めると、昨夜ベッドの中で考えた強い決意を思い起こした。
それは、ウィリアムがふたたび男に、強い男になるために曲げてはなら
ない決意だった。妻のデイジーに離婚してくれるよう断固として要求す
る。そうしなければ、すべてを失って2度と勇気を持てなくなるだろう。
6年間の結婚生活の最初から、離婚は不可避だった。
今が、そのターニングポイントだった。自分より、あらゆる点ですぐ
れた女性と結婚することは、耐えられないだけでなく、自分がだんだん
弱々しい生き物、希望を失ったねずみになっていってしまうのだ。
2
1
1
デイジーは、あらゆる点で、ウィリアムより優まさっていた。彼女は、ア
スリートだったので、ゴルフでもテニスでもあらゆるスポーツで、彼を
やすやすと打ち負かした。デイジー
|
人形の家で
/TZ/Miniature/
やっと、団体客から抜け出して、1階の展示室へ入っ
た。チャーリーが入ってゆくと、イスに座っていた、警備員が立ち上が
った。いろいろな博物品があった。チャーリーは、一番奥の、人形の家
の前に行った。豪華なつくりで、1階に応接室、2階に寝室、右側には、
螺旋階段があった。応接室に置かれたピアノには、若い女性が座ってい
た。
腕時計を見ると、そろそろ、戻ったほうがよさそうな時間だった。
6
5
そのとき、かすかな、ピアノの音色が聞こえてきた。どこから聞こえ
てくるのか、最初は、分からなかったが、人形の家を見ると、女性が弾
いているように見えた。
「博物館は、知識の場所です」と、ナレーター。「美と真実と不思議の
場所。学んだり、鑑賞を楽しんだり。訪れる理由は、人、それぞれ」
ロッドサーリングが、タバコを手に、スーツ姿で腕を前に組んで、ナ
レーターをつとめていた。
「チャーリーパー
|
死の手紙
/FB3/DeadLetter/
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ラバティは、あいていたフランス窓から侵入すると、静かにカーペッ
トを横切り、机に向かって仕事している白髪の男性の背後に立った。
「ハロー、コングレスマン?」と、ラバティ。
コングレスマンクインは振り返った。そして、ラバティが銃口を向け
ている拳銃を見て、震えながら立ち上がった。
「ラバティ」と、コングレスマン。「バカなことはやめろ!」
ラバティは、ニタリとした。「いつかこうなるって言っただろ?4年
待ったんだ。今は、もう安全さ」
2
1
1
「逃げ切ることはできないよ、ラバティ!私は手紙を託してある。私に
なにかあったら投函することになってる」
ラバティは、笑った。「ウソを言うんじゃない、クイン!そんな手紙
なんて書けやしない。もしもオレの動機を説明しようとしたら、おまえ
自身の罪を認
|
タイムマシン第1号
/FB/FirstTimeMachine/
タイムマシン第1号
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
「諸君、タイムマシン第1号です」と、グレンジャー博士。
三人の友人が、その機械を見つめた。
片手に収まるほどのダイヤル付きの箱で、脇にスイッチが一つ付いてい
た。
「操作は、簡単です」と、グレンジャー博士。
「行きたい日時を、ダイヤルでセットして、ボタンを押すだけです。そ
れだけで、過去にも未来にも行けます」
2
1
スメドリーは、真っ先に機械を手に持って、調べ始めた。
「これって、ほんとうに動くのかな?」
「簡単なテストは済んでいます」と、グレンジャー博士。
「一日前にセットしてボタンを押すと、室の外から、自分の背中が見え
たので、そのまま、すぐに戻ってきました」
「もしもその時、室へ入って、自分のお尻を蹴り上げたら、何が起こっ
てたかな?」と、別の友人。
グレンジャー博士は、笑
|
オブライエンの孤独
/ST/DS9_2_4_2/
「きょうは、言い訳は、聞かないぞ!」
「言い訳ですって?」
「1時間以内に、医務室に来い!」
「なぜ、です?」
「定期健診だよ。ずっと、のびのびになっているぞ!」
「でも、きょうは、無理ですよ!」
「なにが、無理なんだ?司令官にも、許可をいただいてあるんだ」
「司令官に?なんで、そんな、余計なことを?」
「しかしだね、チーフ!いやがる気持ちも、分かるが、しかし━━━」
「お断りです。きょうは、忙しいんだ」
「いや、きょうこそは、受けてもらうぞ!いざとなったら、きみの上官
として、命令を出す!本気だよ!」
16
15
そこへ、シスコが、現われた。
「どうか、したのか?」と、シスコ。
「ミスターオブライエンが言うには」と、ドクターベシア。「きょうは、
健診は、受けられないと」
「仕事は、都合して、受けてくれ!」
「司令官!」と、オブライエン。
「ドクターは、来週までに、スタッフの健康
|
失われた母星
/ST/StarTrek2009/
なんだ、天才的知能をもった問題児で、終わ
りたいのか?」
「それもいいな」
「おい、父をなくし、ふつうの生活で落ち着けるのか?もっと、違う道
があると、思わないか?特別な道が。宇宙艦隊に、志願しろ!」
「志願?今月は、入隊者が減って、困ってるんですか?」
「もし、父上の半分でも才能があれば、艦隊で活躍できる。4年で、仕
官昇進。8年で、船長になれる。惑星連邦の意義と重要性は、わかるだ
ろ?平和主義の、人道主義の艦隊では」
「もう、終わり?」
36
35
「終わりだ」
パイクは、立ち上がった。
「新兵用シャトルが、あす、8時、リバーサイド造船所を出る」
カークは、グラスを上げて、乾杯のしぐさをした。
「父上は、12分間、船長をつとめて、800人を救った。きみの母上
と、きみもだ。きみは、越えられるか?」
パイクが店を出ていった。
カークは、テーブルの上の、エンタープライズのミ
|
囚人のピアノ
/TZ/TheConvictsPiano/
シャツが血で
汚れていた。
◇
医務室。
4
3
「感染には、注意が必要だが、傷自体は、軽い」と、医師。
「利き手じゃなくて、よかった。左手は、使わない」と、リック。左手
に包帯を巻いていた。
「リック、囚人の生活は慣れたか?答えなくても、いい」
「構わないよ」と、リック。「すっかり、慣れた。同室の連中とも、仲
よくやってるし、運動もしている」
「ほかのことだ」
「なんだい?」
「けんかだよ。同じ白人ともめて、黒人の見方をしたって、けんかは収
まらんぞ」
「それなら、黙って、見てろと?オレには、できない。オレは、だれも
殺してない。無実なんだ。だから、好きに行動する」
「今後は、お前の診察回数が増えそうだな」
「注射器を用意しておけ」
◇
監視人が、鉄格子を閉めた。
「わざと、けんかしたな?」と、監視人。リックを誘導していた。「そ
れで、軽作業班に移るとは、うま
|
存在のわな
/FB4/Trap/
存在のわな
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
2
1
1
◇
(つづく)
4
3
|
フィッシュストーリー
/FB3/FishStory/
2
1
1
ロレーヌは驚いたようすで、髪をうしろに跳ねあげた。そのとき隠れ
ていた彼女の顔と肩があらわになり、その美しさは、ロバートの想像を
はるかに越えていた。
ロレーヌは驚いて、ディープブルーの目を大きくあけた。
「あなたは、おとこ?」と、ロレーヌ。
「ああ」と、ロバート。そのことには自信があった。
「おとこの話は聞いてはいたけど」と、ロレーヌ。恐怖心は消えていた。
「会うのははじめてだわ!」
ロレーヌは、丸太のとなりに座るよう手招きした。
ロバートはためらうことなくとなりに座ると、ふたりは会話を続け、
さらに続け、ロバートが腕を彼女の肩にまわしても続いた。
「わたし、もう、帰らなくちゃ」と、ロレーヌ。
ロバートは、ロレーヌにおやすみのキスをした。
「あしたの同じ真夜中すぎにお会いしましょう!」
ロバートは、友人の家に幸せな気持ちで戻った。彼は恋
|
眠れるステーション エムポックノール
/ST/DS9_5_6_4/
と、シスコ大佐。
「ええ、カーデシアのマニフォールドは、ベータマトリックスを使って
いるので、複製できないんです」
「それじゃ、ガルデュカットに連絡して、マニフォールドシステムのス
ペアがないかどうか訊きいてみるのはどうです?」と、オドー。
「大喜びで助けてくれるだろうな、他に方法はないか?」と、シスコ大
佐。
「今は使われていないカーデシアのステーションから失敬してくるとい
う手があります」と、オブライエン。
「エムポックノールか?」
「ディーエスナインと同じ構造で、一年前に閉鎖されました。しかしプ
ラズママニフォールドシステムはまだ使えるかもしれません」
「付近でのドミニオンの活動はどうだ?」
「ここ数か月はありません。戦略的には価値のない星域ですから」
「しかし、ひとつ問題があります」と、オドー。
「カーデシア人が基地から撤退するときは、侵入者撃退対策として、わ
なを仕掛けていくのが普通なんです。そのわなを解除するには、カーデ
シア人でないと」
「では、カーデシア人を連れていけばいいわけだ」と、シスコ大佐。
8
7
◇
チーフオブライエンは、エアロックでガラック
|
ふくろぅ3兄弟
/FB3/Owl/
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
(寓話ぐうわ風にアレンジ)
プロローグ
ふくろぅ3兄弟は、お母さんふくろぅといっしょに、森の真ん中の木
のうろに住んでいた。
「子どもたち」と、お母さん。「昼間は、絶対に、ぜったいに、外へ出
てはだめですよ!子どもが外へ出られるのは、夜だけ!お日さまが照っ
てるあいだはダメ!」
「はぁい」と、3兄弟。口をそろえて。
しかし子どもたちは内心では、なぜだめなのか一度ためしてみたかっ
た。
2
1
1
昼間はお母さんが見張っていたので、できなかった。しかしある日、
少しのあいだお母さんが巣を留守にした。
「やってみよう!」と、長男。次男に。
「なにをためらってるのさ!」と、末っ子。
3兄弟は、うろから、明るい日射しのなかへ出た。ふくろぅの夜用の
目は、まぶしくてほとんど見えなかった。
長男は、となりの木の
|
暗黒の地球帝国
/ST/ENT_4_5_2/
「了解」と、パイロット席にいる仕官。
「伍長」と、アーチャーは、女性兵士に命じた。「トゥポルを、第2貨
物室へ!」そして、トゥポルに。「スリバンの遮蔽しゃへい装置がある。機関室
に運び、トリップとインストールしろ!」
トゥポルは、じっとしていた。
「この任務を成功させるためには、遮蔽装置がいる」
トゥポルは、女性兵士に護衛されて、出て行った。
アーチャーは、ブリッジを見渡してから、船長席にゆっくり座った。
18
17
2
宇宙を航行する、エンタープライズ。
「航星日誌」と、アーチャー。「船長、ジョナサンアーチャー。クルー
は、なんの混乱もなく、命令に従った。機関主任、タッカーによれば、
6時間後には、遮蔽が可能になるという」
副長室。アーチャーは、ライフル銃を見ていた。
「どうやら、命令は本当らしいですね」と、トゥポル。
「らしい?」と、アーチャー。「きみは、私に
|
ロープ魔術
/FB3/RopeTrick/
ロープ魔術
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ジョージダネル夫妻は━━━妻はエルシーで、ふたりは、世界1周の
ハネムーン中だった。20年目の結婚記念日からはじまった2度目のハ
ネムーン。最初のときは、ジョージが30代、エルシーが20代だった。
ということは、今は、ジョージが50代、エルシーが40代だった。
不惑の40代は━━━この言葉は、男性だけでなく女性にもあてはま
るが、この2度目のハネムーンの最初の3週間で起こったことに、より
正確には、起こらなかったことに、とてもとても失望していた。正直に
言えば、ほんとうになにも、まったくなにも起こらなかった。
2
1
1
カルカッタに着くまでは。
ふたりは、お昼すぎにホテルにチェックインして、市街地の大半を半
日かけてゆっくり見たあと、夕方までそこで過ごすことにした。
|
殺人レッスン
/FB4/Lesson/
少年たちは、巧みな才能でニックネームをつける。体がにお
っていたわけではない。少年として、両親に週1回はフロへ入るようし
つけられていたからだ。大人としては、いきな服装で、なにか油ぎった
かんじにこざっぱりしていた。実際に油ぎっていたわけではないから、
これは偏見だろう。ヘアオイルは使っていた。
そろそろ話を先に進めよう。スティンキーエバンズに戻って、レッス
ンその1から。その時、スティンキーは14才で、ギャングの仲間だっ
た。土曜の夜はいつも、10セントストアを襲ってポケットをいっぱい
にして店を出てくるようなギャングだった。ほとんどの連中はうまくや
っていて、つかまることはめったになかった。
ハリーキャランは、ギャングの親玉だった。ハリーは、ほかの少年た
ちよりすこし年上で、コネがあった。かみそりの刃やレコードプレーヤ
ーの針やらの20ドルの価値はありそうな雑多な寄せ集めを、ハリーの
4
3
|
星雲を越えて
/ST/StarTrek2016/
だれにも言うなよ!」と、カーク。
「まかせとき!ミスター気配りだぞ!」と、マッコイ。
◇
カークとマッコイは、ブリッジに戻った。
スクリーンに、ヨークタウン。十字コマが、透明の球体におおわれた
形だった。
「見事な基地ですね!」と、チェコフ。
「ああ、ホント、よくできてる!」と、スコット。
「こんなデッカイもん、作ったのか」と、マッコイ。「どっかの星、借
りればいいのに!」
「どこかの惑星とだけ懇意こんいにすれば」と、スポック。「中立性に、疑問
を持たれてしまいますから」
「だからって、作りゃいいのか?」と、マッコイ。「こんなスノーボー
ルみたいなもん、すぐに壊こわれそうだ!」
「おまえらしいよ、ボーンズ!」と、カーク。
◇
18
17
エンタープライズは、ヨークタウンの中へ入った。そこは、十字コマ
のヒダがハイウェイのように何本も縦横無尽に走り、その上に無数
|
ノヴァリアン試用版
/novelyan/guestroom/
TheHouse.nov
、
DeathOnTheMountain.nov
が、選択されているものとしています。(実際には、ユーザが指定します。)
よって、変換と表示をすぐに試せます。
(004.htm~006_P.htmは、初期化できません。)
2. 原稿ファイルを選択します。
原稿を、001.novとすると、novファイルは、
テキストファイルで作成してください。
漢字の文字コードは、すべて、UTF-8です。
(novファイルは、UTF-8以外のシフトJISなどでも、読み込めます。)
(お使い慣れたエディタなら、なんでもOKです。
おすすめは、viviエディタ 1.x フリー版です。担当者が使用しているのは、1.006ですが、今はないようですので、VIVI1006.LZHをゲストルームに置いておきます。オリジナルそのものです。適当なディレクトリに、右クリック・対象を保存で、保存したのち、解凍すれば、セットアップなしに使用できます。文字コードは、UTF-8やシフトJIS、その他すべての読み書き・変換ができます。)
拡張子はnovとします。
(.novは、NOVELYANの原稿ファイルです。)
小説は、すべて全角で書いてください。
半
|
アリスのルッグラン
/LC/AliceLooking/
アリスは、指の先を階段の手すりに触れているだけで、足を全く階段
に触れることなく、スムーズにすべり降りることができた。玄関もすべ
ったまま、ドアポストに触れることもなく、ドアの外へまっすぐに出た。
空中をすべっているあいだ、めまいはまったく感じなかった。外へ出て、
ふつうに歩けるのが楽しかった。
30
29
2
「庭は、遠くから見るといいのよ!」と、アリス。自分に。「丘の上か
ら見ましょう!ちょうど、丘に続く、まっすぐな道があるわ!いや、少
し違うかもしれない」(数ヤード歩くと、急なカーブがいくつも続いて
いた)「最後には、丘の上に行けるはずよ。でも、すごく曲がりくねっ
ていて、道というより渦巻うずまきね!いいわ、この道が丘の上に行くとして
━━━いや、違う、この道は、まっすぐ家の裏に戻ってしまうわ!それ
じゃ、別の道で行きましょう!」
登ったり、下ったり、曲がりく
|
ジバゴ
/SY/Zhivago/
警官。
「ユーリ、頼む。あしたは、トーニャが帰ってくるんだ」
足を怪我した女性は、警官ふたりに運ばれて行った。
家のドアまで戻ったユーリが、振り返ると、デモ隊の死者やケガ人は、
すべて運ばれて行った。
◇
母の洋装店に戻ったラーラ。鏡を見ながら、白いレースをかぶった自
分の顔を見ていた。
◇
翌朝、駅のホームに列車が入ってきた。
窓から身を乗り出して、手を振る女性。「ユーリ!」
「トーニャ!」と、ホームにいたユーリも、手を振って、列車を追った。
「ユーリ」と、列車から降りたトーニャ。
「おかえり」と、ユーリ。抱擁で出迎えた。
42
41
「パパ」と、トーニャは、父をみつけて駆け寄ると抱き合った。
「さぁ、行こう。むこうで、待ってるぞ、母さんが」と、父。
「ママ」と、トーニャは、ベンチにいる母をみつけて駆け寄ると抱き合
った。
「ママ、からだは、どう?」
「
|
帰ってきたカーン
/ST/StarTrek2013/
未熟だからだ」
カークは、黙ったまま、目を落とした。
34
33
◇
ロンドン。
ハリソンの家のラボ。
自分の血清を、50cc、容器に取り、携帯ケースに、指輪といっし
ょに収めた。
◇
ロンドンの病院、深夜。
娘の病室。妻は、ソファで寝ていた。
夫は、ハリソンから渡された、携帯ケースから、血清の入ったガラス
の容器を取り出した。それを、娘の点滴容器にセットし、血清が混入を
始めると、娘のモニター画面が、活発になった。
夫は、娘の頬にキスをした。
◇
ロンドン、宇宙艦隊のケルヴィン記念記録保管庫。
36
35
夫は、艦隊仕官の制服で、保管庫の前にいた。通りの向かいに、黒い
コートのハリソン。
夫は、保管庫に入ると、顔認証を受けた。
エレベータで、勤務
|
暗闇の間奏曲
/FB4/Interlude/
暗闇の間奏曲
原作:フレドリックブラウン、マックレイノルズ
アランフィールド
プロローグ
2
1
1
◇
(つづく)
4
3
|
ユスタックウィバーの短い生涯2
/FB3/Weaver2/
ユスタックウィバーの短い生涯2
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。手持
ちは2ドルしかなく、やっている近くの競馬場までの飛行機代にもなら
なかった。
2
1
1
ユスタックウィバーは、倉庫係として働いていたスーパーマーケット
の金庫にねらいをつけた。金庫には、少なくとも千ドルはあり、タイム
ロックだった。タイムロックは、タイムマシンにとってはあひるのスー
プ
|
ギーゼンスタック家
/FB1/TheGeezenstacks/
見上げました。窓からだれか、こっちを見
てないか注意しながら。しかし、だれもいませんでした。箱を持ち上げ
てみると、それほど重くはなく、ただの箱でした。リボンもそんなふう
でしたので、誰かが、捨てるために、投げたのではないようです。箱が
落ちてきたことで、すこしショックを受けて」
「わかった、わかった」と、サムウォルターズ。「すこし落ち着いて。
だれが落としたのか、まだ、聞いてないよ」
「そう、それで、ロジャープレースの4階までの住人に訊きいてゆくと、
たまたま、みんな在宅でしたが、だれもその箱を見たことがないと。ぼ
くは、そのあたりのテラスからと思えたのですが」
「なかみは、なんなの、ディック?」と、エディス。
「人形が、4体。今夜、オーブリーのために持ってきました。もしも、
気に入れば」
彼が、包みをひらくと、オーブリーは叫んだ。
「ああ、なんて、リチャードおじさん、すてきなお人形だわ」
「ふーん」と、サム。「人形というより、マネキンだな、ディック。服
がすばらしいかんじだね。一つ100ドルはしそうだ。ほんとに、所有
者がわからなかったのかい?」
リチャードは、肩をすくめた。「さっぱりです。お話したように、4
8
7
|
ナイトゥアンディ
/SY/KAndDy/
「いいわ」と、ジューン。トイレの鏡に。
24
23
茶のネクタイの男が、ふたたび、ナイフで切りかかってきたので、ロ
イは、席のシートで何度も防御した。さらに、ロイは、席のベルトをと
って、ヌンチャクかわりにした。
「これも」と、ジューン。香水スプレーをまいた。
ロイは、席のベルトを振り回していたが、肘掛ひじかけに引っかかってしまっ
た。茶のネクタイの男の攻撃に後退したが、トイレの前のカーテンを使
って、男を殴って、壁に何度もぶつけた。
「入ってま~す!」と、ジューン。
ロイは、茶のネクタイの男を蹴けり倒した
「やめろ!終わりだ、ロイ!」と、客室乗務員の男。拳銃を構えた。
「そうだな」と、ロイ。「やめよう!」
「ゼファーは、どこだ?」と、男。
ロイは、隙すきを見て、拳銃を叩き落とし、男を殴った。男の頭が天井に
当たって、酸素マスクが出た。そのコードで男の首をしめた。
「なぜ
|
歩兵
/FB1/Sentry/
歩兵
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、ぬれて、泥だらけで、ひどくおなかがすいて、寒かった。しか
も、故郷の星から、5万光年も離れた星にいた。
奇妙な青い太陽が、かがやいていた。重力も、彼の星の2倍もあって、
動くのも、困難だった。
1万年のあいだ、戦況は、変わらなかった。空軍のパイロットたちは、
流線型の宇宙船に、ファンシーな武器が使えて、上機嫌だった。チップ
が地上にバラまかれると、歩兵めがけて、地面をはってきて、足という
足は、すべて、血で染められた。
2
1
このひどい惑星に、上陸するとは、彼は、まったく、聞かされていな
かった。惑星の地表は、エイリアンたちも、そこにいるがゆえに、神聖
なる戦場だった。そのエイリアンたちは、この銀河に存在する、われわ
れ以外の、唯一の知的生命体であった。冷酷で、みにくく、
|
ある日どこかで
/SY/SomewhereInTime/
ある日どこかで
原作:リチャードマシスン
リチャードマシスン
プロローグ
◇
2
1
◇
1
(つづく)
4
3
|
つくられた記憶
/ST/DS9_4_5_3/
「どういうことです?」
「チーフ、急にこう言われても信じられないでしょうけど、あなたは服
役してないの。あなたが経験したことは、作られた現実よ。脳に働きか
けるプログラムによって、作り出されたイメージを見たに過ぎないの」
「なに?」と、オブライエン。
「少佐の言うとおりです。我々は犯罪者に服役したという記憶を与える
のです。その受刑者の人格に合わせてね。その方が実際に刑務所に収容
するより効率的だし、効果もあるのです」
「つまり、あなたが刑務所で体験したと思っていること、記憶している
ことは、全部イメージなの。現実じゃないのよ」と、キラ少佐。
「いやぁ、僕には現実だ。すべて現実です」
6
5
1
「どうやらチーフは、アグラッサの技術に興味を抱き、いろいろと質問
したらしんだ。そこで当局にスパイ容疑で逮捕されてしまった」
シスコ大佐は、マイルズオブライエンの室で、妻の
|
失われた文明1透明人間
/FB3/Discovery1/
2
1
1
プレーターは、ねずみにさまざまな血清を注射して、突然変異をもた
らす注射を発見しようとしていた。3019匹目のねずみに注射したと
き、ねずみは消えた。ねずみは、まだ、そこにいて、手のひらに乗せれ
ば感じるが、体毛もつめも見ることができなかった。プレーターは、慎
重にねずみをケージに入れた。2時間後、ねずみはふたたび現われた。
どこにも傷はなかった。
プレーターは、注射の量をさまざまに変えて実験を繰り返し、ねずみ
を24時間まで透明にすることができた。これ以上の量だと、ねずみは
病気になるか昏睡状態になった。また、分かったことは、ねずみは透明
のあいだに死ぬと、死んだ瞬間に姿を現すということだった。
発見の重要性に気づくと、英国に辞表を提出して使者をやめ、家に閉
じこもって、自分自身を実験台にして実験を始めた。少しの注射では、
わずか数分のあいだだけ透明になった。彼の耐久力が、ねずみの耐久力
と同等になるまで、実験を繰り返し、24時間まで透明になれる注射の
量を見つけた。それ以上だと、やはり病気になった。もうひとつ分かっ
たことは、体は見えなくなるが、義歯は見えるので、口を閉じる必要が
あり、全裸であることが肝心で、服はいっしょに透明にはならなかった。
4
3
|
チャンスふたたび
/FB3/SecondChance/
結果が違ってくることはありうる。
2
1
1
シカゴホワイトソックスの選手たちがフィールドに出てきて、内野で
ボールをまわし始めた。先発ピッチャーのウィンは、マウンドでボール
を受けとると、ウォームアップピッチングを始めた。クルツェフスキー
がファースト、フォックスがセカンド、グッドマンがサード、そして、
アパリシオがショートだった。ドジャーズのギリアムは1番バッターと
して打席に、ニールが2番で控えサークルに出てきた。
彼らは、その名前のオリジナルプレイヤーではもちろんなかった。彼
らは、アンドロイドで、人造人間だが、ロボットと違うのは、金属でな
く、伸縮自在のプラスティックでできていて、実験室で培養された筋肉
で動き、人間の正確な複製としてデザインされていた。500年前のオ
リジナルプレイヤーと、可能な限り同じレプリカだった。はるか昔の選
手たちを再
|
ナスティ
/FB3/Nasty/
プロローグ
ウォルタービュレガードは、この50年間というもの、情熱的にして、
完成された好きものであった。今、65才の年になって、好きもの協会
の会員資格をなくすかもしれない危機を迎えた。なくす危機?いや、正
直に言おう、彼はなくしたのだ。この3年間、彼は、医者から医者、偽
医者から偽医者、妙薬から妙薬へと渡り歩いた。すべては、まったく、
なんの効果もなかった。
2
1
1
ついに、ビュレガードは、占いや魔法の本を思い出した。膨大な蔵書
の一部として、集めたり、読んだりするのを楽しんでいた。しかし、そ
れらを、まじめにとらえたことはなかった。今までは。今、彼に、なに
か、失うものがあっただろうか?
かびの生えた、悪のにおいのする、稀少本の1冊に、求めるものを発
見した。書かれているとおりに、5頂点の星型を描き、秘密のマークを
コピーして、ろ
|
アンドロメダⅡの来訪者
/FB/AllGoodBems/
「違うよ、トゥーツ」と、犬。「ちょっと違うよ」
「エルモ!どうやって犬の口を動かしてるの?まるで━━━」彼女は、
犬の顔を見てから、エルモを見て、言いかけてやめた。エルモスコット
が少しも怖こわがなかったら、モーリスエヴァンスよりすごい役者だったこ
とになる。彼女は、ふたたび「エルモ!」と呼んだが、少し怖がって涙
声になった。足を踏み鳴らすのをやめて、エルモのひざにもたれ、抱き
かかえられた。そうしなかったら、床に倒れていたかもしれなかった。
「驚かないで、トゥーツ」と、犬。
「おまえがどうなったにせよ」と、エルモスコット。少し我にかえった。
「オレのワイフをトゥーツと呼ぶのはやめろ!彼女の名前は、ドロシー
だよ!」
「きみは、トゥーツと呼んでいる」
「そこは、ちょっと違う!」
「わかったよ」と、犬。口が笑いかけのようにゆがんでいた。「きみが
ワイフという言葉を使う時に、きみの心に浮かぶ概念は興味深い。ここ
8
7
|
そよぐ幻影
/OT/SoyoguGenei/
そよぐ幻影げんえい
大手おおて拓次たくじ
あなたは ひかりのなかに さうらうとしてよろめく花はな、
あなたは はてしなくくもりゆく こゑのなかの ひとつの魚うを、
こころを したたらし、
ことばを おぼろに けはひして、
あをく かろがろと ゆめをかさねる。
あなたは みづのうへにうかび ながれつつ
ゆふぐれの とほいしづけさをよぶ。
あなたは すがたのない うみのともしび、
あなたは たえまなく うまれでる 生涯しょうがいの花はなしべ、
あなたは みえ、
あなたは かくれ、
あなたは よろよろとして わたしの心のこころなかに 咲さきにほふ。
みづいろの あをいまぼろしの あゆみくるとき、
わたしは そこともなく ただよひ、
ふかぶかとして ゆめにおぼれる。
ふりしきるさざめきのやうに
わたしのこころは ながれ ながれて、
ほのぼのと 死しのくちびるのうへに たはむれる。
あなたは みちもなくゆきかふ むらむらとしたかげ、
かげは にほやかに もつれ、
かげは やさしく ふきみだれる。
(昭和八年六月二十九日)
2
1
|
聖なる神殿の謎
/ST/DS9_1_1_1/
と、キラ少佐の声。
「そんなことはないだろう」と、コンソールの声。
シスコ中佐は、オフィスに入った。
「こんなやり方では、なにもかも、水の泡です。わからないんですか!」
「君はどうかしている」と、コンソールの声。
「そう思うなら、今後、私には、意見を求めないでください!」
キラ少佐は、通信コンソールを切った。
「なに?」と、キラ少佐は、入り口に立ったシスコ中佐に言った。
「ベンジャミンシスコだ」
「室を明渡せって?」
「いや、確かに、それもあるが、その前に顔を見て、挨拶をしようと思
ってね」
「ご丁寧に!」
「なにか問題でもあったのか?」
「聞かない方がいいと思いますよ」
「どうして?」
18
17
「私は、本当のことを、づけづけ言いますから。人が聞きたくないこと
までね」
「是非、聞きたいな」
「私は、連邦の駐屯軍を置くことには、反対です!」
「ベイジョーの臨時政府の要請だ」
「
|
報復戦隊
/FB3/Fleet/
プロローグ
侵略者は、はるかかなたの暗黒の宇宙からやってきた。
金星に向かうと、それを破壊した。250万の地球からの移住者は、
ひとり残らず数分で命を落とした。2つの衛星、フローラとファウナに
いた人々も同じ運命をたどった。
侵略者の武器は強力で、急襲された金星の大気は燃焼して蒸発した。
無防備で、予想もしない攻撃だったので、金星は1発の反撃もせずに壊かい
滅めつした。
侵略者は、つぎに太陽からもうひとつ外側の惑星、地球へ向かった。
2
1
1
こんどは状況が違った。地球では迎撃体制が整っていた。もちろん侵
略者が太陽系に到着した数分のうちに準備したのではなく、そのとき地
球は、2820年、火星植民地と戦闘状態にあった。火星は地球の半分
まで人口増加が進み、独立戦争を始めた。金星が侵略者に攻撃されたと
き、地球戦隊と火星戦隊は月の近くで戦おうと
|
ファイナルアンサー
/FB2/Answer/
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
デュワーイブは、おごそかに、最後の接続を金で溶接した。12台の
亜空間中継カメラが、彼に向けられ、彼の動きはそのまま、12画面で
全宇宙に立体中継されていた。
デュワーイブは、まっすぐに立ったまま、デュワーレインにうなづく
と、スイッチのある場所まで移動した。そのスイッチが押されると、連
結が完了することになる。ただちにすべての、960億の惑星にある、
巨大コンピュータのすべてを、この1つのサイバネティックマシンに、
1つの人工知能に直結する。全銀河の全知識が、1つに統合されること
になる。
2
1
1
デュワーレインは、無数の聴衆にむかって、簡潔に話した。しばらく
の沈黙ののち、彼は、言った。
「スイッチをどうぞ、デュワーイブ」
デュワーイブは、スイッチを入れた。大きなハム音が響いて、9
|
ボディスナッチャー
/SY/BodySnatcher/
と、店主のミスターテン。
「ミセステン、これ、コーヒーのしみ」
「いや、違うね」と、ミセステン。
「コーヒーだよ」
26
25
「落ちないよ」ミセステンは、伝票を渡して、白衣を奥へ運んだ。
マシューが、店を出ようとすると、ミスターテンが声をかけた。
「医者だろ?」
「役人だ。衛生局の」ミスターテンのところへ行った。「医者に用か?」
「妻が、病気だ」
「どこが、悪い?」
「妻が、違うんだ!」
「奥さんが?」
「妻じゃない!」
「違う?」
「そう、違うんだ。別の女だ」ミスターテンは、奥に行った。ミセステ
ンが、白衣を持ったまま、マシューの方を見ていた。
マシューは、店を出た。ゴミ収集車が、ゴミを圧縮していた。公園を、
通ると、バンジョー弾きに声をかけた。
「やぁ、ハリー!プーチも元気か?」犬のプーチは、マシューに尻尾を
振った。
衛生局のオフィスから、マシューは、リサに電話をかけた
|
ケンタウロス
/FB1/HorseRace/
と、ロバーツ。すぐに、返答した。この距離での通信は、今の
ような、超光速通信では、かなりの電力ロスにつながるので、できるだ
け、早く、会話を切り上げたかった。
「では、その惑星については?」
「そこに行ったことはありません。知ってるのは、2つの居住可能な惑
星があるということだけです」
「そのとおりです。内側の惑星には、われわれとさほど変わらない、人
族が住んでいます。外側の惑星には、外見上は、地球の馬と似た民族が
住んでいます。ただし、彼らには、3対目の足があって、追加の2本の
手として使用できるため、かなり高い文明水準を達成しました。彼らの
正式名称は、地球人には発音しづらいので、単に、馬族と、呼ばれてい
ます。彼らは、この名称の由来が、馬であることを知っていますが、気
にしていません。それほど、神経質な性格ではないのです」
「そうですか」と、ロバーツ。ブランドも、うなづいた。
「どちらの惑星も、超光速ではないものの、宇宙飛行は可能な水準に達
しています。ふたつの惑星の間には━━━宇宙ガイドで、名前か座標で
調べれば、すぐ、わかるように━━━小惑星帯があります。太陽系にあ
るものと似ていますが、ずっと、大規模です。ふたつの惑星の公転軌道
の中間に、かつてあった、巨大惑星が崩壊した残骸ざんがいです。
ふたつの惑星には、鉱物資源がそれほど多くはありませんが、小惑星
4
3
|
レッドダイアモンド
/RD/RedDiamond/
レッドは、市場の新鮮な肉を見るように彼女を2度見した。そんなこ
とがありえるだろうか?彼女には、安っぽいバーにまったく似合わない
非現実的な輝きがあった。
「フィフィ?」と、レッド。誰にも聞こえない声でつぶやいた。レッド
は、彼女が話したくないようなこともして、落ちぶれていった過去を知
っていた。レッドは、彼女を見つめた。顔つきは少し違っていた。体と
髪はそのままだった。
「なに見てんだ?」と、ブラッド。
一瞬レッドは、話しかけられたことに気づかなかった。レッドは、ブ
ラッドを無視した。
ブラッドは、レッドに近づいた。緑のスーツと金のイアリングは、ニ
ヤニヤしていた。フィフィは、あきあきしているように見えた。
「ケンカはやめてくれ!」と、バーテンダー。彼は、ブラッドの凶暴な
性格を知っていた。
「ケンカなんかしないさ!」と、ブラッド。「やつに、オレのレディを
じろじろ見たことをあやまってもらいたいだけさ!」
緑のスーツと金のイアリングは、声に出さずに笑った。フィフィは、
自分のツメを見ていた。
「よう、聞こえてんのか?あやまったらどうだ?」
ブラッドの周りから、客は離れ、何人かはシャムロックを出て行った。
124
123
|
オールウェイズ
/SY/Always/
オールウェイズ
原作:デイビットベーム、チャンドラースプレイグ
ジェリーベルソン
プロローグ
◇
2
1
1
(つづく)
4
3
|
イェフディの法則
/FB2/TheYehudiPrinciple/
プロローグ
オレは、冷静さを失いかけている。
チャーリースワンも、同じく、冷静さを失いかけている。おそらく、
オレよりも、もっと、ひどく。それは、そもそもが、チャーリーがしで
かしたことだからだ。どういうことかというと、チャーリーがそれを作
って、それがなんで、どう動くかを、知っていたはずだからだ。
チャーリーは、それについて、イェフディの法則と、冗談で言った。
あるいは、冗談だと思って、言った。
「イェフディの法則?」と、オレ。
2
1
1
「そう、イェフディの法則」と、チャーリー。「ここにはいない、小人
の法則さ。ヤツがやってくれるのさ」
「やるって、なにを?」オレは、知りたがった。
ここで、それが、なにか説明しておこう。それは、ヘッドバンドで、
ちょうど、チャーリーの頭に合っていた。額のひたいところに、薬の容器より
やや大きめの、黒い丸い箱が付
|
SFミステリー (小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン) ライトノベル風
/
二.
サイト 内 検索
をリリースしました。
三.
郵便番号検索
をリリースしました。
四.
世界の国旗
をリリースしました。
五.
和暦⇔西暦・早見表
で、令和を新年号としました。
六.
広告ページを
としました。
(
ページ:ネットゲーム・健康広告あり
ページ、その他:広告なし)
◇◆Alt-P (印刷ページ)Enterで、広告なしに移れます◇◆
左
中央:初出年月・初放映日・初出雑誌・他
右
七.
宝くじMission
に、ビンゴ5(N8)を追加しました。
or
and
京 都 大原
星 銀河
夢 心
人形 宇宙船
月 夜 花 光
月 夜 花 光
、 ◇
令 和
SFミステリー
「トゥーフ!」 キャビア マーストラリア ビックマック 記憶
ホラー シリウス コロシウム ナスティ アボミっぽい 「ギャーッ!」 ねずみ アリス
SFミステリー
☆原作:フレドリックブラウンより☆
|
小さな子羊よ
/FB/TheLittleLamb/
小さな子羊よ
原作:フレドリックブラウン
ランベスシモーヌ
プロローグ
彼女は、夕食の時間に戻らなかった。8時になっても戻らなかった。
冷蔵庫からハムを出して、自分用のサンドイッチを作った。全く心配は
していなかったが、少し落ち着かなくなった。窓際を歩いたり、丘から
街の方角を見下ろしたが、彼女が歩く姿はなかった。
2
1
月明かりの夜で、明るく澄んでいた。街頭の明かりは点々と、丘の曲
線は、黄の大きい月に、青に黒を重ねて、続いていた。ここを描かくべき
気がしたが、月はだめだ。誰でも画えに月を入れたとたん、それは、こっ
けいで、こぎれいな画えになってしまう。ヴァンゴッホは星空の画えに月を
入れたが、これは、こぎれいどころか、驚嘆 きょうたんする画えだった。ただ、彼は
これを描かいたとき、正気ではなかった。正気な人間は、なかなか、ヴァ
ン
|
ねずみ
/FB1/Mouse/
1
ビルヒラーは、窓枠にいるシャムネコのやわらかい毛をなでる、手を
とめた。
「ビューティ、あれは、なんだろう?」と、ビル。とまどいながら。
しかし、シャムネコは、答えず、ゴロゴロとのどを鳴らすのをやめた。
ビルがなでるのを、やめたからだ。彼女は、ビルとは違う、なにかを感
じていた。たぶん、ビルの指が、急に、こわばって硬くなったとか、ネ
コ特有の予知能力や、モードの違いを感じ取る能力で。彼女は、背中で
1回転した。
「ミャオー」と、ビューティ。強く、訴えるように。
ビルは、彼女に答えず、公園通りをはさんで起こった、信じられない
できごとに、心を奪われていた。
それは、葉巻タイプで、長さは、7フィート、直径は、最も太いとこ
ろで、2フィートだった。サイズからいったら、ちょっと大きめの、お
もちゃ飛行船であったが、窓と向かいの空中50フィートに出現するの
を、初めて見たときから、ビルは、それが、おもちゃであるとは、まっ
たく思わなかった。
それは、あえて呼ぶなら、エイリアンだったが、そう呼んでも、それ
が、なんであるかを示してなかった。エイリアンとか地球のものとかは、
4
3
|
天使が死ぬ時
/TS/TheHabit/
天使が死ぬ時
ジョンメレディスルーカス
プロローグ
「リチャードキンブル」と、ナレーター。リチャードが、なにか話して
いる映像。「職業医師。正しかるべき正義も、時として、盲めしいることが
ある」てんびんを左手で持ち、目隠しをされている女神像の写真。「彼
は、身に覚えのない、妻殺しの罪で、死刑を宣告され、護送の途中で、
列車事故にあって、からくも、脱走した」ジェラード警部の写真。列車
事故の写真。逃亡生活の写真。
2
1
「髪の色を変え、重労働に耐えながら、犯行現場から、走りさった、片
腕の男をさがし求める」リチャードの車のヘッドライトに驚く、片腕の
男の写真。片腕の男の顔のアップ。「彼は、逃げる。執拗しつようなジェラード
警部の追跡をかわしながら。現在を、今夜を、そして、明日あ すを生きるた
めに━━━」
1
州境の山道に張られた検問
|
SFミステリー ライトノベル風
/CO/cmt/
Top
感想・
感想の表示
(画像提供:
ISFDB)
感想ありがとうございます。
以下の項目に、ご記入ください。
(全項目ご記入ください。
感想の表示に掲載される場合は、全角のみとなりますので、
できるだけ、全角のみでお願いします。
メールの送信は、
をクリックしてください。)
作品名:
ニックネーム:
感想:
(画像提供:
ISFDB)
SFミステリー 小説家自動生成異次元空間 ノヴァリアン
NOVELYAN 1.20 (株)美利崎人 (ビリザキト)
NOVELYst AutogeNerating dimensional space
試用版 ゲストルーム
原稿(novファイル)を書き始めた瞬間、あなたは、すでに、ノヴァリスト!
presented by bilyzkid
◆◇◆◇◆◇
1.自分のオリジナル作品を、非公開URLにて、掲載可能です。
表示は、縦書きで、ルビ可能です。PC上から、印刷可能です。
2.出版
|
サアルバの国
/FB1/DeathOnTheMountain/
サアルバの国
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、山の斜面の小屋に住んでいた。たまに、山頂に登ると、谷を見
下ろした。彼の赤いサンダルは、山頂の雪の上に、血のしたたりのよう
に、脱ぎ捨ててあった。
谷には、人々が暮らし、そして、死んでいった。彼は、人々を観察し
ていた。
彼は、あるとき、山頂にただよう雲を見た。雲は、奇妙な形をしてい
た。その形は、時々刻々変化し、船であったり、城であったり、馬であ
ったりした。ごくたまに、雲は、彼以外は、だれも見たことのないよう
2
1
な形になった。彼は、それを、夢で見ていたのだ。ただよう雲の奇妙な
かたちのなかに、夢で見たかたちを、見つけた。
1
小屋のドア口でひとりたたずんで、毎朝、地面のしずくから昇ってく
る太陽を見ていた。谷に住む人たちは、彼に、太陽は昇るのではなく
|
オーマイガー
/FB2/Jaycee/
オーマイガー
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
「ウォルター、ジェーシーってなんなの?」と、ラルストン夫人は、朝
食のテーブルで、夫のドクターラルストンに訊きいた。
「たぶん、ジュニア商工会議のメンバーを指す言葉だと思うよ。そうい
う会議が、まだあるかどうか知らないけど。なぜだい?」
「マルシアが言っていたんだけど、きのう、ヘンリーが、ジェーシーが
どうのこうのって、ぶつぶつ言っていたそうよ。5000万のジェーシ
ーがどうとかって。マルシアがたずねると、バチあたりな口をきいたそ
うよ」
2
1
マルシアは、グラハム夫人のことで、ヘンリーは、夫のドクターグラ
ハムのことだった。おとなりさんで、ふたりとも仲のよい友人であった。
「5000万━━━」と、ドクターラルストン。なにかを考えながら。
「その数字は、ジェーシーの数のようだな」
|
八甲田 歩のスペースドライバー日誌
/RM/SpaceDriver/
タワー
「東京駅まで!」と、料亭のおかみさんふう女性。
「ここからだったら、新目白通りを抜けてゆくのが断然早いわよ!」
「いいわ、私が教えてあげる!そこの高戸橋を右に曲がって新目白通り
に入ってくれる?」
「高速道路に沿って、飯田橋を抜けて」
「皇居に出たら、お堀ぞいに行くと」
「ほら、東京タワーが一番よく見える場所に出るから」
「ここで左折すれば、正面が東京駅よ!」
「あら、今夜のタワーは、ずいぶんブルーなかんじだこと!」
2
1
想おもふ雲
「それって、なんなの?」と、女の子。
「どれ?これなら、安全の全の字よ」と、お母さん。
「金の字かと思った!」
「あら、金の字も忘れてしまったの?最近、覚えたばかりじゃない?」
「知ってるわよ!ただ、金の字をそう書く人もいるのかなって思ったの」
4
3
|
エコーバック
/FB3/Rebound/
エコーバック
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
パワーが、どこともなくやって来て、突然、ラリースネルに宿やどった。
なぜ宿やどったのか、分からない。ただ、やって来た。それだけだった。
それは、もっと好青年に起こればよかったのだろうが、スネルは、と
るに足らない盗人ぬすっとで、盗んだあとどう逃げるかばかり考えていた。しか
し、収入の大半は、闇チケットやパーティ券を若者に売って稼いでいた。
すこし太り気味でだらしなく、中央に寄った目が、実際よりさもしく見
せていた。唯一救われる点は、臆病だおくびょうったことで、それで、彼は、暴力
犯罪に関わることは一切なかった。
2
1
1
ある夜、スネルは、食堂の電話ブースで、競馬のノミ屋と、その日の
午後のレースで電話で賭けた当たり馬券が、3連単か3連複かで、言い
争いをしていた。つい
|
あごひげ彩か
/FB3/Beard/
あごひげ彩か
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
マリアンヌは、父親があごひげ彩さやかなビリーを彼女の結婚相手にした
ことに、驚いた。悪く驚いた。
ビリーには不吉なものがあった。体格がよいことも、タカのような目
も、マリアンヌを見る目線も、不吉だった。それに、うわさがあった。
もちろんただのうわさだが、前になん人もの妻がいて、妻たちがどうな
ったか誰も知らないという。
クローセットの中になにか隠していて、奇妙な仕事をしていた。なか
を見たり、絶対にそこに入ったりしないように言われていた。
2
1
1
マリアンヌは、きょうまでは、ビリーの言うことを守っていた。クロ
ーセットのドアをあけようとして、カギがかかっていることを知っても、
やはり守っていた。
しかし、今、マリアンヌは、ドアの前にカギを持って立っていた。彼
女は、
|
天使は淋しい道を行く
/TS/LonelyRoad/
「リチャードキンブル」と、ナレーター。リチャードは、列車で護送さ
れている途中であった。「職業医師。目的地、州刑務所の死刑執行室」
窓際にすわって、となりのジェラード警部に、タバコを1本もらった。
「リチャードキンブルは、無実であった。だが、彼は、自分の容疑をは
らすに足る事実を、立証できなかった。彼は、妻の遺体を発見する直前、
片腕の男が、うちから走り出すのを見たが、その男は、ついに、発見さ
れなかった」
2
1
リチャードは、タバコに火をつけてから、窓の外を見た。「彼の眺め
る最後の世界は、暗く、闇のなかに沈んでいた。しかし、その暗黒の中
に、運命のはかり知れない力が、潜ひそんでいたのだ━━━」
列車は、切り替え線を越えて、脱線し、転倒した。
人々は、転倒した列車から降りて、歩き出した。
リチャードは、手錠をしたまま、森を走った。小さな泉に飛び
|
ファブクリップ
/FB5/FabClip/
子どものように歌いながら。
「いち、に、さん、オーレイリー、よん、ご、ろく、オーレイリー、な
な、はち━━━」
しかし、夢を見ながら、オレは目覚めていた。こんなふうにある状態
にあるのに、別の状態でもあるのは分かりにくい。エレベータが動く音
が夢のなかのように聞こえ、だれかが廊下を歩いている音がして、エレ
ベータが下へ降りたあと、ベッドのそばの床に置いた目覚まし時計のチ
ックタック音がして、今にもアラームが鳴りそうな音になった。
1
オレは、アラームを止めて寝返りをうった。しかし、もう目覚めてい
て眠りには戻れなかった。夢は、消えかかっていた。なぜトロンボーン
を手に?それは、オレがずっと夢見てきたからだ。なぜガーディがやっ
て来て、オレを起こした?
もう起きる時間だった。おやじは、昨夜は外で飲んでいて、オレが眠
るときは、まだ帰ってなかった。今朝は起きるのがたいへんだろう。
きょうは仕事に行きたくなかった。オレは、アム叔父さんに会いに、
ジェーンズビル行きの列車に乗りたかった。アムは、サーカスで働いて
6
5
いた。オレが8才だったときから、10年会ってなかっ
|
白の悪夢
/FB3/NightmareInWhite/
白の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、突然目覚めた。完全に目覚めていて、眠るつもりもなかったの
に、なぜ眠ってしまったのかと訝りいぶかながら、すぐに腕時計の蛍光文字板
を見た。文字板がなければ真っ暗闇の中で、明るく光っていた。11時
数分過ぎだった。彼はホッとした。ほんの少し、うたた寝しただけだっ
た。このソファに横になってから、まだ30分もたっていなかった。妻
がおやすみを言いに来るには、まだ早い。彼の姉が、完全に眠り、寝息
をたてるまで待ってからだ。
2
1
1
それは、バカらしい話だった。ふたりは、3週間前に結婚したばかり
で、ハネムーンの帰りだった。ふたりが別々に寝るのは、これが初めて
だった━━━すべては、彼の姉のデボラが、帰り道の途中にある自分の
アパートに泊まってゆくよう、バカらしい提案をし
|
武器
/FB2/TheWeapon/
武器
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
室は、夕暮れのなかで、静まりかえっていた。ジェームズグラハム博
士は、主要プロジェクトの中心メンバーの科学者であったが、お気に入
りのイスにすわり、考えごとをしていた。隣の室で、彼の息子が、絵本
をめくる音さえ聞こえてきそうなほど、静かだった。
2
1
1
グラハムは、このようなときに、もっとも創造的で、すばらしい仕事
をした。昼間の雑用から解放されて、自宅の薄暗い室に、ひとりすわり
ながら。しかし、今夜は、彼の心は乱れて、建設的な方向に進まなかっ
た。考えていたのは、隣の室にいる、精神的に未発達の息子のことだっ
た。おもに感じていたのは、愛情であって、数年前に、息子のことを初
めて聞かされた時に感じたような、怒りでは、なかった。少年は、幸せ
だった。それで、じゅうぶ
|
ファーストコンタクト
/FB3/Contact/
ファーストコンタクト
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ダルローは、室で瞑想めいそうしていた。引き戸の外に、ノックの思考波を感
じたので、引き戸にあけと念じた。引き戸はあいた。
「どうぞ、友よ」と、ダルロー。テレバシーで伝えることもできたが、
ふたりだけのときは、しゃべるのが礼儀となっていた。
イヨンキーが入ってきた。「もう夜も遅いですよ、村長」
「そうだな、キー。1時間で地球のロケットが着陸するので、それを見
たいのだ」
2
1
1
「もしも地球人の計算が正しければ」と、ダルロー。「千マイル先にな
ることは知っている。地平線の先だ。もしもその2倍先だったとしても、
水爆の閃光は見えるし、このファーストコンタクトを待ち望んでいた。
今度のロケットは無人だが、地球人にとってファーストコンタクトにな
る。われわれのテレパス
|
“スペーステロリスト”ターナロス
/ST/DS9_1_1_2/
4
3
ドクターベシアは、ターボリフトを降りるとすぐに、チーフオブライ
エンに駆け寄った。
「ねぇ、ねぇ、今、お茶を飲んでいたら、誰に話し掛けられたと思う?」
「少佐、第3目標塔、48時間閉鎖します」と、オブライエンは、キラ
少佐に言った。
「スパイだよ、例のガラックっていうやつです」と、ドクターベシアは
今度は、シスコ中佐に言った。
「スパイだなんていうのは、ただの噂だ」と、シスコ中佐。
「いやぁ、違う、話せばわかります。向こうから名乗って、積極的に話
し掛けてきたんですよ。あれは、僕に目を付けたんだ、絶対そうですよ」
「なんのために目を付けたと言うの?」と、ダックス中尉。
「わからないけど、医療機密かもしれない、僕は絶対、漏らしませんか
らね」
「もちろん、君を信じている」と、シスコ中佐。
「そうだ、ねぇ、オブライエン、僕に監視装置を付けた方がいいよ、万
一のために、だって、狙ねらわれているかも」
「そこまでする必要はないだろう、すこし、頭を冷やせ」と、シスコ中
佐。
「小型艇が回避行動をとっています、そのあとをカーデシア艦が追跡中」
と、キラ少佐。
6
|
ブラックジョーク
/FB4/Joke/
ブラックジョーク
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
2
1
1
◇
(つづく)
4
3
|
暗闇の家
/FB1/TheHouse/
暗闇の家
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、家のポーチまで来ると、中に入るのを、すこしためらった。背
後の道や、道端みちばたにはえた緑の木々や、黄の平原、遠い丘、それに、明る
い陽射しも、これが、最後の、見おさめだった。それから、ドアをあけ、
中へ入った。背後で、ドアが閉まった。
うしろを振り返ると、あるのは、ただの壁で、ドアノブも鍵穴も、ド
アのへりさえなかった。へりがあったとしても、うまくまわりの壁に溶
け込んで、輪郭さえ見つけられなかった。
2
1
1
目の前にあるのは、くもの巣のように広がる広間だった。床には、ほ
こりが厚くつもり、その先には、細く曲がりくねった通路が、2匹の小
さな、へびか、あるいは、2匹の大きな、いも虫のように、続いていた。
暗く見えにくい通路で、右の方の最初のドアに近づくまで、気
|
アリスのアンダラン
/LC/AliceUnderGround/
1回か2回、マギーが読んでいる本を
のぞいてみたが、そこには、さし絵も会話もなかった。
「さし絵も会話もない本なんて、なんの価値があるのかしら?」と、ア
リス。自分に。
アリスは、心のなかで話していたので、(暑い日ですごく眠くて、頭
はボーッとしながら)デイジーの花のチェーンを作るのは起き上がる価
値があると、デイジーの花を摘つんでいると、アリスのすぐ近くを、ピン
クの目をした白のウサギが走っていった。
2
1
1
そのこと自体におかしなことはなにもなかったし、ウサギがこう自分
に言うのを聞いてもとても自然に思えた。
「あ~、なんてこった!遅刻だ!」
(あとで思い起こすと、すこしは不思議に感じてもよかったが、このと
きは、すべて自然にみえた)しかし、ウサギがチョッキのポケットから
時計を出して、それを見て、走りだすと、アリスも走りだして、心に浮
かんだのは、
|
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
/FB2/Reconciliation/
すい星はさりゆくとも やがて きたらむ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
夜の外は、静かで、星がまたたいていた。けれど、室内は、殺気だっ
ていた。男と女が、数フィート離れて立ち、お互いを憎しみに満ちた目
で、にらみつけていた。
男のこぶしは、固く握られ、いまにもパンチを繰り出しそうであった。
女の指は、広げられ、かぎつめのようにカーブさせていた。しかし、ふ
たりとも、腕は、脇から離さなかった。ふたりとも、良識ある市民であ
った。
2
1
1
「キライよ」と、女。声が低くなった。「アンタのすべてがキライよ」
「キサマの方こそ。キサマの贅沢のために、さんざんしぼり取られたあ
げく、こっちには、もう、キサマのエゴのために、バカなものを買わさ
れるカネさえ残ってないんだ」
「それは、ウソよ。アンタだって、それがウソだってわかっ
|
ユスタックウィバーの短い生涯3
/FB3/Weaver3/
ユスタックウィバーの短い生涯3
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
競馬や株式投資ですぐに信じられない金持ちになれるだろう。
ただ、問題は、今は無一文だということだった。
ユスタックウィバーは、ふいに、働いていたスーパーマーケットの金
庫を思い出した。金庫は、タイムロックだった。タイムロックは、タイ
ムマシンがあれば汗ひとつかかずにあけられた。
2
1
1
ユスタックウィバーは、自分のベッドに座って考えた。ポケットに手
を入れて、タバコを出すと、紙幣が出てきた。10ドル札で100ドル
あった。ほかのポケットにも手を入れると、何枚も出てきた。ベッドに
並べて、高額紙幣や低額紙幣、ざっと1
|
ネコどろぼう
/FB3/CatBurglar/
ネコどろぼう
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ミッドランドシティ警察の署長は、2匹のダックスフンドを飼ってい
た。名前は、リトルノートとロングリメンバーだった。しかしこのこと
は、ネコどろぼうとは全く関係ない。このストーリーは、いわゆる署長
が、一見すると不可解な一連のどろぼうに━━━ひとりの男の犯罪に興
味をもったその関心事から始まる。
どろぼうは数週間で、19の家に侵入した。見たところ犯罪は計画的
だった。侵入した家にはかならずネコがいた共通点があったからだ。
どろぼうはネコだけを盗んだ。
2
1
1
たまには、現金が見えるとこにあったり、宝石があったが、どろぼう
は目もくれなかった。家主が帰ると、窓やドアがこじあけられ、ネコが
いないことを発見するが、ほかに盗まれたものはなく、室を荒らされて
もい
|
ハンスカーベルのリング
/FB3/HansCarvel/
ハンスカーベルのリング
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
(ラブレーの作品を現代風にアレンジ)
プロローグ
むかしむかしフランスのあるところに、お金持ちですこし高齢のハン
スカーベルという宝石商がいた。ハンスカーベルは、研究熱心で教養も
あり、みんなに好かれていた。暮らしはつつましくなにかに失敗したわ
けでもなかったが、ハンスカーベルは、この年まで独身だった。60才
前後だという。正確な年は教えてくれなかった。
この年になって、ハンスカーベルは、宮廷の執行官の娘と恋に落ちた。
活発で元気な娘で、宮廷の王の食卓に料理を運ぶ女給をしていた。
ハンスカーベルは、その娘と結婚した。
2
1
1
幸せな新婚生活だったが、ハンスカーベルは、若い妻に疑いを持ち始
めた。妻を深く愛してはいても、妻は元気がよすぎて活発すぎるのでは
ないかという気が
|
おばばのバースデイ
/FB3/GrannysBirthday/
おばばのバースデイ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ハルペリン家は、とても強い絆できずな結ばれた家族だった。ウェードスミ
スは、非ハルペリン家のふたりのうちのひとりで、自分には家族がなか
ったので、この結びつきがうらやましかった。しかし、羨望せんぼうは、手にし
たグラスの柔らかい光のなかに閉じ込めた。
きょうは、ハルペリンおばばの、80才のバースデイパーティであっ
た。
2
1
1
スミスともうひとりを除いた全員が、ハルペリン家でハルペリンの姓せい
だった。おばばには、3人の息子と娘がひとりいて、みんな集まってい
た。3人の息子はみんな結婚していて、妻たちもいた。おばばも合わせ
て、8人のハルペリン家がいた。さらに、4人の孫がいて、そのうちの
ひとりには妻がいたので、合計13人のハルペリン家がいた。スミスと、
|
聖フランチェスコ
/SY/SunMoon/
聖フランチェスコ
原作:ジョヴァンニディピエトロディベルナルドーネ
フランコゼフィレッリ、
リナウェルトミューラー、
スーゾチェッキダミーコ、ケネスロス
プロローグ
2
1
◇
1
(つづく)
4
3
|
ハーフベア
/FB3/Bear/
ハーフベア
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
もしも病院の待合室で、行ったり来たりしながらタバコに━━━たい
ていは間違えてフィルターの先に火をつけて、なにかを待っている父親
を見たら、その仕草からどんなに心配か分かるだろう。
しかしそれが心配だと思うなら、今、出産室の外のローカでうろうろ
している、ジョナサンクインビーをひと目見てほしい。クインビーは、
タバコのフィルターの先に火をつけて、そのまま吸っても違いが分かり
もしないのだ。
ジョナサンクインビーは、たしかに心配ごとを抱えていた。
2
1
1
始まりは、最後に動物園を訪れた夜だった。「最後に」は2つの意味
でそうだった。1つは、クインビーが1マイル以内には近づかないとい
うことであり、もう1つは、妻も近づかないということだった。彼女は
落ちて、そう、穴の中へ
|
葬送曲
/FB3/Recessional/
葬送曲
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
王は、われわれの君主であるが、意気消沈していた。しかし王を責め
られない。戦いは長きにわたり、つらいものとなっていたからだ。悲し
くも、生き残ったものはわずかとなったが、まだ希望をもっていた。王
が女王を失ったことは、とても悲しく、われわれも女王を愛していた。
だが、女王はブラックの女王とともに討ち死にしたので、戦いのロスに
はなってない。王は、力の頂点にいるべき人だが、彼の励ましの言葉は、
敗北への怖おそれに満ち、違って聞こえた。だが、われわれは王を愛し、ひ
とりずつ彼のために命を落とした。
2
1
1
われわれは王を守るために、血だらけの平原でひとりずつ命を落とし
た。ここは、騎士が生きてたころに馬が泥を蹴けち散らしていた場所だった。
騎士も今では━━━われわれの騎士もブラッ
|
黄の悪夢
/FB2/NightmareInYellow/
黄の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、目覚まし時計の音で目覚めた。音を止めたあとも、しばらくベ
ッドのうえに横になったまま、その日の昼間に実行する盗みと、夜中に
実行する殺人の計画を考えながら、最後の時間をすごした。
どんなささいな事柄でも、見逃してはならなかった。しかし、これは、
最終チェックだった。今夜の8時46分に、彼は自由になるのだ。あら
ゆる意味で、自由に。
2
1
1
今夜を選んだのは、今日が彼の40回目の誕生日で、夜中の8時46
分が、まさに彼が生まれた瞬間だったからだ。時刻まで詳しく知ってい
るのは、母が占星術にこっていて、生まれたときのことを、なんども聞
かされていたからだった。彼自身は、迷信深くはなかったが、40才で
新しい人生を、正確な時刻にはじめることは、彼のユーモアのセンスに
|
グレーの悪夢
/FB3/NightmareInGray/
グレーの悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、すばらしい気分で目覚めた。明るい春の日射しが暖かく降りそ
そいでいた。30分くらいうたた寝していたようだ。暖かい太陽の影は、
寝ているあいだにわずかに角度を変えた。公園のベンチで座ったまま、
わずかに頭が下がり、前のめりになっていた。
公園は、夏よりやさしい春の緑であふれていた。その日は、重要な日
で、彼は若く、恋に落ちていた。すばらしい恋。目がくらむ恋。幸せに
なれたのは、昨夜のことで、土曜の夜だった。
2
1
彼は、スーザンに結婚を申し込み、スーザンはそれを受け入れたよう
に見えた。スーザンは、イエスと言う代わりにこう言ったのだ。
「そうね、返事をする前に、あした、うちに来て、家族に会ってほしい
の。うちの家族みんなを愛してほしいし、わたしと同じように、うちの
家
|
青の悪夢
/FB3/NightmareInBlue/
青の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
彼は、今まで見たことのないような輝く青の朝に目覚めた。ベッドの
脇の窓から、ほとんど信じられない青空が見えた。ジョージは、すぐに
ベッドからすべり出ると、完全に目覚め、休暇の1日目のほんの1分も
無駄にしたくなかった。しかし妻を起こさないように、静かに服を着た。
休暇のために1週間友人から借りたロッジに着いたのは、昨夜遅くで、
ウィルマは旅にとても疲れていて、すこしでも長く寝かせてあげたかっ
たのだ。靴も居間に行ってからはいた。
2
1
1
息子のトミーは、まだ5才だが、髪をくしゃくしゃにして、寝ていた
子ども室から出てきて、あくびをした。
「朝ごはんは、いるかい?」と、ジョージ。トミーはうなづいた。「服
を着てから、台所に来なさい」
ジョージは台所に行ったが、朝食を始める
|
ヴァヴェリ
/FB/TheWaveries/
2
1
プロローグ
地球侵略の号砲は、何百万人もの人間に聞こえたが、それほど大きな
ものではなかった。ジョージベイリーは、その何百万人もの人間のひと
りであった。わたしが、ジョージベイリーを選んだのは、侵略者の正体
を、10の100乗光年内で言い当てた唯一の人間だったからだ。
ジョージベイリーは、酔っていた。そのような状況のもとでは、彼を
責められない。彼は、もっとも低級なテレビコマーシャルを見ていた。
見たいわけでも、ほとんどその必要もなかったのだが、MID放送局の
上司、J・R・マクギーに命令されたからだ。
ジョージベイリーは、テレビコマーシャルのコピーを書いていた。コ
マーシャルよりも、もっと憎んでいたものは、テレビであった。ここで
は、自分のプライベートの時間を使って、ライバル放送局のむかむかす
るようなコマーシャルを見ていた。
「ベイリー
|
殺人アシスタント
/FB3/Hobbyist/
殺人アシスタント
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
「うわさを聞いたんだが」と、サングストロム。「そんなものがあると」
サングストロムは、まわりを見まわして、小さな薬局の店主以外はだ
れもいないことを確認した。店主は、ふしくれだった小鬼のよう背の低
い男で、年は50から100ならどの年齢にも見えた。ほかにはだれも
いなかったが、それでも、サングストロムは、声を下げて同じことをき
いた。
「ここには、けっして検知されない毒薬があると━━━」
2
1
1
店主はうなづいた。カウンターをまわって薬局の入り口に鍵をかけ、
カウンターのうしろのドアへ向かった。
「これから休憩です」と、店主。「コーヒーをいっしょにどうです?」
サングストロムは、店主のあとについて、カウンターのうしろの室に
入った。その室は、床から天井までびっし
|
失われた文明3永遠の生命
/FB3/Discovery3/
失われた文明3永遠の生命
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
20世紀に発見されたが失われた大きな発見の3番目は、永遠の生命
の秘密だった。
これは、はっきりしないが、モスクワのイバノビッチスメタコフスキ
ーという化学者が1978年に発見した。スメタコフスキーは、どのよ
うにして発見し、どのようにしてそれを試す前に有効なことを知ったの
かについての記録を残さなかった。2つの理由から、彼がそれを身が凍こお
るほど怖おそれていたからだ。
2
1
1
スメタコフスキーは、それを世界に発表することを怖おそれていた。自分
の政府にさえ、一度報告すれば、秘密はすぐに鉄のカーテンを漏れて、
世界に混乱をもたらすだろう。USSRはうまく処理できるだろうが、
ほかの野蛮で不道徳な国では、永遠の生命の薬は、たちまち人口爆発を
|
ティラノサウルス
/FB1/Runaround/
ティラノサウルス
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
長い日々のあいだ、彼は、空腹の森をぬけ、低い木や砂の、空腹の平
原を横切り、のっそりとさまよった。大きな水に流れこんでいる、静寂
の流れのわきに沿って、さらに、さまよった。いつも、空腹だった。
ずっと、長いあいだ、空腹だった。
たまに、食べられそうなものがいたが、いつも小さかった。ひづめの
あるやつだったり、足指が3つだったりした。みんな、とても小さかっ
た。そんなやつらの1匹では、彼のものすごい食欲のほんの1片しか満
たしてくれなかった。
2
1
それに、小さいやつらは、とてもすばしっこく走った。やつらを見つ
けて、大きな口からよだれをたらしながら地面をゆらして突進してゆく
と、やつらは、木々のあいだを毛皮のいなづまのように、さっと、どこ
かへ行ってしまった。やつらをつ
|
緑の世界
/FB/SomethingGreen/
緑の世界
原作:フレドリックブラウン
ドロシーコットン
プロローグ
巨大な太陽が、青紫の空に、赤く輝いていた。茶の平原のはずれには、
茶の茂みが点在てんざいし、赤いジャングルが始まっていた。
マクガリーは、赤いジャングルにむかって歩きはじめた。赤いジャン
グルでの探索たんさくは、タフな仕事であり、非常に危険だった。しかし、それ
は、やりとげなければならなかった。いままでに、すでに、千個の赤い
ジャングルを探索した。これは、単に、次の1個に過ぎなかった。
2
1
「さぁ、いくぞ、ドロシー。準備は、いいかい?」と、マクガリー。
小さな5本足の生物は、肩の上で休んでいたが、なにもこたえなかっ
た。その生物は、いつもこたえなかったが、話しかける相手にはなるし、
仲間でもあった。大きさや重さは、驚くほどに、肩の上におかれた手に
似ていた。
ドロシー
|
バーニングマン
/TZ/TheBurningMan/
バーニングマン
原作:レイブラッドベリ
J・D・フェイセルソン
プロローグ
オープンカーが、未舗装の道を、ほこりを上げて、走っていた。
「おばさん、体が燃えそうだ!」と、助手席の少年。運転している、ロ
ーリーに。
「もうすぐ、湖に飛び込めるわ、アンドレ!」と、ローリー。薄ピンク
のドレスに、薄ピンクの帽子を、スカーフでくくっていた。
「この気温の高さは、異常だ!38度くらい?」
「もっと、よ!ここ十数年では、もっとも暑い7月みたい」
2
1
1
そのとき、顔が埃だほこりらけの、ダニーが立ち上がった。ダニーは、57
になったばかりだった。服は、茶柄のネクタイに薄茶のスーツだったが、
やはり、埃だほこりらけだった。
「見てよ!」と、アンドレ。
ダニーは、道の真ん中に出てきて、両手をあげていた。ローリーは、
車を止めた。
「止まるとは、驚いたね
|
アンラッキー
/FB1/Unfortunately/
アンラッキー
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
ラルフNCー5は、監視スクリーンのアルクトゥルス第4惑星を見て、
安堵あんどのためいきをついた。コンピュータが、そう、教えてくれたのだ。
アルクトゥルス第4惑星は、ここでは、唯一の、人が住んでいる、居住
可能な惑星で、となりの太陽系まで、数光年離れていた。
彼は、食料を必要としていた。燃料や水は、じゅうぶんだったが、冥めい
王おう星の兵站へいたん部は、彼の偵察艇に物資を補充する際、食料を補充しわすれ
た。宇宙マニュアルによると、アルクトゥルス第4惑星の原住民は、友
好的だった。頼めば、なんでも与えてくれるという。
2
1
マニュアルには、この点について、詳細に記述されていた。自動操縦
で、着陸を指示すると、アルクトゥルス星人に関する記述を再読した。
「アルクトゥルス星人は」と、ラルフN
|
パターン
/FB2/Pattern/
パターン
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ミスメーシーは、鼻で笑った。
「なぜ、みんなは、そんなに心配するのかしら。彼らはなんにもしやし
ないじゃない?そうでしょ?」
町では、どこでも、パニック状態であった。しかし、ミスメーシーの
庭は、静かだった。彼女が静かに見上げる先には、モンスターように巨
大な、1マイルはあろうかというインヴェイダーたちの姿があった。
1週間前に、彼らは、100マイルの長さの宇宙船を、アリゾナ砂漠
に静かに着陸させて、地球にやってきた。1000人近い数の仲間が、
宇宙船から出てきて、今も、そこらじゅうを歩きまわっていた。
2
1
1
しかし、ミスメーシーの言うように、彼らは、なにも、あるいは、だ
れも、傷つけなかった。彼らは、人々に影響するほどは、実体的ではな
かった。1匹が、人を踏みつけたり、
|
赤の悪夢
/FB1/NightmareInRed/
赤の悪夢
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
彼は、なにによって起こされたのか、わからないまま、目が覚めた。
最初のゆれのあと、1分で、2回目のゆれが来た。ベッドが少しゆれ、
タンスの上の小物が、ガタガタと、音をたてた。3回目のゆれを、横に
なったまま、待っていたが、来なかった。その時までは、来なかった。
ほとんど目が覚めてしまっていて、もう、眠ることができなかった。
時計の夜光盤を見ると、まだ、真夜中の3時であった。ベッドから出て、
パジャマのまま、窓のところまで歩いた。暗い空に、点滅する光が見え
た。夜の音が聞こえた。どこかで、ベル。
2
1
しかし、なぜ、この時間にベルなんか?災害を知らせるベルなのか?
ここの軽いゆれが、どこか近くで、大きな地震につながったのだろうか?
あるいは、これから、ほんとうの地震が来る、とい
|
気まぐれ
/FB1/Experiment/
気まぐれ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
「諸君、タイムマシン第1号です」と、ジョンソン教授。ふたりの同
僚の教授に、誇らしげに、報告した。「ただし、これは、実験用の小規
模モデルです。重さは、1・5kgまで。移動できる時間は、過去にも、
未来にも、12分までです。しかし、ちゃんと、動きます」
小規模モデルは、台の下の部分に、2つのダイヤルを備えた、郵便料
金計測用はかりのような形だった。
ジョンソン教授は、小さな金属製の立方体の物体を持ち上げた。
「実験用の物体です」と、教授。「これは、しんちゅう製で、520g
あります。最初、これを、5分、未来に送ります」
2
1
教授は、前かがみになって、タイムマシンのダイヤルのひとつをセッ
トした。
「時計を見ていてください」と、教授。
ふたりの同僚の教授は、自分の時計を見た。ジョンソン教授
|
悪魔のジョーカー
/TZ/DealersChoice/
ウェスクラーベン
プロローグ
夜。ピートの居間。
男たちが、テーブルを囲んで、和気あいあいと、トランプゲームに興
じていた。
「友達とのポーカー」と、ナレーター。「という、ささやかな楽しみが、
究極の賭けになるときもあります。テーブルの上のワイルドカードが、
ゲームの鍵を握る、ミステリーゾーン」
2
1
1
コールがかかって、ジミーが自分の手を見せた。
「キングまでの、ストレート!お前は?」
「6とジャックのフルハウス!」と、ニック。手を見せた。
それを、見て、一同そろって、ため息をついた。
「また、フルハウスか!」と、ピート。「ニックだっけ?」
「そう、ニック」と、ニック。
「誰の代わり?」
「なに?」
「代理だろ?」
「ああ、いとこのノーマン」
「病気になったか?」
「だから、家にいる」
「じゃあ、始めよう!」と、トニー。くわえタバコで
|
アボミっぽい
/FB3/Abominable/
アボミっぽい
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
シャウンシーアサートン卿は、キャンプを手伝ってくれていたシェル
パに、手を振って別れを告げ、その先は、ひとりで進んだ。ここは、ヒ
マラヤのエベレスト山の北数百マイル、アボミっぽい、つまり、忌いまわ
しいスノーマンの国だった。アボミっぽいスノーマンは、しばしば、エ
ベレストやチベット、ネパールの山々に現われた。しかし、オブリモフ
山は、今、彼が現地ガイドと別れた山だが、シェルパは、彼を心配して、
ほんとうに山に登る気なのか、引き返せる地点まで、待っていてくれた。
ここを越えるのは、勇敢な男だった。シャウンシー卿も、そうだった。
2
1
1
シャウンシー卿は、女性の目利きでもあった。ここでひとりで挑戦す
る理由がそれで、危険な登山というだけでなく、危険な救出でもあった。
もしも
|
致命的なミス
/FB3/FatalError/
致命的なミス
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ウォルターバクスターは、探偵推理小説の熱心な読者だったので、叔父お じ
の殺害には、どんなささいなミスも許されないことを知っていた。
そして、ミスをしないためには、シンプルイズベストだった。単純明
快なこと。見破られないアリバイ工作なんてない。複雑な手口もだめ。
赤のニシンなんてないのだ。
小さなニシンならいいかもしれない。とても小さなもの。叔父お じの家に
どろぼうに入って、現金を盗み、殺人はたまたまだったことにする。さ
もなければ、ウォルターが唯一の相続人であるからすぐに疑われる。
2
1
1
ウォルターバクスターは、小さなバールも、時間をかけて、決して自
分までトレースされないようにして入手した。小さなバールは、道具に
も武器にもなった。
注意深く、どんなつまら
|
世界の終わり
/FB/TheEnd/
世界の終わり
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
ジョーンズ教授は、なん年もの間、時間理論の研究に、携たずさわっていた。
「時間は、ある種の場ばなんだ。私が設計したこの機械は、その場を自由
に操作することさえできるんだ」
そう言って、教授は、機械のボタンを押した。
「これで、時間の流れは、逆になるはずだ━━━」
2
1
◇
教室の一同は、一瞬、息をのんだが、すぐにざわつき始めた。
「なんだね、ジョアンナ君」と教授。
「先生、何事も起こってないようですけれども━━━」と、手を挙あげた
生徒。
「それは、君が、時間という場の内側にいるからさ。時間の流れという
ものは、時間の場のひとつの属性にすぎん。
今、この機械は、過去から未来へ流れる時間の流れを逆にしたのだが、
場の内側にいる存在にとっては、すでに来てしまった未来は、
|
ヴァンパイア
/FB/Blood/
ヴァンパイア
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
ヴェロンとドリーナは、ヴァンパイアの最後の生き残りであった。ふ
たりは、タイムマシンで未来へと渡り、人々の迫害はくがいと殺戮さつりくから逃れるこ
とを決意した。
ふたりは、タイムマシンの中で、手に手を取り合い、自分たちの恐怖
と空腹を、慰なぐさめ合った。
22世紀に降り立つと、ふたりは、すぐに正体を見破られた。
人々は、ふたりを発見したことで、ヴァンパイアの伝説は、伝説なん
かではなく、事実であることを再確認した。ヴァンパイアを見つけ出し
殺害する自動システムによって、追い詰められたが、ふたりは、なんと
かタイムマシンに逃がれ、さらなる未来へと向かった。
2
1
遥はるかな未来、ヴァンパイアという言葉さえ忘れ去られ、ふたりが安心
して、暮らし、子孫しそんをふやしていける未来へ━━━。
「
|
ユスタックウィバーの短い生涯1
/FB3/Weaver1/
ユスタックウィバーの短い生涯1
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ユスタックウィバーは、タイムマシンを発明したとき、とてもいい気
分だった。発明を秘密にしておく限り、世界を意のままにできるだろう。
予想もしない大金持ちになれるだろう。
必要なことは、未来にちょっと行って、値上がりする株や勝ち馬を見
てくるだけだ。あとは、今に戻って、その株や馬券を買えばいい。
株式投資するには資金が必要だったので、まずは、競馬だった。競馬
なら、2ドルから始めて、すぐに数千ドルにできるだろう。
2
1
1
しかし、顔見知りのノミ屋がすぐに破産してしまい、ほかにノミ屋を
知らなかったので、競馬場に行く必要があった。今やっている競馬は、
南カルフォルニアとフロリダだけで、どちらも同じ距離、飛行機代は、
だいたい100ドルだ
|
恐怖のウイルス
/ST/DS9_1_2_1/
なだめてもすかしても、まともに動かない
のよ」と、キラ少佐。
「これで、どうかな?やってみてくください」と、オブライエン。
「はは、ご機嫌が直ったようね」
「ああ、ううん」チーフオブライエンは、少しめまいがした。
「少し休んできた方がいいわよ」と、キラ少佐。
「へへ、そんな暇ありませんよ。でも、5分だけでいいですから、ゆっ
6
5
くりしたいですよ」と、オブライエン。
「ああ!チーフ。レプリケータの修理は、まだなのか?」と、シスコ大
佐。
「ああ、申し訳ありませんでした。なにか忘れていたとは思っていたん
ですよ。テクニカルチーフたるもの、仕事が残っているのに、座っての
んびりしていては、いけませんね。ハハハハ、直ちに修理いたします」
マイルズオブライエンは、レプリケータの修理に取り掛かった。
「レプリケータの修理は?コンソールが壊れちゃったの、チーフ。貨物
ステーションに配属
|
終わり良ければ
/FB1/HappyEnding/
プロローグ
宇宙船から発射された、救命艇には、4人の男が乗っていた。3人は、
まだ、銀河防衛軍の軍服のままだった。4人目の男は、救命艇の機首に
座り、前方を見ていた。前かがみで、じっとして、宇宙の低温に耐えら
れる、断熱用の厚いコートを着ていた。こんな厚いコートが必要になる
とは、きょうの朝には、想像さえしていなかった。帽子のふちは、ひた
い深く引き下げられ、暗いサングラスから、海岸の近くを注意して見て
いた。顔の下半分は、まるで、くだけたアゴを守るように、包帯がまか
れていた。
2
1
彼は、救命艇のなかでは、暗いサングラスなんて必要ないことに気づ
いて、サングラスを取った。彼の目には、ずっと、灰色に見えていた世
界が、突然、鮮やかな色を取り戻した。まばたきして、また、前方を見
た。
救命艇は、ビーチの海岸線の上を飛んでいた。砂浜は、故郷の星では、
|
いつもふたりで
/SY/TwoForTheRoad/
床の下を
さがし始めた。「失礼!さがしものを!」
「バッグには?」と、船員。
「ない!盗まれたんだ!」
「まさか!」
10
9
「英国のパスポートは、ナボリの闇市で、100ポンドだ!」
「ここは、フランスです」
「もっと高いかも!見つかるまで、この船で何往復もする!なにをして
いる!」
ジョアンナは、マークのバッグをさぐっていた。
「見ろ!やっぱり、盗人ぬすっとが」
ジョアンナは、マークのパスポートを取り出し、手でつまんで振った。
「どうも」マークは、立ち上がって、礼を言った。
「どういたしまして」と、ジョアンナ。
マークがリュックを持ち上げると、中のものがすべて階段の下に落ち
た。マークは、下に降りて、リュックをまとめているうちに、パスポー
トがないことに気づいた。ジョアンナになにか言おうと、振り返った。
「あう、あう」パスポートは、マークの口にあった。
◇
「結婚
|
夢、遥かなる地にて
/ST/DS9_6_4_1/
シスコ大佐のオフィスは、沈痛な雰囲気に包まれていた。
カーデシア国境近辺の警備にあたっていた連邦の艦船が一隻、消息を
絶ってからすでに10時間が経過していた。
「ディファイアントが該当地区を6時間も捜索していますけど、生存者
が居そうな痕跡は、全くありません」
キラ少佐の報告に、シスコ司令官は、やり切れない苛立ちを感じた。
「コルテスは、いい船だった」
「ああ、スワフォード艦長は友人でしたね」
2
1
「私の紹介で結婚したんだ」
「カーデシア境界のパトロールは、ますます危険になっています。いつ
ジェムハダーの戦闘機に、出くわさないとも限りません」
「シャンパンのコルクを抜くのが早すぎたようだな。ディープスペース
ナイン奪還で誰もが、戦争は終わったと思った、ドミニオン軍をカーデ
シア領域に追い返したんだからな」
「大佐もわたしも気を抜いてはいなかったでしょ」
|
まだ終わりじゃない
/FB3/NotYet/
まだ終わりじゃない
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
金属キューブの光には、不気味なグリーンの色合いがあった。コント
ロールパネルのかすかなグリーンが、座っている生物のぞっとする白の
肌を照らしていた。
頭の真ん中に面のような目がひとつあり、7つのダイアルを瞬きまばたせず
に見ていた。彼らはサンダーの生き残りで、決してダイアルから目を離
さなかった。カー388Yが属す種族は、眠ることがなかった。目の下
の鋭く冷酷な姿をひと目見れば、それが分かった。
2
1
1
4番目と7番目のダイアルの矢印が止まった。それは、キューブが空
間に停止して、目標物を捕らえたことを意味した。カーは、右の上肢を
伸ばしてスタビライザースイッチに触れた。それから、立ち上がり凝っ
た筋肉を伸ばした。
カーは顔を、キューブにいる自分と同じ生物の
|
パペットショー
/FB2/PuppetShow/
アランフィールド
プロローグ
8月の泡立つような暑い日の午後、ホラーは、チェリーベルにやって
きた。
8月は、言うまでもなく、アリゾナ州、チェリーベルでは、連日、焼
けつくように暑かった。国道89号線で、だいたい、トゥーソンの南4
0マイル、メキシコ国境の北30マイルにあった。
2
1
1
国道の両側には、両方向の旅行者めあてに、ガソリンスタンドや、食
料品店、ビールとワイン専門の居酒屋や、国境まで待てない人たちのた
めに、派手な色彩の肩掛けのセラーペや、編革サンダルのヒュアラーチ
を売る店や、ハンバーガーショップ、それに、数十軒のメキシコ系アメ
リカ人の住む家があった。メキシコ系アメリカ人たちは、南の国境の町
のノガーレスで働いていて、なぜか、チェリーベルに住んで、時にはT
型フォードで、通勤する方がよかったのだ。
国道の看板には、
|
失われた文明2不死
/FB3/Discovery2/
失われた文明2不死
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
失われた大きな発見の2番目は、不死の秘密だった。
不死の秘密は、1952年、合衆国海軍無線技師のポールヒッケンド
ルフ中尉が発見した。その装置は小さな箱に入った電子基盤で、ポケッ
トに入れて手軽に持ち運べた。箱のスイッチをオンにすると、装置を持
っている人のまわりがフォースフィールドで覆おおわれ、その力の強さは、
ヒッケンドルフのたくみな数学で計算しても、ほとんど無限であった。
2
1
1
フォースフィールドは、いかなる熱や放射線も完全にシャットアウト
した。
ヒッケンドルフ中尉の計算によると、人間は━━━男だろうが女だろ
うが、子どもでも犬でも━━━このフォースフィールドの中にいれば、
至近距離で水爆が爆発しても守られ、かすり傷さえ負わなかっ
|
ミットキーあらわる
/FB1/TheStarMouse/
アランフィールド
プロローグ
ねずみのミットキーは、そのときは、ミットキーではなかった。
彼は、ほかと変わらぬ、ただの、ねずみだった。オッペルバーガー教
授の家の、ゆか板としっくいのうしろに住んでいた。教授は、以前は、
ヴィエンナとハイデルベルグの家に住んでいた。ハイデルベルグは、オ
ッペルバーガーのある強力なものを、あまりに賞賛するがために、ドイ
ツから亡命してきた。彼が賞賛したのは、オッペルバーガーではなく、
失敗に終わったロケット燃料の副産物として生じた、あるガスであった。
このガスは、別の目的としてみれば、大成功であった。
2
1
1
オッペルバーガーが、ふたりに、正しい方程式を教えたかどうかは、
もちろん、気になるところだが、とにかく、教授は、逃げるのが得策と
考えて、今は、コネチカットの家に住んでいた。それで、ミットキーも、
そこに。
|
カトゥーニスト
/FB4/Cartoonist/
カトゥーニスト
原作:フレドリックブラウン、マックレイノルズ
アランフィールド
プロローグ
2
1
1
◇
(つづく)
4
3
|
空想せよ
/FB1/Imagine/
空想せよ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
空想せよ。
さまざまな幽霊。神々。悪魔たち。
空想せよ。
いろいろな地獄や天国。空中に浮遊する都市や、海中に沈んだ都市。
ユニコーンやケンタウロス。魔女や魔法使い。精霊のジンやバンシー。
天使やハルピュイア。魔力や魔法。4大元素、守護神、悪霊。
空想するのは、かんたんだ。
何千年のあいだ、人類は、これらすべてを、空想してきた。
2
1
空想せよ。
宇宙船や未来を。
空想するのは、かんたんだ。
未来は、現実にやってくるし、宇宙船も登場する。
それでは、空想するのは、むずかしいものは、あるだろうか?
もちろん、ある。
空想せよ。
ひとつぶの物質を。
そのなかに、あなたがいて、目覚め、考え、
それゆえ、自分が存在することがわかり、
自分が入っている、ひとつ
|
オレとフラップジャックとマルスd星人
/FB4/Flapjack/
オレとフラップジャックとマルスd星人
原作:フレドリックブラウン、マックレイノルズ
アランフィールド
プロローグ
2
1
1
◇
(つづく)
4
3
|
屋根の上の少女
/TZ/IfSheDies/
デービットバネットカレン、ジョンハンコック
プロローグ
夜の山の景色。
窓が閉まると、壁にも、星空。
惑星が回っている上に、胎児、蜘蛛、浮き雲、木馬。
赤ちゃん人形の顔、土人のお面。
水爆実験、窓。
そして、ナレーターのロッドサーリングの映像。
星空のバック。
「ミステリーゾーン」のタイトル。
2
1
1
朝。閑静な住宅街。
「パパ、急いで!」
キッチンで、キャシーが、フレンチトーストを作っていた。キャシー
は、今年から、小学校に通っていた。
「今、行くよ!」と、ポール。
「パパ、早く来て!」
「分かってる、行くってば!」
やっと、ポールがキッチンに出てきた。スーツを着ていた、
「なぜ、そんなに急いでいるんだ?」
「学校に遅刻する」キャシーは、できたてのトーストを、お皿に盛り付
けた。
「大丈夫さ。服装チェックしてくれ!」
キャシ
|
幻の指揮官
/ST/VGR_6_1_4/
センプレアモビエ、レティアビエゾ、インピアンニイゾ、
2
1
ヘメンゾニイロ、ラドンナモッピエ、クアルピュアアルデント、ムタダ
チェエント、エディペシェル、エディペンシェリ、エー~
「トゥヴォック」と、トムパリスは、トゥヴォックに声をかけた。感情
のないはずのバルカン人のトゥヴォックは、ドクターの歌を聞きながら、
嗚咽を始めていた。
~エーディンペショオ~
「ハハハハッ」と、トゥヴォック。トゥヴォックは笑いながらイスか
らころげ落ちた。トムパリスは、ふたたびトゥヴォックに声をかけて抱
き起こそうとしたが、トゥヴォックにつき返された。乗員たちはそれを
見て、みな、イスから立ち上がった。
「ジェインウェイより保安部、すぐ食堂に来て!」と、艦長は通信バッ
ジに呼びかけた。乗員がトゥヴォックを取り押さえようとした。
「下がって!」と、ドクター。「ポンファーの季節なんだよ、ホルモン
の変化で発情期に入ったんだ」
トゥヴォックは、乗員を払いのけ、銃を奪って構えた。「今は口で言
っても無駄だ」と、ドクター。
~トゥヴォック、わかるよ、きみはバルカン、もう7年も、なしでき
|
ミットキーふたたび
/FB1/MitkeyRidesAgain/
たしかに、いつもあった。普通のチーズとは、限らなかった。ロキュ
フォートやベアケース、ハンドチーズやカマンベール、時には、ネズミ
が住みついているかような、ネズミにとっては、すばらしい楽園の味が
する、輸入物のスイス産チーズであったりした。
1
ミニートは、よく食べ、ミットキーもよく食べた。壁にも穴があり、
床板の穴も大きかったことは幸運で、そうでなければ、ぽっちゃりたち
の通れる穴はなくなっていた。
なにか別のことが、起こりつつあった。なにか楽しいことだが、教授
は知っていて、心配していたことだった。
小さな心の暗闇に、壁の中を、ねずみが、ちょこちょこ、はいまわる
のとは違う、渦巻きが現われた。奇妙な記憶の、渦巻き。言葉や意味の、
記憶。ロケットの暗い個室での、耳をつんざく騒音の、記憶。チーズや
4
3
ミニートや暗闇よりも、ずっと、重要な、記憶。
ゆっくり
|
地球人は出ていけ
/FB1/KeepOut/
地球人は出ていけ
原作:フレドリックブラウン
アランフィールド
プロローグ
ダプティンというのが、略称だ。最初は、アダプティンと呼ばれてい
たのが、ダプティンと、略されて呼ばれるようになった。それは、ぼく
たちを、適応させてくれるのだ。
10才の時に、みんなに説明された。彼らは、ぼくたちが10才にな
らなければ、理解できないと思っていたようだが、みんなは、すでに、
多くを知っていた。火星に着陸すると、すぐに、話してくれた。
「きみたちの故郷だよ、生徒諸君」と、主任の先生。ぼくたちのために
建設してくれた、プラスチック製のドームに入ってから、講義が始まっ
た。この夜の、特別講義は、とても重要なもので、全員、出席するよう
に言われていた。
その夜、先生は、ぼくたちに、なぜなのかやなんのためにも含めた、
すべてを、話してくれた。先生は、ぼくたちの前に立っていた。もちろ
ん、寒さを遮断する宇宙服を着て、ヘルメットをかぶっていた。ドーム
2
1
の気温は、ぼくたちにとって、適温だったが、先生にとっては、すでに、
凍るように寒く、空気も、すでに、先生にとっては、
|